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3年B組ベリーズ工房 其の四

1 :名無し募集中。。。:2006/04/13(木) 23:57:13 ID:Nj6A2hcZ0
また落ちたので羊にきますた・・

2 :名無し募集中。。。:2006/04/14(金) 00:14:02 ID:ZLpa8yiB0
前スレ
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1144856352

3 :名無し募集中。。。:2006/04/14(金) 00:30:06 ID:ZLpa8yiB0
つづき

それからの雅は完全に孤立する様になった。しかしそれを彼女は孤高であると自らに
言い聞かせ、日々を過ごす様になった。
少なくとも、まあだけは自分を理解してくれている・・そんな存在が雅の支えになっていた・・

4 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 00:32:23 ID:p2qN/gMf0
続きなんて書いても誰も読んでないから

5 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 00:49:55 ID:ZLpa8yiB0
佐紀は夜な夜な硝子の前に立つ機会が増えていた。
今日で1週間ぶっ続けで踊り明かしている・・しかも60分を2セット
踊っている時が全ての苦痛から開放されていると信じて疑わない彼女の姿がそこにある。


6 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 01:08:20 ID:ZLpa8yiB0
あぁ帰りたくないな・・そんなことを彼女の背中の無数の打撲痕が訴えていた。
しかし、体中の疲労がそれに勝り、佐紀に帰宅を決断させた・・
恐る恐る自分部屋に着き、ベッドに横たわる、梅雨時には1年前のあの日母親につけられた
背中の傷が疼く。
(あぁ・・お母さん・・死んでくれないかな・・) 気づけば涙が頬を伝っていた・・

7 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 01:27:04 ID:ZLpa8yiB0
明くる朝、佐紀は母と顔を合わす事無く、登校した。荒川の土手で雅を見つけた、
「今日も一人?」と佐紀
「おかげ様でもう、とっくに孤立してるから。」雅が不貞腐れ気味の返事を返す。
「まぁ、そんなカリカリしないで。邪魔な子いるんだけど、また手伝って欲しいんだ・・」
佐紀は踊りに明け暮れている時とは、真逆の、悪意に満ちた笑顔で雅をもてあそぶ。

8 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 01:45:05 ID:ZLpa8yiB0
友理奈は、梨沙子と帰り支度をしながら談笑していた。
以外にも梨沙子が音楽に詳しく、聞いた事もないようなロックバンドの話を
嫌な顔ひとつせず、聞いている。
いつしか友理奈の手の平に梨沙子が、O Z Z Yと悪戯書きしていた。
「すごいね!梨沙子!でどうゆう意味?」
「ブラックサバスっ!オジーは神様!」友理奈は苦笑しつつ関心していた。

9 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 01:57:36 ID:ZLpa8yiB0
担任も話に加わり、場を和ませた。
「先生もね、昔フォークに凝っててね・・」 
「ホントーですか?じゃ金八先生も昔はモテてたんですか?」
友理奈が他愛もない質問をする・・
「そうだねぇ・・昔は少しはモテたなぁ先生も・・」
「嘘ですよ!先生は今でもモテモテですよね!?」友理奈を中心に場が和む。
友理奈が教科書を仕舞おうとカバンを開いた瞬間、彼女の顔色が変わった・・
季節外れの苺が友理奈のカバンの中で原型なく潰れていた・・

10 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 02:03:24 ID:ZLpa8yiB0
と書き込んでみたが勝手に羊きてマジスマソorz
自分で立てといて即落ばかりで正直スマンorz
いままで保全して頂いた人にサンクスゆいたいです

11 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 07:37:45 ID:bAHMHpbr0
しばらく鬱展開続く?

12 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 09:12:13 ID:NnDcZi3h0
明るい展望きぼん

13 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 09:25:38 ID:HAnmCmAsO
》11‐12 うm・・でも案がうかばんも少しまって

14 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 10:12:23 ID:HAnmCmAsO
つか 誰か明るい展望で書いて

15 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 15:26:43 ID:HAnmCmAsO
千奈美は、写真立ての懐かしい写真を眺めている。 そこには、まだ小学生の頃の仲の良い3人組が寄り添っている。 千奈美と茉麻、そして顔をボコボコに腫らした雅びが照れ臭そうにはにかんでいる。

16 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 15:34:24 ID:HAnmCmAsO
あの頃の記憶が鮮明に甦る。 千奈美は警ドロに夢中になり過ぎ、何時の間にか、隣の学区にまで来てしまっていた。 「どこだろう・・ここ?」千奈美は徐々に不安が募り見知らぬ公園に着いた。

17 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 15:43:35 ID:HAnmCmAsO
そこには、その学区の子供たちが自分達と同じ様に、遊んでいる。 千奈美は勇気を出し、話かけてみる。「あのぅ。ここはどこですか?遊んでて皆と、はぐれちゃって・・」「なんだこいつ?見ない顔だな。」 千奈美は即座にしまった・・と後悔した。

18 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 15:52:04 ID:HAnmCmAsO
警察役の雅は、千奈美を見失い、日が落ちるのに連れ、心配が増していた。 (チーの奴、どこまで逃げたんだ?このままだと夜になっちゃうし、ほっとけない。)雅もまた、探す所が無くなり、もしやと隣の学区に足を運んだ。

19 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 15:59:30 ID:HAnmCmAsO
「おまえ、男か?スカートはいてよぉ!」自分より遥かにガタイがでかく、学年が上だと思われる男子が、口火をきる。 「なんかお前、えなりかずきみたいだ!」金魚の糞がつづく。

20 :ねえ、名乗って:2006/04/14(金) 16:07:28 ID:HAnmCmAsO
千奈美は恐さで、パニックに陥り、ボソボソと一人ゴトしか言えない。 「おまえっ!なんか物真似してみろよ。そしたら、かえっていいからよ!」 とうとう、千奈美が泣きだした。
しかし泣いたことで、それが止むのでなく、泣いたことで、それはエスカレートした。

21 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 16:15:16 ID:HAnmCmAsO
雅は歩き疲れ、休む為、公園を見つけた。
(だめ。もう無理・・チーも多分帰ってるよね。あそこで一休みして、帰ろう)
公園に近づいた時、雅は子供の悪意のこもった歓声を聞いた。

22 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 16:22:24 ID:HAnmCmAsO
「えーなーり!えーなーり!」鬱陶しく思い。休憩を諦め、公園を後にしようと思った時、
「あっ!いた!」と千奈美の姿を確認した。
「ったく・・面倒だな。」そう一人ごち、雅は公園にむかう。

23 :ねぇ、名乗って:2006/04/14(金) 17:17:22 ID:c0XzYRv8O
羊のみなさんこんにちは
そして作者乙!
前スレ俺のカキコでまた落としてしまった感が…orz
ほんとスマソ…

24 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 00:09:48 ID:Vow5UyYI0
>>23
気にするな!数少ない金八スレ住人
また馴れ合おうなっ

25 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 03:20:28 ID:Vow5UyYI0
金魚の糞が前のめりで倒れた。
何が起きたかわからないまま、千奈美はそこにいる知った顔に気づく。
「雅?」
「あんたら!ウチの仲間よくも泣かしてくれたねっ!」
雅のバックブローがさらにジャイアンの顔を撃つ。
雅はケンカの術を熟知していた。相手に考える隙を与えないこと、勢い至上主義でいること。
鼻を押さえ涙目のジャイアンの股間をさらに撃つ。
しかし、数的不利は明らかで幼い雅はすぐさま返り討ちに遭う。
髪を捕まれ力任せに地面に叩き付けられると、男子達から蹴りの洗礼を受けた。

26 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 03:32:41 ID:Vow5UyYI0
口から赤いモノを流しながら、さらに雅はジャイアンの脚にしがみつく。
「千奈美にあやまれっ・・」
力ではどうしても勝てない相手に、雅は喰らいついて放さない。
「なんだよっ!こいつ!おまえらなんとかしろっ」ジャイアンは恐怖で顔が引き攣った。
仲間たちが、雅を引き離し蹴り続けた。
「ちょっ・・死んじゃう!」千奈美は自分にできる事は・・と、瞬時に思い助けを求め一目散にダッシュした。

27 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 04:02:29 ID:YOs+tpGV0
>>24
ありがと
また書くわ

28 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 04:09:12 ID:Vow5UyYI0
千奈美は須藤飯店に着き、大急ぎで茉麻を連れ出した・・
公園まで猛ダッシュで駆けたどり着くと雅が顔中を腫らしながらも、勝者の佇まいでそこに立っている。
周りの男子8人全てが股間を押さえ、のた打ち回っていた。
「今日はここで勘弁してやるけど、文句があるなら、いつでもきな。」雅はジャイアンの胸ぐらを掴み、吐き捨てた。

29 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 04:13:33 ID:Vow5UyYI0
>>27
ちょww間違ってたらゴメンけどもしかしてラーメン茉麻っすか?
屋上のシーンマジヨカタ  GJ!

30 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 04:24:36 ID:YOs+tpGV0
>>29
うん
ありがとよぉ

31 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 15:53:52 ID:BqzlkvAcO
「みや・・だいじょうぶ?」雅の顔を見て、とても心配する。
千奈美はまた、泣きだした「ありがとう・・私が・・こんな所に来ちゃったから・・」
「別にチーの為でもないし、チーの所為でもないから。」雅は照れ臭そうに淡々としている。

32 :ねえ、名乗って:2006/04/15(土) 16:00:43 ID:BqzlkvAcO
「千奈美、一つだけ、アンタに言うけど、これからは絶対泣かないって、私に約束して。何時までも、チーの傍に私がいるって思ってちゃ駄目!
女が泣いたら世界中の男に馬鹿にされちゃうんだから。」

33 :ねぇ、名乗って:2006/04/15(土) 16:09:27 ID:BqzlkvAcO
「アンタは笑ってる時が一番、イケてんだから!」
「うん。わかった!ウチもう泣かない。約束する!」茉麻は、雅の芯の強さと、心の暖かさに、貰い泣きした。
「あっ、まぁが泣いてる!」
「まぁまで・・んじゃ罰として野菜ラーメン!」公園では蝉が鳴いていた。

34 :ねぇ、名乗って:2006/04/16(日) 00:36:58 ID:brd3CxErO
人稲だな・・羊に来たとたんw

35 :ねぇ、名乗って:2006/04/16(日) 18:22:25 ID:RsAZAhLE0
須藤飯店は賑っていたが、茉麻の部屋まで上がり、傷の手当てをして貰っていると、
茉麻が3人分の、バター野菜ラーメンを軽々と、運んできた。
「野菜のせ過ぎじゃない?茉麻。」雅は、口中が切れているにも関わらず、とても幸せな顔をしている。
「お野菜は私が作ったんだからねっ!文句ゆうなと、ゆいたい!」
「あぁ・・安心したら、お腹すいたね! 延びないうちに食べよ!」
  
そして3人は、キレイにそれを平らげ、芸能人の会話や、お笑いコンビ名だとか、他愛もない話を夢中でしていた。
「じゃ、千奈美、そろそろ帰ろうか・・まぁ、ご馳走様!」
「なんか、今日、雅大変だったけど、おかげで雅の事、少しだけ解ったきがする・・」と茉麻。
「あっ!使い捨てカメラ、あと3枚で終わるし、写真、皆で撮ろうよ」
嫌がる雅を無視し、彼女を、中心に、千奈美と茉麻が、並ぶ。
「1+1はーーっ!?」
雅は照れ臭そうに、はにかんだ・・・・

36 :ねぇ、名乗って:2006/04/16(日) 18:31:38 ID:RsAZAhLE0
  

懐かしいなぁ・・・
雅は、ホントに私のスーパーヒーローだったね・・。
あの頃の約束、頑張って守ってるよ。
今だったら、あの時言おうとしてた事、みやに、言えるかな・・・。
「次は、私がみやを、助けてあげる!」って・・・・・。

37 :ねぇ、名乗って:2006/04/16(日) 18:34:31 ID:RsAZAhLE0
一応明るい展開でかいてみたw
読みにくくてスマンorz



38 :ねぇ、名乗って:2006/04/17(月) 00:48:51 ID:2vMkJWuW0
いつもナイス展開!みんなGJ!

おれ明るい展開ちっとも思い浮かばん…

39 :ねぇ、名乗って:2006/04/17(月) 14:59:53 ID:3cRbfuIFO
〜7月 桃子編〜 鬱陶しい梅雨空が嘘の様に消え去り、夏がジリリとそこまで来ていた・・・
クラス中が浮き足立つ中、一人浮かない顔で、嗣永桃子は、思いふけっていた。(また、落ちたかなぁ・・これで5度目かぁ・・桃のどこに非があるんだろう・・)桃子は先日受けた、オーディションの事を憂い、溜め息をもらした。

40 :ねぇ、名乗って:2006/04/17(月) 16:00:17 ID:3cRbfuIFO
帰宅し、まず母から、青い封筒を手渡された。
「また・・薄い・・」封筒の厚みがオーディションの結果を残酷なまでに、物語る。
乱暴に青封筒を開け、中身を確認すると、残念ながら・・から始まる、例の事務的な文字の羅列が、そこにあった・・
桃子は5度目にして、初めて悔し涙を流した。

41 :ねぇ、名乗って:2006/04/17(月) 16:11:03 ID:3cRbfuIFO
気分の善し悪しに関係なく、すなっくももが開店した。
いつもなら、自然に客に対して笑顔を振りまけるはずが、客のオヤジギャグにも笑顔を引きつらせる。
そんな気持ちのままいると、当たり前の様に失敗はついてきた。
CDシングルの三曲目に必ず、カラオケが入ってるように・・

42 :ねぇ、名乗って:2006/04/18(火) 00:55:38 ID:ssljbSKa0
ガシャーン!!桃子が、グラスを倒す。
「あぁいいよ、気にしなくて・・」常連客が愛想良さげに振舞う。
「まぁ・・すみません・・桃もちゃんとお詫びしなさい!」桃子の母が桃子に謝罪を強いる。
「・・・・もすいません・・・」声すら出ないほど、桃子のストレスが募る。
「ほんと、すいませんねぇ・・この子がボーとしてるもんですから・・」
「ママ、もういいじゃない。桃ちゃんも勉強のしすぎで、疲れてるんでよね?」
酒臭い息が桃子にかかる。
「・・・解ってないくせに・・みんな私の事なんてなにも解ってないくせに!!」
とうとう桃子のダムが崩壊した。
「大人だからって、なんでも物分りいいフリしちゃって!むかついたら、そう言えばいいじゃない!」
「桃子!お客さんよ!なんて口利くの!」
「お母さんだって!なんでも我慢しちゃって!言いたい事あるなら、桃にそういってよぉ!」
桃子の感情はもう自分ですら、抑えが効かない位置まで高まっていった・・
「みんなダイキライ!・・・」
桃子は気付くと店を飛び出していた・・

43 :ねぇ、名乗って:2006/04/18(火) 01:44:38 ID:5pd96Hrh0
あげ

44 :ねえ、名乗って:2006/04/18(火) 01:44:45 ID:5wUQ92W4O
7月か・・早いのやら遅いのやらW

45 :ねぇ、名乗って:2006/04/18(火) 20:56:04 ID:uErPO4oI0
3年B組ベリーズ工房

46 :ねぇ、名乗って:2006/04/18(火) 21:32:03 ID:5wUQ92W4O
イライラももちw






素敵だ・・・

47 :ねぇ、名乗って:2006/04/19(水) 00:57:17 ID:7FNOcVbS0
勢いよく飛び出したはいいものの、桃子は完全に、行き場を失っていた。
親しい友達ができず、桃子もまた、雅と同じく一人だった。雅が孤高であるなら、桃子は異端の人であった。
(今日も佐紀ちゃん、踊ってるかな??)
桃子は自分と同じく、なにかに没頭する彼女の存在を思い出し気が付くと、佐紀の居場所へ足を向けた。


48 :ねぇ、名乗って:2006/04/19(水) 01:15:03 ID:7FNOcVbS0
当たり前の様に、彼女はそこに居て、激しく、硝子の前の自分と、音楽を相手に格闘いている。
(スゴーイ!!やっぱ!踊ってる時の佐紀ちゃんて、ものすごく大きく見えるな・・・)
曲が終わり、次の曲まで佐紀は静止し、肩で息を吐く、その仕草の一つ一つが、
とても力強く、とても美しい・・・

全ての音が終わり、佐紀は大きなタオルで顔、肩を拭く。気付いたら彼女に桃子は、声を掛けていた。
「さーきちゃん!」
「桃子?」佐紀はきょとんと、彼女と向き合った。


49 :ねぇ、名乗って:2006/04/19(水) 01:35:51 ID:7FNOcVbS0
「すごいね!佐紀ちゃんのイメージと全然ちがくて、桃ビックリしたぁ。」
「いつから・・居たの・・・。」佐紀はこの現場を見られた事をしきりに気にする。
「えっ?さっきからだけど・・でも前から、佐紀ちゃん踊ってるの、桃知ってたよ。」
佐紀は、一瞬どきっとするが、桃子を懇願するように見つめ、
「桃子!お願い!私の事、誰にも言わないで!」と、何か必死で訴えた。
「えーもったいないよ!佐紀ちゃんに、こんな特技があるのに・・」
人1倍、目立ちたがりの桃子は、佐紀の意図が解らずいたが、
「いいよ!その代わり、桃にもダンス教えてね!」と深くは詮索せずにいた。

50 :ねぇ、名乗って:2006/04/19(水) 01:55:24 ID:7FNOcVbS0
「ありがとう!恩に着ます。」佐紀は安堵し
「ところで、桃子はこんな時間に何してるの、もう2時だよ。」
桃子は2時という言葉にギョッとするが、先ほどの件を思い出し、佐紀にそれを打ち明けた。
「ふぅん・・そんな事があったんだ・・でもね、それは桃子が悪いよ・・
手伝いでも仕事は仕事だし、桃子のとった行動で、誰かが嫌な思いしてると思う・・」
「うん・・・」桃子は同級生の言う正論に独り深く、反省した。
「さ、早く帰ってお母さんに謝らないと・・ケンカできる母親がいて、桃子は幸せモンなんだから!」
佐紀は桃子の背中をポンと叩き、彼女を送り出した・・・


51 :ねぇ、名乗って:2006/04/19(水) 02:04:23 ID:7FNOcVbS0
独り母との会話を、シュミレーションし、ぎこちなく桃子は歩いていると
何か粘着質のある視線を背に感じた・・ここ最近よく感じるあの視線だ・・


そういえば、お店でも1度だけこの感覚、感じたような・・
考えていると、すなっくももが閉店していた・・

52 :ねぇ、名乗って:2006/04/19(水) 11:51:10 ID:1mdEh7JZ0
(・∀・)わくわく

53 :ねぇ、名乗って:2006/04/19(水) 15:07:24 ID:eJTabukm0
家に着くと、母はもう眠っていた。
部屋に戻ると、机の上には寿司織がおいてある・・
どうやら、先程の粗相をした客が桃子にお土産を持ってきてくれたらしい事が母の手紙に書いてあった。
中を開ければ、ウニの軍艦巻きがビッシリ規則正しく並んでいた・・
それを見た桃子は、胸が締め付けられる思いだった。
「ほんと、ごめんなさい・・・こんな・・暖かい・・・プレゼント・・・」
翌日、桃子は母に心からの謝罪をした。
o型の母は、昨日のことはサッパリ消化していて、桃子を送り出した・・

54 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 00:09:44 ID:NXR1LXPx0
数日が経ち、桃子はすっかり鬱が治ると、片っ端からオーディション記事を読み漁った。
「アニー・・リボンの騎士・・・3丁目の奇跡?・・みんなミュージカルばっか・・」
「桃、歌って踊りたいんだけど、演技がなぁ・・」
以前受けた、芝居のオーディションで審査員に
「君の演技は、演技というか・・・君自身だね・・」と失笑交じりに、落とされたことが、頭をかすめる。
とりあえず、オーディション用の履歴書を書き貯めしようと、3分間写真の機械相手に
桃子的には、さりげないつもりの、桃子スマイルを極めていた。
しかし、また機械のカーテン越しから、例の視線を感じていた。

55 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 00:19:34 ID:NXR1LXPx0
(なんか、最近変だよなぁ・・桃の考え過ぎかなぁ・・)
履歴書を八枚も書き桃子は軽く腱鞘炎になった右手を、気にしながら、ぼんやりと思う。
この前のお客にも心から、謝罪し、母とのコミュニケーションも全然普通なのに、
桃子は、何故か釈然としないでいた。

56 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 00:51:41 ID:Jr8xaXEqO
なんか煮詰まった・・・




ワンダみよ!

57 :名無し募集中。。。:2006/04/20(木) 07:04:51 ID:6jf4VC8UO
>>56
続き待ってるよぉ

58 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 08:32:24 ID:E69YBLQZ0
続編待ち

59 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 14:58:57 ID:Jr8xaXEqO
桃子は、外を歩く時には、しきりに後を気にし
自宅にいる時は極力カーテンを閉め、視線の主に彼女なりに対応した。
そんなある日、応募の為に履歴書をさがしていると
どこにも、それは無く、忽然と、消えて無くなっていた・・

60 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 15:08:55 ID:Jr8xaXEqO
(やっぱり、桃の考え過ぎなんかじゃない! ストーカー・・・そうだ!ストーカーだわ!
そう考えたら、全部が綺麗に繋がるじゃない!)
桃子は、名探偵になったような、面持ちで
全く解いてもいない事件に独り興奮する・・・

61 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 15:50:38 ID:Jr8xaXEqO
珍しく、感の良かった桃子は、その日から犯人探しを開始した。
そして、以外にも早く、犯人との接触に成功する・・



62 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 16:06:11 ID:Jr8xaXEqO
犯人の視線を十分と確認し、急いで角を曲がると、桃子は民家の塀によじ登る。
後をつけてきた犯人も、同じく角を曲がると、桃子は勢いよく、そこからとびおりた!
がしかし、勢い余り、態勢を崩し、犯人にパンチラしてしまう失態を演じてしまう。

63 :ねぇ、名乗って:2006/04/20(木) 16:13:12 ID:Jr8xaXEqO
スカートに付いた土を払いながら、犯人の姿を確認すると、
自分より随分と歳のいった男性だった。 男は何が起きたか解らないといった表情で、こちらを向き、固まっている。

64 :ねぇ、名乗って:2006/04/21(金) 14:53:35 ID:3iPFmY79O
「あばばばば」身体が硬直し、固まっている彼を見て
桃子は怒りを通り越し、なんだか可哀相に思う。
(大人の人なのに、いざ見つかると、こんな風に何も言えないなんて・・・
でも、桃はこの人に言いたい事、言わないと、何時までも、終んないよ。)
桃はそう決意して、重い口を開いた。

65 :ねぇ、名乗って:2006/04/21(金) 15:01:41 ID:3iPFmY79O
「・・・あなたが、ストーカーさんですか?」
「・・・・」男は、桃子の一声で我にかえるが、何も言えず、地面を見つめる。
「何も、言わなきゃ、前に進めないです!」
「うん・・そう・・。」 男は自分の非を認めた。

66 :ねえ、名乗って:2006/04/21(金) 15:12:39 ID:3iPFmY79O
「あなたの夢は、なんですか?」数秒の間が空き、唐突に桃子が、語りかける。「あなたが、まだ子供の時見た夢は、今も、あなたの心に生きていますか?」
男は無言ながら、彼女に向き直る。
「その夢の為に、あなたは頑張りましたか?」
一方通行であるが、次第に彼の、心を揺り動かす。

67 :ねぇ、名乗って:2006/04/21(金) 16:09:25 ID:3iPFmY79O
「俺だって・・・昔は・・」彼も、口を開くが、桃子は興奮しているのか、既に聞く耳を失い、続けた。
「こんな事する為に、あなたは頑張ったの?
今からだって、遅くないよ!それとも諦めるのが、あなたの夢なんだすかっ!」これが、審査会場であれば、やんやの喝采を浴びている事は、間違いないが、
この時の彼女は間違いなく心から彼に叫んでいた。
それを自分に、言い聞かす様に。

68 :ねぇ、名乗って:2006/04/21(金) 16:19:34 ID:3iPFmY79O
「・・・おそい。・・もう終わったんだよ!」
男は、涙声になる。
「遅くない!諦めるまで、遅いとか早いとか、関係ないもん!
私は絶対、アイドルになる夢、捨てないもん!」
桃子も、涙声で応戦する。「うるさい!子供に俺の気持ちが、解るかよ!」
男は桃子を突き飛ばし、
その場を逃げ去った・・・

69 :_:2006/04/21(金) 16:31:02 ID:fXHlJastO
今地元で夏やぎさんみたよ、制服でふつーに歩いてんだね・・・

70 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 01:08:20 ID:1wthwKhF0
>>69
なにその裏山w
ただでさい最近みや推しになりつつあんのに・・

71 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 01:51:06 ID:G7LcHwb10
>>68
続き!続き!

>>69
やあご近所さんw

72 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 02:29:43 ID:1wthwKhF0
桃子は、またパンチラを野良猫に見せ、男の後ろ姿を呆然と見送った。
(ちょっと、熱くなり過ぎたかしら・・ひょっとしたら、逆恨みとか・・)
桃子は、首を大きく振る。
「おわったの!これは!これでお仕舞いっ!」
彼女は、後味の悪さを打ち消す為、自分を鼓舞する・・
「でも・・さっき言った事・・全然本音だし・・伝わって欲しいな・・」
桃子は、夕暮れを背に「すなっくもも」の開店作業へ急いだ。

73 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 03:31:18 ID:1wthwKhF0
それから、2週間近くが経ち、
桃子は例の視線を全く感じる事が無くなり、普段の夢見る少女の生活に戻った。
次回のオーディションは、水着選考があるとの事で、桃子だけは、同世代の女子とは
、別次元の理由で、水着売り場で勝負水着をプロ目線で吟味していた・・
3時間以上の時間と、40組以上の試着を繰り返し、やっとの思いで一番安いビキニを購入した。
憔悴しきった店員から、それを受け取ると、
「桃子?」知った顔が彼女を呼び止めた。
「ゆりな?」クラスメイトの熊井だった。
それから数分、談笑し、近くのスターバックスに入る事になった。
大人びた友理奈が、濃い目のコーヒーを頼み席に着くと、桃子は水にスティックシュガーを入れ、かき混ぜた。
「えっ?」唖然と友理奈は、目を丸くした。
「あっ、コレ?おまじない!何かを我慢したら、夢が叶うってネ・・」
桃子は、まんざらジョークでも無いといった、笑顔で彼女を見る。
「そうだね・・桃子の夢、アイドルだもんね。それは大変な目標だもんね・・」
義理堅く、感情移入の激しい友理奈は、深く桃子に感心した・・
「そういえば・・・」
桃子は例の事件の事、パンチラしたこと、犯人と遭遇した事、気付けば全てを、友理奈に話していた。
「ストーカーか・・最悪ダネ・・私、絶対ダメ・・許せないよ!だいたい・・・」
彼女は何か、物凄い剣幕で桃子に怒りを吐き出した・・
「そ、そだね・・」桃子はあまりの迫力に圧倒され、頷く。
(熊井ちゃんて、お嬢様っぽいけど、実は熱い人なんだなぁ・・・ってか怖いな・・)
等と思いながら、桃子は、友達になれそうな子に出会えたことを嬉しく思う。

74 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 03:58:03 ID:1wthwKhF0
それから、友理奈といろんな事を話した。
好きな映画、実は友理奈は、仁義無き戦いが好きで、中でも小林旭という人が好きな事。
洋画では、ウディアレンの作品が大好きだという事。
桃子も自分はアイドルになったら、CMとかより握手会やライブを沢山やって行きたい事。
自分のポテンシャルが、いかに高いかと言う事。話題が取り止めなく出てくる。
桃子は同級生の女子とここまで、開けっ広げに話するのは、とても久しぶりな気がした。
気が付くと、外はまだ明るいが6時を過ぎていたので、名残惜しく話を切り上げ、店を出た。


75 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 04:07:15 ID:1wthwKhF0
さて今日はもうネノレ
またあしたzz。

76 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 13:44:56 ID:yGKEJGHk0
続編待ち

77 :名無し募集中。。。:2006/04/22(土) 15:25:47 ID:ihR9SbXd0
作者さん、乙です。
このスレではまだ貼られていないようなので、当初の設定を…


[ 友理奈&梨沙子 ]転校生
友理奈・過去を背負っている。影がある。義の人。クラシック
梨沙子・アホを装っているが黒幕。知能犯。ヘビメタ

佐紀・優等生。もう一人の黒幕。愛読書は我が闘争
雅・不良グループ。佐紀に操られている

桃子・クラスのアイドル。極貧から抜け出すためにアイドルを目指す
千奈美・クラスのお調子者。天真爛漫。ヘッドフォン通学
茉麻・癒し系。誰からも一目置かれる存在。ラーメン屋の娘

78 :ねぇ、名乗って:2006/04/22(土) 15:53:51 ID:2d1LrBwMO
我が闘争とかあったなww

79 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 00:39:40 ID:RbIiQkSh0
最寄の駅に行く為、彼女達は長い歩道橋を渡り、おしゃべりを続けた。
友理奈が、物凄く聞き上手である事に桃子は、感銘を受けながらも、
このまま別れたら、また、二人の距離がリセットされるのではと
焦りを感じ、彼女とメアドの交換をした。
桃子が、一安心していると、先程渡った、歩道橋の方から、
「つーぐーなーが―モーも―こーさーん!!!!」
誰かが、彼女の名を大声でしかも、フルネームで叫んだ。

80 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 01:07:01 ID:RbIiQkSh0
その声が、街往く人々を振り返らせる。
桃子は最初、自分の名を呼ばれた事に気付かずにいたが、
「あれ、桃子の事じゃない?」と友理奈に言われ、声のする方を向くと、
桃子の退治したストーカーが、こちらに向かい必死に叫び、何かを伝えようとしている。
「ホントにすいませんでした!!
僕があなたのストーカーでした!!
君に言われた事! 全部、図星でした!
本当は、僕は、F−1レーサーが夢で、でも眼悪くて!
何やっても、すごく鈍臭くて!! 気が付いたら、諦める事に慣れきってて!!」
男はきっと人生で、これほどの声を張り上げる場に、居合わせた事などないのだろう、
体が震え、肩で息をする、顔は真っ赤だが、とても以前の彼と思えない位、力強い。

81 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 01:31:47 ID:RbIiQkSh0
街がざわざわとする。
「何アイツwマジキモインだけどw」やら
「ムサいからw誰か警察ぅw」など男は失笑の的であった・・
それを全て受け入れていているかの様に男は続ける。
「でも、君に、教えられた!夢に早いとか!遅いとか!関係ないって!!
だから!今!人生で初めて、仕事!始めたんだ!
F−1はまだ、難しいけど!ほら!!」
男は、油まみれのガソリンスタンドのツナギを誇らしげに見せた。
「桃子!我慢できない!私がアイツに言ってくる!!2度と桃子に近づくなって!」
友理奈は、今にも男に向かって行こうとしたが、桃子が彼女をたしなめる。
「いいの。友理奈。でも、ありがとね・・」
桃子も彼の告白を、全て受け入れる覚悟だった。

82 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 01:49:02 ID:RbIiQkSh0
「でも!やっぱり!若くないとチャレンジできない事!あるから!
桃子ちゃん!頼むから!俺みたいになるな!
あん時、やれば良かったなんて!後悔するな!」

「おまえみたいになるかよ!てか、死ねば。きゃはははw」
女子高生達が、悪ノリして、モノマネを始める
「ちょっと!黙れって、いってんでしょ!おまえら!」桃子がギャル達を叱咤した。
友理奈は、そんな桃子を見て、素直に驚く。
(この子、強い・・・なんだか、私に似てるかも・・)と。

83 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 02:26:56 ID:RbIiQkSh0
「わかってます!!」
桃こも大きな声で彼に答える。
「ほんとうに!ごめんなさい!!もう、君の事、付け回したり!しないから!!」
彼はまた桃子に、謝罪する。
「謝らないで! 謝らないで下さい!!!」
「えっ?」 男はきょとんとする・・
「いいから!笑っててください!!」
男は一気に感情が爆発し涙で嗚咽した。
「今度!君に逢える時は!アイドルになってろよ!!
握手会だって!コンサートだって!絶対!行くから!!その時は俺の事!覚えてろよな!」 
男は全て伝えたと、清々しい顔で涙を拭う。
「当たり前ですぅ!!絶対忘れません!!桃のファン、第1号です!!」
「がんばれ!!桃子ー!」男は、最後の咆哮を終えその場を去った・・
野次馬だった、サラリ―マン達が恥ずかしそうに、涙をごまかす・・・
(伝わった・・これで、あの人も大丈夫!!)
桃子は一人の犯罪者を、更生できた自分の力に、彼の堂々とした姿に、
失いかけた自信を、取り戻した・・・
(これで、桃がアイドルにならなきゃいけない理由が、1コふえたな・・)
桃子は、そう心で一人ごちると、心の憲法に一つ追加した
「人には絶対、誠意をもって話す」
他の憲法に比べると一つだけ、浮いてるが、桃子が一つ大人になった証であった・・




「今日は感動だったよ!また、スタバいこーね!!」
友理奈の方からメールが届いた・・・・
               7月 桃子編 了

84 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 02:32:06 ID:RbIiQkSh0
ツカレタ・・少しダサめに書いてみたお!
一応桃のキャラを活かすのにstkだしたけど読んでる人やっちゃダメだおww


さぁ駄目出し感想など書いてきてw


85 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 06:58:51 ID:9qVzTOwb0
…なんだか朝から泣けたよぉ
作者GJじゃないか!おれはすきだよこの展開
しかしみんな上手くてかきにくーいw

86 :名無し募集中。。。:2006/04/23(日) 07:28:52 ID:6saCZrUm0
ベタな感じだけど、桃子のキャラを立たせるという意味では
(・∀・)イイ!! のではないかな。
こちらでは落ちる心配がまずないので、マターリと行きましょう。

87 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 09:34:03 ID:09b9T2qyO
〉〉85 気にすんな! 大切なのは大きな愛と
少しの勇気だぜ!!


88 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 09:36:10 ID:09b9T2qyO
なんかアンカー変だったなw

89 :ねぇ、名乗って:2006/04/23(日) 17:48:59 ID:9qVzTOwb0
>>87
そのうちね…また書きますよ
あんがと

90 :ねぇ、名乗って:2006/04/24(月) 13:53:04 ID:E3MQ5pwAO
静かだ…

91 :ねぇ、名乗って:2006/04/24(月) 14:39:07 ID:3+Z2WgRfO
夏休みに入る数日前、 雅は心根に、モヤモヤを抱え苦悩していた。
(あんなの、不本意過ぎる・・)
以前、友理奈の鞄に、潰した苺を入れたことが、引っ掛かったまま、日々を過ごしていた・・
(あんなの、私のする事じゃない!私は今まで、人を攻撃する時でも、夏焼雅の署名付きで、行動してきたつもり。
あんな陰険な・・あんな事する奴、大っ嫌いだったのに・・)
雅は、自分のした事を、今にも名乗り出たくて、疼いていた・・

92 :ねぇ、名乗って:2006/04/24(月) 14:50:47 ID:3+Z2WgRfO
佐紀は部屋の片隅で、独り泪を押し殺していた・・
今しがた、母に思い切り張られた、頬が熱を帯びている。
殴られる事にも慣れた、痛みの誤魔化し方も、
ただ、暴力を受ける度、心がどんどん、鉄みたいに、黒く、冷たくなっていく。そんな自分が恐くて仕方ない。
何時か、この泪すら出なくなる。
そんな自分が恐くて、泪した・・

93 :ねぇ、名乗って:2006/04/24(月) 15:03:13 ID:3+Z2WgRfO
佐紀は、人で在る事を感じ、それを維持する為、
母が眠るのを見計らって、ラジカセを持ち、心の居場所へ向かう・・
母が、いびきをかき眠っている・・
母の傍らに転がった、緑の瓶を睨む。
憎い!母を変えてしまった、この液体が、アルコールに潜む悪魔が。

94 :ねぇ、名乗って:2006/04/24(月) 16:10:47 ID:3+Z2WgRfO
そして、終業式。
雅は、とうとう我慢の限界で、友理奈に罪を、白状する覚悟だった。もちろん、全て自分の意志で、行動した事を前提として。
あの日記が佐紀の手にある以上、彼女の存在は、口が裂けても公言できない。
友理奈を呼び出す為、彼女達の輪に歩み寄る。
愛する人の名が記された、日記との清算の為に。

95 :ねぇ、名乗って:2006/04/24(月) 16:18:12 ID:3+Z2WgRfO
雅が友理奈を、呼び止めようとした時、アイツが立ちはだかった。
「雅。ちょっといい。」
佐紀だった。
雅は、舌打ちし、佐紀に従い廊下へ出た。


96 :ねぇ、名乗って:2006/04/24(月) 18:50:58 ID:7nmmukZr0
続編待ち

97 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 00:53:32 ID:+jPCTrCU0
「今、友理奈に何言おうとしてた?」
人気の無い廊下で佐紀が詰め寄る。
「別に・・佐紀には、関係の無い事。」雅が邪険にする。
「まさか、苺?自分から、名乗り出て、友理奈に許して貰おうとか?」
雅は、許しを請うという言葉に反応し、
「そんなんじゃない! なんで私がアイツに許して貰うとか・・・馬鹿も休み休み言ってよ・・」
雅は動揺を悟られぬ様、含み笑いをした。
「雅もそんな馬鹿じゃないか・・・」佐紀は、雅の心を見透かした様に意味深に笑む。
「それより・・日記、返してくれる約束だよね・・約束は約束で守って貰うから。
私は、佐紀の言った事、約束通り守った・・今度はあんたの番・・持ってきて!今すぐここに!」
雅は詰めが甘かった。 最後で声を荒げてしまった。
この様なケースで、イニチアシブを握れる人間は、最後までポーカーフェイスでいる事。
取引に執着していると、悟られた時点で敗者が決する。 佐紀はその事を、心得ていた。 
「やっぱ・・あと一つ・・夏の宿題。」 佐紀がもったいつける様に言った。
「30万・・夏休み中に作って来て。そしたら、雅の事、自由にしてあげる・・」
「そんな・・」雅が築いて来たモノが、跡形無く、崩れ去った・・・・

98 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 01:14:30 ID:+jPCTrCU0
気付いたら、佐紀にすがり付いていた。
「約束が違うっ!返せよ!!・・返せっ!」 彼女は我を失い、佐紀の胸倉を掴んでいた。
佐紀は、お構い無しといった、涼しげな笑みを浮かべ、
「どうして、恋人になれないの・・・」 雅の弱みである、日記の冒頭を、空で読み出した。
雅は、何かの呪縛にかかった様に、佐紀の首にかかっていた力が抜ける。
「お願い・・・お願いします・・返して・・下さい・・」雅は遂に、屈した・・
「だったら30万必死で集めて来てね。」 佐紀が、無抵抗な雅を階上から見下ろし、教室へ戻っていく。
雅は、抜け殻の様に、その場に立ち尽くした・・


その一部始終を、千奈美が息を潜め、見守っていた・・

99 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 01:36:39 ID:+jPCTrCU0
(30万なんてできるわけ無いのに・・)
佐紀は、自分が課した非情なミッションを、どこかで他観していた。
金など、どうでもいい・・必要なのは、支配。自分の受けている虐待という支配を
克服できるのは、無心で踊り続ける事、そして誰かを支配しているという制圧感。
バランスの問題だ。 そのどちらかが欠けても、自分という人格が腐敗していく様な、
脅迫観念に襲われる・・・
佐紀もまた、被害者であった。


100 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 02:01:22 ID:bARscIiSO


101 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 02:22:29 ID:ON+vZab70
ふぁー読んだぁ
佐紀ちゃん登場だー
興味しんしんしん

102 :名無し募集中。。。:2006/04/25(火) 07:18:03 ID:rVl9BBRY0
同級生の佐紀ちゃんが終業式後、打ち上げに誘ってくる
という夢を見た。このスレの影響かなあ。

103 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 14:42:15 ID:bARscIiSO
ホームルームの時間。
坂本から手渡される通知表に、生徒らは一喜一憂する。
桃子はそれを必死で隠し、茉麻は予想通りの結果に、ほくそ笑む。
梨沙子は、病気の事で考慮されたのか、以外に普通な成績をのこした。
そんな中、千奈美は、先程目撃した場面が頭から放れずにいた。
(・・そういう事だったんた。だから、みやは・・
でも、あんなみや、正直見たくなかったな・・)
千奈美は独り、考えふける、
無意識に見つめたその視線の先には、1と2が行儀良く並んでいた・・・

104 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 14:56:38 ID:bARscIiSO
生徒達が帰り、さっきまでの騒がしさが嘘の様に、静まり返った教室に、茉麻は佇んでいた。
「須藤。」振り返ると、陸上部の矢島がいた。
「話って、何?」明らかに茉麻は動揺している。
「そのさ・・あの・・」
彼の様子もまた、ぎこちなく、話が切り出せずにいた。
「・・・好きだ。須藤の事。」彼らしくない、か細い声で告白を受けた。
「はっ?」茉麻は、驚き、彼を見つめる・・

105 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 15:11:00 ID:bARscIiSO
「好きって・・」
茉麻は心から歓喜するが、まず浮かんだのは、雅の顔だった。 (みや、どうしたらいい?みやも、矢島が好きだって、私しってるの・・)茉麻の歓喜は、一転して、苦悩に変わる。
茉麻は、今にも泣きだしたい衝動を押さえ、
「告白なんて・・しないでよ! 付き合い方も知らないクセに・・」
矢島は、彼女が発した言葉の意味が理解できない。
「須藤の事。守りたい・・」
茉麻は心を鬼にして、
「どうやって?根拠もないくせに!」
気付くと彼女は、教室を飛び出していた・!

106 :ねえ、名乗って:2006/04/25(火) 16:11:08 ID:bARscIiSO
茉麻は、水飲み場で泣き崩れた。
「こんな・・事って・・」歌やドラマの世界だけとおもっていた話が、自分に降り掛かってきた。ノンフィクションの凄まじい衝撃が彼女の涙に拍車を架ける。「まーさん?どうしたの?ないてるの?」
涙でぼやけた視界の先には、梨沙子が不思議そうに、首を傾げていた。

107 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 16:20:22 ID:bARscIiSO
「ううん・・なんでもないよ。」茉麻は咄嗟の事に、慌てて涙を拭う。
「でも、まーさん、ないてた・・・こころ、すごい、いたそう・・」
茉麻は彼女の感受性に驚く「梨沙子。鋭い!」
茉麻は冗談めかし、自分に起こった事を、架空の友に置き換え、梨沙子に話て聞かせた。

108 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 16:25:23 ID:bARscIiSO
らーめんまーさスマソorz
少しおたくのまあさ借りるけど・・・

109 :ねぇ、名乗って:2006/04/25(火) 22:35:51 ID:ON+vZab70
いえいえ!みんなのベリですからw
気にせず自由に書きましょーう

さて続きを待つぞと…ワクワク

110 :ねぇ、名乗って:2006/04/26(水) 00:29:59 ID:VDbsUgzF0
「うん、うん。」梨沙子は、興味深々と言った感じで、聞き役を買った。
茉麻が全てを話し終えると、梨沙子は腕組みし、考え込んでいる。
「でも、まあさんが、友達にしようとしてること・・ヤサシサじゃないと思う・・」
梨沙子の正論に茉麻は、はっとした。
「そうだよね・・私も梨沙子の立場だったら、同じことゆうと思う・・馬鹿だよね・・
そんな事しても、あの子、喜べないよね・・梨沙子、ありがと!
おかげで、スッキリしちゃった!私二人に自分の気持ち、素直にゆえそう!・・・っえ?!」
気が付けば、カマをかけられていた、きっと故意ではないだろうが。
「ちょっとぉ!カマかけたでしょ!」茉麻は照れ臭そうに、利沙子を小突いた。
「イヒヒヒ」彼女は、無邪気に笑う。
「まあいいや。とにかくっ!秘密だからね!」茉麻は念押しした。
「ヒミツ!イヒヒヒ。」
秘密を共有できた事が、嬉しくて仕方ないらしい。梨沙子は笑いが止まらない。
「変わってる、梨沙子って・・」
「秘密、ぜったい!まもる!まあさん、ともだちだから。」
「ありがと。じゃ、途中まで帰ろっか!」
「うん!」
茉麻の目は、泣き腫らし、真っ赤だったけど、夕日の紅さと、一人の変わった転校生が、それを忘れさせてくれた・・。


111 :ねぇ、名乗って:2006/04/26(水) 00:49:52 ID:VDbsUgzF0
雅は、虚ろな表情のまま、自部屋の机に向かい、佐紀に奪われた日記の事を考えていた。
何百回だって読んだ、今でも中身を空で言える。
「どうして、恋人になれないの?
じゃあ、どうしてキスなんかしてきたの?
冗談だって解ってる・・
だけど、他に好きなヒトいたの・・・私。
なのに、心奪われた・・・
あなたを真っ直ぐ見れない・・
みんなとの馬鹿話も笑えない・・
普通に話し掛けてくる、あなたが怖い・・
あの夜に戻して・・」 思い出すだけで、雅の頬は紅くなり、恥ずかしさに押し潰される。
あんな物を書いた自分を、いっそのこと、殺してしまいたくなる。
その時、雅の携帯が鳴った。
着信を見ると、茉麻からだった・・

112 :ねぇ、名乗って:2006/04/26(水) 01:48:14 ID:VDbsUgzF0
「みや・・」
「どうしたの?まあ。」
雅は彼女の声が、真剣な話をする時のトーンであることを即座に察した。
「ううん・・やっぱいいや・・」
いつもこの子は、こうだと、雅は昔を思い出し、
「何?また便秘?」雅は、敢えて茶化す、そうしてやらないと、
彼女は悩みを、何時までも、打ち明けられない、雅もまた、茉麻という人を熟知していた。
「んもぅ!いつでもみやは、そうやって話の腰を折るんだから・・」
昔から変わらない、やり取りに、雅は思わず吹き出した・・
「まあ、変わんないね・・昔と・・」
雅は、親友と呼べる相手と、久々に話せた事で、自分の孤立した立場の事など、
気付けば忘れていた。
「で?本題は?」
雅が、電話ごしに笑いながら聞いた

113 :ねぇ、名乗って:2006/04/26(水) 02:08:49 ID:9VA4KSAeO
>>102
1日遅れたが阻止しとくよw

114 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 00:07:18 ID:VDbsUgzF0
仕事終わりそうも無い・・明日書くよorz

115 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 00:27:21 ID:NQ6D7KnX0
がんばれー

116 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 01:37:12 ID:Qnc96OxR0
「矢島に告られた・・」
「えっ?!」 雅は、何時かこんな日が来る事を、予感していたものの、正直に動揺した。
「みやも、何時か矢島の事、好きだって話してくれたよね・・でも、私もアイツが好き!
抑えられないの・・みやの事、凄く大切な友達だと思う・・けど・・」
「ってか、付き合えば。」 雅は必死で、泣きたい衝動を殺し、冷たく言う。
「あんなの、嘘に決まってんじゃん・・まあも、なに真に受けてんの?」
「ちょっと!そんな言い方って!」茉麻は感情的になる。
「てか、私にそんな事言われてもさ・・私が嫌だって言ったら、アンタやめるの!?」
「それは・・」茉麻は返答に困る・・
「もう、うんざりなんだよね・・友情ごっことか・・」 突き放す様に、雅が続ける。
「テキトーにやって下さいよ。須藤茉麻さん。」
「みや・・・私達。友達だよね・・こんな事で・・」
「ツーツーツー」受話器の向こうからは、冷たい機械音しか聞こえない。
雅の声はもう聞こえては来なかった・・

「まあ・・ゴメン・・でもほんと・・よかったね・・」 携帯の横で、雅は泣き伏せた。
(私のついた、下らない嘘が、まあを傷つけてたんだよね。矢島なんて、咄嗟についた嘘。
まあが、私から離れるのが怖かっただけ・・だって、私が好きな人は、茉麻なんだもん・・)
引き出しを開け、茉麻と撮ったプリクラを手に取る。
写真の中では、茉麻が雅の頬にキスしていた・・・


「 

117 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 01:39:46 ID:Qnc96OxR0
と、疲れながら書いてみたお!

118 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 03:31:33 ID:NQ6D7KnX0
おー!まったく予想外の展開!
おもしろーいw
うーんやるねぇ作者

でとりあえず7月の雅千バイト編をまたダラダラと↓

119 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 03:33:59 ID:NQ6D7KnX0
雅は荒川の土手の道を全速力で自転車を漕いでいた。
「もーこんな日に寝坊かよ!」
夏の日差しのせいでアスファルトが焼けて暑い。
こんな日は遠くにある涼しそうな入道雲がなんとも恨めしい。
「みやぁ!はやくー」
堀切橋の袂で千奈美が叫んでいる。
「ちーごめん!寝坊した!」
「おっそいよ! ってなにそのヒドイ寝起きの顔、髪もボサボサじゃん」千奈美は失笑する。
「だってさ…慌ててたから…」息の切れた雅には反論する元気もない。

千奈美に屋形船でアルバイトをやらないかと電話で誘われたのは3日前。
「えーっバイト?中学生がアルバイトってどうなのよ…」
「バイトってゆーか、うーん…手伝い!そう手伝いだったら問題ないでしょ!」
千奈美の強引な解釈は心底あきれ返る。
「うーん」
「隅田川の花火の日だからさ、楽しいよ。それにね、すっごく儲かるの」
「別に欲しい物なんて無いんだけどなぁ」
あんな酷い事をしたのに嬉しそうに誘ってくる千奈美に違和感を感じながらも雅はOKした。

120 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 03:42:00 ID:NQ6D7KnX0
雅が船内に入ると一人の男が厨房から顔を出した。
「おぉぉ!雅ちゃんか!久しぶりだなぁ!」
「おっちゃん久しぶり!」
このおじさんは通称『丹下のおっちゃん』、本当の名前では無いけれど
町内の皆からそう呼ばれている。
なにかの漫画に出てくる登場人物にそっくりだからその名前がついたらしい。
小学校の時の通学路でいわゆる『緑のおじさん』をやっていたから2人とは顔見知りだ。
屋形船がシーズンでない冬は千奈美の家の工場で働いている。
「べっぴんさんがふたりもいちゃ外も中も今日は祭りだな!ふわははは」
「おっちゃん今日はよろしく!」

座敷のテーブルを拭きながら、雅は茉麻のことを考えていた。
あの電話以来話してないな…
『もう、うんざりなんだよね…友情ごっことか…』
『みや…私達。友達だよね…こんな事で…』
茉麻に恋愛感情を抱いてしまった雅には【友達】という言葉はすべてを否定される悲しい言葉だった。
「友達か…」
「どうしたの?みや」
突然の千奈美の声に我に返る。
「ううん なんでもないよ」
そう誤魔化しながら外を見るとスクーターが河川敷のグラウンドを横切ってこちらへ向かってくる。
「れいな先輩!」

121 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 03:50:09 ID:NQ6D7KnX0
「おーやっとるねぇ 雅」
れいなは昨年まで手伝いをしていた船内を懐かしむように覗いてそう言った。
「ハイ!れいな先輩どうしたんですか」雅は嬉しそうに話しかける。
「かわいい後輩が丹下のおっちゃんに意地悪されてないか見にきたけん」
聞こえたのだろう。厨房からおっちゃんの笑い声がする。
「大変だけど上手くやりなよ雅。 それと」
「それと…?」
「最近、清水とつるんでるらしいじゃん」
れいなの鋭い目が雅を突き刺す
「はい…」
雅は堪らず目をそむけた。すべてを見透かされた気分に動揺する。
「まあいいや…筋の通らなんことはやるんじゃなかよ」
「はい…」

グラウンドで遊ぶ小学生などお構いなしに、れいなのスクーターが横切っていく。
「いいなぁ れいな先輩は自由で」
スクーターが巻き起こした砂煙を眺めながら雅は呟く。
「ああ見えて本当は大変らしいよ、れいな先輩」
「大変?なにが?」
雅は不思議そうに千奈美を見つめる。
「働くってのは大変だって…この前言ってた。ひとつも自由じゃないって…」
れいなは千奈美がアルバイトをしている新聞店で働いている。
「そんなものなのかなー」
「らしいよ」
「そうなんだ…」
雅は額の汗を拭うのも忘れ、まだ曖昧でしかない自分の未来を考えていた。

122 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 03:54:05 ID:NQ6D7KnX0
ねむー
続きはまた夜zzz

他の作者さんもう少しお待ちを…

123 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 14:05:59 ID:rARqSTErO
いいじゃんwあぁ繋がりでれいなだったら尚gjです!

124 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 16:08:21 ID:rARqSTErO
構想を練りつつ続編を待ってるよ!

125 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 21:09:49 ID:NQ6D7KnX0
「5.6.7…一万七千円か」
雅と千奈美は蒸し暑い屋形船からようやく開放されグラウンドのベンチに腰掛けていた。
「ほらね!気前のいいお客さんでしょ ご祝儀だけでコレだもん」
貰ったチップを得意そうに数えながら千奈美は上機嫌だ。
「このバイトってさ、夏休み中やるとどの位もらえる?」
「うーん 毎日あるわけじゃないからなー 去年は十万円位だったけど」
雅は対岸の高速道路を走る車をぼんやりと眺めながら呟いた。
「足りないなぁ」
千奈美が雅の視界に割り込んでくる。
「欲しい物やっぱりあるんじゃん。何?」
「欲しいんじゃなくて、取り返したいの」
雅はうっかり口を滑らした自分に我に返った。
「なにそれ」
千奈美が好奇心いっぱいの顔を近づけてくる。
こんな時の千奈美は堪らなく鬱陶しい。
「関係ないでしょ!」
凄む雅にムッとして千奈美はまたベンチに腰掛けた。

126 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 21:13:13 ID:NQ6D7KnX0
二人は沈黙のまま…上空を飛ぶジェット機の音が微かに聞こえる。
「あのさ」
「うん」
雅にさっきまでの刺々しさは無くなっていた。
「佐紀ちゃんとなんかあった?」
「なんで?」
手持ち無沙汰でくるくると回していた雑草の動きが急に止る。
「わたしさ見ちゃったんだぁ、廊下でね二人が話してるの」
雅は一瞬千奈美の顔を見たが、また曖昧に目を逸らした。
「見てたんだ…」
「うん。日記がどうトカ 30万がどうトカ」
再び沈黙が二人を包んだ。

127 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 21:59:45 ID:NQ6D7KnX0
「あのさ…怒らないで聞いてね、みや。みやってさぁもしかしてレズ?」
黙り込んだままの雅を横目に見ながら千奈美は続けた。
「れいな先輩と雅は仲良かったじゃん、ほら先輩ってレズって有名だったからさ
みやもなのかなぁーなんて、でその秘密を佐紀ちゃんに握られてるのとか…」
自分の馬鹿な妄想を得意になって口にしたことを千奈美は酷く後悔した。
「そんな訳ないね!ごめんごめんみや」
雅は悲しそうにまた高速道路の車を見つめている。
千奈美は顔を見つめて聞いた。
「…うそ そうなの?」
コクリと頷きながら雅はうな垂れた。

128 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 22:02:02 ID:NQ6D7KnX0
「自分でもねレズかどうかわからないんだ 
だって小学生の時は好きな男の子だっていたよ」
「うん」
「だけどね、今は違うんだ…」
「じゃあ好きな娘いるんだ…」
雅の顔を見る。
「うん…」千奈美は目が合いドキッとした。
「えっ!私はダメだよ!無理だもん!無理無理無理!」
雅はやさしく微笑む。
「違うよ 千奈美じゃない」
千奈美はホッと肩を撫で下ろした。
「じゃ誰が好きなの?」
ジェット機が遥か上空を飛んでいる、雅は決して届くことの無い
茉麻への思いと重ね合わせていた。
そんな雅を見て千奈美は数日前に茉麻から聞いた二人のやりとりを思い出していた。
「えーっ!もしかしてまあが好きなの!」
「そう…」

129 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 23:14:27 ID:NQ6D7KnX0
「はぁーっ なんだか複雑だね」
ため息交じりで言った。
「ごめん…」
千奈美は雅より優位な立場でいる事に優越感を覚えた
と同時にいつもより小さく見える雅を愛しく思いそっと肩を抱いた。
「ありがとう ちなみ。話せて少しはすっきりしたよ
それと…あの時はごめん。あれは…」「もういいよ!」
千奈美は雅の言葉を断ち切るように言った。
「そんな理由があったんだからイイ!気にしてないから」
「うん」

130 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 23:16:15 ID:NQ6D7KnX0
「でもわからないなぁ なんで佐紀ちゃんから力尽くで日記奪っちゃわないの?」
「同じ感じがするから」
千奈美は驚いた。
「えーっ!佐紀ちゃんもレズなのー!」
雅は肩に回された手を振りほどいた。
「レズレズって言うなよ!」
「ごめん」
「違うんだよ!強がってるけど本当はすごく寂しがりやな気がするの!」
優位な立場があっという間に覆されたことに千奈美はガッカリした。
「だからね気になるんだ…なんであんな事するのか」
「助けてあげたいんだ、みやは」
「うん」
千奈美は小さい頃に男の子から助けてくれた顔中絆創膏だらけの雅の姿を思い出していた
「みやらしいね」
雅はベンチから立ち上がると夜空を見上げている。
「それからまあの事もね…」
千奈美の言葉に雅は頷けなかった。
橋の上を行き交う浴衣姿の人の波を見ながら
自分が普通の女の子でないことに酷く憎しみを抱いていた。

131 :ねぇ、名乗って:2006/04/27(木) 23:20:28 ID:NQ6D7KnX0
以上でした
だらだらとスマソ

さて他の作者さんに期待期待と…

132 :ねぇ、名乗って:2006/04/28(金) 00:40:32 ID:CNyv6Mvl0
>>131
乙!細かいディティールに感動したぞ!
ふと思うんだがこのスレ地味だが凄いな!また構想思いついたら書いてね!

133 :ねぇ、名乗って:2006/04/28(金) 01:25:15 ID:CNyv6Mvl0
    8月 友理奈ノキズ

新たな環境での、生活にも少しは慣れ、そこそこ気の許せる友達もできた。
だが、友理奈の心には、苦過ぎる思い出と後悔が心のカサブタとなり、今も尚、彼女を苦しめている、
かけがえのない、一人の友との思い出が・・

8月3日友理奈の誕生日。
彼女はきっと何時までも、自分の誕生日を、素直に喜べる日が来ないのではないかと、
祝ってもらう資格など、あなたには無いと、自分を戒めた。
一年前の自分の姿に・・

1年前、1人の少女が自殺を図った、少女の名は、石村舞波。
太陽のテロと言っていい程、暑い夏だった・・



134 :ねぇ、名乗って:2006/04/28(金) 01:43:28 ID:CNyv6Mvl0
舞波はいつも、独りを好む少女であった、年頃の同級生からは、誤解されがちな、
いわゆる、ウイタ生徒であった。
何時からか彼女は、いわれもない誹謗、中傷の的になっていた。
舞波が朝、教室に入れば空気が一転し、彼女に関する有る事無い事、聞こえる声での
ヒソヒソ話が始まる・・・
友理奈は、舞波と特に交友こそ無かったが、いつしかそんな空気に耐えられず、
舞波と話をするようになっていった。

135 :ねぇ、名乗って:2006/04/28(金) 01:46:14 ID:CNyv6Mvl0
少し鬱展開ですが
友理奈は設定上過去があるってことなんで忠実に書いてみまつ!

136 :ねぇ、名乗って:2006/04/28(金) 01:53:46 ID:9C9ebJhD0
>>135
ついに舞波登場だぁ
この設定泣けそう 。・゚・(ノД`)・゚・。

よかったー舞波出さないでw

137 :ねぇ、名乗って:2006/04/28(金) 15:56:38 ID:OvEljpnOO
中学2年生の生活が始まると、生徒等はどこかで馴れきって、心が浮き足立つ、そしてそこに、彼等彼女達の政治が生まれる。
各々の得意なカテゴリーで、派閥ができ、その派閥を繋げる、ムードメーカーこそが、熊井友理名だった。

138 :ねぇ、名乗って:2006/04/28(金) 16:23:38 ID:OvEljpnOO
級友達もいつしか、友理名を熊井ちゃんから、熊井長と呼ぶようになり、自覚こそなかったものの、友理名は自惚れ始めていた。
級友達の担ぐ神輿に乗って、自分に与えられた裁量を、過信していた。
舞波の物語に、足を踏み入れるまでは。

139 :名無し募集中。。。:2006/04/29(土) 02:14:01 ID:tO4IEoLIO
狼の語るスレから来ますた

保全w

140 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 03:03:16 ID:UQm2skVxO
何気ないクラスメイトとの、下校時間。
「ねぇ、知ってる?舞波の事。」
それまで、友理奈は舞波について、クラスに一人は居る、目立たない三年間を普通に終える様な、空気の様な生徒という認識しか無かった。
「えっ?なんのこと?」
無意識に友理奈は、耳を傾ける。
「あの子、おかしな宗教にハマっててるらしいよ。」
友理奈は聞くんじゃ無かった、心底下らないなと感じながらも、適当に相槌を打つ。
気付けば、級友達から頼みもしないのに、続々と舞波に関する悪意のこもった情報が寄せられていた。
ネズミ講やら、レズ説など聞くに堪えない噂ばかりが
「まぁ、いいじぁん。人は人だし。」
友理奈が、少しでも不快な意志を示せば、なんであんたも、一緒になって悪口言わないと、不思議な顔をされた。
(なんだか疲れるなぁ・・この子達。)
何時しか友理奈は、友達の在り方に疑問を抱くようになった。

141 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 03:13:35 ID:fsM6yl3u0
>>139
おっと!キタか!歓迎するよw
最近語スレも人稲だからwたまには読みにこいよ
もちろん作家でも歓迎するお!読んだら感想書いてなw

142 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 03:22:19 ID:Bg79U9uh0
着々と進んでますなー

143 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 03:58:14 ID:G5RXYAB50
>>139
いらっしゃいませw

144 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 11:45:05 ID:UQm2skVxO
何時だったか、雨が叩きつける様に降り続く、そんな放課後。
友理奈は、何かソワソワと落ち着きの無い、舞波の様子を、遠目ながら気になっていた。
「どうしたぁ?早く帰ろうよぉ。くまいちょー」数名の生徒が友理奈を急かす。
「うん・・今、行く・・」友理奈はどうもしっくりこないまま、その場を後にした。

145 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 12:38:14 ID:UQm2skVxO
舞波は、途方に暮れていた。
小学生の時からずっと大切にしてきた、イチゴのキーホルダーが無くなっていたのだ。
鎖の先からが、誰かに引きちぎられた様に。
人は時として、他人にとっては、取るに足りない下らない物に執着する
舞波にとっての其れは、正にそのクダラナイモノに違いなかった。
彼女は絶望感を感じ、机に突っ伏した。
(下らないよ。あいつら・・何時もコソコソして。言いたい事もろくに言えない、群れてないと生きてけない連中のクセして!)
舞波は其れが、無くなったのでなく奪われた事を知っていた。
彼女は悔しさで、胸が締め付けられるが上を向き、溢れ出しそうになる涙をかばう。
彼女はいつでも、そうしてきた。

146 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 13:51:48 ID:UQm2skVxO
土砂降りの雨の中、友理奈達はそれを楽しむ様に、所々できた巨大な水溜まりを避け、下校していた。
友理奈の浮かない表情を級友が気に留める。
「どしたの?くまいちょー。さっきからウチらの話全然聞いてなくない?」と、彼女達から指摘を受ける。
「え?そんな事ないよ。」友理奈ははぐらかすが、次の言葉が出て来ない。
一人が最近、かなり仲良くなった店のお兄さんがいるらしく、コンビニに寄り道して行こうと、皆が友理奈に同意を求める。
「ゴメン!学校に忘れ物したっぽい!戻るから先帰ってて!」友理奈はうっかり者を演じ、モヤモヤの原因へ引き返す。
彼女達の物語は、そんな事から序章を迎える。

147 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 16:29:08 ID:qpysPX+eO
続き!続き!

148 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 18:25:19 ID:UQm2skVxO
自らの遅過ぎた決断が、友理奈に傘をさす事より、濡れる事を決断させる。
息を切らした友理奈が教室に着くと、窓から舞波の姿を見つけた。
友理奈は大きな深呼吸を一つした後、扉に手を掛けた。
急な事に、舞波はとても驚いた様子で友理奈に振り向く。
「熊井さん?」
舞波の目が、気のせいか赤く見えた気がした。

149 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 21:27:54 ID:fsM6yl3u0
ずぶ濡れの制服から、水がポタポタと滴り落ちるのを見て、舞波は更に驚いた。
「熊井さん?どうしたの?ビタビタじゃない。」
舞波はそう言いながら、鞄からタオルを出して友理奈に手渡す。
「風邪ひいちゃうよ・・用事なんだったの? 早く帰った方がいいよ。
私なんかと居ちゃ、熊井さんにも迷惑かかるし・・・」 友理奈はその時初めて気が付いた、
この子は自分に向けられた、悪意や好奇の視線、侮蔑に値するデタラメな噂話。
全てを解っていながら、顔色ひとつ変えずに【石村舞波】を貫いてきたのだと。
そして気付く、いかに自分が井の中の蛙だったのか、と。

150 :ねぇ、名乗って:2006/04/29(土) 21:44:39 ID:fsM6yl3u0
「なんだか・・舞波の様子、おかしかったから、気になっちゃってさ・・」
「えっ?・・あぁ・・キーホルダーがね・・何処かいっちゃってさ・・」
友理奈は舞波が、何かを必死で隠している。そんな直感に駆られ、舞波を問いただす。
「舞波、間違いならいいけど・・何か隠してる?・・」舞波は明らかに動揺し、拳を固く握った。
「ちょっと、それ、見せてもらって良いかな?」 友理奈が舞波の右手を指した。
二人だけのシュチュエーションでは、さすがに誤魔化しきれないと感じたのか、
彼女が素直に手を開いた。


151 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 02:27:16 ID:zA7YWxrnO
おまいら!今日は飲杉田続きは明日で堪忍してな

152 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 03:07:54 ID:kwAh90hd0
はい!おちかれ

こちらまあさと矢島くんw&みやびちゃん構想あと少し…
最後が思いつかぁぁぁぁん…もう寝よzzz


153 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 04:27:41 ID:zA7YWxrnO
まあ

154 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 15:12:06 ID:EA2ZXwYrO
さん

続編待ち

155 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 16:06:41 ID:Jxf9qL840
>>150
舞波が開いた手の平には、無残に潰れたプラスティックの破片達が、哀しげに収まっている。
「ちょっと!何?これ・・」 友理奈はただ唖然と、それを見つめる。
「へへっ・・なんかやられちゃったみたい・・あの子達も、暇人だね・・こんな事してる暇あったら、
何か楽しい事とか、探せばいいのにね・・嫌になっちゃうね。」舞波は、無理矢理笑ってみせる。
「ヒドイ・・許せないよ!こんなやり方っ!」
友理奈は、哀しさ悔しさ怒りが入り交ざり、肩を震わせる。
「舞波はこのままで言い訳!?せめて、文句も一つ位・・このままじゃ・・」
「いいんだって・・これは私の問題だから。私のやり方があるから・・
それに、熊井さんみたく、強くないから・・・私。」 舞波はつくり笑いを崩さない。
大人びた笑顔には、不釣合いな二つのエクボが、どこか哀し気だった。

156 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 16:36:44 ID:Jxf9qL840
「くそっ!最低」友理奈は憤りを、ストレートに表情に出した。
しかしそれと同時に、その怒りの矛先が、自分の友達に向けられる現実を認めざるを得なかった。
「・・舞波。お節介かも知れないけど、何か私にできる事、無いかなぁ?・・・」
舞波は、笑う事を止め、切なそうな顔になり彼女の目を見た。
「だったら一つだけ、お願い。」
「うん。何でも言って。」 友理奈は真剣な眼差しで、彼女を見据える。
「こんな事、言いたくないけど・・・私に構うのは今日限り。明日からも話し掛けたりしてくれなくて
いいから・・それがお互いの為。今日はホント嬉しかった・・ありがとう!」
そう言い、彼女は天井を見た。涙がこぼれない様に・・
彼女からの要求に、友理奈は言葉を失った。
気が付くと友理奈は一人教室に取り残されていた。

157 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 16:51:31 ID:Jxf9qL840
友理奈は、壮絶なまでの彼女の覚悟に、心から感服した。
自分自身の築いてきたものの小ささに、友理奈は笑う。
(かなわないって・・あいつら何人束になっても・・舞波には・・)
  
雨の降り続く帰り道、舞波は深い自己嫌悪に陥る。
(熊井さ優しかったのに・・あんな事言っちゃって・・仕方の無い事だってわかってる・・)
「まいはーーー!!」 土砂降りの雨音に交じり、友理奈の声がした。


158 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 20:02:11 ID:Jxf9qL840
>>155
×「舞波はこのままで言い訳!?せめて、文句も一つ位
       
○「舞波はこのままでいいわけ!?せめて、文句の一つ位
誤字あったわw

159 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 20:17:57 ID:Jxf9qL840
目を凝らすと友理奈が傘もささずに、走ってきた。
「どうかしたの?熊井さん。」 舞波は冷静を装う。
「一緒に帰ろうよ!」
「帰るって・・さっき約束したよね?お互い関わらないって。」舞波は確認するように言った。
「うん。したよ!今日限り関わらないって。」
どうにかして舞波の心を、開いてみたくなった友理奈は、今日限りという言葉を強調した。
「わかった・・今日だけ・・一緒に帰ってくれる?」
舞波もまた、一日限定で友理奈に甘えた。

160 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 20:59:29 ID:Jxf9qL840
翌日から友理奈は約束を守り、いつもの日常を過ごす。
ただ一つ変わった事は、舞波に対する級友達の悪意は、なるべくなら、適当な世間話で逸らそうとした、
友理奈が自分にできる事を、自分なりに考え、導き出した答えだった。
しかし、それも長くは続かなかった。
「最近くまいちょー、舞波の話題しきりに避けてない?」ある生徒の指摘を受ける。
「そうかな?まぁ人の噂話なんて、どちらかと言えばしたくないしね。」
あの日から友理奈は、前以上に自らの意見を、押し通す様になっていた。
そんな友理奈の個性が、次第に彼女等の逆燐に触れていく、集団ヒステリーという逆燐に・・。


161 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 21:24:07 ID:Jxf9qL840
友理奈も同じく、彼女等を軽蔑するようになり、溝は深まっていく一方だった。
時には友理奈抜きで、買い物や勉強会が行われるようになり、友理奈のリーダーとしての資格は徐々に剥奪されていった。
あとは、きっかけを待つだけだった。
ゴーサインと同時に【熊井友理奈】の存在は完全にクラスから排除される手筈になっていた。
それでも彼女等に失望を抱いてしまった友理奈は、級友達の忠告、警告にも、耳を貸さない。
「くまいちょー・・このままだとヤバイよ。皆、友理奈の事良く思ってないし・・」
「友理奈、最近スゴク感じ悪いんだけど、あんまし調子こいてると・・」などの言葉にも、
「どうでもいいんだよね・・」と投げやりに受け流す。
そんな彼女を舞波は、やるせない気持ちで見守っていた。

162 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 22:31:09 ID:Jxf9qL840
ある日突然、ゴーサインはかけられた。
その日は、ただならぬ気配と濃厚な悪意が、朝から教室中を息苦しくさせていた。
確信犯の1人が大声で舞波を中傷した。
「このクラスってさ、誰かのおかげで学校中から白い目で見られてるんだよねー!」
「そうそう!レズとかさぁー!カルト教団?!こわーいっ!」
「ってかさぁ!!そんなヤツ学校来なくていいしっ!」
「ホント!自分が完全に浮いてるの知ってて、来るのとかありえなぁーい!」
教室を長方形に見立てて、悪意のボール回しが始まった。
友理奈は思わずキレそうになるが、舞波と目が合う。舞波は笑顔で首を振り、あの日の約束を、友理奈に思い出させた。
友理奈は、己の無力さに打ちひしがれ、怒りで体を震わせた。
「そうそう!この前のさぁ!きったないイチゴのキーホルダー?あれ、どーしたー?」
「あぁ!あんまり目障りだったから、一応踏み潰しといたぁー!」
先にゴーサインがかかったのは、友理奈の方だった。
気が付くと彼女は、悪意の1員にクロアチアのファイターばりのハイキックを見舞っていた。
クラス中が凍り付く。 そして悪意のゴーサインがかけられた・・
KOされた悪意に、悪意の輪ができ、友理奈に加害者の烙印を押した。
「ひどくない?!舞波の味方はやっぱ野蛮人だったよ!みんなー!」
「てゆうか・・一歩間違ったら死んでない?・・大丈夫ぅ??」
KOされた悪意はまるで、勇者のような待遇を受けている。
「あんたら・・やること、いちいち陰険なんだよっ!!舞波の気持ち考えたことあるの!」
友理奈の怒りはピークを維持し続ける。
「ってかさぁ・・まいは?って誰?」 悪意が挑発を仕掛ける、室内が爆笑に包まれた。
「おまえら・・おまえらっ!」友理奈が発狂しかけたその時、友理奈の手を温もりが包んだ。
「熊井さん!ダメ!私なら大丈夫・・だから終わりにして!お願い!」舞波だった。
彼女はここまでされて尚、笑窪を見せ笑っていた・・・友理奈は、我に返る。
「わかった・・もう止めにする・・ゴメン・・舞波。」
だが一度かけられたゴーサインは、易々と撤回などされるはずは無かった。
「おまえにおまえって言われる筋合いは無いんだよ!」ハッピーエンドがぶち壊された。
「ってか、おまえら、誰?」 【熊井友理奈】【石村舞波】の存在は、完全に抹殺された。

163 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 22:59:28 ID:Jxf9qL840
その日の内に、2人の持ち物全て、姿を消した。
友理奈の方はこれ位の覚悟は出来ていたが、自分の自己満足にも似た正義が、
守るべき相手を、逆に傷つけてしまった現実に、深く落胆させる。
丁寧に持ち物全てを、別の場所に隠し、その宝探しにも似た感覚が、更に友理奈の後悔を促す。
舞波も同じく、宝探しをしていた。 
美術室で2人は出くわした、友理奈は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
片や舞波は、照れ臭そうにはにかんだ。
「舞波・・ゴメン・・何言ったところで言い訳になるから・・ホントにごめんなさい!」
「え?なんで?私は友理奈に、ありがとう!って言いたかったのに。」
初めて舞波から、名前を呼ばれた事に、願ってもいない感謝を口に出された事に、
友理奈は胸を詰まらせた。
「これからは、やっと友理奈と仲良く出来そう・・実はどこかで友理奈の事、信じていない
私がいた・・こっちこそ、ホントにゴメン!」
「じゃ。一緒に帰ろっか!」悪意の宝探しが、」2人の絆を固くした。

そして2人の物語は加速していく・・・・・・

164 :ねぇ、名乗って:2006/04/30(日) 23:45:11 ID:Jxf9qL840
2人は2人だけで、朝の挨拶を交わし、周囲の誹謗、中傷にも動じない。
1人の時より随分と楽だと、不謹慎な自分自身を、舞波は叱る。
随分、角も取れ、人間らしさを取り戻した舞波は明らかに輝いていた。
友理奈も然り、痛みこそ伴ったが、真の友人に出会えた事で、自分を包み隠さず表現できるようになっていた。
 
舞波の家に招かれると、初めて娘の連れてきた友人に、舞波の母は目頭を熱くした。
舞波の父は有名なサーファーだったらしく、家中オイルのいい香りがした。
舞波は意外にも、ロックが大好きで、
部屋には悪名高いイギリスのパンクバンドのベーシストがこちらを威嚇している。
舞波がCDをかける、私達のまだ生まれる前から、活動していたらしい、日本の反逆音楽を、
「何百回も聴いてるからうまくかからないの・・」舞波は前置きしながら、友理奈の反応を伺う。
ドラムの乾いた音からそれは始まった・・・
「終わらない歌を歌おう! くそったれの世界の為。
終わらない歌を歌おう! 全てのクズ共の為に。
終わらない歌を歌おう! 僕や君や彼らの為。
終わらない歌を歌おう! 明日には笑えるように・・
世の中に冷たくされて、独りぼっちで泣いた夜、もうダメだと思う事は今まで何度でもあった。
本当の瞬間はいつも、死ぬほど怖いものだから、逃げ出したくなった事は、今まで何度でもあった。
・・・・・・・」
聴いてるそばから、友理奈は涙が止まらなくなっていた・・
(舞波、本当は泣きたかったんだね・・大声で笑ったり叫んだりしたかったんだね。)
音が終わると舞波がニヤニヤこちらを見ている。
もう涙を誤魔化したりする必要は無い。これからは心置きなく泣いて、笑ってやる!
友理奈はかけがえのない友に出会えたことを、本気で嬉しく思った。

165 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 00:10:58 ID:VO15Qm4N0
だが状況は残酷に2人を引き裂き始めた。
悪意側の親達が、学校に乗り込んできた、子供達からのでまかせを真に受けて。
職員室はヒステリックな喧騒に包まれる。
「同性愛者っていうんですか?私共も否定はいたしませんけど、自分たちの子供に
悪影響が及ぶとなると話が違ってきますわ。」
「カルト教団の信者がおたくの学校には、2人もいるそうじゃないですか!」
口調は丁寧だが、話の内容は下劣極まりない、大人のする話では無かった。
今の腐敗した学校のシステム上、事なかれ主義の教師達は皆、口を閉ざす。
その無言が親達の誤解を招きさらに熱を増した。
担任がクラスに戻ると、悪意達は歓喜でざわつきだす。
担任の2人を見る目つきが、明らかに腫れ物を見る目に変わった。
2人はただ唇を噛み締めた。

166 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 00:13:33 ID:VO15Qm4N0
作者ですけど・・オモタ以上に長くなってますねスイマセンorz
退屈でしょうがもうしばしお待ちくださいw

167 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 00:41:41 ID:I/MExBpWO
読んでるよー


168 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 01:09:15 ID:VO15Qm4N0
二人は、この日起こった事に鍵をかけ、仲良く談笑しながら下校した。
一人の男が二人を呼び止める。
「ちょっといいかな?」二人が振り返る。
「僕こういう者だけど。」男の差し出した名刺に自然と目がいく。
【週刊 アップフロント・・・・】あの悪名高く、記事の為なら違法行為も辞さない、写真週刊誌。
「はぁ?」二人は事態をうまく呑み込めずいた。
「突然で悪いんだけど、君達が例の教団信者。だよね?」
二人の顔色から、一斉に血の気が引く。

169 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 01:29:12 ID:VO15Qm4N0
「あんなの!デタラメです!」 舞波は明らかに狼狽している。
「ほう。デタラメなんだ!・・それで?」 海千山千の男は話の取っ掛かりを探している。
「この子・・友理奈は全然関係なくて・・・」 必死で友理奈を庇おうとする舞波が痛々しい。
「この子?ゆりなさんっていうんだ・・じゃ君の方は教団に関与してると・・」
「いえ!そうじゃなくって・・」 舞波は自分を見失っていた。
自分が初めて心を許せた友を守る為に・・・・
「舞波!ダメ!何も喋っちゃ!」友理奈は、舞波の手を取り、猛ダッシュで逃げた。
帰宅して家の鍵を掛け、友理奈は部屋に閉じこもった。
「笑えないよ・・大の大人が・・子供の言うこと真に受けて。」
舞波も自部屋に篭りブルーハーツを聴きながら、近い将来待受けている事態に、
神経を尖らせていた。

170 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 01:30:55 ID:VO15Qm4N0
寝ます。

171 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 15:19:57 ID:3YqknmRRO
数日の間、二人は意識的に距離を置いた。
時間が彼女等を、癒やしてくれるものと、どこかで楽観的になっていた。
そして5日目の朝。
友理奈はそろそろ、舞波と話しても良い頃だと、上機嫌に登校する。
そして友理奈は、校門の辺りにできた人だかりを目の当たりにした。

172 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 15:43:58 ID:3YqknmRRO
いきなりマイクを向けられた。
巨大なテレビカメラがこちらを睨み付ける。
「あなたが、例の教団信者ですか?」
画面の中で見た事のある女性レポーターに、好奇の眼差しを向けられた。
「何なんですか!全くの事実無根です!こんな事して良いと、思ってるんですか!?」
友理奈は大人達に囲まれても動じない、心の強さが、いつしか身についていた。
大人達も馬鹿げたジャーナリズム、知る権利とやらを振りかざし、一歩も引き下がろうとしない。
朝の校門前は一触即発の空気に包まれていた。

173 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 16:06:53 ID:3YqknmRRO
騒ぎを聞きつけた教師等が、なんとか場を収め、 友理奈は保護される様に校内に連れられる。
教室に入ってすぐ、自分の机に置かれた、写真週刊誌に目が行った。
動揺を悟られない様に、誌面に目を通す。
[ 週刊 アップフロント]
カルト教団に幼い信者!都内公立中学校に通う、少女2名の素顔!
Y・Kさん M・Iさん
友理奈の守るべき者全ては、呆気なく崩壊した。

174 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 16:15:42 ID:3YqknmRRO
仕事イテクル

175 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 16:23:52 ID:I/MExBpWO
いってらー ノシ

176 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 17:39:03 ID:2M3UAbSZ0
イキテル?

177 :ねぇ、名乗って:2006/05/01(月) 23:54:14 ID:VO15Qm4N0
校長室に二人が呼ばれると、友理奈と舞波の母が、教師等と向き合っていた。
「お母さん・・」 友理奈は、落胆の色を隠す事は無かった。
「ごめんなさい・・なんか・・こんな事になるなんて・・」
「何言ってるの!二人ともやましい事なんてないんでしょ!だったら胸張って!ほら!」
友理奈の母が、二人の背中を力一杯叩いた。
「とにかく、生徒の悪質なデマを、いつまでも放置してるから、今回みたいな騒動が起こるんです!
そちらの責任も、大いにあるんではないんですか!」 舞波の母も続く。
教師等は「はぁ・・」「はい・・」「いえ、それは・・」しか口にせず、何時間もイタチゴッコは続いた。


178 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 00:29:12 ID:NiwKsUPS0
翌日は、人権団体が待っていた。
学校の前では、TVクルーと彼等がヒステリックにやり合っている。
「未成年の人権を無視するなーー!」一人が拡声器で放つと、
「無視するなーー!!」大勢が続く。 ニュースでしか御目にかかれない光景が演じられる。
舞波がうつむきながら、それを突破しようとすると、
「君だよね!マスメディアの犠牲者は!! 本当に大変なのは僕らも解るんだよ!
これからは僕らが付いているから!!」 油ぎった顔と、押し付けがましい正義に舞波は困惑する。
男の、笑う事の無い目を見ていると、もうこの事件の主役は、私達じゃないのだと、
とんでもない所まで来てしまったんだと、彼女は痛感した。
やがて問題は、ワイドショーからニュースにまで飛び火し、深夜の討論番組でも大きく扱われた。
ロードショーを間近に控えた映画監督、不倫騒動を払拭したい政治評論家、
彼等がこぞって二人の胸中を、訳知り顔で話す・・
全ては、自分の売名の為、そこでは彼女達の存在など、誰も気に留めたりはしなかった。

179 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 00:51:49 ID:NiwKsUPS0
そして夏休みが来る頃には、友理奈の姿は見違えた。
頬の肉が削げ落ち、目の下には隈が存在を主張している。
人権団体の拡声器から放たれる、ハウリング音を耳にする度、吐き気を催しトイレに駆け込んだ。
食欲など起きるはずも無く、水で誤魔化す日々。
(ノイローゼが人間を殺すなら、きっと今だろうなぁ・・)
友理奈はどこか他人事の様に、自分の姿を憂いだ。
それでも舞波との絆は、絶たれる事は無く、彼女の存在が友理奈に正気を取り戻させる。
8月に入ればすぐに、友理奈の誕生日だった、舞波が一緒に祝ってくれると約束してくれた。
今はそれを糧に生きようと、友理奈は笑う。

180 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 01:04:18 ID:NiwKsUPS0
夏休みに入れば、少しはマスコミの熱も下がるだろうと、友理奈はたかをくくっていたが、
実際は違った、家の前には彼等のものと思われる黒塗りの車が、四六時中張り付き、
野次馬連中が家まで見物に来る。
家の前でピースサインの記念撮影をする輩を見る度、怒りを通り越し笑えて来る。
もはや、夏休みなど関係無く、友理奈に安息が許されることは無かった。

181 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 01:22:45 ID:NiwKsUPS0
そして、8月3日がやってきた。
今日は一日中、心から笑おう、暗い話題なんて笑い飛ばしてやろうと、
友理奈は鏡に向かって、忘れかけていた笑い方を呼び戻す。
食卓には豪勢な食事がならんでいる。
いい匂いが忘れかけていた食欲まで呼び戻した、ご馳走の中でひときわ、納豆が異彩を放っていた。
「ちょっとぉ!お母さん!なんで納豆!?」 友理奈は顔を真っ赤にし、母に甘える。
「なんでって・・あんた大好きでしょ?!納豆。 部分部分に入れてあるから!」
キッチンから母の笑い声と、唐揚げを揚げる音がした。
「早く、舞波こないかなぁ・・」 友理奈は久々に人間としての幸福を噛み締めていた。
「ピンポーン」 待ちわびたチャイムが鳴った。

182 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 02:00:33 ID:NiwKsUPS0
「ハッピ−バースデー!!」 舞波がジュースとプレゼントを持ち、笑顔で立っている。
「いらっしゃい!!今日はありがと!さぁ上がって!」

「はい!プレゼント!」舞波の笑顔に友理奈はいっそう幸せな気持ちになる。
包みを開けると、手入れの行き届いたブルーハーツのCDが三枚入っている。
「これ・・舞波の宝物だよね?!貰えないよぉ・・」友理奈は困惑する。
「ううん・・もう私には必要ないから!友理奈にいつも元気もらってるし!
そのお礼。ボロボロだけど、十分聴けるよ! これ聴いてると嫌な事、全部吹っ飛ぶからさ!」
「ありがとう・・マジで最高のプレゼント・・」
友理奈は改めてお互いの結束の強さを思い知る。
それからも笑顔が絶えることは無かった。
お笑い芸人の新しいギャグに爆笑したり、母の持ってきた友理奈のアルバムに赤面する。
こんな時間がいつまでも続けば良いのに・・二人は口にこそ出さないが、同じ事を願っていた。


「ガシャーーン!!」ガラスの破裂音が幸福な時間を破壊した・・

183 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 02:13:54 ID:NiwKsUPS0
友理奈は気が付くと、絨毯に倒れていた。
頭が熱い・・・・。
視界には赤いものが入ってくる・・・
次に舞波の悲鳴が聞こえた。
ボーとした額に手を当ててみる・・・血液が手に付着してきた。
(何!?これ!?血?)友理奈は事態を飲み込めない。
舞波を見るとガタガタと震えている。
(どうしたの?舞波?怖い顔して・・)
上体を起こして初めて、自分が出血していることに気付いた。
窓を見るとそれは粉々に割れていて、床には拳大の石が落ちている・・
「おまえらー!迷惑なんだよ!ここから出てけよ!」
窓の外から、誰かの怒鳴る声がする、ようやく友理奈は状況を理解した。

184 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 02:25:11 ID:NiwKsUPS0
友理奈の母が外に出ると、もうその姿は無かった。
「なんか、意味わかんないね!」友理奈は顔を血で濡らし、精一杯の笑顔を作る。
「ごめん・・・やっぱ、来なきゃ良かったね・・・馬鹿だよね・・私。
図々しかったね・・・・もう友理奈に迷惑かけないから・・・・私、消えるね。」
舞波はとても哀しげに靴を履き、消えた。
「舞波!!待ってよ!!悪くないよぉ!!舞波ぁ!!」
友理奈は必死で追いかけようとするが、母はそれを許さなかった。

185 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 02:30:10 ID:pyNRIMYcO


186 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 02:48:18 ID:NiwKsUPS0
病院での縫合が終わり、泣き腫らした自分の顔を、鏡に映す。
(よく泣くなぁ・・この人・・)そんなことを考えながら、舞波の事を考える。
次は警察での事情聴取が待っている。
警察の事務的な質問も、舞波の件が、浮わの空にさせた。
(舞波、すごく辛そうだったな・・・舞波の、言う通りかも・・・結局ハリネズミなのかもね、私達。
お互い仲良くするほど、傷つけ合う・・・・私の方こそ、謝りたかったのに・・)
幾つかの質問に答えていると、周りが慌しくなりだす。
「3丁目?自殺?直ちに向かわせます!」警察官達の会話が耳に入る。
「女の子だってよ。可哀想になぁ・・・・」 
「飛び降りか?面倒だなぁ・・・・」
周囲の会話に耳を研ぎ澄ます。
(まさか・・・・そんなわけ・・・・)友理奈はとてつもない胸騒ぎを覚えた。

187 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 03:01:23 ID:NiwKsUPS0
彼等に事情を話す。
とても大切な友人かもしれない事、この事件に関係しているかもしれない事。
とにかく必死で話した。
彼等の一人が快く受諾してくれ、現場に連れられた・・・・。
そこには既に、野次馬たちの人だかりが出来ていて、友理奈はそれを掻い潜るように前に進む。
そこに彼女の姿は無く、替わりにネイビ−ブルーのコンバースが無残に転がっていた。
友理奈が以前、可愛いねと誉めた、コンバースだった。
友理奈は本当に目の前が真っ暗になった。

188 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 03:12:54 ID:NiwKsUPS0
警察に病院を聞き、無我夢中に走った、足が壊れてもいい、肺が破れてもいい、
とにかく舞波に逢いたい・・・・そこに最悪の結果が待っていても。
舞波に謝りたい。舞波と話したい。舞波と笑い合いたい・・・・・
それが霊安室だったとしても。
自分に出来る事など何も無い。その事を舞波に許してもらいたい。
舞波は私に、大切なものを沢山くれた。その事を舞波に伝えたい。
ただ夢中に駆けた・・・・・。
 

病院に着いても、友理奈は走った。
看護婦に聞くと重体らしく、集中治療室にいるらしかった。


189 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 03:51:20 ID:NiwKsUPS0
集中治療室に着くと、舞波の両親が、居ても立ってもいられない様子でそこに居る。
「舞波は!舞波は!大丈夫なんですか?!」友理奈が彼等に問い詰める。
「友理奈ちゃん・・・・まだ・・・なんとも・・・」舞波の母が懸命に涙を堪える。
「すいませんでした・・・・私が舞波を・・・・追い詰めたようなものです・・・・」
「何、馬鹿な事言うの!舞波は感謝はしても、友理奈ちゃんを責めるような事は・・・・絶対ない!」
「とんでも・・ないです・・・・・」
そして無言が続いた・・・・・。


「あの子ね・・本当は、すごく甘えたがりでね・・友理奈ちゃんには、ホント迷惑かけてばかりで。
なんか、周りの人巻き込んじゃうのよね・・・・舞波。」
「いえ。全然そんなことは・・・・」
「もう、舞波の事、友理奈ちゃんに頼む訳にはいかないって、あの人と話してたの、
これ以上、親切な人を巻き込んじゃいけないって。」舞波の父が友理奈に会釈をする。
「いえ!私の方こそ、舞波が居ないと、舞波が居なきゃ・・・ダメなんです!」
「何言ってるの!舞波が言ってたわ。友理奈は凄く強くて、クラスの人気者で、でも困ってる人、放っておけない
優しい子だって、だから仕方なく私なんかと仲良くしてくれてるんだって。
友理奈は自慢の親友なんだって。」舞波の母は遠い目で言う。
「そんな事・・・私・・・・とにかく、舞波と居たいんです!お願いです!
舞波と居させて・・・・下さい!!」友理奈は懇願した。
「解ってもらえないみたいね。私にこれ以上、酷いこといわせないで!」
「え!?」友理奈は困惑する。
「もうこれ以上、舞波を傷つけて欲しくないの!友理奈ちゃんの為にも。
関わって欲しくない・・・・今後一切。」
「そんな・・・・・」
「とにかく帰って!あなたに、ここにいて欲しくない。」
全てが無に還った瞬間だった。
友理奈も心のなかで何かが切れ、それ以上、食い下がる事は無かった。    

190 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 03:56:49 ID:NiwKsUPS0
作者です・・半端なく長いですね・・反省してますorz
もう少し待っててほしいでつorz今日は寝ますがうんざりしないでほしいでつ

191 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 06:31:16 ID:tqjI7Jjz0
気にすんな
のんびりいくべぇ!

192 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 06:34:53 ID:VavjiZD00
一方、桃子のでっちりをスカートの上からもみしだいた痴漢の手は、
いよいよミニスカの裾を持ち上げ、その奥に侵入しようとする。
ゆるやかな指のうごめきに桃子の心が叫ぶ
『パ、パンティーはだめっ!』


193 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 10:17:23 ID:JE7uE79TO
モモ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!

194 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 15:11:02 ID:lpbxmyPRO
それからの友理奈は、どうやって家に帰ったかすら、ままならない程、打ちひしがれていた。
舞波が助かったという報せは、翌朝のニュースで小さく扱われた。
世間の関心は、元横綱兄弟の泥沼化した、近親憎悪に寄せられた。
もう、彼女等の存在など誰一人、記憶に留める事など皆無であった。
「あぁ。いたよね!そんな子達。それよりEXILEの新曲買ったー?」
それだけの事でしかなかった。

195 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 15:35:03 ID:lpbxmyPRO
友理奈はこの夏、何をして過ごしたか憶えていない、喪失感などでは無く、ただ抜け殻の如く日々を消化した。
時間が経つにつれ、舞波という人物は本当に実在したのだろうか。
そんな疑念に襲われた、友理奈は抜け殻で在ることを望んだ。

196 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 15:51:01 ID:lpbxmyPRO
二学期に入ると、悪意は嘘の様に消えていた。
皆が当たり前の様に、友理奈に世間話を持ち掛けて来た。
さすがに、良心の呵責に苛まれた様子で、しかし誰一人として、あの事を口に出す者などいない。全ては彼女等の保身の為、石村舞波は彼女等の黒歴史に、葬り去られた。鉄仮面と化した友理奈に、鉄仮面の思いやりが寄ってくる、よそよそしい空気が教室中を包み込んでいた。

197 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 16:09:32 ID:lpbxmyPRO
10月2日。
帰りのホームルームで、担任が告げた。
「石村舞波が今日限りで転校する事になった。
色々あったけど・・・今日も石村が来れないのは残念ですが・・・」
担任は気まずい面持ちで告げる。
抜け殻の中にはまだ、感情というヒナが息づき、友理奈に人間的に生きる事を選ばせた。

198 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 16:13:12 ID:lpbxmyPRO
仕事いてきまつ

199 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 20:53:09 ID:lpbxmyPRO
ヒトイネ

200 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 21:18:23 ID:JE7uE79TO
いるよ
続き待機

201 :ねぇ、名乗って:2006/05/02(火) 23:48:03 ID:GrXbGPt60
ペドの妄想劇場か
どこまで気味悪いんだオマエ

202 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 00:37:46 ID:623M7Bdb0
「そんな・・・先生!?嘘だって言ってよ!私まだ、舞波に話たいこと沢山あるのに!」
気が付くと友理奈は我を失い、担任に掴みかかっていた。
着席を命じられても、友理奈は一向に引き下がろうとしない。
緊張が教室を覆い、誰もが友理奈の異常なまでの執着に、息を呑んだ。
まだ間に合うかもしれない・・・・僅かな可能性だけを頼りに、友理奈は教室を飛び出す。

『お願い!最後にもう一回だけ・・・舞波に逢わせて下さい!!』
自分達を残酷なまでにもてあそんだ神であるが、その存在の、最後のチョイスに身を委ねるしか術がなかった。
 
舞波の自宅に着くと、そこに人の居る気配は無かった。
彼女の心臓は、全速力で駆けた事より、焦りで破裂しかけている。
運良く通りかかったタクシーに乗車し、運転手に最寄の駅を告げた。
電車に乗らないかもしれない、舞波の自宅に車は無かった、ましてや行き先も友理奈は知らない。
それでも、行動せずにいられなかった、あの時、無理してでも行けば良かった、
そんな後悔には、もううんざりだった。
そしてなにより、舞波はそこにいる様な気がした。



203 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 00:55:35 ID:623M7Bdb0
駅に着くと一目散に駆けた。料金を払う事すら忘れるほど焦っていた。
クリスマスにはまだ早い、時期を勘違いしたイルミネーションの波を泳ぐように駆けた。
あまりに綺麗な光達に見惚れる人達とぶつかる。
「舞波!!舞波!!どこ!?」周囲の視線など、もはや友理奈には関係なかった。

「友理奈!?」
神も最後までは、残酷に徹しきれなかった・・・・・

204 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 02:03:37 ID:623M7Bdb0
「舞波・・・・・やっと、逢えた・・・・」
友理奈は膝の力が抜け、その場にへたり込んだ。
「友理奈・・・どうして?」
「このまま離れたら、私、一生後悔してそうだから・・・・来ちゃった。」
「友理奈には、沢山、嫌な思いさせちゃったし・・・すごく逢いたかったけど・・・傷、大丈夫?」
自殺を図った少女が、たかだか四針の傷の事を心の底から悔いている。
「こんなの!全然!どってことない!」 友理奈は笑う、あの頃に還ったように。
「友理奈にすごく心配かけて・・・私が死んだら、全部終わりになるかなって・・・
馬鹿だった・・・死んだら、本当に負けになっちゃうのにね・・心配させてごめん・・本当に。」
「そんなの・・・どってことある!!ホント死ぬ程心配したんだよ!!おかげで宿題、全然やってないから!」
友理奈は絶対に泣かないと決めた、舞波のように強い人でありたかった。
友理奈の意思を舞波が感じたのか、彼女も笑顔になる。
「じゃあ今度、手伝ってあげるから!」
「頼むよ!」二人は多分果たされる事の無い、約束を交わす。
「じゃあ!そろそろ・・・行くよ!」舞波が別れを切りだす。 
「元気でね!手紙書くから!」友理奈は決して笑顔を絶やさない。
その時、構内が歓声に包まれた、色とりどりの光が、青一色の光へと変わる、まるで波のように。
「うわぁー!キレイ!!」
「すごいね!舞波の大好きな色だよぉ!」
青の世界に包まれて、舞波は改札をくぐった。
友理奈の涙が限界まで来ていた、それを隠そうと、目を擦る。
舞波がエスカレータに足を乗せた、もう逢えないんだろうなぁ・・友理奈は薄々ながら思う。
とうとう涙が零れた。
「ゆりなーーーー!!」舞波の声が聞こえた。
「だいすき!!!」舞波がいつもの笑窪を見せ、心から笑った・・・・

あれから、お互い連絡はとることはない、病院で舞波に付いてあげなかった自分に、
今でも後ろめたさを感じる。ただ、あの日から変わらないことが一つだけある。
ショパン ワーグナー シューベルト・・・・・
それらに、交じってブルーハーツを毎日聞いている、音飛びの酷い、舞波のブルーハーツを。

8月 友理奈ノキズ   了

205 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 02:09:35 ID:623M7Bdb0
オワリマシタ
いかがでしたか?舞波をないがしろにしたくなかったもんでww
長くなっちゃいますたorz
明日は中野なんであさはやいので寝るよ


206 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 02:40:49 ID:LJ7InlrE0
>>205
長編乙!舞波を生きてて良かった…
イチゴのキーホルダーが可愛くてねぇw 

でそろそろ書き終える茉麻の妄想劇場をひとつw ↓ 

207 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 02:50:07 ID:LJ7InlrE0
8月も半ばに差し掛かった土曜日。
千奈美は閉店間際の楽器店でシンセサイザーの前に立っていた。
「買うべきか…どうするかなぁ…」
若い店員はこの一台で曲作りやレコーディングが出来ることを誇らしげに説明している。
「これに決めましょう!お姉さん!」
千奈美の表情が一瞬曇る
『お姉さん』という言葉に固まりかけていた決心が揺らでしまった。
「…だめだ!また来ます」
優柔不断な客に店員も呆れた顔をしている。
「そうですか」
千奈美がトボトボと店の外に出てくる、辺りはすっかり暗くなっていた。
「あーあ 今日も決められなかったなー」
連休中の秋葉原は21時過ぎだというのに人で溢れかえっていた。


208 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 02:53:29 ID:LJ7InlrE0
塾で夏期講習を終えた矢島まいみは携帯の着信履歴を確認してため息をついた。
「不在着信も無しか…」
終業式の告白以来、電話に出てくれない茉麻に不安を抱き
かといって自宅に押し掛ける勇気も無く悶々とした日々を送っていた。
「これならあの日振られた方がマシだったなぁー」
そんな独り言をボソッと呟きながら駅前の自転車置き場に向かっていた。
「まいみくーん」
突然掛けられた声に矢島は振り返る。
「徳永…」
そこには悪戯っぽく笑う千奈美が立っていた。
「塾の帰り?」
「うん。徳永は?」
「ちょっと出かけてた」
「そうか…あのさ少しいいかな…」
千奈美は茉麻の事を聞きたいのだろうと思い快くOKした。

209 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 02:57:32 ID:LJ7InlrE0
堀切橋の橋桁の下にある公園のブランコで二人は話していた。
千奈美は言い難そうな矢島を気遣って話しを聞き出す。
「で、どうしたの?」
「あのさ…うんと…須藤のことなんだけど…さ」
「うん」
「徳永仲良いじゃん…何か聞いてないかな…」
矢島は心細そうに地面を見つめている。
「ううん。何にも」
千奈美は嘘をついた。終業式の出来事はすべて茉麻から聞いていた。
しかし矢島の口から告白の事実を聞きたくて嘘をついた。
「そうか。 実はさぁ…」
矢島は終業式の日に告白したことをすべて千奈美に話した。
「ふーん 本当にそういう事だったんだ」
「なんだよ、徳永知ってたのかよ」
「ごめーん」
怒る矢島を尻目におどけてみせた。

210 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:02:08 ID:LJ7InlrE0
「須藤何か言ってた?」
「まあの気持ちはわからないよ、告白されたって事しか聞いてないから」
「あれ以来電話に出てくれないんだよね。さっきも掛けてみたけど出なかった」
本当は両思いなんだよ…千奈美は言ってしまいたい気持ちを
グッと堪えて、自分の携帯電話を取り出して言った。
「まいみくんさぁ、まあの返事待っててあげられる?」
「もちろん」
「すぐに答えが出せない理由(わけ)があったとしても?」
「当たり前だろ!いつまでだって返事待つよ!」
矢島は立ち上がってキッパリと言い放つ。急に解放されたブランコが不規則に揺れている。
「しょうがないなぁ」
そう言って千奈美は携帯電話を操作した。矢島の携帯電話がポッと光を放ち振動する。
「なにこれ」
千奈美からのメールが届いていた。
見慣れないメールアドレスが書かれている。
「まあのメルアド。知らないんでしょ」
矢島はそのアドレスを見つめて何かを考えている。
そしてまたブランコに腰掛てうな垂れ始めた。
「でもさ、なんて送くりゃいいんだ?わかんねぇよ」
情けない奴だなぁ 千奈美はそう思うと怒った口調で矢島の顔めがけてゆびを突き指す。
「今送る言葉を言ったじゃんか!」

211 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:02:53 ID:ChvhD0m1O
甘酸っぱぁw

212 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:07:22 ID:LJ7InlrE0
自分で書いておいて寒気がするw
で続くわ ↓

213 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:08:56 ID:ChvhD0m1O
いいよいいよぉ

214 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:09:12 ID:LJ7InlrE0
店の手伝いが終えて茉麻は部屋で携帯電話を見ていた。
「また着信が入ってる…」
画面には【矢島まいみ 不在着信】と表示されている。
「どうしよう…」
この数日、毎日のように掛かってくる電話にやきもきしている。
深くため息を付いてベッドに倒れこむ。
明日は電話に出ようかな…でもみやの事は裏切れないし…
携帯電話を顔の上に掲げ考えていた。
「はぁー」
さっきよりも大きなため息を付くのと同時に着信音が鳴り響く。
「うわぁ!」
驚いた拍子に手から離れた携帯電話は茉麻の顔に落ちた。
「いったーい」
赤くなったおデコを擦りながら恐る恐る携帯電話を見る。
見慣れないアドレスのメールには【矢島です】と表示されている。
「えっうそ!」


須藤へ
この前は驚かせてごめん
徳永から返事が出来ない
理由があることを聞いた
詳しいことはわからないけど
おれいつまでも待ってるから

215 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:10:23 ID:LJ7InlrE0
「…うん」
メールのやさしい言葉に茉麻は頷いていた。
不安な心が堰き止めていた涙が止めどなくあふれ出してくる。
やさしさに包まれ声をあげて泣いていた。
「まーちゃんどうしたの?」
心配した母親がドアを開け部屋に入ってくる。
「大丈夫…うれしいの…」
その言葉に娘の恋を予感していた母親はやさしく微笑む。
「電気消しておくね」
そう言うとそっと布団を掛け部屋を出て行った。
暗くなった部屋の中で短いメールを矢島に送った。


うん
ありがとう


たった『ふたこと』のメールでも今の二人には十分通じ合えた。
安心し泣きつかれた茉麻は携帯電話を胸に抱いたまま寝息をたてていた。

216 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:11:53 ID:LJ7InlrE0
「あの二人上手くやってるかな」
風呂から出た千奈美は髪の毛を乾かしながら
矢島と茉麻のことを考えていた。
でもこれからが大変なんだよ。そう心で思いながら茉麻にメールを送った。


メルアド勝手に教えてごめんね。
それが一番良いと思って。
それとみやの事なんだけど…
いまおっちゃんの屋形船でバイトしてる。
明日はみや一人だからね。
ちゃんと会って話すんだよ。
じゃあね。


みやごめん。送信ボタンを押した千奈美は罪悪感を感じて憂鬱になった。
「でも二人で解決するしかないもんね…」
そう自分に言い聞かせるとベッドに腰掛けた。
机の上ではあの写真の中で幼い3人が笑っている。
「みや…みやが傷つくしかないんだよね…」
千奈美は自分の起こした行動によって深く傷ついてしまうであろう雅を思い涙した。

217 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:13:07 ID:LJ7InlrE0
最後の客が去り、雅はテーブルを並べ直していた。
隣では丹下が起用に座布団を並べている。
「ねぇおっちゃん」
「なんだい?」
「おっちゃんは恋したことある?」
丹下は動かしていた手を止めて雅の顔を見る。
「なんだね急に」
雅はすごく恥ずかしくなって赤面した。
それを見た丹下は話しを続けた。
「そりゃわしだって人の子、人様を好きになる事だってある」
失礼な事を聞いたなと思うも雅は続けた。
「叶わない恋もあった?」
「そんな恋ばっかりじゃよ」
「なんで諦めちゃったの?好きだったんでしょその人のこと」
雅は手を休めてテーブルに腰掛けた。丹下も同じように腰掛けている。
「時には諦めなきゃいけない恋もあるんじゃよ」
「そうか…」
自分の茉麻への思いとダブらせ黙り込む。
安物の壁掛け時計の秒針がカチカチと音をたてている。
「じゃがな」
静けさを破り丹下は尚も続けた。
「思いだけは伝えなきゃいかん 伝えれば実る恋もある」
雅は丹下の顔をみて聞いた。
「伝えても実らない恋は?」
「叶わぬ恋として受け入れるしかない」
いつも強気に見える丹下が何故かとても繊細で、そしてとても悲しく見えた。

218 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:21:48 ID:XhT8esKvO
連続投稿エラーいやん

219 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:22:19 ID:LJ7InlrE0
バイトを終えた雅は橋へ繋がる土手の道を自転車を押して歩いていた。
「叶わぬ恋か…」
丹下の言葉が心に突き刺さる。正に自分のことだ…そう悲観した。
「みや!」
ちょうど橋の下を通る頃、突然名前を呼ばれ肩が竦む程驚いた。
「びっくりしたぁ! 誰?」
暗がりで何も見えない。
「どこにいんの?」
「ここだよ みや…」
橋脚に寄りかかるように茉麻が立っていた。
「だめじゃん!こんなに夜遅く危ないよ!何かあったら…」
『矢島が悲しむよ』そんな言葉を続けそうになった。
もう私は茉麻の事を諦める覚悟は出来ているんだ。そう客観視していた。
「ごめん…でもどうしても今日話したかったの」

220 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:22:32 ID:ChvhD0m1O
丹下役→藤原組長or渡辺哲 でおk?

221 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:23:49 ID:LJ7InlrE0
二人はグラウンドのベンチに腰掛けていた。
久々に会う二人は何処かぎこちなく、話の切っ掛けを探り合っていた。
「おっちゃんのところでバイトしてるんだってね」
「うん」
「いい人でしょ」
「うん」
少しひんやりとした川からの風が二人の髪を揺らしている。
「疲れてるのにごめんね」
茉麻は言葉少ない雅を気遣った。
「一人だったから疲れたよ 朝早かったし」
「横になってもいいよ」
茉麻はベンチの左端に寄って言う
「じゃあ 膝枕して」
そう悪戯っぽく言うと雅はポーンと勢いよく茉麻の足の上に頭を載せた。
「子供みたいだね」
そう笑う茉麻に照れ臭そうに不貞腐れた。
「なんで いいじゃん」

222 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:25:04 ID:LJ7InlrE0
>>220
藤原組長でよろしくセンパイw

223 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:26:22 ID:LJ7InlrE0
淡いブルーのカットソーから伸びる茉麻の腕は
白くとても柔らかで雅は触れたくなる衝動に駆られた。
そんな衝動に駆られる私はやはり同性愛者なのだと考えていた。
「あのね…矢島君のね…事なんだけど…」
突然核心をついてきた茉麻に雅は驚いた。いつもならなかなか切り出せないのに。
余程覚悟を決めてきたのだろう、矢島への愛情の大きさを知って寂しくなった。
「みやも…あの…やっぱり好きなんでしょう」
茉麻はいつもの様にやさしく雅の髪の毛に触れている。
「今日はいいよ 汗かいたから汚いよ髪の毛」
「ううん いいの…」
静けさの中で高速道路を走っている救急車の音が聞こえてくる。
雅はその音が聞こえなくなる頃ようやく口を開いた。
「電話で言った通り矢島のことなんか好きじゃないよ」
「うそだ!」
突然の大きく荒げた声に驚き言った。
「嘘じゃないよ…矢島のことが好きなわけじゃないんだ」
「じゃあ誰が…」
言葉を遮る様に続ける。
「あのね さっきおっちゃんに言われたんだ 叶わぬ恋もあるって」
茉麻は静かに雅の話しを聞いている。
「でもね…思いだけは伝えろって」
雅は茉麻の方に顔を向けた。
「私の恋は叶わぬ恋だからね…なかなか言えなかったんだ…」

224 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:28:37 ID:LJ7InlrE0
どの位沈黙が続いたのだろう。
茉麻は寂しそうに夜空を見つめる雅の顔を見て考えていた。
彼女が言う『叶わぬ恋』の意味

そう…この前の電話で一番悲しかったあの言葉。
『もううんざりなんだよね…友情ごっことか…』
友情ごっこ…友情の裏に隠された恋愛と言う言葉。
恋愛がしたかったという『叶わぬ恋』の意味。


たまらず雅を自分の方に引き寄せた。

矢島への恋に浮かれていた自分は

なんでも話してくれていると思い込んでいた自分は

この前の電話の時だって

屋上で初めて私に涙を見せた時だって

私はみやのこと

何ひとつわかってなかったんだね

みやが本当に好きだったのは私だったんだ……


225 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:31:07 ID:XhT8esKvO
連投エラーいやん

226 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:31:57 ID:LJ7InlrE0
茉麻の涙が雅の頬を濡らしていた。
「まあ…泣いてるの?」
そう言って顔を見上げた雅の瞳にぽたぽたと涙が落ちる。
大好きな人の涙で歪んだ景色の中で、自分の気持ちを茉麻が知ってしまった事を感じ
もう受け入れるしかない『叶わぬ恋』の結末を覚悟した。
「私…私ね…みやの願い叶えてあげられない…」
「うん」
「だからね だから」
もうわかったよ…雅が言おうとしたときだった。

「・・・!」茉麻は雅にキスをしていた。

それはとても柔らかく暖かで安らぎに包まれる…意識が薄れていく様なやさしい時間
だけど、とても寂しく…とても悲しいキス
「まあ…」
「私が叶えられるのはこれくらいなの…だからね 私のファーストキスはみやにあげる…」
雅は茉麻が自分の恋を精一杯叶えてくれたこと
そしてもう二度と来ないこの『やさしい時間』を愛おしく思い涙で瞳を濡らした。

「私ね…」

「うん」

「私…まあの事が好きなんだ…」

「うん」

「だから…今はもう少しこのままで居させて…」

227 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:34:24 ID:XhT8esKvO


228 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:39:03 ID:ChvhD0m1O
切なぁ・・雅がだんだん好きになっていく・・




梨推しの俺ですw

229 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:44:38 ID:LJ7InlrE0
「あーあ みーちゃった」
橋の上からグラウンドの二人を見ていた佐紀が呟いた。
「キス…」
無意識に唇を触っていた自分に驚き、苛立つ
「なにやってんだ私」
そう言うとラジカセを載せた自転車を重そうに引き起こし
いつもの銀行前に向かって行った。

230 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:49:14 ID:LJ7InlrE0
以上でした
これで心置きなくラーメン屋の娘に会いに行けるw
>>205の長編作者さんへの感想もよろしく

おやすみー ノシ


231 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 03:55:44 ID:ChvhD0m1O
GファッキンJ!!ファーストキスのくだりは涙なしでは・・・俺も展開考えるよ
おやすが

232 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 04:02:13 ID:LJ7InlrE0
>>231
ありがとう
待ってるよー

233 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 09:20:21 ID:623M7Bdb0
おまえらー今日明後日と上げ上げでいくべーー!!

234 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 15:01:58 ID:XhT8esKvO
中野夜イテクル

235 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 17:02:29 ID:ChvhD0m1O
昼オワタ!なかなかでしたぞ!我等の生徒達はww

236 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 17:42:06 ID:ChvhD0m1O
金八スレ住人いたら時計台近くに集まろう!
おれ黄色いタオル頭に巻いてる

237 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 18:15:34 ID:ChvhD0m1O
そろそろ入りますが終演後も暇な人はカキコしてきて

238 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 19:50:41 ID:9wsKw1O60
ええなあ!生ライブ行ける人、自分の金と行動力の無さが情けない

それにしてもここは良スレだわ


239 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 20:20:59 ID:ChvhD0m1O
気にするこたぁない!
愛と少しの勇気だお!

240 :ねぇ、名乗って:2006/05/03(水) 20:22:12 ID:XhT8esKvO
集合あったんだw
いやー参戦組おつかれ!
茉麻はやっぱり素敵でした。また考えるかな…

241 :ねえ、名乗って:2006/05/03(水) 22:21:16 ID:lhxKmOa30
重大発表もなくいい紺でしたな
それにしても雅ちゃんと茉麻が並ぶとドキドキしてしょうがなかったわww

242 :ねえ、名乗って:2006/05/04(木) 00:06:29 ID:6lu7WzbN0
参戦組乙! そうでない人も今日一日乙!!
5日まで滞在予定なんでいいアイディア練っとくよ!じゃおやすみやび!

243 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 04:24:20 ID:HTshYUWD0
確認したいんだけど 雅→茉麻→矢島でOK?

244 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 05:59:08 ID:gPkSww5sO
何の順番?

245 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 06:32:35 ID:Labau0wR0
恋愛対象?

246 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 14:08:07 ID:yq9FOgN30
[ 友理奈&梨沙子 ]転校生
友理奈・過去を背負っている。影がある。義の人。クラシック ブルーハーツ
    親友、石村舞波との過去に苦しむ。 好きな映画・仁義なき戦い ウディアレン全般

梨沙子・アホを装っているが黒幕。知能犯。ヘビメタ  謎の病気を抱えている。
佐紀・優等生。もう一人の黒幕。愛読書は我が闘争 母からの虐待 深夜独り踊る孤独さも持ち合わせる。
雅・不良グループ。佐紀に操られている【秘密の日記】 アメリカンカルチャーに憧れる。
  デ・ニーロとヘミングウェイを敬愛する。 茉麻に恋心を抱いている。
桃子・クラスのアイドル。極貧から抜け出すためにアイドルを目指す
   佐紀のダンスの件を唯一知っている。実家は【すなっくもも】
千奈美・クラスのお調子者。天真爛漫。ヘッドフォン通学 音楽オタク
    雅と茉麻とは幼なじみ 新聞配達 軽い万引き癖。
茉麻・癒し系。誰からも一目置かれる存在。ラーメン屋【須藤飯店】の娘
   陸上部エース矢島まいみ(男w)と両想い。
石村舞波・友理奈とは以前の学校で大親友。友理奈の為に自殺を図る。
丹下のおっちゃん・雅と千奈美が夏休みにバイトをする屋形船のオーナー
矢島まいみ・男。陸上部のエース。茉麻が好き。
寺田さんw・千奈美が新聞配達後、毎日牛乳を盗まれるw



247 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 14:11:35 ID:yq9FOgN30
こんな感じでおk?
これはあくまで設定だけどね。みんなでつくっていくべ!

248 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 14:59:30 ID:SUP0tNTgO
乙でした。
こう改めて見ると面白いな。
寺田家の牛乳ってあったねw

249 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 16:21:17 ID:6MtQbXwn0
ペドは死ね

250 :ねぇ、名乗って:2006/05/04(木) 18:50:02 ID:gPkSww5sO
ごめん設定にれいな先輩忘れた・・スマソ

251 :ねぇ、名乗って:2006/05/05(金) 00:04:07 ID:2v5dUMEBO
さすがにGWは続編ないな・・・まぁゆっくりいいもん書いてほしいの

252 :ねぇ、名乗って:2006/05/05(金) 12:09:42 ID:rOqed0NY0
おはちな!ブクロ行ってくんね!

253 :ねぇ、名乗って:2006/05/05(金) 12:27:28 ID:ESIo5WG90
ロリータ・コンプレックスとは、成人女性より少女に対して性的関心を抱く性向のこと。また、
そのような性的嗜好を持つ人のこと。

本来、前述の意味を持つ語としてはペドフィリア(小児性愛、幼児性愛)を用いるべきであり、
ロリータ・コンプレックスの意味は「恋愛対象としては若すぎると考えられがちな年代の
女性への恋愛感情、ないしそれを抱きがちであること(少女以外にも恋愛感情を抱くことも
ある場合も含む)」であった。しかし、現在では本来の意味で用いられることは少ない。
本来の意味と異なる意味が広まった要因には幼女連続誘拐殺人事件などがある。

しばしば成人女性への劣等感から、優位に立ちやすい少女を狙うと批難されるが、
この代替的なペドフィリアはその全てを説明するものとしては不適切であろう。
真性ペドフィリアの原因としては精神の未成熟や幼少時代への回帰願望から、その人間の
精神年齢と同じくらいの少女に恋をするという説が有力である。

254 :ねぇ、名乗って:2006/05/05(金) 12:30:05 ID:cLHCLT6J0
くぅー!うらやまぁ!

255 :ねぇ、名乗って:2006/05/06(土) 09:22:34 ID:aTdFZxQm0
異常な変態ロリ野郎は全員自殺しろということで決定だな。
早く死んでくれ。そして平和な世の中を手に入れよう( ^,_>^)ニコッ

256 :ねぇ、名乗って:2006/05/06(土) 12:22:12 ID:IHqhKpo30
れいな先輩とまいみくん見てくる

257 :ねぇ、名乗って:2006/05/06(土) 17:10:27 ID:qLOxkXcZ0
ソッカ――!!
楽しんで来てくれ!!!
多分ベリへスで風邪引いたorz

258 :ねぇ、名乗って:2006/05/06(土) 17:48:01 ID:Pii19unB0
スレ違いスイマセン
羊の看板変えませんか?ご意見募集中です。

http://tv8.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1146875880/l50


259 :ねぇ、名乗って:2006/05/07(日) 00:15:54 ID:txSsgk1T0
個人的にペド野郎は氏ねという感じだな
社会的に抹殺して欲しい

260 :ねぇ、名乗って:2006/05/07(日) 00:24:04 ID:2eankw8N0
アンチいろんなスレで会うなw

261 :ねぇ、名乗って:2006/05/07(日) 01:28:48 ID:vD1irBhwO
アンチ乙!!
ここ荒らすより狼荒らしがいあるぜ!
まぁそんなタマじゃないよね!ww
あんま調子くれんなよ!

262 :ねぇ、名乗って:2006/05/07(日) 19:31:43 ID:ThyYWqf20
小林薫は ペドファイル
幼女をさらって さあ大変
男が出てきて こんにちは
嬢ちゃんいっしょに 遊びましょう

小林薫は 喜んで
しばらくいっしょに 遊んだが
やっぱり生かしちゃ 危ないと
幼女を風呂場で 始末した

263 :ねぇ、名乗って:2006/05/09(火) 21:32:09 ID:ruevB8q9O


264 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 03:49:53 ID:Xs0l30ve0
8月22日〜

茉麻は自転車に乗って図書館に向かっていた。
「なんなのぉ この太陽は…」
ジリジリと照りつける昼下がりの日差しのせいで、すぐに全身は汗だくになる。
茉麻は街路樹の木陰を択んでジグザグに自転車を走らせる。
だがその度に木に止って泣き叫ぶ蝉の声が『無駄な努力だね』と
馬鹿にしている様に聞こえて、度々顔を顰めた。

「あー涼しい」
やっとの思いで図書館に着くと涼しい館内に思わず声を出した。
入り口に在るロビーの椅子に腰掛けて、学生で溢れかえる館内を見渡す。
「ダメだ!探さないと!」
このまま休んでいたい気持ちを振り払い勢い良く立ち上がる。
今日は夏休みの宿題最大の難関である読書感想文の本を探しに来たのだ。

数時間後、茉麻は飽き飽きしていた。
本を手にとって乱暴にパラパラっと捲り、不服そうに本を棚に戻す。
こんな事をもう何冊も続けている。
「何でこう魅力的な本が無いのかね」
ちょっと偉ぶった口調で呟く。
後ろからは読書用の椅子で寝ているおじさんの鼾が聞こえてくる。
「はぁー もうだめ…休憩」
すっかりやる気の失せた茉麻はワザとらしくがっくり首をうな垂れた。
ふと最下段にあった本が目に入る。

〜同性愛者として生きる〜

思わず屈んで手に取る。男性の同性愛者の本だった。

265 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 03:51:29 ID:Xs0l30ve0
本の表紙を見て茉麻は考えていた。
『みやはこれからどう生きていくのだろう』
あの夜の別れ際、みやは私にこう言って来た。

「ねえ…まあ」

「なに?」

「これからは友達でいてくれるよね」

「えっ…」

「ずっと友達でいてくれるよね」

「うん…」

あの日以来みやとは会っていない。
『みやは私の事が好き』そんな現実を何処か受け入れられないでいた。
今まで通り接してあげれるのかなあ。
そしてこれからも友達として見れるのかなあ。
そんな不安が頭を過ったその時

「はぅわぁぁ!」

突然後ろから抱きつかれ、茉麻は素っ頓狂な大声をあげた。
周りの視線が一気に集まる。
「すみません…」
バツの悪そうにそう言って振り向くと
声を押し殺してケタケタ笑う梨沙子が立っていた。

266 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 03:54:21 ID:Xs0l30ve0
「ちょっと梨沙子きて!」
茉麻は梨沙子の手を強く引いて連れ出す。
そしてロビーに着くと少し怒った口調で言った
「ビックリするじゃん!」
笑いの止らない梨沙子は本で顔を隠している。
「だって」
子供のように肩を震わせて笑う様子を見て茉麻は怒る気を無くす。
手には、幼児向けであろう絵本が5冊握られいてた。
「梨沙子その本読んでたの?」
「うん!」
嬉しそうに真っ直ぐ自分の目をみつめる無邪気な瞳に
全身の力が抜けて椅子に座り込んだ。
「はぁー」

267 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 03:55:59 ID:Xs0l30ve0
「絵本楽しい?」
梨沙子は足をブラブラ動かしながら本を読んでいる。
「うん」
「そっか」
ふと自分の手に握られた本に目が留まる。慌てて持ってきてしまったことに気付いた。
〜同性愛者として生きる〜 読んでみようかなこの本…
「まあってレズなの?」
突然発せられた『レズ』と言う言葉に驚く
「な なんで!違うよ」
「だってほら」
茉麻の持っている本を指差した。
思わず本を隣の椅子に放り投げる。
「これは違うよ!あのね…」
梨沙子は動揺する茉麻を余所に話し始めた。
「人ってね…男と女しかいないけどね、女が女を好きになる事だって
あるよね…私はね、キライじゃないよ…そんな人も」
いつものたどたどしさとは違う一つ一つの言葉を大切に話す。
なぜだか不思議と大人びた話し方だった。
「梨沙子ってさ…普通に話す事も出来るんだね…  あ!」
自分がひどく失礼な事を言ってしまった事に気付いた。


268 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 03:58:16 ID:Xs0l30ve0
恐る恐る顔を見上げて誤る。
「梨沙子ごめん…」
梨沙子は首を傾げやさしく笑っている。
「ううん。あのね…大切な友達には普通に話すの…
でもね…知らない人には絶対話さない…心読まれるの怖いから」
いつもは笑ってばかりの顔がいつの間にか曇っていた。
ひどく悲しそうな表情に茉麻は堪らなくなる。
『プルルルルル』
梨沙子の携帯が小さな音をたてて鳴った。
「電話?」
「ちがうよ。薬の時間のタイマー 私帰らないと」
「そっか…大変だね…」
そう言って立ち上がろうとした茉麻の目の前に5冊の絵本が飛び込んできた。
「えっ!」
見上げると梨沙子が嬉しそうに絵本を差し出している。
いつものその笑顔に茉麻は安心した。
「その本と一緒にこれも借りて すんごく面白いよ」
半ば強引に渡された絵本にとても嬉しくなる。
「うん わかった」
その言葉に満足そうにニコッと頷くと梨沙子は入り口のほうに駆けて行く。
出口で振り返り大きく手を振るのを見送りながら茉麻は呟く。
「大切な友達か…」
そう言うと6冊の本を大事そうに握り締め、貸し出し窓口へと向かって行った。


269 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 04:21:45 ID:nRs7F9ghO
以上です
もう駄目思いつかん

270 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 10:34:34 ID:I0RGoFeGO
乙!!ほのぼの展開GJ!べりフェス後謎の高熱が続き書きたくても全然駄目だった・・
治ったら復帰するんでそれまでヨロ・orz

271 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 12:39:27 ID:nRs7F9ghO
>>270
ありがと!謎の高熱か大丈夫かい
実はベリにお熱でした!ってヲチじゃないよなw
とにかくお大事にな!復帰作に期待

272 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 13:22:29 ID:Q41vA55v0
http://berryzkoubou.web.fc2.com/

273 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 17:18:31 ID:6ILvsx+Z0
【低所得層の憩いの場2ちゃん名物、ペドの特徴】
・面倒なことから逃げ回ってきたので経験値が非常に少なく人間総合レベルが低い。
・なので、ダメな自分を言い繕うことが習い性になっており、言い訳力ばかりが高い。
・狭い視野と世界で生きているので、知識自慢をしたり、すぐに対立を煽る。
・一般人を知的ではないと見下している割には、自分は他人の与える答えを憶えやすい。
・恐ろしくカラーがなく無視されてきたので、カラーのある人間を攻撃対象に選ぶ。
・自分が無能で退屈であるとばれないように、発言しないで誰かの意見をそのまま言う。
・答えを憶える勉強ばかりしてきた為HQ(前頭連合野知性) が低く、自分で考えたり判断することができない。
・コミュニケーション能力が低いため人と付き合えず、とんでもなく孤独。
・もはや自分が自力で今より幸福になることはないので、他人の不幸をクローズアップして忘却。
・人と目を合わせて話すことができず、ひとに聞こえるように話すこともできず、促すと怒る。
・断片的知識ばかりで、体験を通じた知恵や情感が無い。

274 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 19:16:31 ID:Xs0l30ve0
>>272
おーGJ!!




275 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 23:11:02 ID:fVbk3wl40
ペドは人間のクズ

276 :ねぇ、名乗って:2006/05/10(水) 23:24:07 ID:glR2th4Z0
いかん・・また熱がでてきた・・


笑えねぇ・・orz


277 :ねぇ、名乗って:2006/05/11(木) 00:45:16 ID:lNoFE+G80
アンチまめに来るなw
>>273是非読んでみて!お前の事が書いてあるからw

278 :ねぇ、名乗って:2006/05/11(木) 00:51:58 ID:nixRwpaB0
全部>>277の事だw

279 :ねぇ、名乗って:2006/05/12(金) 00:11:19 ID:811vNTKa0
8月25日 
夏休み最後の週末、梨沙子は友理奈から誘われた夏祭りを心待ちにしていた。
糊の効いた浴衣に袖を通し、待ち合わせ場所に10分前には到着している、
時間にルーズな彼女が、集合時間前に到着している事自体が本日のイベントの重要性を物語る。
『まだかなぁ・・友理奈。早くりーの浴衣見てもらいたいのに・・・』
「りさこぉー!」
振り返ると友理奈ではなく、嗣永桃子がそこにいた。
「あれぇ?友理奈は?」 梨沙子は少々、不信気に訊ねてみる。
「なぁに・・桃じゃ不服ぅ?」 桃子はおどけてみせた。
「いや・・・そ・・そういう・・・違・・!大丈夫。」
梨沙子の意外に、気ぃ使いな面が露呈され、桃子はそれがとても可笑しいのか、腹を抱え笑う。
「梨沙子ぉ!可笑しい!あばばばってなってるよ!」
「もうっ!笑う事ないでしょっ!」 梨沙子は照れて顔が真っ赤である。
「ごめんごめん!ゆりに誘われたんだ!だから桃も一緒ね。」
教室で浮いた存在の二人が、意気投合するまでさほど時間はかからなかった。
そうこうしていると、カランコロンと軽快なリズムで友理奈が駆けて来る。
「ごーめーん!!待った!?」
インディゴブルーに染め抜かれた浴衣が、友理奈にとても良く似合っていた。


280 :ねぇ、名乗って:2006/05/12(金) 00:13:04 ID:811vNTKa0
駄目ずぁ・・・熱さがんない・・
続きは明日ということでorz

281 :ねぇ、名乗って:2006/05/12(金) 00:36:06 ID:6n5++Mza0
続編待つぞ
でもその前に病院へゆこう

282 :名無し募集中。。。:2006/05/12(金) 01:42:28 ID:MmkEAcI40
更新乙ですが…まずは体調回復にご専念を…

283 :ねぇ、名乗って:2006/05/12(金) 18:02:57 ID:uU2t+lGX0

         キモいペドがキモい妄想文でキモ歓喜するキモスレ

284 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 00:40:50 ID:SIejUxKy0
「おそーい!!」 2人は同時に友理奈を責めた。
「ごめんごめん・・今日暑いだろうと思って、ウチワ取りに帰ってたんだ。はいっ!」
友理奈は、2人の分のウチワを差し出す。
「すごーい!さすが友理奈様!!気が利く!!」桃子はそうおどけて見せた。
「じゃ、いこーー!!」梨沙子がウチワをかざし、桃子と手を繋ぎ歩き出した。
早速、息が合う2人を見ながら友理奈は感慨にふける。
『あぁ良かった、あの2人クラスじゃ少し浮いてたから、こうして仲良くなれて・・
私にできる事って、こうゆう事しかないもんね・・もう舞波みたいな子、絶対出したくないから・・・
舞波なら解ってくれるよね?』
「ゆり――!!置いてくよ――!!」
「ゆりなーーはやくはやくーー!!」2人がまた同時に彼女を急かした。


285 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 01:17:47 ID:SIejUxKy0
梨沙子は今まで、正確に言うと病気と向き合う日々を生きるまで、こういった行事に呼ばれる事は皆無だった。
『なんかみんな暖かいなぁ・・前の学校はみんな私に優しくしてくれたけど、
なんか違ってた・・・悪い事も無かった、だけど心から笑える事なんて・・・
やっぱり無かった・・・あの学校じゃ、りーは置物だったから・・この子達に病気の事知れたら
また、りーは置物になっちゃうのかな?』
梨沙子もまた、心にササクレを抱きながら、日々を生きている。

「りさこぉ?どうしかした?ボーとして」桃子が笑顔で覗きこむ。
「ううん・・なんでもないよ。」梨沙子も今日は楽しもうと笑顔を取り繕う。
「あぁいい匂い!!トオモロコシだよ!」友理奈が無邪気に露天に駆けた。
「おじさーん3本下さーい!!」
「あいよっ!!」濁声が返ってくる。
店の親父の風貌に3人とも唖然とした。 とにかくいかつい、プロレスラーのような面持ちと
Tシャツに書かれた【丹下】の文字。 どうみても堅気の方ではないようだ。
「あぁ・・・すいません。」友理奈と桃子が何故か謝る。
「おいおい!謝られても・・困っちゃうなぁ・・」丹下は顔をポリポリと掻く。
「おっちゃ―ん!在庫あと30本だけど!」 
裏手から声がした、声の主がビニールをくぐり、気だるそうにタオルを頭に巻く。


286 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 01:36:56 ID:SIejUxKy0
「わっ!転校生!!」 
タンクトップにタオル頭の出で立ちが、夏焼雅だとわかると友理奈は防衛本能のまま2人をかばう。
「なんにもしないよ。お客さん。」雅はぶっきらぼうに言い放つ。
「何?雅の友達ね!安くしとくけん食べてってよ!」もう一人女性が脇に立っていた。
「あっれいな先輩!ちがいますよ!友達じゃないですから!ちゃんとお金貰いますから!」
れいなは気を利かせたのか、丹下に耳打ちすると、今日はもう上がっていいと、代わりを引き受けた。
「千奈美と茉麻ももうじき来るから、雅ちゃんも楽しんでくるといい!」
丹下は威勢良くガハハハと高笑いする。ものすごく懐かしい匂いのする、夏の夜空に。

287 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 01:41:43 ID:SIejUxKy0
と熱でテンション異常に上がりながら書いてみた!
残念ながらこの先思い浮かばんorz
誰かコラボってもらえると助かるです!

288 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 10:52:15 ID:jlkAnFVv0
…その頃、千奈美は

須藤飯店の前で、退屈そうに夏祭りに向かう人の波を見ていた。
「おっそいなぁ」
そう言って携帯電話を取り出し時間をみる
もう約束の時間を23分過ぎていた。
5分おきに二階の窓から『もうちょっと待って!』
と顔を出す茉麻にうんざりしていた。
『そろそろまた顔出すよ まあ』
そう思い、ふと顔を上げると、宅配便の制服を着た若者が
自分の背丈ほどの荷物を重そうに運んでいるのが目に留まった。
ぼんやりと眺めながら千奈美は今朝の出来事を思い出していた。

289 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 11:06:33 ID:jlkAnFVv0
〜祭りの日の朝

千奈美は楽器店のカウンターに座っていた。
足元には、小さなボストンバッグと祖母に貰ったお土産が置いてある。
「やっと決心してくれたんだ!徳永さん」
開店直後の閑散とした店内で、店員はシンセサイザーの購入手続きを進めている。
『お姉さん』から『徳永さん』に昇格したことが妙に誇らしく、照れくさい。
「おばあちゃんからお小遣い貰ったんで…えへへ」
千奈美は祖母の家がある神奈川に一人で帰省していた。
早朝、寂しそうに見送る祖母に、うしろ髪を引かれながら、始発電車に乗った。
手にはお小遣いと、銀行の封筒が大事そうに握られている。
「でも持って帰るの大変だよ、本当に大丈夫?」
足元の荷物を見てしきりに心配する。
「全然大丈夫です!」
あっけらかんとした態度に、店員は諦め顔で肩をすくめる。
「それと…キーボードスクールも申し込みするのね」
「はい!」
千奈美は渡された【初心者クラス】と書かれた申込用紙の記入欄を
そそくさと埋めながら訊いた。
「あの…他に申し込んだ人っているんですか?」
「いるよ 先週同じシンセを買った女の子」
不思議そうな顔で訊く
「二人だけ…ですか?」
「そう、ラッキーだよ、マンツーマンみたいなものだもん」
閉ざされたスタジオの中で、見ず知らずの女の子と二人きり…
そんな想像をして少しだけ憂鬱な気分になる。

290 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 11:15:30 ID:jlkAnFVv0
予想以上の重さにふらつく千奈美を心配して、店員が見送りに来た。
「本当に大丈夫!」
「大丈夫…です」
華奢な千奈美の体には余りに不釣合いな荷物を見て
サラリーマンが物珍しそうに横目で通り過ぎていく。
「慎重に運ばなきゃ駄目なんだよ」
「たぶん…大丈夫…」
だんだん声の小さくなる千奈美を見かねた店員は最後にやさしく声を掛けた。
「明日届けようか…」
千奈美は観念して小さく頷いた。

「はい…お願いします…」

291 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 13:25:15 ID:KJ/k6Qk30
     /∵∴∵∴\
    /∵∴∵∴∵∴\            /::::::::::::::::::::::::::\
   /∵∴∴,(・)(・)∴|   \\\   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  ◎
   |∵∵/   ○ \|     \\\ ||:::::::::::::::::|_|_|_|_| /
   |∵ /.  ミ  | 彡 | _    \\ \;;;;;;;;;;ノ   \,, ,,/ ヽ
   |∵.|  \___|_/|.  \    \\\( 6     *)─◎ ),・∵
    \|   \__ノ /__  \   彡\ノ\  )))∴( o o)∴),∴ ・ゝ¨
      \___/    \  \    |\    )))∵  3 ∵>;、・∵ '
  / _ ` ー一'´ ̄ /   _{   ヽ;;_\  ヽ         ノ
  (___)     /   .| ゝ〉 〉 〉ノ_   \__ ∵::__ノ ; 
                |  |ペドは死ね    | __|;、・∵:: ;

292 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 14:44:38 ID:jlkAnFVv0
「もうちょっと力持ちなら良かったのにね」

宅配便の若者は大きな荷物を抱え上げ
近くのマンションの階段を昇って行った。
程なく「ガチャ」っと音をたて裏口のドアが開いた。
慌てて駆けてくる足音が近づいてくる。
「ごめーん 待った?」
面白くなさそうに千奈美は茉麻の顔を見上げた。
「だいぶね…だいぶ待ちましたよ」
「ごめーん」

293 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 15:38:56 ID:jlkAnFVv0
二人は雅がいる丹下の出店に向けて歩き出した。
「何やってたの?着付け手伝ってあげるって言ったじゃん」
「違うのこれ探してたの ほら」
茉麻は大事そうに抱えていた紙袋を開く
覗き込むと、中には几帳面にたたまれた浴衣が入っていた。
「みやに着せてあげようかなと思って…浴衣持って無いみたいだから」
何処となく嬉しそうな顔で話している。
「だって今日手伝ってるんだよ、おっちゃんの…」
そんなやさしさは今のみやにとっては残酷な事なのに…
行き過ぎた気遣いは、雅の心を余計傷つける、そう考えていた。
そんな千奈美に、気づく事無く茉麻は話しを続けた。
「ちなみ知ってた?…みやがさ…」
「まあの事が好きって事?知ってたよ」
「そうなんだ…もう沢山相談したい事有ったのに、ちなみ全然携帯通じないんだもん
おじさんから聞いたよ、田舎帰ってたんでしょ」
「圏外だったからね でみやとはキチンと話したの?」
「うん あのね…」
茉麻は千奈美が居なかった日々の出来事を、事細かに話し始めた
千奈美はうわの空で、昨晩の電話を思い出していた。

294 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 16:22:50 ID:5a8UeAq3O
いやいや悪いね・・手伝ってもらって_| ̄|○仕事オワタラまた書くよ!

295 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 16:38:55 ID:jlkAnFVv0
休日の特権w
もう少しで繋がると思う…たぶんw

296 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 16:44:26 ID:jlkAnFVv0
「ん…ちなみ…どうしたん?」
電話の向こうの雅は、眠たそうな声をしている。
「ごめん みや寝てた?」
「明日の準備があったから、疲れたよ」
「またやるんだトウモロコシ、大変でしょ準備」
昨年の夏祭りで千奈美は同じ経験をしていた。
「それよりもさ、まあとどうなった?」
「えっ、まあから何も訊いてないの?」
茉麻との電話は長電話になる事を知っている千奈美はあえて雅に電話した。
雅はあの晩の出来事を実に簡素でわかりやすく話した。
「友達か…いいの?みやはそれで」
「うん それが一番良いと思って」
以外にあっけらかんと話す雅を頼もしく思う。
「でもね…」
雅は黙り込む。田んぼに囲まれた祖母の家の外からは蛙の声に混じって
秋の虫の鳴き声も聞こえている。
「たぶんだよ…あいつ矢島に告白してない」
『まあ』ではなく『あいつ』と言う言葉に雅の気持ちが感じられた。
自分の不条理な告白と、矢島に思いを伝える勇気のない茉麻に苛立っていた。
「はぁー やっぱりね」
大きくため息をついた。
受話器の向うの雅はまた黙り込んでいる。
「ちなみさぁ まあの背中押してあげてよ」
「えっ」
少し考えて千奈美は続けた。
「それって、みやがやってあげられないかな」
「えっ」
古びた電話のそばにあるメモ用紙に
意味不明な絵を書きながら雅の言葉を待った。
「そっか…」
ようやく聞こえた言葉はさっきと違いひどく元気がなかった。
「辛いだろうけどさ、このままじゃ、まあ何時までたっても思い伝えないよ」

297 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 18:11:46 ID:jlkAnFVv0
ちょっと酷だったね…みや…

「ねぇ!聞いてる?」
突然の大声に千奈美は我に返った。
茉麻が不機嫌そうにこちらを見ている。
「えっ 聞いてるよ」
「じゃあ質問。私は図書館で誰に会いましたか!」
そんな意地悪な質問をはぐらかすため、確信を付く。
「じゃあ私も質問。 まいみくんに気持ち伝えたの?」
『してやったり!』大人しくなった茉麻を馬鹿にしてやろうと振り返る。

「なにやってんの?」

298 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 18:13:38 ID:jlkAnFVv0
茉麻は道の真ん中でうつむいて立ち止まっていた。
祭りに向かう人の波が、怪訝そうな顔で避けていく。
「ちょっと!こっちおいで」
慌てて道の端に連れて行く。
「どうしたの!」
茉麻は小さな声で呟く。
「まだ伝えてない…」
雅が心配したとおりの現実に呆れ顔で訊く。
「それで…」
「みやともあれから会ってない」
「えっ! 浴衣持ってないの知ってたじゃん」
「メールで訊いた…もうどうしたらいいか、わからないんだもん」
見ると目を赤くして今にも泣きそうな顔をしている。自分が居なかったこの数日間
不安で堪らなかったであろう気持ちを考えると、千奈美は思わず笑ってしまった。
「なんで笑うの!」
赤い目のまま千奈美を睨みつける。
「ごめんごめん、なんか可愛いなと思って」
そう言うと手を差し延べた。
「ほら!もう行くよ!みやに浴衣着せてあげるんでしょ!」
「うん」
そして強引に茉麻の手を引くと祭り会場の方へ歩き出した。

299 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 19:15:17 ID:jlkAnFVv0
「あれ?」
丹下の出店の前で、浴衣姿のクラスメイトを千奈美はいち早く見つけた。
「友理奈と桃じゃん、あっ!梨沙子もいる」
千奈美は大きく手を振った。少し離れて雅が怪訝な顔でトウモロコシを食べている。
「どうしたの?四人揃って」
珍しい顔ぶれに千奈美は目を丸くしている。
「たまたまね、トウモロコシ買いに来たら
みやがいるんだもん、ビックリしちゃった!」
桃子が嬉しそうに話している。
「おっそいよ!二人とも!」
食べかけのトウモロコシを振りかざして雅が言った。
「まあがいけないんだよ! あのね…」
千奈美は浴衣の事を話始めた。

300 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 19:16:46 ID:jlkAnFVv0
「ゆかたぁ!?」
雅は大声を上げた。自分が浴衣を着ることなど一生無いと思っていたからだ。
「でも、みや仕事でしょ?」
隣で話しを聞いていた丹下が口を挟む。
「今日はもう上がりだよ、着てごらんよみやびちゃん」
「うーん」
しかめっ面で悩んでいる
「やっぱり嫌だ?」
茉麻が不安そうに小さな声で雅に訊く。
「うーん」
「茉麻の好意を無駄にするんじゃないよ、雅!」
まだしかめっ面の雅を見て、今度はれいなが口を挟んだ。
「うーん」
「私見てみたいな、雅の浴衣姿。だって雅っていつも男っぽいし」
見かねた友理奈が機転を利かせて言った。雅の顔が変わる。
「なんだよ!男っぽいって!わかったよ!着てやろうじゃん」
「本当!」
茉麻が嬉しそうに言う。
「まあさ!裏で着替えるよ!来い!」
そう言って雅は出店の裏に引っ込んだ。
友理奈の作戦にまんまと引っかかった単純な雅に梨沙子は堪えきれず大笑いした。

301 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 20:13:22 ID:jlkAnFVv0
紙袋から出された浴衣を見て雅は茉麻に訊いた。
「どうしたのこれ?」
茉麻はテキパキと準備をしながら答えた。
「二年前にね、着てた浴衣なの」
そう言うと雅に浴衣を羽織らせた。
何処となく茉麻の香りがする浴衣にドキッとする。
「ねぇ これ着たままでいいの?」
タンクトップを無造作に引っ張り上げ訊いた。
「うん 大丈夫、ここじゃ脱げないでしょ」
それもそうだ…動揺してつまらない事を訊いた自分が妙に恥ずかしかった。
「ほら 腕上げて」
雅は硬直していた。時折吹く夏の風はもう涼しく、秋の気配を感じさせる。
そんな風が運んでくる茉麻の甘い香りにドキドキしていた。
「はい!出来た ぴったりだね」
着付けが終わった雅は、似合わないであろう奇妙な姿に、雅は首を傾げた。
「似合ってんの これ?」
「うん!今度は髪の毛 早く座って!」
言われるがままに差し出された椅子に座る。
そんな二人の様子を見ていたれいなは、雅の気持ちを察しクスッと笑っている
巻かれたタオルでぼさぼさになった髪を
茉麻は丁寧にブラシでとかしていく。

302 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 21:36:32 ID:jlkAnFVv0
最後考え中…もう少し待って…orz
ごめん


303 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 23:15:10 ID:SIejUxKy0
待ってるよ

304 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 23:17:46 ID:jlkAnFVv0
夏の夕暮れはひどく寂しげで雅は嫌いだった
そんな寂しげな雰囲気が雅の心を素直にさせていた。

「ねぇ…まあ」

「なに」

「矢島に思い伝えた?」

「ううん…まだ…」

雅の髪は綺麗にとかされ風に揺れている。
茉麻は紙袋から取り出したヘアゴムを弄びながら言う。
「なんか…みやに悪くて」
近くで聞き耳を立てていた、れいなが溜まらず会話に割ってはいる。
「茉麻!いい加減にしなよ!」
驚いた茉麻の手が止る。

305 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 23:19:17 ID:jlkAnFVv0
「れいな先輩!いいんです!」
雅は慌ててれいなに言った。
「いんや!良くなか!茉麻のそんな気持ちが雅をよけい傷つけとるのわからん?」
「傷つける…」
茉麻はうつろな目で立ち尽くしている。
れいなの言葉の意味がわからなかった。
「雅は悩んどるんよ、自分の気持ちを知っているから茉麻は告白出来ないんだって!」
雅はうつむき黙って話しを聞いていた。
「でも…私が思いを伝えちゃったら、みやが可愛そうで…」
その言葉をかき消す程の大声でれいなは言った
「それが間違っとるんよ!」
雅の肩にやさしく手を置いて続けた。
「好きな人が幸せになる事を願わん奴なんておる?」
茉麻はれいなの顔を見て首を振った。
「まあ…私もそういう気持ちなの」
雅はやさしく微笑んでいた。
「ごめんなさい…」
そう言うと茉麻は雅に駆け寄って涙を流した。
れいなは雅の肩をたたいて店に戻る。
雅は茉麻の頭を撫でながら言った
「ほら 泣いてないで…女らしくしてくれるんでしょ」

306 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 23:20:41 ID:jlkAnFVv0
「出来た…」

「出来た? どう?」

さらさらの髪は綺麗に結われて上げられている。
「ねぇこっち向いて」
茉麻に言われるがまま椅子から立ち上がると
照れくさそうに振り返った。
「なんか恥ずかしいね」
茉麻はさっき泣いたのが嘘のように満面の笑みで雅を見ている。
「可愛い!すっごく可愛い!」
雅の姿を見て一層声を弾ませると、れいなが顔を出した。
「ほー!驚いた!美人さんやね!」
れいなと茉麻は顔を見合わせて嬉しそうに頷いている。
「早くみんなに見せようよ」
「やっぱり恥かしいからいいよぉ…」
照れくさそうに首を横に振る。
「いいから」
そう言って強引に手を引いて雅を表に連れ出した。
出店の表からは歓声が聞こえてくる。

すっかり日の落ちた祭り会場は一層の人手で賑っていた。


307 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 23:21:56 ID:jlkAnFVv0
いじょぉぉぉ
長くなってごめーん
後は頼んだよん

308 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 23:41:27 ID:SIejUxKy0
禿乙!!なかなかの秀作でした!
ちなこのシンセがこれからの鍵を握りそうやねw

309 :ねぇ、名乗って:2006/05/13(土) 23:54:05 ID:SIejUxKy0
頬を赤らめた雅は、照れ臭そうに彼女等の前に立つ。
「ど、どぉ?」
雅は恥ずかしくて、心臓が今にも口から飛び出しかねない様子である。
皆が言葉を失う光景を目の当たりにし、『ほらぁ、だから言ったのに・・』
などと心に中で自嘲する。

「みや・・かわいい・・」梨沙子が口火を切る。
「すごーーい!桃、ショックぅーー!」桃子は軽い嫉妬を覚える。



310 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 00:26:50 ID:6EHxc45e0
「へっ・・・あっ当たり前でしょ!私が本気出したらこんなモンよ!どう!転校生!」 
茉麻の前での狼狽ぶりが嘘であったかのように
周りの余りにも心地の良い反応が、今までの夏焼雅を取り戻させた。
「うん。いいんじゃない。可愛い可愛い・・」
いまだに自分の事を「転校生」と呼ぶ雅に、僅かな苛立ちを感じ友理奈は、わざと感情をのせずに言う。
「何っ!あんたが男クサイとか言うから・・ホント感じ悪いっ!」
売り言葉に買い言葉が続く。
「まぁまぁ!!今日はお祭なんだからさっ!2人ともそうケンケンしないっ!」
千奈美の笑顔が割ってはいる。
梨沙子は何が可笑しいのか、笑いが止まらない。
「じゃっ!花火始まるまで腹ごしらえね!」茉麻が場の空気を食い気にもって行く。
「あっ桃、お菓子も欲しい!」
「はいはい、後でね!」 気付けば皆、普通の中学三年生の女の子に戻っている。
そんな光景を、丹下とれいなは露天の中から胸の詰まる思いで見守っていた。
網の上では、美味そうな焦げ目をつけたトウモロコシたちが、道行く客たちを手招きしている。
「いらっしゃーい!!何本で!?」
れいなの声が夜空に響いた。

311 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 00:49:00 ID:6EHxc45e0
「まだあそこ、あるかなぁ?」
腹ごしらえが済むと、茉麻がベンチを立つ。
「あそこって?」友理奈達がすかさず反応する。
「うん?うちらのね、秘密の基地。」千奈美が訳知り顔で頷く。
「もうないんじゃない?」雅が続ける。
「そこね、うちらの昔っからの場所なんだ!花火がね、マジきれいなんだよ!」
茉麻がそれほど遠くない過去を、ひどく懐かしむように話す。
「じゃいってみる?」雅も、まんざらではないようである。
「じゃ!行こ!桃も行ってみたい!!」
そして6人はベンチを立った。
 


312 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 00:49:20 ID:ieUOzPZu0
くせーから死ねよオマエ

313 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 00:56:57 ID:6EHxc45e0
うむ・・最近煮詰まるの早杉ヲレw
しかしなんだねベリがいなきゃ小説書くことなんて無かったもんな・・
やっぱベリすげーー!!そして作者達もGJだお!

314 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 01:06:15 ID:S4moJZWc0
おつかれさん

315 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 01:42:02 ID:83kN/thYO
自慰ショックって無くなったのぉ?

316 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 01:43:03 ID:nq8eqrFG0
>>313
のんびりいくべ
気が付いたら14時間考えてたって事にならない様にw
さすがにちかれた…orz

>>272
良いOPV貼ってくれてありがと
いつも見ながら考えてるよ…

317 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 02:30:17 ID:Lp6IwXxlO
14時間もかんがえてたんかw乙な!ありがと!
マターリ逝くか・・

318 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 03:00:55 ID:Lp6IwXxlO
明日は3年C組のアクス会だが
おまいらあんまし夢中になんないでねww
ほどほどに!

319 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 08:14:28 ID:uSRSfKFNO
まいみくんに会ってくる…

320 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 08:45:21 ID:ALHjIvMb0
成人女性に相手にされないって・・・幼女だったら相手にされるのかよwwwwww

321 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 15:19:04 ID:Lp6IwXxlO
どおよ!3Cはww
ナゴヤハロショまっさらブルージーンズ売り切れorz

322 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 16:43:41 ID:6EHxc45e0
彼女達は竹薮の中を、蚊と格闘しながら進んでいく。
「すごく暗いから、転ばないようにね。」
茉麻が先頭を切り、彼女らしい穏やかな口調で皆に指示をだす。
「まあはいっつも迷わなかったんだよ、凄くない!?」
千奈美が自分の手柄のように、友理奈達に振舞った。
「ちょっ・・ちい!前向いて!アンタいっつもそうやってこけるんだから・・」
雅が半ば呆れ気味に、前を向くように言うと、既に千奈美は雅の視界から消えていた。
「いったたた・・・うわっ泥・・・」
「ほら・・言わんこっちゃない・・・」
雅が昔から全然変わらない千奈美に、苦笑しながら手を差し出す。
竹薮の湿った匂いが、基地がもうすぐであることを茉麻等に語りかける。
 
「あった!!すごーい!まだあったんだ!」
茉麻は言い出しっぺであることを、忘れた様子で歓喜した。
「へぇー!すごーい!基地だ!基地!」
桃子と梨沙子も、漫画や映画でしかありえないと思っていた「基地」らしき物に驚きを隠せない。
簡素で三人入れば寿司詰めになるだろう「基地」が当時の彼女等の全てだった。
「すごーい!!」中から茉麻の声がする。
「ちょっとー!!ちい!みや!中すごく綺麗なんだけど!」
興奮気味に茉麻が出てくる。

323 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 17:06:35 ID:6EHxc45e0
「わっ!ホント!マジきれいだっ!」
千奈美も釣られて茉麻と同じリアクションで出てきた。
「ほんと、なんで?みやも見てみ!」千奈美が雅の手を引く。
「いいよ!私は狭いし・・まあの浴衣汚すといけないから・・」
雅が何故だか照れた様に、千奈美の手を振り払う。
「なんか状況が掴めないんだけど・・ようするにみんなが蜘蛛の巣だらけだと思っていたこの基地が、
何故だか物凄く片付いていた・・っていうこと?」
友理奈が的確な解釈をした。
「そうそう!でもなんで!私ずっと来てなかったし・・ちいは?」
「まあと一緒・・・てか今日まで忘れてた・・・」

「まあいいじゃん!別に!」雅は何故かソワソワしている。
「なんか中にあったよ、コレ。」梨沙子が写真立てを持ち出してきた。
「うわっ真ん中の子・・・雅?すごい怪我してるみたい・・・」
桃が写真の雅に気付くと雅が慌ててそれを奪い取った。
「うわっビックリした!!どうしたの雅そんな怖い顔して・・」
「いいの!とにかく狭いから、花火始まるし、行くよっ!」
動揺している雅を見て茉麻は全てを理解した。


324 :http://ex11.2ch.net01.tripod.com/:2006/05/14(日) 17:06:59 ID:L30qtuuB0
モーニング娘(狼)板過去ログ倉庫

325 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 19:01:44 ID:EiWo88pB0
ロリコンは死ねば
もう不細工だからって笑われることもなくなるぞw

326 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 19:33:46 ID:6EHxc45e0
「わかった・・・約束。あん時したじゃん!ちい、忘れちゃった?」
「えっ?意味がよく・・・・」
「ほらぁ!みやがちいの事助けてくれた日!!」茉麻は写真に目をやる。
千奈美は左上を見て、必死で自分の左脳を総動員した。
「あっ!」千奈美の細い目が全開になった。
「ねっ!」「うん!」二人で顔を見合す。
「みやの番だ!!」竹薮の虫たちも耳を潜める。
 
「もぉ!あんた達、全然約束憶えてないもん!二年ぶりにここ来て、マジびっくりしたんだからっ!」
雅はクラスでの威圧的な自分を忘れ、すっかり二人と話す時の彼女になっていた。
「どゆこと?」桃子が堪えきれず口を挟む。
「あぁ!ごめんごめん・・・調度この写真撮った日に約束したの!毎年ここで花火みたいから、
当番決めて毎年この場所見張るって!」千奈美も続いて
「でね、うちとまあが見事に忘れちゃったってワケ!しかもその言い出しっぺってウチなの!すごくない?」
悪びれる気配も無く、千奈美は高笑いをする。
「ごめん・・・みや!私達クラス違ってたし・・・いい訳だよね・・・ごめんなさい!」
茉麻は律儀に、千奈美の分まで雅に詫びた。
「いいから!もぅ!夏休み暇だったからさ・・・」
千奈美は雅がこの夏、好きで仕方ない人の為、どれほどの汗と時間を労したかを痛いほど知っている。
「そうそう!みや暇してたもんね!今年の夏は!」
千奈美が雅の為にできる精一杯のフォローをする。
雅が千奈美のさりげない優しさに無言で頷く。
「ありがとう!みや!嬉しいよ!」
感極まった茉麻がいきなり雅に抱きつく。
「ちょっ!まあ・・・」雅の顔が異常に紅潮した時、花火の朱がそれを隠す。
「うわっ!綺麗!」転校生二人は始めて見る荒川の花火に声を失う。
「たーまや――!!」
桃子が火薬の匂いを胸一杯に吸い込み、お決まりの文句を夜空に響かせた。



327 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 19:50:35 ID:6EHxc45e0
「ちょっと・・まあ?いつまで・・・」
茉麻は雅に言われて、気まずそうに腕をほどいた。
「・・・・・」
「・・・・・」二人の周りだけを無言が続く。
そんな二人を千奈美は暖かい目で見守る。
『今日ここにいるみんな・・・幸せになればいいな・・・』
夏の残り香と火薬の匂い味わいながら、二度と来ない今日を六人それぞれが胸にしまった。

328 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 19:54:47 ID:6EHxc45e0
以上でございます!
合作して頂いた作者さん感謝ゆいたい!
それでは!寝るよ

329 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 20:24:13 ID:nq8eqrFG0
いえいえこちらこそ!丹下ちゃんとれいな出してくれてありがとw
お疲れさんでした!
で!C組は元気に頑張ってたよ
本体も勿論凄いけどやっぱりキッズは元気もらえるわw


330 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 22:14:25 ID:Lp6IwXxlO
ソッカー!!(゚Д゜)
裏山wC組可愛かったか・・なんかケンカとかスルーする基地外いたらしいね・・残念
まぁここの住人は紳士にいくべ!

331 :ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 23:13:59 ID:C+BfQgG00


                お前らは変質者です。


332 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 06:03:57 ID:PZYclHEe0
8月31日〜

佐紀は薄暗い部屋の様子を窺っていた。
カーテンが閉ざされた部屋は仄かなかびの臭いと、アルコールの臭いで満ちている。
佐紀は足音を消すためにスリッパを脱ぎ捨てた。
ソファーの上で寝ている母親に近づく。
『あった…』
無造作に置かれた財布に静かに手を伸ばす。
中から3万円を引き抜きそっと元に戻した。
「ママ…」
ふと見た母の寝顔は、優しかった頃の母の顔そのものだった。

「ハァ…」
静かに玄関を閉めた佐紀は
極度の緊張と罪悪感にため息をついた。

333 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 06:06:37 ID:PZYclHEe0
佐紀は駅に向かって残暑の日差しの中を歩いていた。
淡い花柄のスカートから伸びる足には、まだ薄っすらとあざが残っていた。
それを気にして、しばらくスカートは穿かなかった。
『大丈夫かなぁ』
ファーストフード店の窓ガラスに映る自分の姿が気になり、立ち止まったその時
『チリンチリン!』
ベルを鳴らし凄い速さで、自転車が目の前を通り過ぎる。
その自転車を佐紀は大声で呼び止めた。
「もも!」
自転車はキィーっと大きな音をたてて止る。
「あれぇー!佐紀ちゃん」

334 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 06:10:45 ID:PZYclHEe0
「誰かと思ったぁ」
桃子はキョトンとした顔で見ている。
「全然気が付かないんだね」
「だって、急いでたし、それに…」
「それに?」
「佐紀ちゃんがこんな女の子らしい格好すると思わないもん」
佐紀はムッとした顔をする。
「言うと思った!私だってスカートくらい履くよ!」
「ハハ ごめんごめん」
笑いながら手を合わせて謝る。
「ところで何処いくの?」
「えっ 洋服買いに行こうと思って…」
「ふーん…」
桃子は少し考えると、甘えた声で言った。
「ねぇ ももも一緒に行ってもいい?」
「えっ 一緒に?」
佐紀は少し悩んだが、久々に太陽の下で会った桃子の願いを聴いた。

335 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 06:13:46 ID:PZYclHEe0
仕事前にあげ
今回はのんびりといきます
8月終わらさないと…

336 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 08:39:14 ID:v8eVd0DMO
>>333
えーっと…いま気が付きました
制服もスカートじゃん…orz
夏休み中につけられたアザって事でお願いします…

337 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 14:40:45 ID:l5CgH3ARO
佐紀ちゃん登場!これでまんべんなくみんなでてきたな・・八月も終わりかいよいよ2学期突入だね金八先生のディティール研究しとくよ!

338 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 14:45:05 ID:l5CgH3ARO
で続編を待つ

339 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 16:36:04 ID:FAbaIIOo0
つまらん
きもい
死ね

340 :ねぇ、名乗って:2006/05/16(火) 23:25:16 ID:5Z8/cJhY0
アンチは社会のゴミw





いいかげん気付けよ最底辺wwwww

341 :ねぇ、名乗って:2006/05/17(水) 00:14:55 ID:q08Y+E/80
滑り込んできた電車が、ホームに暑い空気を運んでくる。
昼間だというのに、車内には殆んど人が乗っていない。

中に入るとほんのりと涼しく、ホッとした表情で、佐紀は座席に腰を下ろす。
そして腿に付いたあざを隠すように、バッグを膝の上に置いた。
見えないかな…不安な面持ちで顔を上げると
桃子は対面の座席に腰を下ろしていた。
「ねえ なんでそっちに座るの」
「えっ だめぇ?」
絵に描いたような内股で座っている桃子は困った顔で訴える。
「別にいいけど…」
そんな言葉とは裏腹に、体が僅かに硬直する。
「ねぇ 佐紀ちゃん」
「なに」
「太腿、痛そうだね…」
佐紀は驚いた様子で、ほんの一瞬桃子の眼を見たが気まずそうに視線を逸らした。
「目立つ…よね…やっぱり」
「ももは視力いいからだよ、そんなに目立たないもん」
「本当?」
いつになく弱気な佐紀に桃子は肩をすくめて言った
「佐紀ちゃん、さっきから気にし過ぎなんだよ」

桃子はバッグの中から漫画を2冊取り出した。
「ハイ 佐紀ちゃんはこっち」
座ったまま目一杯手を伸ばし一冊差し出した
「えっ 漫画? 別にいいよ」
「もぉ」
今度は立ち上がって佐紀の手を掴み、強引に漫画を持たせた。

342 :ねぇ、名乗って:2006/05/17(水) 00:18:08 ID:q08Y+E/80
眠気キテル
ごめん…続きまた明日
他の作者さん夏休み明け頼むよぉ

343 :ねぇ、名乗って:2006/05/17(水) 00:30:00 ID:Ue4tevoP0
まかせろ!

344 :ねぇ、名乗って:2006/05/17(水) 14:11:56 ID:iiQ5qKek0
ロリコンは社会のゴミw





いいかげん気付けよ最底辺wwwww

345 :ねぇ、名乗って:2006/05/17(水) 23:57:03 ID:Ue4tevoP0
焦らないでいいから少しずつガンガレ!

346 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 00:33:41 ID:sFG+p9Jn0
ありがとー
いま頭抱えてたw

347 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 00:40:32 ID:P+YoIYS/0
いいよいいよのんびり待ってるわ

348 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 20:20:17 ID:sFG+p9Jn0
桃子は既にもう一冊の漫画を真剣な表情で読み始めている。
仕方なしに渡された漫画をパラパラっと捲った。
「あっ…」
ヒラヒラと短冊が床に舞い落ちた。
億劫そうに拾い手に取ると、『注文票』と書いてあるそれを繁々と眺めた。

「ねえ もも」

「うん」

漫画に夢中な桃子は上の空で返事をした。

「ももこ!」

さっきよりも強い口調に顔を上げた。
佐紀は顔の横に漫画を掲げている。
「これ 買った?」
桃子は大きく目を見開き、顔と漫画を交互に見返している。
最後に少し引き攣って笑うと、小刻みに首を横に振った。
「やっぱり…これ、普通本屋さんで抜くもんね」
今度は短冊を掲げてる佐紀に、小刻みに首を縦に振った。
「だからあんなに急いで自転車漕いでたんだ」
「うん でもあとでちゃんと返すよ、お金くれるんだもん」
佐紀は意味がわからず、首を傾げて考えている

「どういうこと?」

「じゃあヒントね ヒントは『売る』」

「えーっ」

349 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 21:15:11 ID:0R1jme8XO
悪ももち





素敵だww

350 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 22:42:27 ID:sFG+p9Jn0
「呆れたぁ…買取ってもらうんだ…」

桃子は『呆れた』と言う言葉が気に入らないのか、少しムッとしている。
「だってもも お小遣い少ないんだもん」
そんな様子に、母親の様な口振りで言う
「もうやらないよね?」
その言葉に桃子は大きく頷いた。
「初めてね…やったんだよ ちょっと後悔してるもん」

「私もね…」

そう言うと、佐紀は財布からお札を出すと言った。
「私もね…ママの財布から取って来ちゃったんだ…お金」
小さな手に握られている3枚の一万円札を見て桃子は大きな声を出した。
「3万円も持って来ちゃったの!」
離れて座っている老人が驚いてこちらを見ている。
「もも 声大きいよ…」
「ごめーん…」
二人は出来る限りの愛想笑いをして頭を下げた。
「佐紀ちゃん、以外に大胆な事するんだね」
桃子は意地悪そうに笑うと佐紀の耳元で囁いた。

「あきれた」

351 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 23:21:06 ID:sFG+p9Jn0
すっかり日も落ちた夕暮れ、二人は電車に乗っていた。

帰宅時間の車内は、思いのほか混雑していて
一人はしゃぐ桃子の声をサラリーマンが煙たそうにしている。
「でも本当にいいの こんなに買って貰っちゃって」
佐紀の横に座っている桃子は嬉しそうに手に持った袋を見つめている。
「買ってあげたんじゃないよ 買い取ったんだから」
一人で買い物するのも心苦しかった佐紀は、桃子の漫画を一万で買い取った。
ふたりでのショッピングを楽しみたかった。
「いやぁ 漫画って高く売れるもんだねぇー」
おじさん臭い言い方がおかしくて佐紀はたまらず吹きだした。
そんな様子を見て桃子は呟く。

「佐紀ちゃんてさ 笑うと可愛いよね」

「えっ!」

相手が女の子とはいえ、余り言われた事の無い『可愛い』という言葉にドキッとした。
「いやだなぁ 恥ずかしいよ」
桃子はいつになく真剣な顔をしている。
「だって佐紀ちゃん 全然笑わないじゃん」
押し黙ったままうつむいている。
「いつも怖い顔してるもん」

無言のふたりに、車内アナウンスが京成関屋駅に着いた事を知らせた。

352 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 23:25:16 ID:sFG+p9Jn0
無言で歩く佐紀の少し後ろを桃子は歩いている。
沈黙が耐え切れなくなり、声を掛けた。
「佐紀ちゃんごめん…もう言わない」
その言葉に佐紀は立ち止まって振り向いた。

「あのさ…ももは幸せそうな人に意地悪したくなる事ってある?」

突然投げ掛けられた難問に戸惑ったが、少し考えて答えた。
「たぶん…無い」
「自分は凄く不幸だったとしても?」
畳み掛けられた言葉に今度はきっぱりと答えた。

「絶対無い!そんな事したら、自分が惨めになるだけじゃん!」

それを聞いた佐紀は再び歩き始めた。
「ももは強いね…… 私は駄目、すぐ落ち込んじゃう
だから笑えないんだよね、幸せそうな人が羨ましくなっちゃう」
「違うよ 佐紀ちゃん」
「違う?」
「わたし すぐ落ち込むよ…不安で仕方なくなるもん だからその度に強くなるの」
佐紀は不思議そうに見つめている。
「恥ずかしいけど、佐紀ちゃんにだけ教えてあげる…ももの秘密」
桃子は笑いながら耳打ちする。
「えー!絶対見られたくないね!」
「内緒だよ…いつも力一杯やるんだから」
「鼻水垂らして?」
「うるさいなぁ」

いつの間にか楽しそうに話しているふたりをひんやりとした秋の風が包んでいた。

353 :ねぇ、名乗って:2006/05/18(木) 23:28:02 ID:sFG+p9Jn0
以上
なんか駄目…
作者さん後はよろしく ノシ

354 :ねぇ、名乗って:2006/05/19(金) 01:11:52 ID:iOFyOWJr0
おkですw
9月編考えとくよ!
乙!

355 :ねぇ、名乗って:2006/05/19(金) 01:26:11 ID:iOFyOWJr0
3年B組ベリーズ工房!  2学期編

九月に入ると夏が忘れ物を取りに来たような暑さが関東を襲った。
「アジぃーーー!!おかーさーん!!ここにあったダカラが無いんだけど!!」
茉麻は冷蔵庫をあけたまま母に尋ねた。
「あーーーん??まあさの?これ?」
ペットボトル片手に母はダルそうに答えた。
「ちょっとぉ!!なんでまあの飲んでるのと、ゆいたいんだけどっ!」
須藤飯店からは慌しい秋が始まった。

356 :ねぇ、名乗って:2006/05/19(金) 15:04:29 ID:0a8lZV17O
佐紀の中学生最後の2学期も、始まりを迎えようとしていた。
桃子との出逢いが、佐紀の心の膿を少しずつではあるが吸い出してくれている様で、自然と笑顔が出てくる。
『前向きに・・・か。私にできるかな・・桃子みたいな生き方。』
鏡の中の自分に問い掛け。
『とにかく、雅に謝らないと・・・許してもらえるなんて思わないけど 、それからじゃないと、先に進めないもんね・・・』
新しい自分になろうと、懸命に鏡の前で笑ってみせた。

357 :ねぇ、名乗って:2006/05/19(金) 16:27:28 ID:0a8lZV17O
玄関で、先日桃子に選んで貰った真新しいキャンバスシューズの紐を結ぶ、丁寧に決して結び目が歪まないように。
何でもないスニーカーに自分のこれからを託し、何度もやりなおす。
「できた!」
満足気に玄関のノブに手をかけた時、後ろに人気を感じた。
「待ちなさい!」
佐紀の母が恐ろしい形相で立っている。

358 :ねぇ、名乗って:2006/05/19(金) 20:28:12 ID:/5R3iv0u0
帰宅!
続編待ちます

359 :ねぇ、名乗って:2006/05/20(土) 03:23:53 ID:z8FE5EDB0
「お母さん・・・」
佐紀は咄嗟に、下ろしたての靴を隠し平然を装った。
「可愛い靴じゃない。」
酒の臭気が佐紀の鼻をつく。
「お母さん、寝てなきゃ・・・気分はいいの?」
佐紀の眼があからさまに泳ぐ。
「気分?いいわよ。財布にお金があればね!」
そう言い捨てたと同時に平手が飛ぶ、そして佐紀は避けることなく、それを受け止めた。
自業自得とゆう言葉が痛すぎるほど身に染みた。
「ごめんなさい・・・お母さん。」
佐紀の懺悔が更に、母の憤怒に拍車をかけた。
立て続けに髪を掴まれ左右に振る、佐紀の小さな身体が人形のように揺られ、とかしたばかりの黒髪が無残に乱れた。
佐紀は、ただされるがままに、母の暴力に身を委ねた。
ブラックミュージックに身を委ねる如く、ただ無心に罪と罰を受け入れた。

360 :ねぇ、名乗って:2006/05/20(土) 03:46:01 ID:z8FE5EDB0
佐紀の母は肩で息をつく。
「お母さん・・・聞いて!確かにお金は盗ったけど、もうお酒飲んで欲しくないし・・
お金があると、またお母さんお酒飲むんでしょっ!もういやなの!!」
新たな自分になるために、今までのような、殴られるだけの人形ではいたくないと、
彼女が始めて自分の意見をする、たとえまた殴られても構わないと、彼女の眼が必死に訴えた。
母から失笑が漏れる。
「居直るわけだ・・・泥棒なんだよ、あんたのしたことは!」
外の嫌味な程晴れ渡った晴天と、扉の向こう側の重苦しく、湿気を帯びた曇天とが、不協和音を奏でた。



361 :ねぇ、名乗って:2006/05/20(土) 23:45:52 ID:/eL1XvN8O
母親のぶつ正論に、佐紀は返す言葉を失う。
事実を認めた以上、そこには正当性など皆無であることに、今更であるが気付く。
「お母さん。ごめんなさい、もうしなから・・」
「一度じゃないんだろ!この泥棒!あんたはまたやるよ!薄汚い。おまえなんて産むんじゃなかったよ!」
その瞬間、佐紀の目の前が漆黒の闇に覆われた。

362 :ねぇ、名乗って:2006/05/21(日) 20:25:33 ID:FylHlRVL0
母親はそう吐き捨てると、気だるそうに寝室に向かった。
まるで後悔など無い、ある意味凛とさえした、母の後ろ姿を、言葉を無くした佐紀はただ見つめる。
いつもギリギリのところで、流れていた涙がでてこない。
『無理だよ・・・馬鹿みたい。私が前向きに生きるとか・・・人間そうは変われない・・・か。』
母の放った呪詛の言葉が、いとも簡単に少女の決意を根底から、ぶち壊した。
佐紀がこれまで受け続けた、暴力など簡単に霞んでしまう程の衝撃に打ちのめされる。
『産むんじゃなかった』
たった一言が、佐紀の感情らしきもの全てを根こそぎ摘み取る。
「いってきます・・・・」
無表情に出かけの挨拶をした。
玄関扉に手をかける、冷たいはずのドアノブも、今の佐紀の手の冷たさには適わなかった。

363 :ねぇ、名乗って:2006/05/21(日) 21:06:09 ID:FylHlRVL0
須藤飯店からは、暑さにうんざりした様子の茉麻が出てきた。
スクールバッグを彩るディズニーの面々が、彼女の苛立ちとは裏腹に笑顔のまま上下左右に揺れる。
「あぢぃ・・・・死ぬ・・」
そうでも言わないと、本当に死んでしまいそうで、茉麻は照り返すアスファルトを親の敵のような形相で睨み付けた。

「まあ!」後から茉麻を呼び止める声が確かに聞こえたが、振り返る事すら億劫で、彼女は二日酔いの親父の様に、それをやり過ごす。
そのまま日陰を選び歩くと、声の主が茉朝を追い越す。
「ひどい!無視とかしないでよ!凹むじゃん!」
「なんだ。ちいか・・・暑いね、しかし。」
声の主が千奈美だと解ると、さっきよりも憮然と振舞う。
「まあはホント暑いの駄目だね。」振り返ると雅も、涼しげな顔で歩いてきた。
「なんだ。2人一緒だったんだ・・・おはよ。」
茉麻の遅れてきた「おはよ」が更に昔を懐かしませた。



364 :ねぇ、名乗って:2006/05/21(日) 21:27:32 ID:FylHlRVL0
佐紀は荒川の土手を歩く。
靴紐を懸命に結んでいた「さっき」が、遠い昔の様に思われた。
いや、そんな過去も忘れてしまった程に、佐紀の心は空洞化していた。
佐紀の横を日焼けした男子や、髪が異様に黒光っている同級生等が通り過ぎる。
皆が夏の思い出や武勇伝など披露し、通学路らしい風景をただ遠目に傍観する。
 
佐紀の視界に同じクラスの生徒等が目に入ってくる。
茉麻、千奈美、雅が仲良さげに談笑し時折、雅がおどけてみせた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
佐紀は無言に彼女達を凝視し、心の中で囁く。
『目障り・・・・・目障り・・・・・・目障り・・・・』
ただひたすらに、羨ましさを押し殺す様に続けた。



365 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 16:17:57 ID:1WPQjRboO
夏休みのハードワークがたたり、雅は全ての教科の宿題が未提出のまま、職員室に呼ばれた。
「雅。どうして宿題やってきてないんだ?乾先生も、北先生も心配してたぞ。怒らないから、ね?理由を聞かせてくれないかなぁ?」
担任の坂本がデリケートなものを扱うように、優しく問いただした。
百戦錬磨で知られる、担任の話術に思わず、口が滑りかけたが、寸での所で踏みとどまる。
もはや自分のの問題などどうでもよく、ただ茉麻のシアワセを願い、雅は堅く口を閉ざした。

366 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 19:30:58 ID:H5xkwAYvO
作家さん乙!帰省してる間にずいぶん進んだねぇ
後でまいみくんの避難訓練編アゲてもいい?

367 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 20:31:30 ID:H5xkwAYvO
×後で
○どこかで
です

368 :名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 21:35:30 ID:1WPQjRboO
どうぞどうぞw
一応佐紀ちゃんはマダ悪の方向でヨロ!

369 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 22:44:09 ID:U9x+WnRa0
〜避難訓練〜3年C組

『━━校内で火災が発生しました!全校生徒は速やかに校庭へ避難してください』

「めんどくせぇ〜」
避難訓練開始の放送に、男子生徒はざわついている。
毎年恒例の訓練は、非難する事の重要性より、何分で全校生徒が校庭に出れるか
そんな事が重要視されている。
「矢島早く行こうぜ!」
クラスメイトの岡井が声を掛けてくる。
「便所いってから降りるわ 先行っていいや」
そんな理由をつけて誘いを交すと、トイレに身を潜めてB組の様子を伺った。

あのメール以来、須藤からなんの連絡も無い。
いつまでも待つ、その決心は確かに大きかったけれど
それ以上に大きくなった、ぼくの焦れた心は、衝動を抑えきれなかった。

370 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 22:45:53 ID:U9x+WnRa0
〜避難訓練〜3年B組


「茉麻ちゃん早く行こうよ」
「待って亜依ちゃん」
スクールバッグに手を突っ込んでいる茉麻を、席替えで後ろの席になった加護亜依が急かす。
「なに探してんの?」
加護と仲が良い辻希も近寄ってくる。
「お財布、今日帰りに買い物するの…あった!」
使い込まれた店の買い出し用財布をスカートのポケットに入れ加護の手を掴んだ。
「ほら!のんちゃんも行くよ!」
そう言うと今度は辻の手を掴み、他の生徒の後に続く。
その後姿を見ていた金八は、双子を連れて歩く母親に見えて思わず吹き出した。
「なに笑ってるの先生?」
振り向いた辻が、不思議そうに訊く。
「いやいや 何でも無いです」
金八は笑い顔を隠す様に校庭の様子を見た。
まだ殆んど生徒は出てきていない。
「先生は他の教室見てから行きます 君たちは早く校庭に出てください」

371 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 22:48:37 ID:U9x+WnRa0
「いっそげぇー」

加護と辻は大はしゃぎで茉麻の手を引っ張る。
「ちょっとふたりとも!ゆっくり行こうよ」
そのままの勢いで階段を降り始めたふたりを抑制した。
「急がないと逃げ遅れちゃうよ」
つまらなそうに加護が見上げている、茉麻は言い聞かせるように言った。
「階段で落ちたら非難も出来ないでしょう」
尤もな意見にふたりが仲良く頷いたその時

「須藤!」

茉麻は突然後ろから呼ばれたその声にドキっとした。
振り返らなくてもわかる …矢島くんだ…
終業式以来、久しぶりに聞いた声に胸が苦しくなる。

「ちょっといいかな…」

「うん…」

「亜依ちゃん、のんちゃん先行って…ごめんね」
茉麻は繋いでいたふたりの手を放すと、矢島のもとへ階段を昇っていった。

「どうする このまま下りる?」
先に階段を降り始めた辻に加護が訊く
辻は嬉しそうに振り返り言った。
「まさかぁ」

372 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 22:50:09 ID:U9x+WnRa0
「須藤…あのさ…」

「うん…」

目の前で見る須藤はとても小さく見えた。
終業式以来、久しぶりに聞く声に心臓の鼓動が速くなる。
そんなドキドキに遮られなかなか言葉が出てこない。
「あの…あのさ…答え出たかな…」
俯き加減の須藤は硬い表情をしている。
そんな顔は、最悪の結末を暗示している様で、思わず目をそらした。
そらした目線の先に、校庭に出たはずの加護と辻が階段から顔を半分出してこちらを伺っている。
ぼくは、振られる一部始終を見られるのかと思うと
恥ずかしさと不安で益々悲観的になった。
「あの…あのね」
突然発せられた須藤の言葉に我に返る。
「わたしね…」
ようやく聞けた小さな彼女の声に、耳を傾けた時だった。

「こら!須藤、矢島!なにやってんだ!」

大声とともに近づいてくる気配にぼくは落胆した。
もう少しだったのに…
「金八先生!今降りるところです!」
沸き起こる苛立ちを奥歯でかみ殺して言った。
その言葉に階段で隠れていたふたりが駆け上がってくる。
「茉麻ちゃん行こう!」
そう言って手を引っ張っている。
急かされて下りていく須藤が途中で振り返った。
悲しそうな顔にドキドキが胸騒ぎに変わる。

…わたしね…の続きは何だったんだよ…

373 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 22:55:39 ID:U9x+WnRa0
「先生…タイミング悪すぎるよ…」

茉麻と矢島に淡い思春期の空気を感じた金八は、単刀直入に訊いた。

「なんだ、矢島は須藤のことが好きなのか」

苛立った気持ちよりも、次第に大きくなる抑えきれない不安が
矢島を素直にさせていた。

「終業式の日にさ、告白したんだ…でもいまだに答えてくれないんだよ」

そう言って唇をかみ締める矢島の不安が伝わってきて
金八は少し話をする事にした。

374 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 22:59:02 ID:U9x+WnRa0
「なあ矢島、恋いというのは不思議なものだなぁ」
矢島は黙って唇をかみ締めたまま話しを聞いている。
「元気になったり、落ち込んだり。勇気が出たり、臆病になったり。不思議だよなぁ」
自分と重ね合わせていたのか、しばらくして言葉が出た。
「本当だね…先生」
金八は微笑むと、矢島の背中を優しく叩き、話しを続けた。
「恋という漢字の旧字体を知ってるか?古い漢字だね」
「きゅうじ…」
「そう…思い描いてごらん。ふたつの『糸』の間に『言う』という漢字を書く」
矢島は俯いていた顔を上げて、頭の中で字を描いた。
「その下に『心』を書いて『戀(こい)』と読んだんだね」
「糸と糸の間に…」
「うん つまり『いとしい、いとしいというこころ』という事なんだね」
金八は矢島の背中を静かに押して階段を下り始めた。
「それとは別に、こんな意味もあるのかなと、先生思うんだ
矢島、糸と糸の間には何があった?」
「言うって漢字…」
「そうだね。 いとしい、いとしいという、ふたりの心を繋いだのは
『言葉』だった。そんな意味もあるのかなと…思うんだよね」
ふたりは一階まで降りてきていた。校庭には全校生徒が整列している。
「なあ矢島。自分の言葉で、もう一度思いを伝えてみるのも…良いんじゃないか」
校庭からC組の担任が慌てて駆けて来るのがみえる。
「言っとくけど先生、君達の恋愛を認めた訳じゃないぞ!
君らは仮にも受験生なんだからね」
微笑んでいる金八を見た矢島にもようやく笑みがこぼれた。

「先生…ありがと!」

そう言って、担任の元へ駆けていく矢島を金八は嬉しそうに見送った。

375 :ねぇ、名乗って:2006/05/22(月) 23:01:43 ID:U9x+WnRa0
以上れす
作者さんあんがと!
佐紀ちゃん話待ってるわ

376 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 00:02:04 ID:yKjsSQQB0
おいおい!GJジャマイカw
金八っつぁん言いそうだわwなんかテンション上がってキター!
また登場人物設定更新せんとな!

377 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 00:24:10 ID:SDMIwXgP0
非難訓練も形式上は完了し、午後のホームルームが始まる。
「あなたたちもいよいよ、受験の時期が来ました。この中で高校を目指すもの、はい挙手!」
坂本の問い掛けに、ほぼ全員が手を上げた。
「それじゃ、私はやりたい事・・みんなとは違った道を目指しますという者、はい挙手!」
まばらではあるが数名が誇らしげに手を上げる。
「はい!高校受験する者、別の道に進む者、皆さんが支え合って、笑顔で卒業出来るように、頑張ろうな!」
坂本のファイティングポーズに教室が和む。
坂本がこういった話でクラスの士気を煽る時には、数名ではあるが、必ず心ここに在らずな生徒が毎年出てくる。
そんな生徒達から発せられるSOSを、坂本は絶対に見落としたりはしない。
その『心ここに在らず』に該当する生徒とは、すなわち、清水 夏焼 須藤の三名であった。
『今年は三人か・・・この時期は心してかかってやらないとな・・・」
坂本は、そう独りごち先程までの笑顔を、誰にも悟られること無く引き締めた。


378 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 00:57:19 ID:SDMIwXgP0
9月に入ると、残暑はまだ続くものの、日の入りは、早くなる。
真っ赤に燃えている夕日を眺めながら、雅は往生にて、佐紀を待っていた。
胸ポケットには、彼女の夏の全てが、味気ない銀行の封筒に収まっている。

錆付いた扉が開くと、取引の相手がこちらに向かい、ゆっくりと歩をつめる。
西日のせいか佐紀の表情に影ができ、佐紀の心の闇を鮮明に照らし出す。
その威圧感に圧倒されつつも、雅は本題を持ち出した。



379 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 01:14:49 ID:3Poi7N3l0
幼少時かわいくても、ティーンエイジになるとブスになる椰子

380 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 01:23:11 ID:SDMIwXgP0
「約束の、ほら!」
雅はおもむろに封筒を差し出す、錯覚などではなく佐紀の表情は雅の知るそれとは、
まるで別人のものであった。
「ゴクリ・・・」
あまりのプレッシャーに雅は固唾を呑む。
「ふぅん・・・本当に集めてきたんだ。すごいね・・・愛の力?こうゆうのって・・・」
佐紀は口の両端を吊り上げ、艶を失った眼で雅を見据える。
「なんかさ、気・・変わった。別にいらないから。こんなもの。」
佐紀の無機質な言葉とともに、封筒が投げ捨てられる。
「佐紀!いい加減にして!私はちゃんと約束守ったんだよ!そっちもそっちで筋通してっ!」
雅は感情にまかせまくし立てた、これで駄目なら刺し違えても良い覚悟で、
屋上というロケーションを選んでもいた。
馬鹿馬鹿しいのは百も承知で、全てを清算するつもりだった。


381 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 01:48:15 ID:SDMIwXgP0
「見たんだ・・あんたと茉麻、キスしてたでしょ・・・」
雅の顔中の血の気が一気に引き、軽い目眩を覚える。
「なんか、すごく面白くなってきたね・・雅。あんたもういいよ。自由にしたげる。
日記も、ほらっ!」そう言うと、日記を放り投げた。
雅のあからさまな狼狽ぶりが、佐紀の心の闇を拡張させる。

「そんな・・・ここまできて・・・お願い・・アイツには関わらないで!
私、なんでもするから!まあだけには・・・この通り・・」
雅は完全に敗北を認め、佐紀の前で土下座をした。
「なんでもね・・・じゃあここから飛び降りなよ。そしたら全部無かった事にしてあげる。」
一瞬、雅は言葉を失うが、茉麻の幸せに満ちた笑顔を思い、無言で頷いた。
「わかった・・・だから、まあにだけは・・」
「約束するよ。見せてもらおうじゃない・・愛の力だっけ・・証明してみてよ。」
もはや佐紀は修復不可能なまでに壊れ荒んでいた。



382 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 01:49:47 ID:SDMIwXgP0
自分で書いてて怖くなってきたわw
続きは明日!

383 :ねぇ、名乗って:2006/05/23(火) 16:28:59 ID:guv5NbZ1O
雅はためらう事なく、フェンスに向かう。
怖くて仕方がないのを必死に押し隠すように、1歩1歩と自分の覚悟を噛み締めながら歩く。
『ごめんね、まあ、ちい。こうするしかないんだよ。多分私、死ぬ。だけどアンタたちにはこれ以上迷惑掛けないから。』
気付くと雅の頬を涙が伝う。
『やばい。マジで昔の思い出とか蘇ってきたじゃん、本当だったんだ・・』
雅はどこか他感的に死ぬという事と対峙した。
「何やってるの!!」
その時、とても懐かしい声がした。雅は思わず振り返る。
「まあ!?」
最後にもう一度、会いたいと願ったその人が、そこに立っていた。

384 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 00:42:22 ID:bL7tOUlT0
茉麻は物凄い形相で雅に駆け寄る。
「何やってるのって聞いてるの!!答えなよ!!」
茉麻は力任せに雅の肩を揺する。
「・・・・・・まあ・・私・・私。」
我に帰った雅は全身の力が抜けきり、その場にへたり込む。
「何も言わなきゃ、解んないよ!どうしたの?何があったの!」
それでも雅は、放心状態のまま、ただ呆然と茉麻を見つめる。
「みや?みや!しっかりして!」
再度、肩を抱き寄せると、失禁している事に気が付いた。
ただならぬ事態だという事を茉麻は悟り、もう一人の当事者であろう佐紀に踵を返す。
「佐紀?何があったの?どうして雅がこんな・・・」

落ちかけた太陽が異常なまでに紅く、血を彷彿させるほど不気味に彼女達を照らし出した。

385 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 00:57:43 ID:bL7tOUlT0
「佐紀!答えて!何があったの?あなた達に!」
 
「呼んでもないのに来てくれたんだね。今、茉麻の話してた所、もうこの子、
使えないから、アンタに代わり頼もうと思ってさ・・・。」
普段とは、何かが決定的に違う佐紀の佇まいに、疑問符を抱きながら佐紀との間合いを詰める。
「使えないとか、代わりとか、佐紀の言ってる事、よく解らない。私が解るように話して!」
 
「まあ!帰って!アンタには関係無いから!これは私と佐紀の話なの!」
雅が必死に割って入る。
「関係無くないよ!みやの問題は私の問題なんだよ!友達でしょ!」
茉麻が顔を真っ赤にしながら、雅を制した。

386 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 01:10:00 ID:bL7tOUlT0
佐紀はなにが可笑しいのか、高笑いをし、雅を見下ろす。
「これは傑作だね。雅が命張って、守ろうとした人が トモダチ だって!
同情するよ!哀れな同性愛者に・・・さてココからが本題・・・」
目の前で、雅の最も怖れた光景が展開されようとしている。
佐紀は、じっくりと勿体つけ、茉麻を追い込もうとしているのが、手に取るように解った。
あの時、自分に矛先を向けたように、ゆっくりと残忍に。


387 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 01:34:41 ID:bL7tOUlT0
「実は、見たんだ・・・茉麻と雅のキスシーン。」
茉麻の顔色が一瞬変わる。
「雅がレズなのは、知ってるけどさ。まさか茉麻までが・・・ね。」
 
「それと、今雅がこんな目にあってる事とどう関係があるの!」
茉麻は怯む事無く、佐紀を問い詰める。
「だから・・・ね?解んないかなぁ・・そうゆうの知れたらさ、茉麻やばいんじゃない?
矢島君だったっけ?私知ってるんだよ。なんでも両想いだとか・・・。
だからさ・・・これから少し茉麻に頼み事とか、するかも知れないからさ、今日はその挨拶みたいな?」

雅は絶望感に打ちひしがれた、自分が命を賭して守りたかった全てが、佐紀の手中にあった事実に、
ピエロでしかなかった自分にただ、打ちのめされた。

「で?佐紀は私に何をして欲しいわけ?私はアンタをぶっ飛ばしたいとゆいたいんだけど。」
茉麻から放たれた一言に2人は唖然とする。
「言いたきゃ言えばって言ってるの!私は確かにみやにキスした、したかったんだもん。
愛しかったもん、みやが。でも、それと一緒くらい矢島が好き!私間違ってる?」
茉麻の澄みきった眼が佐紀を捕らえた。

388 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 01:36:51 ID:bL7tOUlT0
もう少し待っててつださい。
続きは明日でorz

389 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 15:10:53 ID:Ct5RaBXMO
雅は大きな誤解を犯していることに気づいた。
茉麻の持つ寛大な心に、今更であるが、とても恥ずかしく、またそんな彼女を誇らしく思う。
「まあ・・駄目だよ・・・友達だから、まあの事すごく好きだから・・・巻き込めないよ・・・」
「みやは黙ってて!佐紀は私を名指ししたんだよ!こっからはウチらの問題なの。」
そう言うと、佐紀の方に歩み寄り、躊躇せずに続けた。
「ねぇ!間違ってるか聞いてんでしょ!私は守らなきゃいけない人がいるの!だからこそ、一歩も引かないから、佐紀も覚悟して!」
茉麻の迷いのない言葉と強い眼差しが、佐紀を動けなくさせた。

390 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 16:09:00 ID:Ct5RaBXMO
「間違って・・・無い。」
佐紀は雅が飛び降りようとした時点で、どこか気持ちが萎えていた。
「雅、もういいわ。なんかこうゆうの飽きちゃた。」
「えっ!」
あまりの呆気ない幕切れに、雅は佐紀の言葉の裏を探る。
「なんだ・・・信じてもらえないか・・」
佐紀は残念そうに肩をすぼめ、その場を去ろうとする。
「佐紀?!」
雅の呼びかけに振り返ることなく、佐紀は大きな伸びをした。
『アンタたちに、もう少しだけ早く逢いたかった。』
そんな言葉に鍵を掛けると、無性に自分が情けなく、熱いものが込み上げた。

「あぁ・・何もなくたっちゃた・・帰りたくないなぁ・・」
誰もいない廊下に佐紀の上履きの音だけが、哀しげに響いた。

391 :ねぇ、名乗って:2006/05/24(水) 16:27:51 ID:Ct5RaBXMO
雅はまだ呆然と佐紀の消えた方を見ている。
あれだけ苦しんだ物事が一瞬にして終わってしまったことに戸惑いを隠せないでいる。
「大丈夫?」
茉麻が心配そうに手を差し出した。
「なんでもね、自分が解決できると思ったら大間違いなんだから!」
ようやく雅は正気にもどる。戻った途端、涙が嗚咽と共に、とめどなく溢れた。
「いいんだよ。泣きたい時は・・でも忘れないで!みやは私を裏切ろうとしたんだよ!仮にみやがここから飛び降りてたら、私絶対みやの事、許さなかった。だから、もうしないって約束して!」
雅は茉麻の優しく厳しい言葉に無言で頷いた。

392 :ねぇ、名乗って:2006/05/25(木) 00:23:58 ID:E3SfbRnM0
「さて、帰るか・・・」
茉麻の差し出す右手を借り、腰を上げようとしたが、依然膝に力が入らず、
その場にへたり込む。
「しょうがないんだから・・・」
茉麻は腰をかがめ、雅に背中を借す。
「ほら、行くよ!」
「駄目!・・・だって・・」
雅は濡れたスカートを気にし、頑なに拒んだ。
「なに水臭いことゆってるの!私にも友情ごっこさせてよ。」
敢えて茉麻はその言葉を選び、雅をおぶった。

「ごめん・・・汚いよね・・・」
「ぷっ!」茉麻が何かを思い出したように、突然吹いた。
「なんなの!やっぱりもう降りる!」
雅は自分が笑われたと思い、背中ごしに突っかかる。
「違う違う!みや、覚えてない?昔、私が肥溜めに落ちた時も、みやはね、おんぶしてくれたんだよ!」
「あはっ!あったね!私、臭くて死にそうだったんだっけ・・・懐かしいなぁ・・・」

茉麻が唐突に口笛を吹いた、全然さまにならないカーペンターズを得意げに奏でる。
「まあ!なに吹いてるか解んないから!ホント口笛だけは何時までたっても駄目だよね。」
雅はそう言うとカーペンターズを横取りした。

季節はずれの鈴虫たちが、そんな二人を微笑ましげに笑った。


393 :ねぇ、名乗って:2006/05/25(木) 00:26:05 ID:E3SfbRnM0
以上!
佐紀ヲタのひといたらマジスマソorz
最初の設定が悪かったもんで・・・

394 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 09:37:15 ID:pPq7ZFlpO
作者さん乙!
続き書く人いないのね…
誰か書いてよぉw


395 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 10:18:27 ID:QstbLO3VO
もとから住人自体が皆無だからな・・考案してるけど全然(ry

396 :名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 12:51:11 ID:3kbndL4m0
自分も含めて、ROMは結構いると思うけどなあ。
ただ、高水準の書き込みが多いから、雰囲気を壊すのを恐れて
書くのを躊躇っている人が少なからずいるのではないかなあ。自分もそうだけど。
後、多数で書いていくと、どうしてもキャラ設定で破綻をきたす可能性が高くなる
という問題もあるし。

397 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 14:23:56 ID:pPq7ZFlpO
寧ろROMってる人の方が今後の展開を面白くしてくれそうだけどw
あまり気にせず書いてほしいのになぁ…


398 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 15:38:46 ID:QstbLO3VO
佐紀は自部屋の明かりを全て消し、固く塞ぎ込む。
頑なに茉麻を庇う、雅の強さと、全てを受け入れて、雅を助けようとした茉麻という人間の器が、後悔と腹立たしさが募らせ、佐紀の孤独性を確かなモノにしていく。
「かなわないよな・・・あの子達に。」
暗闇の中で呟いてみたところで、自分を叱る人間も、励ましてくれる人も居ない。

「ピンポーン!!」
唐突に鳴るチャイムに佐紀は飛び起きた。
母親がチャイムの音で目覚めるのを恐れ、慌てふためき玄関まで駆けた。ドアの前で一息つき、ノブを引く。
「さきゃーん!!」
場違いな猫なで声が家中に響く。
「桃?!」

399 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 15:46:26 ID:QstbLO3VO
その瞬間、寝室から物音と、緊張感が放たれる。
『ヤバい!絶対今ので起きた!しかしなんで桃がいるんだ?』
寝室から放たれるソレは彼女に考える時間を与えない。
佐紀は咄嗟に桃子の手を引き、なるべく遠くに逃げた。

400 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 16:00:02 ID:QstbLO3VO
自宅から100メートル程離れたコンビニで二人は止まる。
「ちょっと!いきなり走り出すんだもん!桃びっくりしたぁ!でもなんか楽しいね!こうゆうの!」
桃子は息を切らしながら愉しげに話す。
桃子といると、良くも悪くもペースが狂う、これがリラックスだったりするのかなぁ・・・などと何気なく考えていると、自分がノースリーブのカットソーのまま、出てきた事に気づいた。

401 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 16:11:58 ID:QstbLO3VO
佐紀の右肩のミミズ腫れを、コンビニの青白い蛍光灯が痛々しく浮かび上がらせた。
桃子の唾を呑み込む音が、店内から漏れるj-popより鮮明に佐紀の耳をうつ。
「佐紀ちゃん・・・」
桃は言葉を探すように口をつぐんだ。

「凄く・・痛そう・・」
やっとの思いで見つけた言葉が、佐紀を押し黙らせた。

402 :ねぇ、名乗って:2006/05/26(金) 16:20:35 ID:QstbLO3VO
「どうしたの?って・・・聞いてもいい?」

「・・・・・駄目。」

「桃にできること」
「ない!」
「でも・・ほっとけ」
「放っといてくれたら・・・それで・・いいから 」
桃子は後ろ髪を引かれる思いで、無理矢理笑う。

403 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 00:48:09 ID:hiCMrp+T0
「でも、ありがとう・・・そう言ってくれて嬉しかった・・・」
佐紀は言い馴れない、感謝の言葉を口にした。
何故かムズ痒いが、口にすると身体が軽くなる感覚を覚えた。
「でもね・・桃子。人には触れられたくない事とか、あるからさ・・桃子にもあるでしょ!
そうゆうのって・・・」
言ったそばから、桃子が何を思い出したのか赤面した。
「わかる・・・桃にも確かにあるかも・・・そうゆうの・・」
 
「ねっ!だから今日のことは忘れて・・お願い!」
佐紀の懇願に、桃子は笑顔で頷いた。
「で?何しに来たの・・今日」
佐紀は、思い出したように本題を口にした。
「じゃじゃー―ん!!」
桃子が昭和チックな効果音とともに、葉書を夜空にかざした。
「何それ?」
佐紀は桃子のテンションに合わせることなく、いたって普通の反応をみせた。
「ちょっとぉーー!!もうちょっとビックリしてよぉー!!」
興奮気味の桃子が買い物客達の目に留まる。
「桃子っ!みんな見てるからっ・・」
周囲の視線を感じた佐紀が、桃子の暴走をいなそうとする。
「佐紀ちゃんがビックリするまで、桃やめなぁい!」
桃子の昭和志向は、尚加速し、近年稀に見るアカンベーをした。


404 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 01:01:59 ID:hiCMrp+T0
「・・・わかった。わかったから・・・」
佐紀は凄まじい悪寒を感じながらも、渋々彼女に従うことにした。
「よしっ!じゃぁ・・やり直しねっ!いくよ!? ジャジャジャーーン!!」
桃子が再びソレをかざした瞬間、佐紀は腹をくくった。
「うわぁーーーーーーーすごーーーーーい!!!なーにーそーれーー!」
やけになった佐紀が、これ見よがしに驚いてみせた。
 
「・・・・佐紀ちゃん・・・やりすぎ・・・」
桃子がそれは無いよと、口を尖らせた。
「・・・だよね・・ごめんごめん。でも驚いたじゃん!?で何?それ。」
「はい!佐紀ちゃんの分!」
話の見えない佐紀は、怪訝そうに葉書を眺めた。

405 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 01:45:11 ID:hiCMrp+T0
【スッペシャルジェネレーションオーディション ダンサー部門】
清水佐紀様 
書類選考の結果―合格  第二次選考―場所・・・・

「????何これ?」
葉書に並ぶ規則正しいゴシック体が、佐紀の混乱を決定的にさせる。
「うん!見ての通り!書類選考突破!!でもね、ここまでは可愛い子ならみんな合格するんだ・・
肝心なのは、こっからだよ!」
ベテラン気取りの桃子に佐紀が、歯止めを掛ける。
「いやいやいや・・・私、応募した憶えないし!話が全然見えないんだけどさ・・・」
100人が聞けば99人は賛同する佐紀の意見も、相手が運悪く、その1人だった、桃子は聞く耳持たず尚続ける。
「だってぇ、桃が勝手に応募しといたんだもん!!」
桃子の満面の笑みと、迷いの無い言葉に、佐紀は困惑を隠せない。
「あのね・・・勿体無いよ・・・佐紀ちゃんのダンスをこのまま埋もれさせたりするの・・」
桃子が真剣な口調に変わる。
「・・・・でも、オーディションなんて・・・私・・・」
「大丈夫!その為に私も歌手部門応募したんだもん。」
佐紀の表情が困惑から迷いに変わった、佐紀の頭の中では審査会場での自身をシュミレートしている。
審査員の前で緊張し、何もできない自分、身体の傷について執拗に質問される自分。全てがネガティブな方向にいってしまう。
佐紀はあわててかぶりを振った。
 
「駄目!やっぱ無理!私なんて・・・きっと私よりダンスできる子なんて、腐る程いるよ!」
「そうかなぁ・・・それを自分の目で確かめてみる価値はあるんじゃない?」
 
「まぁ、まだ日数もあるからさ。ゆっくり考えなよ。受けるも受けないも佐紀ちゃんの自由!
その気になったら電話して!じゃあ、行くね!」
桃子が佐紀に葉書を渡し、その場を去った。
『ダンサーか・・・考えもしなかったな・・・』
桃子の豊かな人間性と、未だ見ぬプロフェッショナルの世界が、奈落に落ちかけた彼女を、
土壇場で引き戻した。

406 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 01:54:05 ID:qXvpCPR60
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ




407 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 01:57:02 ID:hiCMrp+T0
以上!
夏夏落ちまくってヤケなヲレだぜ!orz
ロムってる人も感想やら書いてきてねw

408 :从o゚ー゚从ノノl∂_∂'ル:2006/05/27(土) 07:54:55 ID:qagcE55c0
作家さん、毎日楽しみにしていますよ。
違うターゲットをいじめたり、ヤケにならないでほしい。
他人の言葉ですが佐紀cにエールを送ります。

「社会というところは、短期的に見ればアンフェアなところもある。
長期的に見れば必ずフェアなものだ。それから、努力さえしておれば、
必ず誰か一人はきみを見ていることを忘れるな」

409 :名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 11:11:00 ID:gjomTj5U0
作者さん、いつも乙です。
そういえば、作者さんて何人いるのだろう。

410 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 14:45:46 ID:BQmGW5bz0
>>408
いい言葉だなぁ…いい名前だなぁw

>>409
とりあえず手をw ノ 
さてと考えないと…

411 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 17:07:54 ID:BQmGW5bz0
のんびり書きます ↓

412 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 17:09:12 ID:BQmGW5bz0
その頃千奈美は、今日から始まるレッスンを受けるため、楽器店に来ていた。

「あー緊張する…」

行儀良く揃えた膝を、時折小刻みに動かす。
自分が貧乏揺すりをしている事に気付き、益々緊張が昂ぶる。
「あー緊張する…」
もう何度も同じ言葉を繰り返していた。
その時、ガチャという音と共に、いつもの店員がスタジオの中から顔を出す。
「あれ!千奈美ちゃんもう来てたの?」
すっかり顔見知りになった店員は何時しか名前で呼ぶようになっていた。
自分より少しだけ髪が長く、女性的な顔をしている店員は
千奈美の憧れの存在になっていた。
「吉澤さん…もうダメ私…」
店員の吉澤ひとみは目を丸くして訊ねた。
「千奈美ちゃん緊張してるの?」
「もう…すんごくです」
吉澤は高らかに笑いながら何処かに行ってしまった。
そんな様子に千奈美はムッとした。
不貞腐れた顔でしばらく俯いていると、
突然目の前に、ココアの入った紙コップが差し出された。

「そんなに緊張しちゃうと、指動かないぞ」

差し出されたそれに自然と手が伸びる。
ココアの温かさは、緊張のドキドキを新たなドキドキへと変えていた。
「飲み終わったら、スタジオ入って待っててね」
吉澤は静かに微笑むとそう言い残し、店内へと戻っていった。
「ありがとう…」
吉澤の背中に小さな声で囁くと、憧れの人の温もりが残ったココアを一気に飲んだ。

413 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 18:17:20 ID:hiCMrp+T0
>>408
サンクス!愛があるので大丈夫だお!
千奈美に最初から読んでんの?好きなとこは?
ヲレ的に桃子とstk あとまーさと雅ちゃんがキスするとこが(ry

414 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 18:18:24 ID:hiCMrp+T0
さて続編街と・・・

415 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 19:12:51 ID:mXyQgbtx0
今日見つけて一気読みした
おもしれぇぇぇ
誰かこの新参にログを…

416 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 19:35:21 ID:BQmGW5bz0
>>415
いらっしゃーい
誰かログを…そして続き↓

417 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 19:36:34 ID:BQmGW5bz0
重い防音扉を開くと、ドラムとアンプが整然と並んでいた。

「失礼しまーす…」

スタジオの中は独特な臭いで満ちている。
楽器が放つ臭いなのか、体育館の汗臭さにも似た臭いに、千奈美は懐かしさを覚えた。
その中央には使い込まれたシンセサイザーが3台並べて置いてある。
傍にあった椅子に荷物を置くと、恐る恐る鍵盤に触れてみた。
「うわっ!」
予想以上の音量でアンプから出た音に思わず声を出す。
罪悪感と興奮に胸に手を当てた。手に鼓動が伝わってくる。
「すごーい」
今度は両手で、鍵盤を押さえてみる。
体に響く大音量に、千奈美は目を閉じて
ステージでキーボードを奏でる自分を想像した。

『気持ち良いだろうなぁ…』

そんな妄想は、防音扉を開くガチャという音と共に現実に引き戻される。

「うわっ!」

驚いて再び声を出した千奈美が振り返ると
扉から顔を覗かせた、ひとりの少女が不思議そうに見ていた。

418 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 19:49:42 ID:eqO9l5dlO
良く北産業w
ログ見れないのね・・・
おまおれorz

419 :ねぇ、名乗って:2006/05/27(土) 21:13:30 ID:eqO9l5dlO
今、金八借りてきてみてるんだが素直に泣けない・・・何か研究してしまう俺ガイルorz

420 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 04:10:42 ID:oANe5g4p0

「あのー 入って良いですか?」

酷く小さな声で話す少女に、慌てて答える。

「あっ はいどうぞ…」

さっきまでの大音量から一転、静まり返る気まずい空気と
ほんの数秒前まで妄想の中で浮かれていた自分が恥ずかしくなった。
しかしそんな心とは裏腹に、先に話しかけてきたのは少女の方だった。
「すっごく大きいんですね」
「えっ?」
千奈美には何の事を言っているのか分からなかった。
「あっ…音です。すっごく大きくて、わたしビックリしちゃった」
「うるさかったですね、ごめんなさい…」
畏縮して誤る姿に、少女は首を横に振って可笑しそうに笑った。
人懐っこそうに笑うその笑顔に千奈美は少しホッとした。

「訊いていいですか?」

少し早口で話すその言葉に千奈美は頷いた。

「名前…」

「あっ!名前か 徳永、徳永千奈美です。よろしくお願いしまーす」

それを聞いた少女は嬉しそうに微笑むと

「わたし、石村です 石村舞波。よろしくお願いします」

そう言って深々と頭を下げた。

421 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 04:13:10 ID:oANe5g4p0
あらー寝ちゃったよzzz
今日仕事なんで続きは夜…

422 :名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 05:10:49 ID:UZ0GdC+40
もう登場しないと思っていた舞波キター━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

423 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 12:10:15 ID:EmB64CMDO
舞波だったんかw
続きを待つよ!

424 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 15:20:13 ID:erQAjkBU0
ちょっと割り込ませてw


425 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 15:54:32 ID:erQAjkBU0
佐紀は葉書を見ながら、深い溜め息をつく。
『オーディション・・・か。無かったな・・・その発想。
それにしても、桃子はなんで私に執着とゆうか・・・優しいんだろう。』
桃子についてと、何日も先伸ばしていたオーディションの返答を、おぼろげにベッドの上で考える。
  
自分が雅にしてきた事が、仮に桃子の身に起こったら、自分はどんな感情を抱くだろうか、
そして桃子を雅がそうしたように、守ってあげられるだろうか。
・・・・・答えは見つからない。
だからこそ、自分の様に屈折した人間が、桃子の様な人間と交わっていくのが、怖くて仕方ない。

その時、佐紀は気付いた。
『あぁ・・・そうか。私、誰かを守る事・・・怖いんだ。
だから雅が・・土下座したり、大金を必死で集めたり、挙句に死のうとまでした雅が、
怖くて鬱陶しくて仕方なかった・・・お母さんみたく大切な人が壊れたいくの、もう見たくなかったから・・。』

葉書を引き出しに戻そうとした時、何かがふと目に入る。
オーディションの返答で頭がいっぱいで、今まで見落としていた。
葉書の下端に手書きの文章を見つけ、目を凝らす。
「佐紀ちゃん、考え過ぎだよ!眉間にしわよってるよ!」

思いがけない桃子のメッセージが、佐紀の迷いを吹き飛ばした。

426 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 16:01:03 ID:erQAjkBU0
以上書き忘れてたわw
あと提案してほしいんだけどオーデ会場どこがいい?
ベリにゆかりのある所キボン!
みんなで作っていきたいとゆいたい!

427 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 16:16:59 ID:erQAjkBU0
[ 友理奈&梨沙子 ]転校生
友理奈・過去を背負っている。影がある。義の人。クラシック ブルーハーツ
    親友、石村舞波との過去に苦しむ。 好きな映画・仁義なき戦い ウディアレン全般

梨沙子・アホを装っているが黒幕。知能犯。ヘビメタ  謎の病気を抱えている。
佐紀・優等生。もう一人の黒幕。愛読書は我が闘争 母からの虐待 深夜独り踊る孤独さも持ち合わせる。
雅・不良グループ。佐紀に操られている【秘密の日記】 アメリカンカルチャーに憧れる。
  デ・ニーロとヘミングウェイを敬愛する。 茉麻に恋心を抱いている。
桃子・クラスのアイドル。極貧から抜け出すためにアイドルを目指す
   佐紀のダンスの件を唯一知っている。実家は【すなっくもも】
千奈美・クラスのお調子者。天真爛漫。ヘッドフォン通学 音楽オタク
    雅と茉麻とは幼なじみ 新聞配達 軽い万引き癖。
茉麻・癒し系。誰からも一目置かれる存在。ラーメン屋【須藤飯店】の娘
   陸上部エース矢島まいみ(男w)と両想い。
石村舞波・友理奈とは以前の学校で大親友。友理奈の為に自殺を図る。
丹下のおっちゃん・雅と千奈美が夏休みにバイトをする屋形船のオーナー
矢島まいみ・男。陸上部のエース。茉麻が好き。
寺田さんw・千奈美が新聞配達後、毎日牛乳を盗まれるw
田中れいな・・桜中3BのOG、古き良き時代の不良を体現する数少ない元スケ番
辻希・・3Bのクラスメイト、加護と行動を共にする。大食で有名。食べ物の為ならリアルで泣く。
加護亜依・・・同じく辻の相棒。奈良から引っ越してきた。
吉澤ひとみ・・・千奈美の通う楽器屋の(作者さん設定頼んだ!)
 
でいいかな?


428 :名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 19:19:58 ID:UZ0GdC+40
オーデ会場は中野サンプラザがいいかな。
確か、初お披露目の会場だったと記憶している(ちょっとあやふや)

>梨沙子・アホを装っているが黒幕。知能犯。ヘビメタ  謎の病気を抱えている。
作者さんを変に縛ることになったら嫌だから、今まで言わなかったけど、
これまで読んだかぎりでは、黒幕という設定は生かされていないような…
謎の病気を抱え、心を閉ざしているといった感じかな。
二学期以降に黒幕として活躍させる予定の作家さんがいたとしたら、
余計なこといってスマソ

429 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 19:32:00 ID:EmB64CMDO
まだまだこれからっす!俺は楽しみにしてるよ
作家さんたちの度肝をぬくような展開にw
とプレッシャーw

430 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 19:48:01 ID:J6ydq0LDO
>>421です 仕事トラブってまーすorz
帰宅不可能が確定したので作者さん別の話どうぞ
どこかで舞波の話繋げますので…ほんとごめんねぇ

431 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 20:35:09 ID:EmB64CMDO
あんたイイヤツだなw
仕事がんがれ!

432 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 20:57:28 ID:erQAjkBU0
てs

433 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 21:23:42 ID:erQAjkBU0
すなっくももの夜が始まる。
今宵も働き疲れきった大人達が、気心知れた空間と酒を求め、ここにやって来る。
「いらっしゃいませーーー!」
まだあどけなさの残る少女の声が店内に響いた。
「おう!桃ちゃん!今日もかわいいね!」
客の一人が、自分に見向きもしてくれない娘を嘆く。
「それはですね・・・娘さん照れてるんですよ!桃はお父さんの事覚えてないから・・
すごく羨ましいってゆうか・・・」
「そうだったね・・・桃ちゃんゴメン!おじさん嫌なこと思い出させちゃって・・」
「ううん・・・謝らないでくださいよ!それに嫌なことなんかじゃないですから・・」
桃子の放つ、独自のオーラめいたものが、すなっくももの常連客を幾度となく店に足を運ばせた。

チリンチリン・・・
店のドアベルが軽快に鳴る。
「いらっしゃ?!!・・佐紀ちゃん!?」
カウンター越しに、佐紀が桃子を手招いた。

434 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 21:42:42 ID:erQAjkBU0
エプロン姿のまま、桃子が店を出てきた。
ひたむきさと疲労感の同居した桃子は、普段の彼女と違い、少し大人に見えた。
自分が最も憎むべきアルコールをあおった人間のまえで、笑える桃子がとても強く見える。

「ごめん・・・桃子。急に・・・迷惑だよね?!」
「何言ってんの!嬉しいよ、桃!佐紀ちゃんに余計な事しちゃったかな?って思ってたんだ・・・」
二人を、電球の切れかかった街灯がチカチカと照らす。
「その事なんだけど・・・」
「・・・・うん。」
桃子はじっと佐紀の答えを待つ。
「一緒に・・連れてって・・・中野サンプラザ・・・」
桃子が佐紀に抱きついた。
「やったぁ!!佐紀ちゃん大好きっ!!桃信じてたよ!!ありがとう!!」
お礼を言いたいのはこっちの方だと、佐紀も無言で桃子の抱擁を受け止めた。

435 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 21:45:08 ID:erQAjkBU0
中野サンプラザでいきますねw
痴呆人のオレとしては行ったことあるから書きやすかったり

436 :ねぇ、名乗って:2006/05/28(日) 22:17:51 ID:erQAjkBU0
さて寝るんであとはヨロ!

437 :ねぇ、名乗って:2006/05/29(月) 23:11:22 ID:KWy1FiT20

「はーい気をつけて帰れよ 掃除当番はサボらない様に」

金八の声にクラスの数名が気の無い返事をした。
「まあ 一緒に帰ろう」
茉麻の元へ雅が駆け寄ってくる。
「ちなみ掃除当番なんだって」
千奈美は、真っ先に黒板へ走っていった。
一番楽な黒板消しの掃除をするつもりだろう。
「みや、私図書館へ本返しに行かなきゃ」
茉麻の手には、小学校の家庭科で作った布のトートバッグが抱えられていた。
「まだ持ってたのそれ!」
「だって捨てちゃ勿体無いもん」
授業で一緒に作った、雅にとっても懐かしい物だった。
中に本が入っているのだろう、小さなバッグが大きく膨らんでいた。
「ねえ なに借りたの」
そう言って覗き込もうとする雅から
強引にバッグを引っ剥がした。
「ダメだよ!」
いつに無く手荒い仕打ちに、目を細めて言う
「ふーん 誰かさんの事を思って、恋愛小説でも借りたんでしょ」
「違うよ」
首を大きく横に振って否定している茉麻に
雅はムッとした顔をした。次の瞬間…
「あっ!あれなんだぁ!」
大声と共に校庭に向かって突き刺した指先に、一瞬茉麻は気を取られた。
その隙に雅はバッグを奪い取ると、一目散に教室から飛び出した。

438 :ねぇ、名乗って:2006/05/29(月) 23:12:31 ID:KWy1FiT20

「えへへ 単純単純…」

そう言ってバッグの口を大きく開いた。
「なにこれ…まあ絵本なんか借りたの」
中には5冊の絵本に混ざって、背表紙が見えない様に
底に向けてある1冊の本が入っていた。
雅は何気なくその本を目の前に取り出して見た。

〜同性愛者として生きる〜

同性愛者という文字に動揺して慌てて本をバッグに戻した。
「だからダメだって言ったのに…」
いつの間にか後ろに立っていた茉麻が、溜息交じりで呟いた。

439 :ねぇ、名乗って:2006/05/29(月) 23:53:40 ID:8H+rHa8h0
いいねいいねw
今同時進行でまーさ雅 桃子佐紀 ちなこが進んでいる訳ですなw
なんか24みたいだわ
後は梨沙子友理奈だなw

440 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 00:02:49 ID:KWy1FiT20
梨沙子友理奈編!読みたいなぁ
で、続き    ↓

441 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 00:06:49 ID:lGjfuvnx0

「みやの事もっと知りたいなと思ったの」

下駄箱から靴を取り出しながら、茉麻は借りた理由を話した。
「まあさは何時までも、私のこと気にかけ過ぎなんだよ!」
そんな様子に雅は少し怒った口調で言った。
靴を履き外に出ると、台風の前の様な
ひどく生暖かい風がふたりを包み込んだ。

「ねえ…まあ」

「なに」

「そういう本って、図書館に沢山ある?」

生暖かい風に乗って、髪が寂しそうに揺れている。
そんな姿を見ながら、茉麻は尋ねた。
「一緒に図書館行こうか…」
その言葉に思慮深く頷いた。


校門まで来ると、雅は急に振り返り言った。
「先に行ってて、私着替えてから行くから」
「そのままじゃ駄目なの?」
そう訊くと雅は少し微笑んだ。
「じゃあ 2階の学習室で待ってるね」
「わかった!後でね」
そう言って自宅の方へ走り出した雅を茉麻は不思議そうに見送った。

442 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 00:33:04 ID:YCStEon00
そろそろ友理奈梨沙子出さないとね・・・
設定が薄いからなぁ・・・書きにくいにんよorz


考えときます・・・

443 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 00:34:13 ID:lGjfuvnx0
学習室の一番奥の机に座って、茉麻は絵本を読んでいた。
少し離れて座っている中年男性が、時折不思議そうに茉麻を見ている。

『みや遅いな…』

そう思い携帯を取り出し時間を見る。
校門で別れてから、まもなく一時間が経とうとしていた。
「はーぁ」
溜息をつくと茉麻は最後の絵本を開いた。
小さなその絵本には青い上着を着たウサギの絵が描かれている。
『昔読んでもらったなぁ』
懐かしさに思わず顔がほころびる。

「面白い?」

茉麻は自分に向けられた声に気付かず小さな絵本に没頭している。

「面白い?ピーターラビット」

突然自分が読んでいた絵本の名前を言われ
その声が自らに向けられている事にようやく気付いた。

「マグレガーさんだっけ?俺も昔持ってたよ」

驚いて顔を上げた先には、優しく微笑む矢島が立っていた。
「矢島くん!なんで…」
「夏焼から聞いたんだ、須藤がここに居るって…」
ふたりの会話に中年男性が迷惑そうに咳払いをした。
「みやは?」
「たぶん来ない。それより屋上…行かない?」
そう言って周りを気に掛ける矢島に、茉麻は小さく頷いた。

444 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 00:35:48 ID:lGjfuvnx0
続きは明日
あと少し続きます…

445 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 00:45:50 ID:+ozDM8MAO
おもしろっwドキドキしますな!
続編待ち!

446 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 21:14:40 ID:+ozDM8MAO
つか今9月何日設定?

447 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 21:35:45 ID:lGjfuvnx0
>>437〜は9月2日設定
えー時間掛りそうです…2日の話ある方どうぞ
終わったらまとめてアゲますので


448 :ねぇ、名乗って:2006/05/30(火) 23:05:01 ID:+ozDM8MAO
まだ2日だったんかw
作家さんの展開待ちですヲレはオーディションの話考え中やよ!

449 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 00:19:31 ID:fBN2GdZ80
2日じゃなんか変だw
9月4日(月)ってことでw
それにしてもまとまらない…今晩は無理かも ごめん


450 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 01:17:01 ID:xtbstnE20
待ってるよ!てか舞波どーなったんだw

451 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 23:11:26 ID:fBN2GdZ80

ふたりは、荒川が見える屋上で、並んで話していた。
生暖かい風は、次第に強さを増していた。
遙か上空にある雲が凄い速さで風に流されている。

「部活行こうとしたら夏焼が来てさ、須藤が図書館で待ってるって言うんだよ」
矢島は少し躊躇いながらも、話を始めた。
「聞いたんだ…夏焼から全部…」

「全部って…」

「全部だよ…あいつが女しか好きになれないって事も…
本当は須藤の事が好きだって事も…全部話してくれたよ」
矢島は、自分を見つめる潤んだ瞳に気が付かず、話を続けた。
「俺さ、そんな事全然気が付かなかった。なのにさ
あいつ頭を下げるんだよ、私のせいで茉麻は返事出来ないって
返事が出来る最後のチャンスかもしれないから、行ってあげてくれって」
矢島は、見つめる瞳から涙が零れ落ちている事にようやく気が付いた。

「泣いてるの…」

「私もね…気付いてあげれなかったんだ…」

茉麻は、矢島の肩にそっと頭を寄せた。

「それなのにね…こうやって…みやはね…ほんとバカだ…」

唇を噛み締め泣き震わしている肩を、矢島はそっと抱き寄せていた。

452 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 23:13:09 ID:fBN2GdZ80

『ごめん・・言えない・・・』そう言って泣いたみや

『私の恋は叶わぬ恋だからね…』そう言って寂しそうにしていたみや

『私…まあの事が好きなんだ…』そう言ってまた泣いたみや

そんなみやが私にくれた最後のチャンス

ねぇみや…みやはそれで辛くない?…

私 もう抑えられないよ…



「…まいみくん…私ね…まいみくんのことね…好きなんだ…」

茉麻はふたりの優しさに包まれて、静かに気持ちを伝えた。

453 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 23:15:17 ID:fBN2GdZ80

千奈美はシンセサイザーの練習をしていた。
ヘッドフォンから微かに音が漏れている。
「あー上手く弾けない!」
先週出された課題に悪戦苦闘して、飽き飽きしていた。
「もうだめだ!」
そう言って後ろにバタンと寝転ぶ、ふと横に置いてあった
携帯電話が光っているのが目に入った。
ヘッドフォンを外すと着信音が急かすようにけたたましくなっている。
千奈美は、ディスプレイを見て慌てて電話に出た。
「もしもし!みや?」
電話の相手は雅だった。
「どうだった?あのふたり…うん…まいみくんに話したの?
図書館行ったんだ…うん…うそ!まあからメール着たの!うん…」
電話の向うの雅は、茉麻から着たメールの内容をそのまま伝えた。

「ありがとう…そう書いてあったの まあ気持ち伝えられたんだ」

電話の向うからは、風の音だけが聞えている。
「みや 大丈夫…」
千奈美の問いかけに返事は無かった。
「何処にいるの?」

「…土手にいる…船のところ…」

風の音にかき消される程の小さな声だった。
「いま行くから 待ってるんだよ」
そう言って電話を切ると、千奈美は急いで部屋を出た。

454 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 23:19:07 ID:fBN2GdZ80

土手を上がると、屋形船の船着場に、雅が立っているのが見えた。
夏の賑わいとは一変して、係留されている船は、風に吹かれた波で
寂しそうに揺れていた。
雅は、近づく千奈美に気が付き一瞬振り返ったが
またすぐ川の方を向いた

「みや 大丈夫…」

「あいつらさ!もう名前で呼び合ってんだよ 
『まいみくん』ってメールに書いてあるんだもん
笑っちゃうよね…」

そういうと雅は足元に転がっていた石を蹴飛ばして、
川に落とす。それを何度も何度も繰り返した。
落ちたい石がつくった波紋は風で発った波にすぐかき消された。

455 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 23:20:21 ID:fBN2GdZ80

「私ってさ、バカみたいだよね
頼まれてもいないのにお節介してさ
人の幸せの為に張切ってさ
ほんとバカみたい
誰も褒めてくれる訳でもないのに」

「そんな事ないよ…少なくとも私は褒めてあげるよ…」
千奈美は雅に近づくとやさしく肩を抱いた。
雅は凄い速さで流れている雲を黙って見つめている。
「みや頑張ったもん」
いつもの威厳に満ちた態度と正反対の、小さく弱く繊細な姿だった。

「もう…我慢しないでいいよ 今日は泣いちゃおう」

そう言って雅を抱きしめた。


雅は声をあげて泣いていた。
子供の様に抱きつき大声で、いつまでも泣いた。
その声は風に乗り、どこまでも遠く響いた。

「…やっぱり辛かったよ…ちなみ…辛かったよぉ…」

「みや…頑張ったね…偉い偉い…頑張ったもんね…みや」

そう泣きじゃくる雅の頭を撫でる千奈美の瞳からも涙が零れ落ちた。

456 :ねぇ、名乗って:2006/05/31(水) 23:27:13 ID:fBN2GdZ80
以上 
ほんと時間掛ってごめんなさい
作家さん続編待ってますよぉ
つぎは舞波れす…ムズカC 

457 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 00:01:13 ID:A3qrv55U0
乙!!いいじゃないかw
切ないのぉ!雅ちゃん推しでもないのになんか(ry

458 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 00:19:46 ID:A3qrv55U0
9月10日 スレチガイ。

友理奈はCDショップのクラシックコーナーにいた。
梨沙子の頼みを快く引き受け、タワーレコードまでついて来たのであった。
『梨沙子、ついて来てって言っといて、来たらきたでほったらかしだもんなぁ・・・』
友理奈は洋楽コーナーに、走り去った梨沙子を気に掛けつつも、自分のお目当ての品を物色している。

「あったあった!ワーグナー!久々に別音源で聞くのも悪くないか。」
B型の彼女は、自分が目当ての品を見つけると、後は用が無いと言わんばかりに、そそくさとクラシックコーナーを後にした。

「梨沙子、何処行っちゃったんだろ・・・」
友理奈は広すぎる店内を、ワーグナーと同様に梨沙子を探す。



459 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 00:41:31 ID:A3qrv55U0
同フロアには、楽器店も軒並んでいて、梨沙子探しは困難を増した。

「あ!いたいた!梨沙子探したよ!」
友理奈は膨れっ面で、梨沙子を呼ぶ。
「・・・・・・・」
「ちょっと?梨・・・」
よく見ると、彼女は視聴に夢中になっている様子で、こちらには目もくれない。
少々この空間にも飽きた友理奈は、おもむろに梨沙子のヘッドフォンを外した。
「わっ!ビックリしたぁ・・・ゆりお買い物終わったの?」
まるで友理奈の用件を待っていた様な口調が、梨沙子のマイペースさを、痛感させる。
「・・・まぁね。私わもう買ったけど・・梨沙子はまだ・・・だよね。」
梨沙子の純朴な笑顔が、友梨奈の苛立ちを緩和し、憎めないクラスメイトを演出する。
「ゆりも聴く?」
梨沙子の差し出すヘッドフォンから、凄まじい音漏れがしたが、なんとなくそれを装着した。

460 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 01:11:13 ID:A3qrv55U0
「うわっ!!」
友理奈は慌ててヘッドフォンを外す。
「梨沙子!凄い音!あんたこのまま聴いてたの!?」
あまりの音量のデカさに、自分の声の大きさを忘れ、涼しい顔でそれを視聴していた梨沙子に疑問を抱く。

「だって・・・大きな音じゃないと、ホントの良さが解んないんだもん・・」
梨沙子は自分を見る友理奈の視線に、若干恥じらい、小声で弁解をする。
梨沙子の赤くなった顔に、友理奈は母性めいた何かを感じ、すぐさま先程の疑問を撤回した。
「そうだね・・確かに梨沙子の言ってる事も間違いじゃないね!
でも、ほどほどにしないと耳、悪くなっちゃうからね!」
「うん!気を付ける!」
梨沙子が八重歯を見せ笑う、何枚かのCDを胸に抱き満足そうに。
「決まった!これ!」
梨沙子はソレを友理奈に見せた。
「マリリン・・マンソン?」
ジャケットには奇妙で毒毒しい人物が狂気を演じている。
「あ・・・うん・・よかったね・・・」
友理奈は、引きつった笑顔でどうにかはにかんでみせた。

『この子とは、音楽の趣味・・・合いそうもないなぁ・・・』
友理奈はレジでポイントカードを探しながら、そんなことをぼんやりと考えていた。

461 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 01:30:09 ID:A3qrv55U0
二人ともが、黄色いビニール袋を持ち、タワーレコードを出る。
目先の楽器店に信じられない人影を見た。
 
「まい・・は?」
一瞬時間が止まったように、友理奈は立ち止まる。
まるで床と脚とがくっついた様に、身動きがとれず、声も失われた。
『まさか・・・なんで?! 舞波がこんな所に・・・気のせい?
でもあの歩き方・・・舞波!? 駄目!今すぐ呼び止めたいのに・・身体が・・・」

その時盗難探知機のブザーがけたたましく、彼女を襲った。
『えっ!?何っ!?』
店員が駆け寄ってくる。
「ちょっと、いいですか?カバン見せてもらっても・・」
友理奈の頭は、舞波とブザーと黄色と赤とで混乱していた。

462 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 01:33:43 ID:A3qrv55U0
今日はここまでorz一応舞波と友理奈はニアミスさせようと思いますたw
なんで舞波はこれ以上触れないから安心してねw
友理奈りしゃこはもすこし続きます

463 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 09:42:39 ID:o+sakkl0O
続き待ってるよー

464 :ねぇ、名乗って:2006/06/01(木) 23:56:44 ID:A3qrv55U0
なかなか小説の神が降りてorz
とりあえず続き↓

465 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 00:30:32 ID:EAddY3+Q0
「えっ!?」
友理奈は困惑を隠せない表情で、係員を見据える。
「あのね、ブザー鳴ったんでね、一応持ち物をね、見せて頂きたいんですね、お客さん。」
係の事務的な敬語に戸惑いながらも、友理奈は渋々小部屋に通された。
「私、盗ってません!何かの間違いですよ。」
友理奈はおもむろにカバンの中身をぶちまけた。

「・・・・・・!!えっ!?」
「ほらね・・機会は正直ですから!」
そこにあってはいけないモノを指差し、係員が高圧的な態度にでた。
「そんな・・何かの間違いです!私盗ってません!」
先程、自身と確信を持って吐いた台詞が、困惑と焦りに変わった。
「あのね・・みんなそうやって言うのね・・でも紛れも無く、ここにあるよね!?
貴方の身に覚えがあろうと無かろうと、ここにありますね!?」
係が興奮気味に友理奈に詰め寄る、脂ぎった肌が、昨年の悪夢を呼び起こす。

「でも・・・ホントに知らないんです!」
友理奈は絶望的な立場にいることを知りながらも、決して屈せずに、自分の真実だけを述べる。
「まぁいいや・・貴方の主張はね、ゆっくりとね、警察にね、聞いてもらいますから。」



466 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 00:40:35 ID:EAddY3+Q0
警察という言葉が、友理奈に重く圧し掛かるが、それでも折れることなく気丈に振舞う。
「かまいませんから!やってないもんはやってないですからっ!どうぞ呼んでください!」
係員は友理奈の態度にヤレヤレと溜め息混じりに、受話器を取った。


467 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 00:54:01 ID:EAddY3+Q0
「梨沙子。ゴメンね・・信じて、私絶対やってない!」
すっかり萎縮しきっていた梨沙子が、笑顔で頷いた。
「うん!信じてる!だから怖くないよ!」
こんな無防備で純粋な子を、巻き込んでしまった事に深い罪悪感を感じながら、友理奈は警察を待った。


468 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 00:56:31 ID:EAddY3+Q0
マジ今日駄目orz

また明日にでも・・・スマソ
作家さん方何か話あればどーぞw

469 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 14:44:36 ID:/he08YbaO
小一時間ほど経ち、友理奈がしびれを切らせていると、事務室のドアが開いた。
「どうもどうも。遅れて申し訳ないです。」
腰の低そうな警察官が肩で息を吐き、そこに立っている。
どことなく見覚えのある顔に、友理奈は自身の記憶を紐解いていると、彼の方が話しかけてきた。
「ちみか、ちんぱち君の生徒は!」
酷く訛ったイントネーションに、梨沙子がはっとして友理奈と顔を見合わす。
「大森さーん!」
転校生の二人にも彼の顔が容易に認識でき、友理奈達は安堵の溜め息をもらした。

470 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 15:59:25 ID:/he08YbaO
「あんれま・・大森さんでねぇでよ!こちらから電話かかってきてな、慌ててすっとんで来たでよ!」
管轄の違う彼が、ここにいる事に少なからず疑問を感じたが、数少ない信用のおける大人の存在が先程までのピリピリとしていた空気を解きほぐす。
友理奈はゆっくりと事細かに事情聴取に協力した。

471 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 16:23:11 ID:/he08YbaO
友理奈と梨沙子の話に、大森巡査は親身になって相づちを打つ。
「解った・・・そっだら事信じてもらえんだども、本官は信じるでよ!」
大人不信の友理奈の心を、彼の力強い言葉が打ち、友理奈は次第に涙ぐむ。
「ありがとうございます・・・本当に、助かりました。」
「ました!」
梨沙子も先程の重苦しい空気を振り払うように、友理奈の口調を真似た。
役目の済んだ係員が事務的に退出を促した。

472 :ねぇ、名乗って:2006/06/02(金) 16:28:39 ID:/he08YbaO
も少し
後で更新しまつorz

473 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 01:15:38 ID:gsHQcr7vO
作者さん乙!
のんびり行こうZ!
今日はC組に会って来るわ

474 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 02:45:44 ID:nc9J74Oe0
裏山wwww
今日は呑み杉田ので明日には(ry
まいみ君にくれぐれもまあを幸せにしてくれとゆっといてw
あとちなこの脇役力が凄杉な件について作家さん方ヨロシクセンパイw

475 :名無し募集中。。。:2006/06/03(土) 04:54:02 ID:/0cBTM7CO
久しぶりw

早速保全するぞ!

476 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 11:03:44 ID:/0cBTM7CO
ノノl∂_∂'ル<保全

477 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 11:22:32 ID:dlI57RaL0
k

478 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 14:45:52 ID:2XkT/KHOO
FCのチケット当たったので夏のベリ紺に行ってきま^_`す。ベリは初参戦、モ娘。とかハロコンとかとは雰囲気が違うのかな?

479 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 15:59:21 ID:rBDnPNMHO
俺はあの雰囲気がデフォになっているからあれだけど初現場というのはいつだって新鮮だったりする

480 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 16:24:47 ID:rBDnPNMHO
すっかり日の落ちた荒川を秋らしい夜風が吹き抜ける。
大森巡査に送られて友理奈達は帰路についていた。
「おーい!」
担任が手を振りながら駆け寄ってくる。
「金八先生!本当にすいませんでした。」
友理奈が申し訳無さそうに俯いていると、坂本が温かい手を友理奈の頭に置く。
「いやいや。大変だったね・・話は大森君から聞いたよ。僕の方こそすぐに飛んで行きたかったのに、心細い思いさせてこちらこそすまんかったね!」
一度も自分の生徒を責めようとしない、坂本の教師たるべき姿を、大森は感服と尊敬の眼差しで見守っていた。

481 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 20:02:43 ID:r5B5zzny0
語 ス レ か ら き ま す た

482 :ねぇ、名乗って:2006/06/03(土) 21:05:11 ID:YCbnD0Iu0
船橋から帰宅!C組頑張ってました
まあさを幸せにと…言えませんでしたw

>>481
いらっしゃいませ



483 :ねぇ、名乗って:2006/06/04(日) 00:11:57 ID:W+6PRjVE0
友理奈はベッドに横たわり今日起きた出来事を整理していた。
 
舞波らしき人物を見かけた事、タワーレコードでの一件。
釈然としない事が多過ぎて、友理奈は投げやりに天井を見つめる。
『なんか・・・モヤモヤするなぁ・・舞波だったのかなぁ・・・もしそうなら
なんであんな所にいたんだろ・・・
なんだか今日は厄日だったな・・こんな日は早くねよっと・・ 』
友理奈は、いつもより二時間も早く部屋の明かりを消した。
明日は良い日になるように・・そんな願いと共に彼女はベッドにもぐった。

484 :ねぇ、名乗って:2006/06/04(日) 00:14:23 ID:W+6PRjVE0
以上だす!
あとはヨロ!>>481欲北産業!

485 :ねぇ、名乗って:2006/06/04(日) 02:25:09 ID:VXhAFjiOO
从´∇`从<もっと盛り上げて下さいね

486 :ねぇ、名乗って:2006/06/04(日) 22:57:56 ID:W+6PRjVE0
千奈美は防音しつの空間の前で焦っていた。
数日後に控えた修学旅行までに、今の課題をどうにかして終わらせてしまおうと、
音符と鍵盤との格闘の真っ只中であった。
一つ一つの鍵盤を、不恰好な指先でゆっくり丁寧に押さえていく。
やっとの思いで曲の終盤にさしかかる。
『いい!!ノーミスでここまできたっ!後少し・・』
千奈美の意識が、鍵盤から曲の終わりに移行したとたん、手元が狂う。
モノトーンの鍵盤達が不機嫌そうに不協和音を奏でた。

「あーーー!!ムカツクっ!!後少しだったのに!!」
まだ室内に誰も居ないのをいいことに、千奈美はおもむろに鍵盤を押さえ、自分の苛立ちを演奏してみた。

あまりのショックで扉の開いた音に気付けずにいた彼女は、自分に向けられた言葉に焦って振り返った。
「こらこら!アカンよ。楽器ゆうんは愛情をもって接しなかんで!」

「だれ!?」
千奈美は見覚えのない男の姿を前に、小さな眼を大きく見開き不思議そうに首を傾げた。


487 :ねぇ、名乗って:2006/06/04(日) 23:33:12 ID:W+6PRjVE0
防音壁の放つ圧力を、心地よさそうに肌で感じながら、男が話し掛けてきた。
「そないキョトンとされると困るなぁ・・・今日から講師が代わってな、寺田といいます!」
関西圏の人間がもつ独特なオーラに戸惑うように、千奈美は口を尖らせた。

「代わっちゃったんですか?・・・」
千奈美は自分の課題を憂い、解り易く溜め息をつき凹んでみせた。
「・・・そない明からさまに肩落さんでもええやん?代わるゆうても数週間の間やで!
なっ!安心したやろ?そやから、ちょっとだけオッチャンで我慢してな?!」
寺田は【オッチャン】という表現とは裏腹に、髪も茶色く胸元をはだけ、香水の微かな香りを漂わせている。
そんな彼の持つ【チョイ悪】な奮意気を他所に、千奈美は再び鍵盤に向かった。

「今は何弾いてるの?・・・・ふぅん・・イマジンかぁ懐かしいわぁ・・・」
寺田は感慨深そうに鍵盤を撫でた。
寺田の子供の様な横顔が、千奈美に席を譲らせ、寺田が遠慮なく椅子に腰掛けた。
『なんなんだ!この人・・・いきなし入って来たと思ったら・・・』
千奈美は怪訝そうに、寺田の横顔に見入った。


488 :ねぇ、名乗って:2006/06/05(月) 00:12:42 ID:7yLrTxXf0
寺田はヴァンダレイシウバの様に手首を回し、感覚を取り戻すように、肩を上下させる。
大きな深呼吸の後、鍵盤に五指を乗せた。
まるでCDから流れている様な線律が、室内を覆う。
寺田の指は女性の様に細く、その五指は鍵盤を押さえると言うよりは、柳の葉の様に軽やかに白と黒の間をすり抜けていく。

『すげーーー!何者?なんか微妙にかっちょええ!!』
寺田の演奏力が千奈美の偏見を一瞬の内に払拭させた。
ジョン‘寺田’レノンのイマジンが終わる、彼は一際大きな伸びをした。
千奈美は名残惜しそうに彼の横顔を見つめる。
「どや!やっぱな、愛やで!愛!」

「はい!!っ心に響きましたぁ!!師匠!!」
先程のムッツリ顔など知らないとばかりに、千奈美は羨望の眼差しでまくし立てた。
「調子ええなぁ!・・・まぁ君みたいんは伸びるで!」
「ホントっすか!!?」
「ホンマやで!」
防音壁に囲まれた空間に、初めて居心地の良さを感じた瞬間であった。

レッスンが終わり千奈美が退室しようと、荷物をまとめていると、寺田が思い出した様に声を掛けてきた。

「あっそうそう・・資料読んだけどな、自分めっちゃ家近所やで!地元であったらヨロシク頼むわ!」
「あっそうなんです!?」
「ホンマやで!でもあの辺も治安悪いなぁ・・家の牛乳毎朝無くなってんねん!
困ったもんやでぇ!ホンマに・・・」
寺田の高笑いが室内に響いた・・・・・・


489 :ねぇ、名乗って:2006/06/05(月) 00:16:54 ID:7yLrTxXf0
な感じですw
エセ大阪弁は恥ずかしいなorz
一応修学旅行をにおわせたんだが何処がいいですかね?

490 :ねぇ、名乗って:2006/06/05(月) 00:37:48 ID:NX8XoGjjO
ほー!寝る前に来てみたら新たな展開!おもしろー
舞波の話も何方か考えておくれ…なーにも思いつかないもんで…orz
では!おやすみ

491 :ねぇ、名乗って:2006/06/05(月) 16:14:18 ID:HixiKNVPO
9月20日修学旅行編

修学旅行の当日、興奮の余り一睡もできなかった生徒達が、一人も遅刻すること無く、教室に集まり残り少ない中学生としてのイベントを早くも満喫している。
夜更かしのせいでこしらえてしまったニキビを、桃子はひた隠しながら、談笑の輪の中にいる。
輪の中に入って来ようとしない佐紀を気に掛けながら、しおりに記されたグループ分けを満足気に確認した。

492 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 00:00:13 ID:FQ7Gc4nu0
一方で千奈美は寺田氏の指導の甲斐あって、容易に習得できたイマジンを脳内でリフレインさせながら、
窓際で校庭を見ている雅の複雑な心境を思う。
『酷だよね・・・今のみやには・・・代われるものなら代わってあげたいけど・・・』

ヘッドフォンでグリーンデイを聴きながら、雅はクジ引きという民主主義と己の運の悪さを呪う。
『なんでよ・・・笑えない・・・なんで!? よりによってまあと同じ班なんて・・・
でもって転校生もいるしっ! はぁ・・・休めばよかった・・・』

かたや茉麻は、素直に雅と同班になれた事に感激し、恋人と夜、落ち合う約束に心躍らせていた。

各々がそれぞれの期待と不安を抱き、バスに乗り込んだ。

493 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 00:08:58 ID:FQ7Gc4nu0
平成18年度 桜中学校修学旅行 京都奈良の旅
一班・・菅谷梨沙子 嗣永桃子 清水佐紀 徳永千奈美

二班・・須藤茉麻 夏焼雅 熊井友理奈

494 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 00:12:27 ID:FQ7Gc4nu0
しまった!!
バスで京都までいかねぇよ普通ww
ムチャクチャ時間かかるじゃん!
バスで東京駅まで行くことに(ry

495 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 00:57:22 ID:FQ7Gc4nu0
新幹線のの中は蜂の巣を突付いたように騒がしく、10代の力で満ち溢れていた。
「こらぁ!!静かにしないか!!」
坂本の注意などお構いなく、生徒達は今という瞬間を必死に謳歌している。

雅は、隣りに座る茉麻の横顔をチラチラと盗み見ながら、話のきっかけを探していた。
矢島との仲を取り持ったものの、それからはメールでの会話しかしていない。
茉麻が遠くに居るような気がして、なんとなく面と向かっての会話を避けていた。
「まあ・・・あっあのさ。」
「えっ!?」雅が口火を切るのを待ち焦がれていたように、茉麻がわざとらしく向き直る。
「とりあえずさ・・・よかったね。」
「うん。雅にはホント感謝してる・・・」
「感謝とか・・・私何もしてないし・・・」
雅は意固地に矢島に全てをカミングアウトし、頭を下げた事実をひた隠す。
「まあ・・幸せ?」
「うん!間違いなく。」
「そっか!ならいい!」
茉麻の笑顔を見れて安心した途端に、雅のまぶたは重力を感じた。
「みや眠そうだね・・肩貸したげるよ。」
「ノーサンキュー!矢島に怒られるから!」
雅は富士山を見ながら眠りに就いた。


496 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 01:01:16 ID:FQ7Gc4nu0
ちょっと大変だと気付いたんで
俺一班書くんでまた合作しません?orz

497 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 05:37:32 ID:80iguxexO
作者さん乙!二班考えておくよ
他の作者さんも二班話あったらどうぞ!

498 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 14:58:40 ID:4wwS1G3pO
サンクス!
また夜に更新するお?

499 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 15:01:08 ID:4wwS1G3pO
サンクス!また夜に更新するお!

500 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 15:36:35 ID:6jfYR99bO
夏わかめ

501 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 16:13:51 ID:4wwS1G3pO
梨沙子は病状を抑制するため、ピルケースから錠剤を取り出し、不安と一緒にそれを呑み込む。
隣では友理奈が梨沙子を気づかい、ミネラルウォーターを差し出す。
「ゆり!ありがと!お薬飲んだし、少し寝るけど・・・。」
こんな時でも自身の身体を気にかけなくてはいけない梨沙子の生活に、友理奈は心底同情し、さりげなく自分の肘掛けを、梨沙子に譲った。

502 :ねぇ、名乗って:2006/06/06(火) 16:31:29 ID:4wwS1G3pO
桃は佐紀と千奈美に挟まれ、なんだか落ち着かない空気を肌に感じ、ソワソワと両隣の顔色を伺う。
『二人共なんだか怖いなぁ・・・佐紀ちゃんは外見てばっかだし、千奈美は話しかけてもなんだかそっけないし・・・桃なんかしたのかなぁ・・・・』
千奈美は佐紀が自分の親友にしてきた事を許せるはずも無く、ひたすらに怒れる人を貫いた。
『うちは絶対に佐紀を許さないし、弱みも見られたくない・・・なんかみやの班もだけど、うちの班も疲れそうだわ・・・。』

503 :ねぇ、名乗って:2006/06/07(水) 00:58:48 ID:tS2khMhm0
生徒達が騒ぎ疲れ、寝静まった頃に列車は京都駅に到着した。
外の景色を凝視したまま寝ることの無かった佐紀が、網棚から2人分の荷物を降ろしてやる。
背伸びをしていたところに、タイミング悪く列車が揺れ、バランスを取り損ねた佐紀が、千奈美の足元につんのめった。
眠りから覚めた千奈美が不機嫌そうに佐紀を見下ろした。
「ごめん・・・起こしちゃったね。」
佐紀はバツの悪そうに、千奈美のスポーツバックの埃を掃うと、物凄い形相の千奈美がそれを奪い取った。
「ちょっと!カバンくらい自分で取るからっ!」
「ご・・ごめん・・・」
千奈美の想定する佐紀の印象とは、遠くかけ離れた「ごめん」という言葉に、千奈美は肩透かしを受けながらも、
油断大敵とばかりに、座席を立った。

「なんか今日の千奈美、怖いね・・・気にしちゃ駄目だよ!行こっ佐紀ちゃん!」
佐紀と雅達の間にある深い溝の存在を知らない桃子が、普段通りの笑顔で佐紀の手を取り、プラットホームに降りた。

504 :ねぇ、名乗って:2006/06/07(水) 01:53:13 ID:tS2khMhm0
京都駅に整列した生徒達を、いつもの光景を見るように地元の人々が通り過ぎて行く。
一方で生徒達は、仲間達と共に他県の土を踏んでいる事実に、今から始まる自由行動に
気持ちが高揚し、ソワソワ落ち着かない様子で教師等の注意事項を、ただ聞き流している。

「じゃあ、坂本先生最後に。」
3C担任の北が坂本に〆の挨拶を求めた。
「えー皆さん!これから自由行動になりますが、節度と良識を持って、古き良き日本を
ですね、その目で確かめてきて下さい。あとね、建築物は決して壊さないように!
せんせー壊しちゃいましたでは、済みませんので!くれぐれもゼロが沢山ついている事を意識して、
今回の修学旅行を楽しんで来て下さい!以上です。」
坂本の話に場が和んだところで、桜中学校三年一同は解散した。

505 :ねぇ、名乗って:2006/06/07(水) 01:55:17 ID:tS2khMhm0
とりあえず自由行動ですw
二班作家さんヨロ!旅館でまた会いましょうw

506 :ねぇ、名乗って:2006/06/07(水) 16:26:33 ID:66edN6wOO
今年の異常気象のおかげでいち早く拝むことのできた紅葉に心踊らせながら3年B組第一般は、銀閣寺に到着した。

千奈美は、てっきり金閣寺のようなゴージャスで気品あふれる建造物を想像していたために、目の前にある建物が、銀閣寺であるということに,いささかの不満を感じた。
「なにこれ!全然銀色じゃないじゃん!てか、木だよね?!班長、リサーチちゃんとしたの?」
千奈美が班長の桃子に的を獲ない指摘をした。
「したよ!しおりにちゃんと写真ものっけたもん!」
しおりには間違いなく、銀閣寺の歴史と写真が掲載されていたが、残念な事に白黒のコピーに為、銀色であるかどうかまでは判別し難かった。
「まぁいいや・・ごめんね。桃。」
千奈美は素直に自身の身勝手な言動を詫びた。

507 :ねぇ、名乗って:2006/06/07(水) 19:00:29 ID:VVrxIFk40

一方、茉麻達は今だ京都駅で足踏みしていた。

「本当に寺なんか見に行くのぉ〜」

雅は手に持っている【自由行動計画】と書かれた
しおりのページを開いて不満げに話していた。
修学旅行前、班ごとに記入したそのページには、事細かにスケジュールが書いてある。
「みんなで決めたんだもん仕方ないじゃん」
茉麻が宥めても変わらない不満顔に、溜まらず
隣で成り行きを見守っていた友理奈に助けを求めた。
「熊井ちゃんだってお寺行きたいもんね」
雅は友理奈の言葉にそっと聞き耳をたてた。ふと見渡すと
あれだけいた桜中の生徒は各々目的の場所へ向ったのであろう
すっかり消え去り、二班だけが、取り残されていた。
「別に行かなくてイイよ。確かに面白くなさそうだし」
雅は意外な答えにワザと口を噤めた。
「ほーぉ!たまには意見が合うんだねぇ それじゃ決まり!」
そう言って、同じ班の男子のところに駆けていった。
「本当にイイの?熊井ちゃん」
茉麻は心配そうに友理奈を見つめた。
「うん、だって行きたいって行ってるんでしょ 映画村」
「うん…」
「面白そうじゃん そっちの方が」
「まあそうだけど…」

しばらくして嬉しそうに戻ってきた雅は、声を弾ませていた。
「男子はね、別行動するって!」
「女三人 気楽な旅ってわけだ」
そんな友理奈の言葉に雅は、満面の笑みで大きく頷いた
「早く行こう!」
ふたりの手を強引に引っ張ると、改札の方に歩いて行った。  一斑どうぞw ↓

508 :ねぇ、名乗って:2006/06/08(木) 00:54:05 ID:Vz5LrwHo0
すっかりぐだついてしまった場の空気に、千奈美は自分なりの責任を感じ、
なんとかその場を取り繕おうとしていた。
「なんかさ・・・ごめん!桃はよくやってくれてるよ!」
「いいもん!フォローとか・・確かにつまんないし・・」
「そんなことないって!!よくみたら風情があってさ・・うん!ナイスチョイスだよ!班長!」
「もうっ!そこまで言われたら逆に馬鹿にされてるみたいだもん!」
桃子は頬を膨らまし、解り易くふて腐れている。
「きょう京都にきたばっかりなんだよ!きょうという日を楽しもうよ!」
千奈美の無駄にヤケクソな駄洒落に、梨沙子が噴きだした。
「ちなこおもしろーい!もっと言って!もっと言って!」
思いのほかウケた下らないギャグに気を良くした千奈美は、得意気に続ける。
「なら、奈良まで考えとく!」
続けざまに桃子と佐紀も、堪えきれずに噴きだした。
「くだらなーい!じゃあ奈良までにギャグ100個考えといて!これ班長命令ねっ!」
桃子が冗談ぽく千奈美に指を指し、課題を課した。
「さ、急がないと!お昼ご飯食べられないよ!」
佐紀が時計としおりを気にしながら、班長を急かした。
 
『なんだ・・・佐紀ってあんな風に笑うんだ・・・なんか調子狂うな・・・』
千奈美は意外なものを見るように、佐紀の横顔をぼんやり眺めた。


509 :ねぇ、名乗って:2006/06/08(木) 01:32:31 ID:Vz5LrwHo0
生八橋と白玉を渋味の効いたお茶で流し込み、一班は京都の旅を満喫していた。
「おいしーっ!お茶!おかわりくださーい!」
梨沙子はことのほか緑茶が気に入ったらしく、さっきから何度もおかわりを求めている。
「なんか、落ち着いたら眠たくなってきたね!」
桃子が頬杖をつきながら、しおりをパラパラとめくる。
「だめだよまだ!しみず寺行かなきゃ!」
梨沙子が自信に満ちた口調で、湯呑みをすする。
「梨沙子これ、きよみずでらって読むんだよ!」
桃子が得意顔で梨沙子の間違いを正す。
「じゃあ、もう一休みしたら行こっか!」
桃子が仲居に、お茶のおかわりを求めた。
「すいませーん!!みどりちゃ!おかわり!おねがいしまーす!!」


510 :ねぇ、名乗って:2006/06/08(木) 01:35:17 ID:Vz5LrwHo0
一班の方が楽しそうだが負けてられませんw
修学旅行むずかしー!orz

511 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 00:05:52 ID:xvvHANFW0
清水寺から望む絶景に桃子達は言葉を失うほど感動していた。
「すごいね・・・桃子。」
「うん。何て言ったらいいか解らないけど、とにかくキレイ・・・・」
梨沙子も目の前に展開される景色を、気持ちよさそうに風邪を感じながら眺めている。
「あぶないっ!」
佐紀が血相を変えて、手擦りから乗り出しそうになる梨沙子のシャツの裾を引っ張った。
「梨沙子!危ないよっ!こっから落ちたら怪我じゃすまないでしょっ!」
「ごめん・・・ごめんね・・佐紀ちゃん。」
真剣な佐紀の口調に、梨沙子はしゅんと申し訳なさそうに答えた。

「でも、良かったぁ・・桃からもごめんね・・桃班長なのに・・・」
桃子もすまなそうに、佐紀に歩み寄る。
そんな光景を千奈美は、なおも不思議そうに眺めていた。
『ちょっと・・・佐紀ってなんなの?今日見る限りでは、めちゃくちゃイイやつじゃん・・・』
千奈美が景色の事など忘れ、佐紀の横顔に見入っていると、佐紀と一瞬目があった。
千奈美が思わず目を逸らすと、何事も無かったように秋風が4人を包んだ。
「あっ!もうこんな時間・・・」
「やばいよ・・旅館帰らないと・・・」
「まぁいいじゃん・・のんびり行こうよ!」
「うん!のんびり行くっ!」
こうして四人の自由行動は終わっていった・・・・・・。

512 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 00:08:18 ID:xvvHANFW0
一班ヨロシクw

513 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 10:20:42 ID:fFDNwM4kO
修学旅行むずかしいねぇ…遠い記憶だもの
とりあえず帰ったら少しだけアゲます

514 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 14:34:46 ID:mIqrygn/O
だなw
ヲレも自分であげといてやってしまった・・・ゆいたいorz

515 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 14:56:46 ID:mIqrygn/O
四人は和やかな雰囲気に包まれて、旅館までの道のりを歩く。
佐紀は口数こそ少ないが、充分に班の一員として場の空気に溶けこんでいる。
時折見せる笑顔はあどけなく、心の奥底にひそむ深い傷口のことなど微塵も感じさせない。
『友達・・・か。まだ遅くないかな・・・』
足元の枯れ葉をぼんやり見つめ、桃子たちの世間話に相槌を打っていた。

516 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 16:15:49 ID:mIqrygn/O
茶店でたらふく飲んだお茶のせいか、梨沙子のソワソワ落ち着きの無い様子が先程から目に付く。
「梨沙子どうした?」
佐紀が尋ねると、照れたように顔を赤らめて、
「うん…トイレ・・・に」
「もうっ!後少しだから我慢しなよ!」
空腹に堪えきれない様子で、千奈美が先を急ごうとすると。
「ごめん。桃もトイレ・・・」
班長も申し訳無さ気に、トイレ休憩を訴えた。
「わかったわかった・・・トイレにイットイレ!」
千奈美のオヤジギャグにもぞもぞと身を仰け反らせながら、二人はコンビニに駆けて行った。

517 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 22:14:05 ID:lHIaHvAQ0
千奈美ダジャレ連発で笑ったw
そういえば沢山登場させておいて一回も言わせてなかったねぇ

さて ようやく二班自由行動なのれす ↓

518 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 22:15:27 ID:lHIaHvAQ0

「あれ見てよ!カゴだよ!カゴ!」

時代劇で良く目にする駕籠を見つけ、雅が駆け出した。
ようやく到着した『東映太秦映画村』で茉麻と友理奈は
雅のあまりのはしゃぎ様に呆れ返っていた。
「今日は、なんであんなに機嫌がイイの?」
友理奈の視線の先の雅は
駕籠の前でふたりに手招きをしている。
「わからない…でも相当機嫌イイよ。ほら見て」
茉麻に言われるがまま、もう一度視線を移した。
「ぴょんぴょん跳ねてるでしょ、ああしてる時は機嫌が良いのみや 前もね…」
茉麻は何かを思い出し、クスッと笑った。
「小学校の時から変わってないなぁ」
「いいね 長く一緒にいる友達って…」
茉麻の言葉に友理奈は寂しそうに呟いた。
「いい事ばかりでもないよ…」
「なんで?」
「長く一緒にいるとね、それだけ傷つけちゃうことも増えちゃうよ…」
雅を見つめている茉麻の眼差しは、とても優しく穏やかで 
友理奈は、自分のことを優しく見つめてくれた舞波を思い出した。
「いろいろあったんだ…ふたりとも」
「うん ホントいろいろあったよ でもね」
「でも?」
「いろいろあったからわかった事も沢山あるよ…みやはね
本当は甘えんぼさんなんだよ…なのにいつも強がって…」
「わたしとそっくりだ」
茉麻は友里奈の言葉に吹きだした。
「そうだよ だからいつも喧嘩するんだ」
「そうだね!」
顔を見合わせたふたりは大笑いした。

519 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 22:16:49 ID:lHIaHvAQ0

「ねぇ コレ乗りたい!」

雅の元にたどり着いたふたりにそう言って、さっさと駕籠に乗り込んだ。
「それって私達が担げって事?」
茉麻の言葉に雅は悪びれる事も無く大きく頷いた。
そんな姿に友理奈と顔を見合わせた。
「どうする熊井ちゃん」
「うーん 重いよねコレ…」
見下ろすと雅が手を合わせている。
「友理奈お願い!一生のお願い!」
珍しく媚た様子が妙に可愛くて友理奈は笑った。
「ほんと今日は機嫌がいいねぇ」
「えっ だって楽しいじゃん! 友理奈は楽しくないの?」
屈託無い笑顔で自分を見つめてくる…
いつも喧嘩ばかりしている雅が楽しんでいる。
友理奈はそんな素直な姿が羨ましかった。
「楽しいよ!わかった 担いであげる」
「ほんと!やったぁ!」
そう言って喜ぶ雅を見て友理奈は思った。

今だけは素直になろう

いつも心を閉ざしている私

いつもどこか臆病な私

いつか会った時、笑われちゃうもんね   そうでしょ…舞波

520 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 22:18:07 ID:lHIaHvAQ0

「まあさん!まあさん!重いよぉ」

友理奈は担いだ駕籠の余りの重さに顔を歪めた。
「熊井ちゃん!大丈夫!」
茉麻は必死の形相で振り向いた。
足を震わせて担いでいるふたりに
周りの観光客も興味しんしんで様子を伺っている。
「ちょっと!大丈夫ふたりとも」
雅はなかなか進まない駕籠に痺れを切らして身を乗り出した。
「みや!動かないで!」
そう叫ぶ茉麻の顔を見て雅は大笑いした。
「あはは すっごい顔してるよ!まあ」
その笑い声に腹を立てた友理奈が、駕籠を蹴飛ばした。
「いってぇなぁ!」
「まあさん!これって『甘えんぼ』じゃなくて『わがまま』だよ!」
友理奈の言葉に茉麻は大きく頷いた。

521 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 22:19:28 ID:lHIaHvAQ0

「熊井ちゃん!右足から行くよ!」

「いいよ!」

「せーの!」

ほんの少し踏み出された足に、周りの観光客から拍手が起こった。
雅はそれに応えて、満面の笑みで手を振っている。
「さあふたりとも!今度は左足ね せーの!」
力一杯踏み出された足で、地面の砂利が弾け飛ぶ。
観光客からは、尚一層の拍手が巻き起こった。
「まあさん!もうダメ…」
「熊井ちゃん頑張っ…」
その時、突如として駕籠が大きく左に傾いた。
バランスを崩したふたりはたまらずよろける。
「うわぁ!」
気が付くと、雅が駕籠から飛び出し、駆けて行くのが見えた。
友理奈はその姿に思わず大声で叫んだ。
「なんなの!」
ふたりは突然の出来事が理解できず
ただその後姿を呆然と見送っていた。

「熊井ちゃん…取り合えず降ろそうか…駕籠」

「うん…そうだね…」

522 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 22:20:41 ID:lHIaHvAQ0

「何処に行ったんだろ」

駕籠の重さでジンジンと痛い肩を擦りながら、友理奈は辺りを見渡していた。
「わからない…」
駕籠の中に取り残された雅の荷物を取り出しながら、茉麻は呟いた。
先程まで拍手をしていた観光客が、残念そうに去っていく。
「あっ!いた!」
そう言って友理奈がが指差す先を茉麻は見つめた。
雅が数人の男を引き連れて歩いてくるのが見える。
「あれってC組の男子じゃない?」
目を細めて見ていた友理奈が気付いた。
茉麻はその言葉にたまらず雅の元へ駆け出した。

「ごめんごめん!ちょっと見つけちゃったからさ」

「まいみくん!」

雅の後ろには、照れ笑いを浮かべる矢島と、C組の男子が立っていた。

523 :ねぇ、名乗って:2006/06/09(金) 22:34:26 ID:lHIaHvAQ0
以上です
一斑の作家さん旅館行って構いません
話はどこかでつなげますので
明日は始発でお出掛け…たぶん書けません    一斑どうぞ↓

524 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 00:25:05 ID:i9Gwfg/E0
やぁwなかなか形になってキタねww
サッカー始まるまであげなくちゃ!!

525 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 01:34:00 ID:i9Gwfg/E0
コンビニに駆けて行く二人を見送ると、四人の時とは異なった空気が、佐紀と千奈美を包み込む。
手持ち無沙汰になった佐紀が、銀杏の木にもたれ掛かり、千奈美の顔色を窺う。
「おそいね・・・二人・・・」
「・・・・・」
「千奈美?」
佐紀と目を合わせようとしない千奈美にもどかしさを感じ、佐紀が千奈美の顔をのぞき見た。
「佐紀・・・いいよ。二人いないし、腹割って話しない?」
「えっ?」佐紀が戸惑いながら、彼女の言葉の真意をはかろうとした。
「いいや!はしょって言うけどさ、私は佐紀が嫌い・・・ううん、嫌いって言うか、
許せないって言うのかな・・・」
千奈美の真剣な口調と表情よりも、彼女がが自らを私と呼んだことに、佐紀はただならぬ緊迫感を感じた。
「雅のことだよね・・・」
佐紀が白を切る事無く、単刀直入に答えた。
「わかってんじゃん・・・ただ言っとくけどね、みやは絶対チクらなかったし、弱音も吐かなかった。」
「みたいだね・・・たしかに雅は強かった。」
「雅が夏休みどんだけ頑張ってたか、佐紀にわかる?」
「・・・・・」 
佐紀は雅が手渡した、シワだらけの福沢諭吉を想った。
「私の友達はね・・・夏焼雅はぜったいアンタなんかに負けないから!
そんなヤワなヤツじゃないから!よーく覚えといてっ!」
千奈美が声を震わせながら、佐紀ににじり寄った。
佐紀がクスッと口端を上げて笑う。
「ちょっと!何笑ってんの!」千奈美がさきの肩を小突く。
「いいね・・・雅は。茉麻や千奈美みたいな友達がいて・・・」
佐紀は気丈に振舞いながらも、頬をひとすじの涙が伝い落ちる。
「ちょっと!?なんで泣いてるの?!」
佐紀の涙の意味に、今度は千奈美が困惑した。
「ごめん!泣くのなんてズルいよね。 千奈美が心配しなくても、もう雅には何もしないから。」
「信用できないっ!」
「信用してくれなんて言わない・・・しょうがないことだから。」
二人の間を、再び無言の空気が支配した。


526 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 02:23:35 ID:i9Gwfg/E0
無言の空間に、佐紀の鼻を啜る音だけが響く。
「ねぇ、佐紀はなんであんな酷い事したの?なんで佐紀はかわっちゃったの?」
千奈美は、一年B組で同じクラスだった佐紀の全く垢抜けなかった姿を思い出す。
「教えたくない・・・」
「勝手だよ!佐紀。」
「勝手だね・・・信じてくれなくてもいいし、私がウザかったら無視でもなんでもしてくれていい・・
だけどね・・・教えたくないものは教えられない・・・」
佐紀の妙に覚悟のある表情に千奈美は声を忘れ、佐紀の目に吸い込まれるように立ち止まる。
「わかった・・・聞かない。ただ一つだけ約束して!みやにこれ以上」
佐紀が千奈美の言葉を遮るように、言い放った。
「千奈美、約束は信じあってる人同士でするもんだよ・・・私には約束なんてできる資格無いから。」
佐紀の憂いに満ちた瞳が、いまだに千奈美を捕らえて離さない。
『なんで!?なんでこんな哀しそうな目するの?
みやがまあの事話してくれた時もこんな目だった・・な。」

「ごーめーん!!」
重く湿った空気を引き裂くように、桃子たちが駆け寄ってきた。
佐紀が慌てて涙を誤魔化すように、軽いあくびをした。
「りさこがウォシュレットで遊んでてビタビタになっちゃってぇ!」
梨沙子が濡れた髪を千奈美に近づける。
「ちょっ!キタナーいっ!何やってんの!ほんとアホじゃない!」
「アフォアフォアフォ・・・」
千奈美の毒舌をモノともしない梨沙子に、堪らず佐紀が噴きだした。
「じゃっ!一班の皆さん帰りましょーーう!!」
桃子班長の号令で一班は帰路に着いた。



527 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 02:25:53 ID:i9Gwfg/E0
んな感じw
とりあえず旅館に帰還!

528 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 02:36:38 ID:i9Gwfg/E0
ROMのみなさんドデスカ?
何かあれば遠慮なく(ry

529 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 03:16:00 ID:k8fmjC8C0
羊にこんな良スレがあることを今日気づきました
出来れば過去ログを見たいんですけど
お願いできますか?

530 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 03:25:25 ID:4XX06+hYO
作者のヲレも書いてて記憶がとぶw
狼時代のログ嫁ねェェェorz

531 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 03:36:20 ID:4XX06+hYO
マジスマソorz 何度もそんな依頼があったけど・・・
簡潔にいうと狼時代はほとんど内容が無いようwなんで本編はこのスレとおもってもらって構いませんorz

532 :ねぇ、名乗って:2006/06/10(土) 06:27:41 ID:+aLWdR0zO
専ブラでならみれるけど…

533 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 01:55:15 ID:aRNnwcri0
このスレの最初に続くあらすじだけでも教えてもらえませんか?

>>それからの雅は完全に孤立する様になった。

534 :ねえ、名乗って:2006/06/11(日) 03:59:53 ID:ro15Vi7a0
>>533
簡潔に言うと
友理奈が転校初日に何か悪意に満ちた視線を感じた
梨沙子は転校初日に雅にからまれる。(馬鹿っぽい口調について)
千奈美はCDの万引き現場を桃子に目撃されたがおとがめ無し
佐紀は夜な夜な銀行前の巨大なガラスに向かって孤独なダンスを繰り広げる

そんで雅がキャプに日記の弱みを握られ操られる
でそれから雅は孤立する(ryの前だけど・・
千奈美が新聞配達で貯めたお金で買ったDJミキサーで放送委員初のDJデビューをはたそうとしていた矢先に
佐紀の指示で雅がその機材を叩き壊して、友理奈が雅に謝罪を求めた事で3Bが修羅場と化した

そんで繋がると思う・・・うろ覚えでごめんorz
まぁ楽しんでってよ!たまには感想も書いてきてな!
もちろん作家としても歓迎するお!!!!


535 :ねぇ、名乗って:2006/06/11(日) 04:20:18 ID:BEoUZ5JWO
なんか狼の時に落ちまくってた頃をおもいだしたw
卒業式は多分泣くなヲレw

536 :ねぇ、名乗って:2006/06/11(日) 19:59:47 ID:wguzcGgkO
>>534
ご丁寧にありがとうございました


537 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 01:11:16 ID:+I4Cjm5L0

「いやー銀閣寺行こうと思ってたんだけどさ…」

驚く茉麻に、矢島は頭を掻きながら近寄った。
「こいつ須藤のメール見てから、映画村行こうって聞かねえんだよ」
C組の岡井が笑いながら茶々を入れる。
「何時の間にメール打ってたの?」
「えっ…トイレ行った時…」
照れ臭そうに俯く茉麻の顔を雅は覗き込んで笑った。
「ほんとそういう所はちゃかりしてるね、まあは」
「ねえ!ねえ!ねぇ!」
そんなやり取りを見ていた友理奈が雅に耳打ちした。
「…ふたりはどういう関係なの」
「えっ!聞いてなかったの?付き合ってるんだよ!このふたり」
「うそ!付き合ってるの!知らなかった」
友里奈の声に、茉麻と矢島はふたりで顔を赤らめた。
「うわーこいつら照れてるぜ!」
「うるせーな…」
冷やかす岡井に矢島は精一杯の照れ隠しをした。
その声がやけに上擦っていたので、雅は大笑いした。
「あはは 面白いねぇ矢島って」
「なあ 一緒に行動しようよ!夏焼といると面白そうだし」
岡井の言葉に雅は嬉しそうに頷いた。
「いいよ!友理奈いいよね」
「うん いいよ楽しそうだし…それに…」
友理奈は、俯いたままの茉麻の耳元でわざと皆に聴こえる様に囁いた。
「一緒にいたいもんね 矢島君と」
「熊井ちゃんまで意地悪しないでぇ」
なんとも情けない声を出した茉麻に全員大笑いした。

538 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 01:13:30 ID:+I4Cjm5L0

「ソフトクリーム食べたーい」

雅は遙か彼方にある、のぼり旗を指差している。
「私おごるからさ、まあ買ってきてよ」
財布からお札を出すと、茉麻に差し出す。
「夏焼って気前いいなぁ」
「バイトしたんだもん ほら」
岡井の言葉に雅は財布を見せた、中には一万円札が、十枚ほど入っていた。
C組の男子からは喝采が起こった。
「すげーな!おまえ」
雅の行動に困惑しながらも、茉麻はお札を受け取った。
「取り合えずなんでもイイからさ、人数分ね」
「わかった…行って来る」
そう言ってひとりで歩き出そうとした茉麻の手を雅は掴む。
「ひとりじゃ持てないでしょ」
矢島の元へ手を引くと、ふたりの手を繋がせた。
「矢島!気の利かない男は嫌われるよ」
不恰好に握られた手が何だか可笑しくて仕方が無かった。
ふたりは雅の目を見つめたまま、ぎこちなく固まっている
「もう!早くふたりで行ってきなよ」
雅に背中を強く押された矢島が一瞬よろめく。
「ほら早く!早く」
「う…うん…」
売店に向かって歩き出したふたりを見て雅は嬉しくなった。

『…あれ…苦しくない…』

自分の気持ちの変化に、気付き複雑な気分で見送った。

539 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 02:12:30 ID:+I4Cjm5L0

「お似合いだね、あのふたり」

雅と友理奈はベンチに腰掛けていた。
「雅知ってたの?付き合ってる事」
「うん…全部知ってたよ」
いつだって威勢良く話す雅の姿はそこに無かった。
友理奈は茉麻の会話を思い出していた。
「ねえ もしかして雅、矢島君のこと好き?」
なんでだよ!そう大声で噛み付いてくると思っていた
雅の言葉は意外にも静かなものだった。
「どうして…」
「えっ!まあさん、ふたりにはいろいろあった…って言ってたから」
「そんなこと言ってたんだ…まあ」
そう言って黙り込んだ雅を友理奈は見つめた。
寂しそうにしている姿に心が痛んだ。
「ごめん…変なこと訊いちゃった」
友理奈の言葉に小さく首を振ると立ち上がり言った。
「本当のこと聞いても笑わない?」
「えっ…」
「笑わないって約束してくれる」
見上げた雅は真剣な顔で遠くを見つめている。
ひどく悲しげにも見える表情に胸騒ぎがしていた。
「うん…」
雅は友理奈に背を向けるように少しベンチから離れた。

「私が好きなのは矢島じゃない…」

「どういうこと? わからないよ…」

「まあさ…なんだ…」

540 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 02:43:24 ID:/Cy6e9AUO
ノノl∂_∂'ル<やぁ♪

語スレから寝る前保全

541 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 09:25:11 ID:hOmouw87O
やぁ!みやびちゃんwノシ

542 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 22:46:25 ID:+I4Cjm5L0

「うそ…」

「本当だよ…まあさが好きなんだ」

雅はふたりの出来事を静かに話し始めた。

夏の夜、茉麻の膝の上で告白したこと…
祭りの夜、浴衣を着て本当に嬉しかったこと…
茉麻が矢島に告白したこと…
土手で大泣きしたこと…

友理奈は黙ってその話を聞いていた。
ふたりの間に起こっていた真実は
最初、とても生々しく…ひどく不潔に感じられた…でも
実は、とても綺麗で…ひどく繊細で…限りなく純粋な真実の純愛
背を向けたまま話す雅の姿が、友理奈の心をそう変えていった。

543 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 22:47:43 ID:+I4Cjm5L0

「今も、苦しいままなんだ…雅…」

「それがね…違うんだ」

振り返って友理奈を見つめる雅の顔は、微笑みに変わっていた。
「なんての?しゅう…しょう…うーん、何とか旅行」
「傷心旅行?」
「そうそう!それ!きっぱりと諦めるつもりだったんだ、この旅行で」
雅は再び友理奈の隣に腰を下ろした。
「でも不思議とね、嬉しいんだ あのふたり見てると」
茉麻と矢島が売店の列に並んでいるのが見える。
「もう好きじゃないって事?」
友理奈の問いかけに雅は首を横に振った。
「好きだよ…今でも でもね、好きな人が幸せになるのは嬉しいことでしょ」
「それはそうだけど…でも雅が幸せになれない」
雅は友理奈を見て微笑んだ。

「幸せだよ…私は好きな人の幸せを願いながら
いつまでも『好き』って思い続けることが出来るから…
やっと分かったんだ…それならまあを好きなままで良いんだって」

「そんなの辛いだけじゃん!」

友理奈は空を見上げた、青空に浮かぶ秋の雲が歪んでいく
涙が零れ落ちぬよう、必死で耐えながら思った。
叶わぬ恋だって辛いよ…でも忘れられない恋はもっと辛いじゃん…

「みやはバカだよ…」

「ありがとう…友理奈…」

544 :ねぇ、名乗って:2006/06/12(月) 22:58:46 ID:+I4Cjm5L0
もうね 修学旅行らしい明るい話が書けんわ…orz
なんか最近いつも同じ展開になるのね トホホ
一斑作家さん旅館行ってOKっすよ
新しい作家さん二班話なんかあったらよろしく 今日はもう寝るわ ノシ


545 :ねぇ、名乗って:2006/06/13(火) 00:10:46 ID:twpsgH4Q0
おいおいw
凹むなよぉorz
サッカー我慢してよく書いた!感動した!
それに明るい展開じゃんかwヲレはいいと思うぞ!

546 :ねえ、名乗って:2006/06/13(火) 00:52:33 ID:twpsgH4Q0
旅館「美勇殿」についてへとへとになった一班は、早速部屋に荷物を降ろし、
文字通りの大の字で寝そべり、全体集会までの時間を持て余した。
千奈美が一班の雅にメールを打とうとしていた矢先に、雅の方からメールが届く。
【C組矢島達と合流したよ!もうちょっと遅くなるから、担任にうまくいっといてね。】
丁寧に添えられた写メールには、雅と茉麻と友理奈が肩を組み、自由行動を満喫していた。
「なんだぁ・・・仲良くやってんじゃん!しかもコイツら寺行くとか言ってた気が・・・
ぜったいここ寺じゃないっぽいんだけど・・・ひょっとして計画ブッチ!?いいなぁ・・」
自分の取り越し苦労に終わった一班の笑顔と、隣の芝は青い的な感覚に、千奈美は複雑な気持ちで肩を撫で下ろした。
「なにぃ?メール?」
荷物を整理していた桃子が引き寄せられる様に近づいてきた。
「そうっ!コイツら人の気持ちも知らないでこんな楽しそうに笑っちゃってさ・・・」
「あっそうか!雅とゆり少し微妙だしね・・」
桃子が物知り顔で頷く。
「そう!それにみやとまあも・・・!!!」
「えっ!?あの二人もなんかあったの!?」
千奈美は危うく喉まで出かかった、雅と茉麻の関係を無理矢理に胃の辺りまで押し戻す。
「ゲホッゲホッ!何もない・・・なんもない・・・」
千奈美がむせていると、桃子が背中をさすってくれる。
「まぁ年頃の女の子には色々あるもんねっ!桃にもわかるっ!」
なんとかその場をやり過ごした千奈美は、再び大の字でぼんやりと携帯をいじる。
『あぁ・・雅達はやく帰って来ないかな・・・今日は色々あったなぁ・・・
それにしても佐紀、なんで泣いたんだろう・・・解んない・・・もぉ!なんだかめんどくさいっ!』
千奈美は未だ制服を脱ごうとしない佐紀に目をやりながら、重たくなった瞼を閉じた。


547 :ねぇ、名乗って:2006/06/13(火) 15:21:29 ID:F+2L1TghO
迷走中の二班さんw
地元のヤンキーにからまれるなんてどぉ?

548 :ねぇ、名乗って:2006/06/13(火) 16:20:35 ID:F+2L1TghO
結局、B組二班女子とC組矢島はん不在で全体集会は行われ、生徒等は各学級に別れ食堂に向かった。
教師らの醸し出すただならぬ空気に、千奈美は自分の事のようにビクビクしながら、その動向を見守った。
まず二班の男子が呼び出され、こってり絞られた後、不貞腐れた様子で戻ってきた。
「ねぇ!ねぇってば!」
千奈美は男子達を手招きすると、事の成り行きを男子達から聞き出す、
勿論雅達と口裏を合わせる為でもあるが、単純に8時近くにもなるのにも関わらず、あれからメールすら打ってこない雅達に、若干の不安を抱いていた。

549 :ねぇ、名乗って:2006/06/14(水) 12:36:36 ID:8E4Q3Kx8O
2班、今晩旅館に戻します
作家さんアドバイスどうも

550 :ねぇ名乗って:2006/06/14(水) 14:36:28 ID:T7ye33OnO
まってるお!

551 :ねぇ、名乗って:2006/06/14(水) 21:02:52 ID:kIawzRoL0

『〜お客様のおかけになった電話番号は電波の届かない…』

「通じないや…」
千奈美はトイレに行く振りをして食堂から抜け出すと
雅に電話をかけた。茉麻と矢島の携帯電話も同様のアナウンスが流れるだけだった。
「徳永」
突然かけられた声に千奈美は肩を竦ませた。
「ビックリしたぁ なんだ先生か…」
振り向くと金八が怪訝な顔で立っていた。
「なんだじゃないだろ コソコソどこに電話していたんだね」
携帯電話を手にしている言い逃れの出来ない状況に
千奈美はあっさりと観念した。
「みやに…」
「それで連絡取れたのか、夏焼と」
顔色を伺いながら、首を横に振る千奈美に金八は溜息をついた。

552 :ねぇ、名乗って:2006/06/14(水) 21:05:22 ID:kIawzRoL0

「何か隠している事があるんじゃないか、徳永」

「えっ…別に無いです…」

一瞬視線を逸らした千奈美に、金八は未だ帰らないふたつの班の行方を訊いた。
「夏焼とC組の矢島たちは一緒にいるのか?
いや、須藤と矢島だな、あの子たちはふたりでいるのか
それともみんなで一緒にいるのか?」
金八の言葉に驚いた。先生は『まあとまいみくん』の関係を知っている。
「金八先生って何でも知ってるんだね…」
「私は何年教師をやっていると思っているのかね
君達の行動・言動、毎日見ていれば何となく分かるさ」
そっと肩にのせられた、不恰好な手に千奈美は心を許した。
「あの…みんなで一緒にいると思います さっきね…メールがあったんです 
まいみくんとかと合流したよって」
金八は茉麻と矢島が二人きりではない事
女子だけでは無く、男子も一緒でいる事実にホッとした。
「そうか…しかし何処に行ったんだろうなあ あの子たちは…」
そう言って金八の見た壁掛け時計は、間もなく20時になろうとしていた。
「たぶん近くにいると思う…」
どうして…そう金八が問いかけようと思ったその時
大声で階段を駆け上がってくる女将に気が付いた。
「先生!坂本先生!」
「はい!こっちです!」
高く手を上げた金八に気付いた女将が慌てた様子で、こちらに向かってくる。
「先生!電話です!」
「生徒からですか!」
若い女将は息を整えながら首を横に振った。

「違います 警察からです!」 

553 :ねぇ、名乗って:2006/06/14(水) 21:41:35 ID:kIawzRoL0

「警察…」

金八は目を閉じて生徒達の顔を思い浮かべた …無事でいてくれ… 
「先生!フロントに電話が繋がってますから 早く!」
そんな様子に業を煮やした女将が金八を急かした。
「あっ はいはい!」
そう言って階段に向かう後を千奈美も追う。
「徳永は待ってなさい!」
「嫌だ!」
千奈美は大きくなる胸騒ぎに必死で階段を駆け下りた。

554 :ねぇ名乗って。。。:2006/06/15(木) 00:05:54 ID:hCwBDAWRO
ワクワクw

555 :ねぇ、名乗って:2006/06/15(木) 00:28:38 ID:E5CXqQ920

「はい 桜中学校の坂本と申します」

女将から事情を聞き、エレベーターで降りてきた
北がふたりに駆け寄る。
「どうした?分かったかあの子たちの居場所は」
「まだ分かりません」
不安顔で金八を見つめる千奈美を気遣いながら
北も電話の声に耳を傾けた。
「ええ 確かにうちの生徒ですが…はい」
何があったのか教えて…なかなか確信に迫らない会話に
千奈美は胸が張り裂けそうだった。

「事故!」

胸騒ぎが現実に変わってしまいそうなその言葉に
思わず金八の袖を掴む。
北もいる事に気が付いた金八はワザと内容が分かるように話を進めた。

「ええ…命に別状はないのですね…骨折…両手首ですか…
すぐ近くの病院!あーございますね…その前で」

556 :ねぇ、名乗って:2006/06/15(木) 00:31:40 ID:E5CXqQ920
病院の待合室では、警官のそばで茉麻たちが金八とのやり取りを聞いていた。
「しかしお宅の生徒さんは、どえらい運動神経が良いですな
衝突する直前にですね、ボンネットに手を突いて飛び乗ったらしいんですわ
どない言いますか、こう跳び箱の要領で…ええ…その時骨折したんでしょうな」

雅はこの状況が楽しくて堪らなかった。
得意そうに固定された両腕を眺めている。
「痛くない?」
「動かすと痛い でも大丈夫」
心配する茉麻とは対照的にあっけらかんとしている雅に
矢島が呆れ顔で言った。
「はしゃぎすぎなんだよ 夏焼は」
「だって楽しかったんだもん…仕方ないじゃん」
矢島の言葉にムッとした雅を見て岡井が続けた。
「病院から出てくる車に跳ねられるなんてさ
運が良いのか悪いのかわかんねーよな」
「歩道歩いてて跳ねられたんだよ!運が悪いに決まってるじゃん」
ふたりの言葉に雅は膨れっ面をした。

「先生迎えに来るさかいもう少しまっててや」

金八と話し終わった警官は振り返るとそう言った。
「先生怒ってましたか?」
心配そうにしている友理奈に警官は笑った
「あはは 大丈夫だよ、事故の実況見分で連絡が取れなかったと伝えてあるよ」
「そうですか…良かった」
安心した友理奈を見て微笑むと、警官は少し離れると無線機で報告を始めた。
そんな様子をボーっと見ていた茉麻が小さな声で呟いた。

「おなか…減ったなぁ…」

その小さな声にみんな力なく頷いた。

557 :ねぇ、名乗って:2006/06/15(木) 00:46:22 ID:FRg76tmu0
連続投稿えらいやん!

558 :ねぇ、名乗って:2006/06/15(木) 01:30:02 ID:FRg76tmu0
一方で【美勇殿】では20時を周る頃には、廊下がシャンプーや石鹸の香りで満ち溢れている。
「みんなぁ!お風呂!そろそろ行くよ!」
桃子班長が元気良くふすまを開けた。
佐紀と梨沙子が手持ち無沙汰で、見てもいないテレビになんとなく視線を向けている。
「あれっ!?ちなこはぁ?」
佐紀が今気付いたように、周りを見回す。
「千奈美ならご飯食べてどっか行っちゃったみたいだよ。」
梨沙子がテレビを消し、桃子に告げた。
「そうなんだ・・もうっ!ホントやつは自由なんだから!」
班長の威厳を保つように桃子は頬を膨らませ、そこにはいない班員を叱責する。
「まぁ・・いいや!八時半からお風呂だからね!」

「桃子ごめん・・・私お風呂いいや・・・少し風邪引いたみたいだし・・」

佐紀が伏し目がちに仮病を訴える。
体のあちこちにできた傷跡を隠す為、自分という人間を同情の視線に晒させない為に、
後ろめたさを感じながらも、桃子を欺いた。


559 :ねぇ、名乗って:2006/06/15(木) 16:19:26 ID:hCwBDAWRO
佐紀はその数分後、雅が車に跳ねられるという報せを聞く事になる。
血相を変えた千奈美が、班長を探しに部屋に戻ってきたのだ。
「桃子ー!!あれ?桃子は?」
佐紀に宣戦布告したことなど全く気にしていない様子の千奈美は、ただ肩で息を切らし、彼女らしからね危機迫った面持ちで、桃子の居場所を尋ねてきた。
「桃子なら今さっき、千奈美を探しに戻ってきたけど。」
「そうなの?!」
「桃子がどうかしたの?」「桃子じゃなくて・・・みやが・・・みやが・・・」
完全に我を忘れて取り乱している千奈美を、どうにかして落ち着かせようと、佐紀が優しく冷静な口調で問いただした。
「千奈美、落ち着いて。アンタしか状況わかってないんだから。とにかく落ち着いて話してみて。」

560 :ねぇ、名乗って:2006/06/15(木) 16:31:14 ID:hCwBDAWRO
佐紀の言葉でようやくひと息ついた千奈美は、自分の言葉を確かめるようにゆっくりと口を開いた。
「みやが、車に、跳ねられた。」
「嘘・・・」
気付くと梨沙子が傍らで言葉を失ったように、呆然としている。
「とにかく、うちは病院に行くから、桃子に謝っといて。勝手な行動とってゴメン。って。」
そう言い残すと千奈美は即座に部屋を飛び出した。

561 :ねぇ、名乗って:2006/06/15(木) 16:32:28 ID:hCwBDAWRO
二班さんどうぞ!

562 :ねぇ、名乗って:2006/06/16(金) 00:43:59 ID:dow2czWk0
千奈美の去っていった部屋は、異様な静けさに包まれていた。
テレビは点けられたままで、コメディアン達の暴露話が観客の爆笑を煽っている。
テレビの音と梨沙子のすすり泣く声とが呼応し、耐え切れないとばかりに佐紀は天井を見上げた。

「さきちゃん・・・みや・・大丈夫だよね・・・死なないよね・・」
佐紀はどう答えて良いのか見当もつかずに、返答を濁した。
「わたしも・・・行く・・みやびのとこ!」
咄嗟に梨沙子が立ち上がりふすま扉にてをかける。
「だめ!梨沙子が行っても何も変わらない。逆に迷惑掛かっちゃうから。」
佐紀は梨沙子のの腕を掴み、優しく首を横に振った。
「でも・・・佐紀は平気なの!こんなのって・・・こんなのって!」
梨沙子は愕然とした表情で、その場にしゃがみこんだ。

563 :ねぇ、名乗って:2006/06/16(金) 01:07:43 ID:dow2czWk0
佐紀は学校の屋上で雅と対峙した時の事を思い出す。
自分が飛び降りろと言うと、震えながらもフェンスに向かっていった雅の姿を。
すぐそこに迫ってきている【死】の存在と、真っ向から向き合い決して逸らす事の無かった雅の強い視線を。

あの時死を囁いてしまった相手が、今は不思議と心配でならない。
心から無事でいて欲しい、そう願っている自身の姿に佐紀は素直に驚いていた。

『あの時、雅が飛び降りていたら・・・私どうしてたんだろう・・・
笑ってた?・・・泣いてた?・・・それとも・・・・』
雅を追い詰め、人の心を踏みにじって、高笑いしていた自分に、
卑劣で、荒んでいて、穴ぼこだらけだった自分に、言葉にできないほどの激しい怒りを覚える。

「くそっ!・・・・」
そう呟くと佐紀は部屋を飛び出していた。

564 :ねぇ、名乗って:2006/06/16(金) 01:49:45 ID:dow2czWk0
佐紀は必死で千奈美の後を追った。
今、胸の辺りで渦巻いている、抑え切れない感覚に急かされるように。
後悔と自己嫌悪の繰り返しで生きてきた今までと、決別するように千奈美の後を追った。

『雅に伝えなきゃ・・・無事でいてくれって・・・生きてって・・・』

教師達の部屋の前で千奈美の姿を見つけた。
佐紀は髪を直しながら息を整え、千奈美の方へと歩み寄る。

「佐紀?・・・どうしたの!?」
千奈美が驚いた様子で、佐紀と視線を交わす。
「千奈美。私、雅にたくさん酷いことした。」
「どうしたの・・・改まって・・・」
千奈美が戸惑い、首を傾げる。
「私・・・こんなこと言える立場じゃないけど・・・」
「だから!何よっ!」
坂本を待ち苛ついている千奈美が言葉を荒げた。
「雅に、言っといて!無事でいてくれって!生きなきゃ駄目だからって!」
今まで見たことの無い、佐紀の熱を帯びた表情にちなみは後ずさりする。
「なんなのよ!?・・・急に・・・」
「いいから!それだけ伝えて欲しい・・私の事、許さなくったっていいし、仕返ししたきゃそれでいい。
ただ生きててほしいって・・・それだけ。」
「・・・・・」
千奈美が無言で頷く。
「あと・・・・・これ!」
佐紀がおもむろにリストバンドを取り千奈美に手渡す、
「お守りなんてモンじゃないけど・・・魔除けにはなるから、雅に。」
それを千奈美に握らせて、佐紀は足早に戻って行く。

リストバンドで隠さていた、無数の煙草の火傷の跡が無性に疼いていた。

565 :ねぇ、名乗って:2006/06/16(金) 01:51:40 ID:dow2czWk0
今度こそ二班さんお渡ししますw
だらだらとゴメンorz

566 :ねぇ、名乗って:2006/06/16(金) 23:29:23 ID:ksHlhjv+0
サッカー見ながら二班考え中…後でアゲます
隣の家から歓声が起こるたびにテレビに見入って…急がしいw


567 :ねぇ、名乗って:2006/06/17(土) 00:06:14 ID:6siQT91l0

「いやー すまんすまん!病院の先生に連絡していたんだ
あの子たちはこっちに向かっているそうだよ」

ようやく部屋から出てきた金八は
佐紀が歩き去った方を見つめる千奈美に気が付いた。
「誰か来てたのか?」
「佐紀がコレをみやにって…」
覗き込んだ千奈美の手の中には小さなリストバンドが握られていた。
「どんな意味があるんだ…コレには」
「お守りだって…生きててほしいって…先生…佐紀はみやのこと…」
「わかっているよ 言わなくても」
縋る様に見つめる千奈美の目を金八は優しく見つめ返した。
「わかっているさ、夏焼の悪事の裏に清水がいた事は」
「先生…知ってたの…」
「さっき徳永言ったじゃないか『先生は何でも知ってる』って」
微笑む金八に千奈美は頷いた。
「私の目は誤魔化せんよ」
「先生…佐紀変わりたがってるよ…きっと…苦しいんだよ…」
金八は千奈美が持っていたリストバンドを手に取って見つめた。
「先生…坂本先生」
部屋でふたりの様子を伺っていた北が顔を覗かせた。
「あの私、病院行って話聞いて来ますから
坂本先生はあの子たち待っててあげてください」
「あーそうですか、申し訳ありません じゃあ宜しくお願いします」
北は金八の肩を叩くと、足早に病院に向かっていた。
「助けてやらないとな」
「えっ…」
金八はリストバンドをもう一度千奈美の手に握らせた。
「苦しんでるなら助けてやらんとな…清水のこと」
千奈美は嬉しそう微笑むと大きくうなずいた。
「うん…」

568 :ねぇ、名乗って:2006/06/17(土) 00:16:43 ID:Btf8w9+EO
ヲレのイマイチな展開につきあってくれて









サンクス!!

569 :ねぇ、名乗って:2006/06/17(土) 00:37:48 ID:6siQT91l0

「おいしーい」

警官に付き添われようやく旅館にたどり着いた茉麻たちは
すっかり片付けられた食堂で、遅い夕食を食べていた。
嬉しそうな顔で口をあける茉麻に食べさせてもらっている
雅の姿が、友理奈は可笑しくて仕方なかった。
「みや 今すごく幸せでしょ」
「うるさいな!両手を使えないんだから仕方ないでしょ」
雅はその様子を茶化された事が恥ずかしくて
正面に座る友理奈の足を蹴飛ばした。
「痛いな!蹴る事ないじゃん!」
そんなふたりに茉麻が一喝する
「もう!すぐそうやって喧嘩する!
みやが食べ終わらないと私は食べれないんだからね」
そう言ってスプーンを無理やり雅の口に押し込んだ。
「おーい食べてるかー」
警官と話終えた金八が食堂にやってきた。
「先生 矢島たちは?」
雅が話し始めたのを見た茉麻は、自分の夕飯を急いで口に運んだ。
「北先生の部屋で食べてるよ それから須藤、
もう少し待ってな 今、人呼んであるから」
「なんでですか?」
茉麻は口をモゴモゴ動かしながら不思議そうに訊いた。
「それじゃ須藤が全然食べられないだろ そろそろ来ると思うけど…」
金八の言葉に3人は見つめ合うと肩を竦めた。
「おー来た!来た!入れ」
3人が食堂の入り口を見ると千奈美と佐紀が立っていた。

570 :ねぇ、名乗って:2006/06/17(土) 00:43:54 ID:6siQT91l0
>>568
いい展開だけに『続きどうしよう』っていつも悩みますw

この後まだ考えてません…のんびり書きますよ

571 :ねえ、名乗って :2006/06/17(土) 03:14:48 ID:FCCqWtC+0
いいよいいよ!!!!!!!!

572 :名乗るなら『みや』:2006/06/17(土) 03:25:59 ID:nN5DAigBO
この小説がキッカケで春先にべリファンになったんやで。
登場人物の顔が欲しくてな。
ホントのべリを見てても、この娘ら色々な出来事があった上での現在があるんだなぁ〜と錯覚をしてしまうわ。

素晴らしい出来ですよ。

文庫化せぇへんかなぁ。

百点満点!

573 :ねぇ、名乗って:2006/06/17(土) 08:46:08 ID:Btf8w9+EO
そんなそんな恐縮でつorz

574 :ねぇ、名乗って:2006/06/17(土) 08:48:48 ID:EDK+mBEhO
ベリ好きになるキッカケなっていたとは…嬉しいなあ
これからもお互いベリを応援していきましょーう

575 :名無し募集中。。。:2006/06/17(土) 23:15:04 ID:SvSykwnQ0
語スレから保全!

576 :ねぇ、名乗って:2006/06/17(土) 23:41:11 ID:6siQT91l0

「みや 大丈夫…」

駆け寄ってきた千奈美に包帯だらけの両腕を掲げた。
「えへへ 折れちゃったみたい」
「えへへじゃないよ!心配させすぎだよ…もう」
千奈美はその場に力なく座り込んだ。
「心配しすぎなんだよ 大丈夫だから!ほら見て」
雅は茉麻が持っていたスプーンを指先で器用につかむと
茶碗のご飯をすくおうとした。
「痛てっ!」
手首に激痛が走り、つかんでいたスプーンを床に落とした。
「大丈夫じゃないくせに ご飯も食べれないじゃん」
「そんな事ないよ!」
意地になった雅は、畳の上に落ちたスプーンを拾おうと
椅子から身を捩ったその時、スプーンを拾う小さな体にドキッとした。
突然視界に入った小さな体が佐紀だと気付くのにしばらく時間が掛った。
「変えてもらってくるね」
佐紀は足早に厨房へ向かって行った。
「なんで佐紀がいるんだよ!」
ドキッとしてしまった自分への苛立ちを佐紀にぶつけた。
「みや 怒らないで…今日だけは怒らないでいてあげて」
千奈美の言葉に不服そうに言った。
「なんでだよ!あいつのお陰でどれだけ嫌な思いしたと思ってるんだよ」
「夏焼」
黙って聞いていた金八が口を挟む。
「清水が…いや…佐紀が君を操って悪事を働いていた事は先生知っていたんだ」
雅は金八を睨みつけた。

「知ってたのかよ」

577 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 00:34:29 ID:N1H98ZOV0

「今まで何もしてやれなくて、申し訳なかった」

深く頭を下げたその様子に、雅は口を尖らせてうつむいた。
「佐紀は、変わりたがっているんだ…
徳永、あれを渡してあげてくれないか」
「はい…」
千奈美はポケットからリストバンドを出すと、包帯だらけの手の上にのせた。
「佐紀が雅にって お守りだよ…生きててほしいって」
手の上のリストバンドはとても小さく、少し薄汚れていた。
微かに感じる『佐紀のやさしさ』が詰まったお守りが何処と無く愛おしかった。
「一度だけでいいんだ チャンスをあげてやってくれないかな」
金八の言葉に顔をあげると皆が雅を見つめていた。
「なんだよ 皆そんな目でみるなよ
わかった…わかりましたよ!大人しくしてます」
そう言うと、痛む手でリストバンドを握り締めた。

578 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 00:36:24 ID:N1H98ZOV0
ちょっと長くなるかも…

579 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 02:18:23 ID:N1H98ZOV0

スプーンの音だけが響く中、3人は食事を続けていた。
雅は佐紀が口の中へ運んでくれる夕食を大人しく食べている。

「お魚食べたい」

「うん」

ぶっきら棒に言う雅の口に佐紀は慣れた手つきで魚を運ぶ。
優しさだけなら茉麻だって優し過ぎるくらい。
でも正直言ってさっきは食べ難かった。
でも佐紀の食べさせ方には上手さがある。それが不思議でならなかった。
最後の一口を食べ終わったとき、雅は思い切って訊いてみた。
「ねえ なんでそんなに食べさせるの上手いの」
茶碗とお皿を重ねながら佐紀は言った。
「お父さんに食べさせてたから…」
佐紀の父親…考えた事も無かった。
病気なのだろうか、雅は好奇心だけで何気なく訊いていた。
「病気なの お父さん」
急に腕を強くつかまれ雅は驚いた。
「ちょっと痛いよ まあ」
茉麻が小刻みに首を横に振っている。
『えっ…訊いちゃいけない事…』
雅はその雰囲気を感じとり、その場を取り繕った。
「わたし変なこと訊いた?ごめん…早く直るとイイね」
佐紀は重ねたお皿をおぼんに乗せると寂しそうに微笑んだ。

「うん…でももう手遅れ…」

「えっ…」

「死んじゃったんだ…お父さん」

580 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 02:38:41 ID:5zQw+MOmO
何じゃこの










神展開!!!!!!!!!!!!!!

581 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 03:40:00 ID:N1H98ZOV0

雅は目の前が暗くなっていった。意識が遠のくほどショックだった。
父親の死なんて自分に置き換えてみても想像できなかった。

「佐紀…よかったら話してくれないか…君のお父さんのこと」

金八の言葉に佐紀は静かに父親の事を話し始めた。
「突然倒れちゃったんです…お父さん…あんなに元気だったのに」
父親が亡くなったのは佐紀が小学校5年生の時だった。
脳卒中で倒れ一命は取り留めたものの、半身不随になってしまった体に憤りを感じ
うつ状態になった父親は自ら命を絶ってしまった。
そんな父親の話を、ただ淡々と佐紀は話をした。
「大好きだったんですよ…お父さん」
働き者で、強くて、いつだって優しい父親が佐紀は大好きだった。
だから毎日病院に通い、体の不自由な父親の為に、食事の世話を欠かさなかった。
「だから夏焼に食べさせるのが、上手だったんだね」
「先生…お父さんね…食事の時間が一番好きだって言ってたんです
佐紀が食べさせてくれるから、おいしいって…」
「ねえ 佐紀…」
黙って佐紀の話を聞いていた雅がうつむいたまま話し始めた。

582 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 03:41:09 ID:N1H98ZOV0

「同情するから言う訳じゃないよ、それに佐紀がうちらにしてきた事
まだ許せないから…だから、今言わないと一生言えないかもしれないから言っておく…」

雅は照れ臭そうに目を逸らしたまま佐紀の方を見た。
「ありがと ご飯…おいしかった…」
その言葉に佐紀は唇を噛み締めると、無言で食堂から飛び出た。
走り去る後姿に雅は呆気にとられていた。
「なんだよあいつ!人が恥ずかしいの我慢して言ったのに!」
「ばか!」
不貞腐れている雅を友理奈は怒った。
「嬉しかったんだよ…佐紀は 
お父さんと同じこと言ってもらえて…嬉しかったんだよ!ばか!」
涙を流して怒っている友理奈を、金八は眺めながら思っていた。

『なあ佐紀…よかったなあ…いい仲間がいて…でも佐紀…君にはまだまだ秘密があるね
その腕の火傷の痕…聞かにゃいかんなあ…誰にやられたんだい…佐紀』

583 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 03:43:27 ID:N1H98ZOV0

気分を害した方はごめんなさい…最近身近で脳卒中になってしまった方がいたので書きました
両手首骨折も自分で経験したので参考にしました 少々気になったのでお詫びいたします

一斑作家さんどうぞ ↓

584 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 04:00:30 ID:jCHJNIBG0
おれの友達の親父も脳卒中で亡くなったんだけど全然不快ではないですよ!
やはり人間ドラマを書く上で【死】というジャンルからはさけられないし
愛と尊厳と情熱を持ってして書いてきましょうよ!

585 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 07:51:01 ID:oST5uVMf0
川´・_・`川<みんな、だぁいすち!

初代金八の時中3だったおっさん、不覚にも目から鼻水が出てきた。

586 :ねえ、名乗って:2006/06/18(日) 20:23:55 ID:jCHJNIBG0
ようやくにして遅い夕食を終えた生徒達は、各自の部屋に散っていく。
時間外の入浴を許可され、千奈美は洗面用具を取りに部屋に戻った。
 
今日一日の疲労をどっと肩に感じ、ふすま扉を開いた。
「あっ・・・ちなみ・・・」
桃子と梨沙子が深刻な面持ちで、千奈美を見つめ雅の事故の報せを待ちわびていた。
「どう・・・どうだった・・・雅。」
桃子達が体操座りのまま、千奈美の言葉に固唾を呑んだ。
 
「うん。両腕骨折。」
梨沙子が顔をしかめる。
「でも他は全く大丈夫!!異常なし!もう二班戻ってきてるから。」
「そう・・・なんだぁ!」
桃子達は一斉に安堵の溜め息を漏らした。
「うわぁ・・マジ心配したもんっ! ね!?梨沙子」
「うん!よかったぁ!」
そう話す二人の目は見るからに赤く、頬にはくっきりと涙の跡が刻まれていた。

千奈美は思い出したように、スポーツバッグから洗面用具を取り出しバスタオルを肩にかけた。
「桃子、そういえば佐紀は?あの子お風呂どうすんだろ・・」
「いやぁ・・佐紀ちゃんは見てないよ・・ね!?梨沙子」
桃子が梨沙子に同意を求めると、梨沙子は首を振る。
「でも佐紀ちゃん風邪気味だって・・・お風呂入んないって言ってたけど・・」

「ふぅん・・・まあいいや。とりあえずウチ風呂いってくるから。」

一日分の疲れと汗を洗い流すために、千奈美は重たい足取りで浴場へ向かった。


587 :ねぇ、名乗って:2006/06/18(日) 21:10:15 ID:jCHJNIBG0
佐紀は昂ぶる気持ちを静めるために、外の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

「ありがとう・・ご飯おいしかった」
雅がこんな自分に感謝してくれた、気が付くと父親の事も話していたし。
急激に人間くさく感情的になっていく自身が、とても怖く不安だった。

人間くさく感情的になるという事は、怒ったり 笑ったり 泣いたり 叫んだり
照れたり 焦ったり ドキドキしたり 悔しがったり恋をしたり・・・
色々なことを感じながら生きて行かないといけない。

そんな普通の人からしたらなんでもないことが、今まさに変わろうとしている佐紀にとっては堪らなく怖いものに感じられた。

だが今日感じたことは、紛れも無く自分の心が感じたことだった。
雅に生きてて欲しいと思ったこと、雅が助かってホントに嬉しかった事。
雅のギプスを見ながら痛そうだなぁと思ったこと。

佐紀は気が付くと旅館の外に出ていた。
京都の夜の空気はとても新鮮で、どこか懐かしく佐紀の胸を優しく満たしてくれた。

佐紀は力いっぱいの伸びをすると、急に踊りたい衝動に駆られ、
近くに見つけた公園に向かって歩き出した。


588 :ねえ、名乗って :2006/06/18(日) 21:36:31 ID:jCHJNIBG0
そこには人影もなく、夜独特の静かな空気が公園中を支配している。
東京ではきっと味わう事のない、澄み切った重圧感のある静寂だ。

佐紀はこのカンジが堪らなく好きだった。
音楽なんて要らない、佐紀はこの重圧感と一体化するように、ゆっくりと瞼を閉じた。

佐紀は二度三度天を仰ぐと、おもむろにウィンドブレーカーを脱ぎ捨てた。
公園の鈍い明かりが、佐紀の傷をぼんやりと映し出す。

佐紀の無言のリズムが、張り詰めた夜の空気を軽快に引き裂いた。

589 :ねえ、名乗って:2006/06/18(日) 23:51:24 ID:jCHJNIBG0
方や雅は部屋で茉麻達の帰りを待っていた。
不自由に固定された両腕を眺めながら、食堂での事をぼんやりと考えていた。
『佐紀か・・・・アイツもなんか可哀相なヤツだったんだな・・・』
優しい手つきでスプーンを口に運んでくれた佐紀の姿を思い浮かべる。
『お守り・・か。 ああ!!ますますわからん!!』
佐紀のくれたリストバンドに目をやると、雅の胸に複雑な感情が沸き起こる。
雅は何事も自分で考え行動できる種類の人間であったが、
正直佐紀に関しては、これからどう接していけばいいのか皆目見当も付かずに雅はリストバンドからめを逸らした。

茉麻達を待つのに焦れた様子の雅は慣れない手つきで窓を開いた。
気分転換に外の景色と空気とを取り入れろ。
その瞬間、雅がおや?と眼を見開いた。
「佐紀・・・じゃん・・」
旅館の前では佐紀が大きな伸びをした後、どこかに向けて歩き始めた。


590 :ねえ、名乗って :2006/06/20(火) 00:02:02 ID:SAFwrjkm0
雅は己の興味に惹かれるまま階下に降りた。
ただでさえ目立ちすぎるギプスをひた隠し、教師等に見つからないように、摺り足で玄関口を抜ける。
 
『あぁ・・やっぱ見失ったかぁ・・・』
雅は辺りを見回すと、大きな溜め息を吐く。
佐紀の歩き去っていった方向だけが、雅に残された唯一の選択肢だった。
雅はやれやれと、その方向を目指し、歩き出した。

『なんか、佐紀にはもう関わりたくないって思ってたのに・・・なんでこんなに引っかかるんだろ・・・』
雅は胸の内に封印していた、思い出したくもない記憶を呼び覚ます。

自分を強請っていた時の佐紀の姿を・・・
「雅、千奈美のあの機械壊してきてくんない?」
「雅、転校生少しいじめてきてよ・・・給食の残りでもカバンに入れといて・・」
いつでも感情の込められていない口調が雅を操っていた。
あの時の佐紀は雅が目的を果たしても、全くと言っていい程嬉しそうな顔をするわけでもなく、
ただ淡々と雅に次の命令を課してくるだけだった。
今になって思えば、その口調の裏には何か得体の知れない哀しみのようなモノが秘められていたかもしれない。

『アイツ・・・佐紀は、いったい私に何をして欲しかったんだろう・・ホントはあんなことしたくなかったのかも・・』
雅のなかで混乱と同情めいたものが入り混じる。
「あぁ!面倒くさい!!」
人の噂やあれこれと詮索するのが大の苦手だった雅は、首を大きく振り自身の迷いを一喝した。



591 :ねえ、名乗って :2006/06/20(火) 00:19:21 ID:7UIAgNwl0
旅館から歩き始め、5分ほどしたところに大きく開けた公園のようなものが雅の視界に入ってきた。
「腕使えないから、結構つかれるな・・・この歩き方。」
雅はロボットのように歩きつづけたせいか、たかだか5分あるいた程度で全身に疲れがまわり、額を汗が伝う。
「やばいな・・・この辺暗すぎるよ・・・」
雅は若干の不安を感じ、公園で引き返そうとした。

「!!!」
その時雅の視界に一つの小さな人影が飛び込んできた。
霊的ななにかだと思い雅は腰が抜けそうになるが、よく眼を凝らすと人がなにやら踊っている。
雅は引き込まれるように公園内に入っていく、恐る恐る気配を気付かれないように。

592 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 00:51:37 ID:7UIAgNwl0
「佐っ・・!!」
そこで雅は、信じ難い光景を目の当たりにする。
危うく大声で叫びそうになる一歩手前で、雅は彼女の名を呑み込んだ。

あの佐紀が、冷徹で無表情で喜怒哀楽の全てを拒んで生きていると思っていた佐紀が、
公園の明かりに照らされて、生き生きと躍動し、髪を振り乱し踊っている。
雅は感動というよりも、ただ驚き声を失いそこに立ち尽くす。
『なんで!?なんでよ!あの佐紀が・・・』
雅は、佐紀の展開する魂の放出を、眼を背けることなく見つめる。
雅がようやく暗闇に目が慣れてくると、彼女は更に言葉を失う。
佐紀のカットソーから伸びる腕や背中に幾つもの傷を確認した。
青痣、ミミズ腫れ、火傷、切り傷、何種類もの傷跡が身体のあちこちに遺されている。
雅は思わず眼を背け、激しく動揺している自分に気付いた。


593 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 01:08:51 ID:74HamQGU0
ドキドキ…

594 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 01:10:33 ID:7UIAgNwl0
『ただ事じゃ・・・ないよね・・』
雅はこの時初めて自分一人で来てしまったことを後悔した。
この激しい動揺を分かつあいてがいないことを、目の前の笑えない光景と自分一人で対峙していることを。

自分の力だけでどうにかできる問題ではないと思われる程、佐紀の傷には凄まじい衝撃と、異様なまでの説得力があった。
雅は混乱の渦に巻き込まれながらも、屋上での佐紀の悲しげな笑顔の意味がやっと理解できた。
『ああ・・・あいつ助けて欲しがってたんだ・・・じゃないと、あんな風に笑えない・・もんね。』
雅が不自由な手で頭を抱えると、誰かが雅の肩にそっと手を置いた。

「金八先生っ・・・」

595 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 01:40:51 ID:7UIAgNwl0
「いつから・・・いたの?先生・・・」
雅が頼るように坂本を見据える。
「う、うん。夏焼が旅館を出て行った時からだよ。うまく抜け出したと思ったかい?」
坂本は極力小さな声で話しかけた、この荘厳で神聖な夜の空気を壊さないように。
「うん・・佐紀がふらふら歩いていくのが見えちゃって・・・すごい気になって。」
雅は悪びれることなく話す。
「清水。佐紀。だね?あそこにいるのは・・」
坂本がてっきり二人を、すぐさま連れ帰るものだとばかり思っていた雅は、坂本の佐紀を見守る優しい眼差しに心を許す。

「せんせ・・佐紀踊ってる・・・」
「うん。素晴らしいね・・あの子にあんな特技があったなんてね・・」
「佐紀、すごく楽しそうだよ・・せんせ」
「ああそうだね・・苦しみを苦しみ抜こうと、笑ってるんだ・・あんな生き生きして」
坂本の鼻を啜る音が夜の空気に触れた。
雅がはっとして、彼の横顔を覗くと坂本の小皺だらけの目を涙が濡らしている。

「先生・・・泣いてるの?」
「ああ。泣くよ私は何時だって・・・佐紀が泣こうとしない分、私が幾らでも泣いてみせるよ・・」
「せんせい・・・」
雅もまた、佐紀の傷に誘われるように、頬を涙が伝う。
「なあ・・雅。先生に力を貸してくれないか?」
坂本は佐紀を見つめながら、呟く。
「えっ!?私じゃ・・私なんかじゃ・・・」
雅は困惑しながらも坂本の言葉の続きを待った。



596 :ねえ、名乗って:2006/06/20(火) 01:55:47 ID:7UIAgNwl0
「雅が何かするなんてことじゃないさ・・」
坂本の謎掛けにも似た言葉が雅の疑問を誘う。
「でも先生、力貸せって・・・」
「うん言ったよ・・ただ雅は佐紀を許してやってくれないかな・・・?
時間が掛かっても構わない・・ゆっくりでいいから少しづつ、佐紀を許してやって欲しい。
いつか佐紀が素直に泣けるようになれた時、胸を貸してやれる人になって欲しい。
もう佐紀は人は一人じゃ生きていけないってきづきはじめているんだ・・・
だからその時のために雅・・・佐紀を許してあげてください。」
言い終わると、坂本は雅に深々と頭を垂れた。

「わかりました・・・先生・・」
「ありがとうな・・・雅。」

京都の空気が運ぶ涼しげな夜風が、三人を包み込んだ。


597 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 01:59:28 ID:7UIAgNwl0
最後少しダレたーーーーーーっ!!!!orz
また考えとくんで二班さん他作家さんなにかあれば(ry


598 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 22:18:14 ID:74HamQGU0
二班思い浮かばず…&週末まで不在で書けませーん
一斑作家さん続きよろしく!興味しんしん展開なので携帯で覗いてまーす
他の作家さんも二班なにかあったら遠慮なくどうぞ 
では… ノシ

599 :作家様達の崇拝者:2006/06/20(火) 22:49:01 ID:NwU5k/t8O
いよいよ佐紀の問題に突入しそうですね。
やはり、みやが人肌脱ぐ展開なのかな?
何かアホキャラになっちゃってる、ももちに活躍を期待したいところですね。

毎日、楽しみに読ませて頂いております。

600 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 23:08:26 ID:lpXKSPXoO
そんなそんな恐縮しちまいます・・・
当初は糞スレと叩かれ、もうやめようもうやめようと書いてるうてにやっとここまで来ちまいやしたorz
ももちにはオーデで活躍させて行きたいなとおもいまつ!
まあマターリ行くつもりなんで気楽にROMってやってくださいw

601 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 23:36:28 ID:74HamQGU0
600おめ!
ほんとよく続いたねぇw
これからもみなさんよろしくどうぞ

思い浮かんだんで少々書きます… ↓

602 :ねぇ、名乗って:2006/06/20(火) 23:40:46 ID:74HamQGU0

茉麻は最上階の非常階段に通じる扉を開けた。

「よいしょっと」

涼しい秋風と共に京都の夜景が視界に入る。
湯上りの体が、風と光に包まれ心地よかった。
「まあさ…こっち」
声が聞えた方へ階段を昇った。
「ごめん待った?まいみくん」
手摺りにもたれ掛って夜景を眺めていた矢島が振り返る。
「ううん いま来たところ」
風呂あがりの矢島は学校では立てている髪をおろしていた。
いつもより幼く見えるその姿に、茉麻は嬉しくなった。

「いつもと違うね まいみくん」

「そう?」

「なんかかわいい」

茉麻は、矢島に近づくと、髪の毛を無意識に掻きあげていた。
いつも雅の髪の毛に触れている茉麻には、手を握る事よりも自然な行為だった。
「気持ちいいね…髪の毛…」
髪を掻きあげる度にただようシャンプーのいい香りに
茉麻は気付かれぬよう、大きく息を吸った。

「なんか…恥ずかしいな…」

「だってサラサラなんだもん…まいみくんの髪の毛」

緊張している矢島の様子に茉麻はクスッと笑って手を止めた。

603 :ねえ、名乗って :2006/06/20(火) 23:47:11 ID:7UIAgNwl0
600キターーーーーー(゜∀゜)ーーーーーーーーーッ!!!

604 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 00:01:33 ID:6srwc9JzO
ロリコンが集まるスレ
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1148826861/

605 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 00:15:31 ID:FDFtKhYz0
ネタ切れなんでスイチョンでも見てベリ補給するよ!
>>602
あとヨロ!!あんま夜更かししないようになノ

606 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 01:44:20 ID:cSizytkF0

髪の毛を触るのを止めた茉麻は、矢島の隣で夜景を眺めた。
都会の喧騒とはかけ離れた、静かな夜景の中で、
裏庭の大きな木が風に揺れる『さわさわ』という音だけが響いてた。

「なんか…不思議だよね」

「なにが」

「東京からうんと離れたところなのに
まいみくんとふたりっきりでいるなんて…不思議でしょ」

茉麻は矢島を見てほほ笑み、また視線を戻した。
京都駅に向かう電車の光が、夜景の中を流れていった。
「今日ね、寂しくなっちゃった。もうこんな風に
みんなで一緒にいるのも僅かなんだなあって思って
勉強、勉強で遊ぶ事も無くなっちゃうんだろうなって…
離れ離れになるんだよ…みんな」
茉麻は階段の手摺りにつかまって、寂しそうにその光を見つめた。

「今日はよく話すね…なんかいつもと違う」

矢島の言葉に首を傾げた。

「そうかな…」

607 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 01:45:31 ID:cSizytkF0

「おれは嫌だな…離れ離れになるのは」

そう呟いた矢島の瞳は真剣だった。
「おれ、おまえより頭悪いけどさ…頑張るから」
矢島は手摺りにつかまる茉麻の手に、自分の手を重ねた。

「まいみくんも今日変だね…」

「考えたんだ…おれ」

「うん…」

「同じ高校受けようよ…」

少し汗ばんだ大きな手…その手を見つめて
茉麻は、ほんの少し先にある『ふたりの未来』を想像して矢島の手を握り締めた。
「わたしも思ってたよ 一緒に学校行って、一緒に授業受けて
一緒に学校帰って…だから…一緒に頑張ろう…ね」

見詰め合ったふたりの心は幸せでいっぱいだった。

608 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 01:47:05 ID:cSizytkF0
あーさぶくなった
もう寝よw
あとはよろしく ノシ

609 :信望者:2006/06/21(水) 14:45:23 ID:QXiDKKKvO
まあと矢島はめでたしめでたしですね。
みや一人が割り合わない感じですよね。でもねぇ彼女は特殊な恋愛形態だから、なかなか上手い落とし所は難しいですよねぇ。
意外と佐紀が絡んできたりして…。
余計な事を抜かして失礼しました。

続き、マタ〜リ待ってます。

610 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 15:11:41 ID:TWO9tvY0O
二班さん乙!また良ネタ考案しとくよ
ROMさんどうもorz
参考にさせてもらうよ!

611 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 15:34:33 ID:TWO9tvY0O
雅と坂本は、佐紀が躍り終えたのを見届け、旅館へと帰る。
慣れない体勢で歩いた事よりも、佐紀に関する一連の出来事で雅はぐったりと疲れ果て、旅館の階段を重たくなった足取りで、一歩一歩上っていく。
部屋に着くと、皆が談笑している気配が扉の外からでも伝わってくる。

「おかえりー!おじゃましてまーす!!」
何故だか二班の女子は友理奈しか居らず、代わりに一班の皆が雅の帰りを出迎えてくれた。

612 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 15:56:04 ID:TWO9tvY0O
「あれ?なんか賑やかだと思ったら・・・来てたんだ。茉麻は・・・?」
雅は疲れのせいもあり、つっけんどんな歓迎をする。
「まあさんなら、少し前に鼻歌交じりに出てったきり・・・」
友理奈が暗に、一人で退屈だった事を匂わせると。
「まあは・・・言わなくても解るでしょ!?それより、みやこそどこいってたのよ、そんな体で・・・」
千奈美が逆に雅に聞いてきた。
雅は一瞬、佐紀の事を話すべきか思案するが、何故か今話すのは、佐紀に対してフェアではない気がし、出かかった言葉を呑み込んだ。

613 :ねぇ、名乗って:2006/06/21(水) 16:31:00 ID:TWO9tvY0O
「う、うん・・・ちょっとね。夜の京都をさ・・・」
千奈美は雅が嘘をつくときの、些細な癖を見逃すことはなかったが、雅の表情には明らかに余裕が感じられず、その続きを訊く事を躊躇った。
「まぁいいけど・・・みやの体なんだし。」
千奈美は周りの興味を断つように、敢えて淡々と答えた。

614 :ねぇ、名乗って:2006/06/22(木) 00:46:30 ID:Qpx61+g90
「で?何やってんの?」
雅は畳に散りばめられたカードらしきものに、目が行く。

「ぼーずめくりーーっ!」
今の今まで雅たちの会話の行方を見守っていた梨沙子が、唐突に口を開いた。
「坊主めくりって・・・あんた達いつの時代の・・・・」
「いやぁ・・うちらも最初は雅と同じこと言ってたんだけどね・・・」
「こらが意外と楽しくて・・・ねっ!?」
友理奈と千奈美は、はしゃいで互いに顔を見合わせた。
「みやびも入るし、何か賭けようよーーっ!」
桃子がいつになく、高いテンションで友理奈達に続いた。
「ちょっと!私やるなんて一言も言ってないしっ・・」
いち早く布団に入りたかった雅は、桃子の言う決定事項に待ったをかけた。

「えぇーーーーやろうよぉーーみやびぃーー」
梨沙子もまた雅の腕を掴み、甘えた声でせがんだ。
「ちょっ!痛いってば!」
梨沙子は驚いて腕を放すと、今気付いたとばかりに雅の骨折を気遣う。

「わかった・・・わかったから!やるよ!やりますよ。」
雅は友理奈の大人気ない自分を見るような視線を肌で感じたのか、居直ったようにその場にあぐらをかいた。
「で?何賭けるの?」
桃子は待ってましたとばかりに言い放つ。
「じゃあ・・・負けた人が好きな人を言うってのわぁ?」
その瞬間、雅と千奈美と友理奈の目が合った。
「無理っ!!!」
二人は雅の動揺を察したように、声を合わせ桃子の提案を却下した。
「なんでーー!つまんないのっ!」
こうして五人は茉麻が帰るまで延延と、罰ゲームの提案を繰り返すのであった。

615 :ねぇ、名乗って:2006/06/22(木) 16:08:42 ID:n30geZzSO
また夜にでも更新しますorz

616 :ねぇ、名乗って:2006/06/23(金) 00:17:11 ID:E+WeLsJzO
のんびり待つぞい

617 :ねぇ、名乗って:2006/06/23(金) 00:23:04 ID:m5vidNuQO
のにゅ。

618 :ねぇ、名乗って:2006/06/23(金) 00:57:50 ID:p3tfNBKz0
思う存分に夜の京都と一体になり、体中を充実で満たした佐紀は、旅館へと辿り着いた。
心地良い疲労が佐紀の感情を昂ぶらせ、級友達と色々な事を語り合いたい衝動に駆られる。

佐紀がはやる気持ちを抑え、扉に手を掛けると、そこには佐紀の描いていた光景は無く、
生徒等の荷物だけが、薄明かりに照らされていた。

「ただいま!・・・・みんな・・・」
佐紀は無人の空間に向かって、寂しげに言葉を投げかける。
返事など返ってくるはずもないと解っていながらも、佐紀の胸の内は無性に感傷的な気持ちに襲われた。
「だれも・・・いないか・・・」
佐紀は一人呟くと、乱雑に敷かれた布団に仰向けになった。


619 :ねえ、名乗って:2006/06/23(金) 01:27:45 ID:p3tfNBKz0
今日という日に何か特別な意義を感じ、どこかで自分を変えられると信じていた佐紀は、
今目の前にある、無人で薄明るい空間に対して、様々な思念が頭をよぎる。
『今日の私・・・どう映ってただろう・・・千奈美の前で泣いちゃったし・・・
やっぱウザいとか思われちゃったかな・・・
雅にだって・・・もっと伝えたい事あったし・・・桃子にも梨沙子にも、茉麻や友理奈にだって・・・』
今日一日で関わった級友達の顔が、薄明かりごしに思い出される。
『何かむずかしいな・・・仲良くなるのって・・・』
一人では重苦しく感じられる部屋の空気を逃がそうと、佐紀は窓に手を伸ばすと、
茶卓の上に書置きのようなものを見つけた。


620 :ねぇ、名乗って:2006/06/23(金) 10:22:33 ID:QiWjP4oPO
せめて初日だけでも終わらせようと思ったが気付いたら寝落ちしていたわ・・・orz
申し訳ない・・・

621 :ねぇ、名乗って:2006/06/24(土) 00:21:11 ID:gyfJ92650
「ん?」
佐紀は不思議そうにそれを手に取ると、明かりを点けずにそれに目を凝らした。
どうやら桃子のものであるらしい筆跡が、幾分か彼女の怪訝そうな表情を和らげた。

―佐紀ちゃんへ―
いままでどこにいたの!みんな心配してたよ!
風邪ひいてるんだから、じっとしてないとこじらせちゃうよ!
私たちは友理奈のとこにいるから、気が向いたら遊びにきてね!  桃子

あと千奈美が風邪薬もらってきてくれたみたいだから一緒に置いとくね!





622 :ねぇ、名乗って:2006/06/24(土) 01:27:48 ID:gyfJ92650
佐紀はそれを読み終えたそばから、言いようの無い嬉しさで胸を詰まらせた。
皆が自分の事を気に掛けていてくれた紛れもない事実が、そこに記されている。

今すぐ部屋を飛び出し、皆の所へと駆けて行きたくなるが、自分の吐いてしまった嘘が佐紀を踏みとどまらせた。
自身の傷を隠す為に、止むを得ず吐いた嘘だったが、千奈美がわざわざ自分の為に薬を取りに行ってくれた事を思うと、
皆の前でどんな顔をすればいいのか解らなくなる。
『いつまでそうやって逃げる気?今日行かなくて次があると思ってんの!?』
頭の中で今まさに変わろうとしている自分が、内気な彼女を叱咤するが、
皆と友達になることがどうしても自分の傷を知られてしまう事と結びついてしまい、
そしてその懸念こそが、佐紀を部屋から出させない大きな要因であった。

結局佐紀は、自分に幾つかの言い訳をしながら、眠る事を選んだ。
千奈美の持ってきてくれた風邪薬を、洗面台の水でながし込み、部屋の電気を全て消した。
仮病に風邪薬など効きようも無かったが、その分佐紀が患っている心の風邪を少しだけ癒した。

こうして三B修学旅行の初日は幕を閉じた。


623 :ねぇ、名乗って:2006/06/24(土) 03:03:25 ID:gyfJ92650
薬の副作用で思いのほか眠り込んでしまった佐紀は、桃子の声で目を覚ます。
「さきちゃん!さーきーちゃん!!おーきーて!!」
「ん!?」
毎朝必ず自分で起きている彼女にとって、誰かに起こされること事態が既に非日常的風景なのに、
眠りの浅く、熟睡など久しくしていなかった佐紀は、寝惚ているという状況がうまく呑みこめずに混乱している。
「佐紀ちゃん!起きた!?」
桃子が不安気な顔をしながら覗き見る。
『あぁ・・・修学旅行だったんだ・・・』佐紀はおぼろげながら何とか今の状態を把握する。
部屋に帰ると誰もいなくて、手紙があって、薬飲んで・・・・
それにしても体中の関節が痛い・・・頭はぼうっとするし喉に違和感を感じる。
起き上がるのが億劫に思えるほど、全身がダルい・・・・・。
「さきだいじょうぶ?顔あおじろいよ・・・」
梨沙子が心配そうに彼女の額に手を触れる。
「あついかも・・・」
梨沙子が自分の額に手を当て、体温を比べる。
「ほらっ!言わんこっちゃない・・・ちゃんと班長の言う事聞かないから・・・」
遠目から千奈美がぶっきらぼうな台詞を投げかけ、かすかに微笑んだ。
その笑みが『ちゃんとクスリ飲んだの?』と言っているようで、佐紀は照れたように起き上がる。
起き上がった瞬間、視界が揺れ前につんのめる格好で千奈美に寄り掛かった。
行きの新幹線での千奈美の形相が頭をかすめ、佐紀は思わず千奈美から距離を置く。
「ちょっと!大丈夫?かなりフラついてない?」
佐紀の不安をよそに返って来た言葉は意外で、とても自然で温度が感じられた。
「・・・・・大丈夫。千奈美ありがとう・・」
佐紀は薬の件での感謝を伝えようとするが、千奈美が照れ臭そうに目を逸らした為、
言葉の続きを胸の奥にしまった。
「じゃ・・時間だし行きますか!」桃子がゴツめのデジタル時計に眼をやる。
「さきの荷物はりーが持つっ!」梨沙子が佐紀のトートバックを肩にかけた。
佐紀の弱々しい背中に見かねて千奈美が堪らず声を掛けた。
「辛かったら・・無理しないで言ってよね・・・肩くらい貸してあげるから・・」
千奈美はそう言うとすぐに歩き出した。自分の照れて火照った顔を見られないように。
『うん・・・ありがと。』 佐紀は足早に歩き去る、千奈美に無言で頷いた。


624 :ねぇ、名乗って:2006/06/24(土) 03:05:14 ID:gyfJ92650
取り敢えず朝早いのでこの辺で(ry

625 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 12:31:51 ID:ftQ0lMsaO
しばしお待ちをorz

626 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 17:58:30 ID:nKXYWv1u0
ふぅーーーー

627 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 20:44:22 ID:6nl4wNBq0
のんびり考えてね
二班なにも書けてませんので…


628 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 21:08:09 ID:eNGV23PYO
ノノl∂_∂'ル<語スレから保全しにきますた

629 :ねえ、名乗って:2006/06/25(日) 21:30:02 ID:tVyJriaD0
四人は早々に食堂に着くと、そこにはもう数組の生徒しか居らず桃子達は急いで席に着いた。
「ぎりぎりだったね・・・」
桃子が状況を察して小声でささやいた。
「とりあえず・・・急ぐか!」
千奈美はなんだか「とりあえず」が口癖になってしまったように、割り箸を割いた。
「うん!急がなきゃ!!」
梨沙子はおもむろにナマタマゴを溶き始めると、それを湯気の立つご飯の上に流し込む。
「うわっ!りさこもやるんだぁ!卵かけごはん!」
桃子が嬉しそうに自分もと、同じ動作を真似た。
「ちょっとぉ・・・貧乏クサイんだから・・・」
そう言い捨てる千奈美の白米は、既に味噌汁の中に沈んでいる。
「ぷっ!」
その光景を見ていた佐紀が思わず吹き出した。


630 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 22:16:04 ID:tVyJriaD0
『なんだ・・また笑ったじゃん・・・』
千奈美は佐紀の笑顔を横目に猫飯をサラサラと流し込む。
梨沙子に続き桃子もあっという間にそれぞれの朝食を平らげた。
適度に満腹感をこしらえた三人は同時に佐紀の方を向き、全く手の付けられていない朝食に見かねて、
心配そうに溜め息を漏らした。
「佐紀ちゃん・・・食欲ない?」
佐紀が、自分はいいから早く行こうとふらついた足つきで席を立つ。
「だめだってば!少しでも食べないと!薬効かないじゃん!」
千奈美はもう、風邪薬の事で照れたりはせずただ心配そうに朝食を佐紀の前に寄せた。
佐紀は千奈美に対し無言で頷くと、それらを一口ずつ口に運んだ。
「もう無理?」箸の進まない佐紀の顔を、梨沙子が覗き込む。
「ごめん・・・無理っぽい・・」
佐紀が申し訳なさそうに、首をコクリと動かした。
梨沙子が「そっか・・」と残念そうに佐紀の膳を返却しに席を立った。
「あっいいよ!梨・・」佐紀は梨沙子を呼び止めようとするが、咳で言葉が咽かえる。
佐紀は心底すまなそうに、薬と湯呑みを手にした。
「ちょっ!!ストーーップ! 佐紀ちゃんダメだよぉ・・薬は水で飲まなきゃ・・」
桃子はそう言うと、佐紀の湯呑みを取り上げ水を取りに行った。



631 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 22:52:12 ID:tVyJriaD0
残された千奈美が気まずそうに辺りを見回している。

「ね・・・千奈美?」
「何よ?」
昨日とは異なった、居心地の良い気まずさが二人を包み込む。
「あのさ・・・・ありがとね・・色々。」
佐紀の「色々」という言い回しが、千奈美の照れと緊張を幾らか吸収し、
「ホント・・・・色々と世話が焼ける学級委員だこと・・・」
皮肉を込めて言ったつもりが、全く様になってなく、逆に二人の距離が少しだけ縮まる。
「はい!お水!」 
佐紀は彼女に礼を言うと、それを一気に飲み干した。
「佐紀ちゃんて意外と甘えんぼさんなんだからさぁ・・・まぁ桃は大人だからぁ?
困ったら何でも聞いてきていいよぉ!」 桃子の軽口が二人の笑いを誘った所に梨沙子も戻った。
「吉幾三!!!」 千奈美の放ったギャグを、三人とも理解した気配は無く、桃子等は足早に食堂を後にした。

「ちょっとぉー!今笑うトコぉー!!」取り残された千奈美が、恥ずかしそうに皆を追いかけた。

632 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 22:57:52 ID:tVyJriaD0
時間かかり杉てスマソorz

強烈な二日酔いが・・・・と言い訳を頭痛いのでまた明日ノシ

633 :ねぇ、名乗って:2006/06/25(日) 23:17:01 ID:VKveFr/mO
>>632
頑張れよ!ノシ

634 :ねぇ、名乗って:2006/06/26(月) 16:25:29 ID:DxFPh9JCO
奈良の観光は、全クラス合同ということもあり、バスの前では交友範囲の広い何人かの生徒達が、ワザと乗り込むバスを間違え白々しくボケてみせたり、ここぞとばかりに意中の男子に近づこうとする生徒もちらほら見えたりしている。
黄色い声や野太い野次に包まれて、バスの前は若い活気で満ちていた。
佐紀はそんな景色を薄れかけた意識の中、ぼんやりと頬杖をつき眺めている。
自分の嘘から感染してしまった風邪と窓ごしに映る男子の大袈裟な動きに、時折苦笑いしながら視線を前の背もたれに戻した。
「よいしょ!」
隣の座席に微かな揺れを感じ、その方向に振り向くと、綺麗な黒髪を二つに束ねた友理奈が、こちらに笑いかけてきた。
少しだけハスキーがかった友理奈の声が尋ねる、
「お嬢さん、隣失礼するよ!」と。

635 :ねぇ、名乗って:2006/06/27(火) 01:10:12 ID:wCkoiXwCO
「え?」
佐紀が返答に困って口をつぐむ。
「ねぇ、佐紀の隣いい?」友理奈が悪びれる様子もなく、荷物を網棚に乗せ佐紀に向き直った。
佐紀は目の前の友理奈にも、後ろめたさの種があった。
雅を仕向け、彼女に不快な思いをさせてしまった過去が、よりいっそう佐紀の言葉を奪い去る。
しかし友理奈も残念な事に、幼くして父親を亡くしたクラスメートを放っておくような薄情さは持ち合わせてなかった。
「風邪、大丈夫?」
恐らく桃子達が話したのだろう、友理奈は一変して心配そうな表情を投げかけた。

636 :ねぇ、名乗って:2006/06/27(火) 01:42:06 ID:wCkoiXwCO
「うん・・・少し熱っぽいかも。」
佐紀が極力短い相槌でその場をやり過ごしていると雅達が社内に乗り込んで来た。
佐紀と友理奈の珍しい組み合わせを、不思議そうな顔で、チラリと一瞬見やると、何事もなかったように彼女達は着席する。
「風邪感染っちゃうから・・・」
佐紀が耐えかねて口を開く。
「いいから!そん時はそん時!学校サボって昼ドラでも観るよ!」
友理奈の屈託のない笑顔に、佐紀は観念し、小さく頷いた。

637 :ねぇ、名乗って:2006/06/27(火) 02:08:02 ID:wCkoiXwCO
「はぁー!ウリャオイウリャオイ!ヤヨー!ヤヨー!」
車内でのカラオケ大会に男子達が悪ノリし、なにやら不可解な合いの手を入れている。
佐紀は周囲の雑音に顔をしかめ、なんとか平然を保っている。
「佐紀、大丈夫?ボリューム下げてって言ってこようか?」
友理奈が気を遣い佐紀の顔色を伺う。
「大丈夫。みんなすごく楽しそうだもん・・・なんか悪いし。」
「でも・・・」
友理奈がもどかしそうに、騒ぐ男子達を睨み付ける。
「いいって!私は平気だから・・・」
そう言って、佐紀は無理矢理に笑顔を作った。

638 :ねえ、名乗って:2006/06/27(火) 23:57:24 ID:6LWCOFVH0
今日明日と仕事遅までだからまた木曜にあげるよぉorz

639 :ねぇ、名乗って:2006/06/27(火) 23:59:31 ID:6LWCOFVH0
なにかあれば遠慮なくどーぞ!
一応佐紀と友理奈で練ってるから

640 :ねぇ、名乗って:2006/06/28(水) 01:57:02 ID:Q85wTE02O
ノノl∂_∂'ル <保全するよ

641 :愛読者:2006/06/28(水) 02:06:21 ID:aEW8i0/5O
友理奈が絡んでくるんですね。
作中では雅に負けじ劣らず男気のあるキャラだもんね。私だけがそう思ってるかも知れないが。
次作、首を長くして待ってます。
取り敢えずは本業の仕事を頑張って下さい。

642 :名無し募集中。。。:2006/06/28(水) 17:25:05 ID:Jbamtucc0
この修学旅行でけっこう人間関係が変わりそうだなあ。
キャプテン…じゃなくて学級委員も立ち直りつつあるしなあ。
残る問題児は、あの娘か…

643 :ねぇ、名乗って:2006/06/29(木) 02:08:35 ID:zT78N2N4O
いま仕事オワタヨorz
みなさん感想どーもですw
よりいっそう気を引き締めていいもん書いていけたらなぁてオモタヨ
あとみやびちゃん保全サンクチュアリwwww

644 :ねぇ、名乗って:2006/06/29(木) 06:25:28 ID:W1ZBGHQ30
从´∇`从<毎日みてるお

645 :ねぇ、名乗って:2006/06/29(木) 16:21:35 ID:zT78N2N4O
『似てる・・・』
友理奈はぎこちなく笑う佐紀に、どこか舞波の面影を重ね、複雑な思いを抱く。
佐紀は友理奈の目線がくすぐったくて、落ち着かない様子でしきりに膝のあたりをモゾモゾとさすった。
「何?なにか付いてる?私の顔。」
しびれをきらせた佐紀がようやくに口を開くと、
彼女ははぐらかす素振りも見せずに、自分の親友と佐紀の雰囲気がなんとなしに似ているんだと話してくれた。
特に窮屈そうに笑う箇所が、とてもよく似ているんだと。
佐紀は友理奈の過去について全く知らなかったし、興味すら抱いた事も無かったが、親友の話をしている時の友理奈の顔はとても嬉しそうで、その少女との絆をとても率直に映し出していた。

646 :ねぇ、名乗って:2006/06/29(木) 21:01:19 ID:zVmLsHm00
To: 00257167p@merumo.ne.jp Subject: 安倍なつみマガジン
全文読めない方はhttp://abe-723.b.to/maga/414
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◎ツアーを振り返って〜SL編〜
event.205@abe-723.b.to
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◎あややコンダフ屋行為で逮捕
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▽締切:7/7(金)
◎そこに永遠は見えてるか
coment.55@abe-723.b.to
http://abe-723.b.to/coment/55
●コメント●
◎モーニング娘。やハロプロは栄光の日々がありながら、その時の売れた要因を総括せずに、ファンの意向を無視しながら勝手な耽美的な趣向でプロデュースしている?又はそのように感じられる点が問題のような気がします。
順調な売り上げがあったにもかかわらずハローマゲドンのような過去の否定とか、一般ウケしたダンス☆マンや永井ルイのようなアレンジャーを使わなくなったとか、安易に卒業に走るとか、ダンスパフォーマンスを最大に引き出していない楽曲とか、
メディア戦略の欠如とか、いろいろ要因はあるでしょう。
ですが、私には、売れていた頃のエッセンスを活用していないことが低迷の原因ではないかなと考えています。
つんく♂がなんでも一人で決定しているのではないにしろハロプロのやりたいことは、つんく♂の趣味にしか見えないきらいもありファンの期待や望ましい方向性にそっていない部分が多くそれがファン離れの主たる要因ではないかなと考えています。
ハロプロは世間に認知された時代があります。それは、どうして認知されたのか?それを分析し、活用していくことが復活の要因だと思っています。

647 :ねぇ、名乗って:2006/06/30(金) 00:52:34 ID:Tk44zdc/0
「ふぅん・・友理奈にもいるんだね・・・心の通じ合うっていうの?そんな友達。」
佐紀はつぶやくと、前方ではしゃいでいる雅達に自然と眼をやる。
「うん・・・すごく好きだったんだ。その子のこと。」
友理奈は誇らしげに言い切るが、心の端に引っ掛かっている寂しさまでは、拭い去ることはできなかった。

「でも、離れ離れになっちゃった・・・」
佐紀が友理奈の代わりに言葉の先を埋めると、急に彼女は押し黙り、物悲しげに頷いた。

そして友理奈は数秒の間を置き、周囲がカラオケに夢中になっているのを確かめると、
意を決したように、一年前、自分達に起きた物語を佐紀だけに紐解いた。
なるべく悲劇のヒロインを演じないように、なるべく普段着の友理奈の話し方で。

648 :ねぇ、名乗って:2006/06/30(金) 01:10:41 ID:Tk44zdc/0
佐紀は友理奈の話す物語に「うん、うん」とだけ相づちをし、話の腰を折ることなく終始聞き役に徹した。

友理奈は物語の最後に「おしまい!」と、エンドマークを打つと、照れたようにはにかんで見せる。
「友理奈、気を悪くしたらごめんね。」
佐紀はそう前置きをすると、彼女の物語から感じたことを、率直に打ち明けた。

「友理奈は、その子から逃げ出したくなったこと・・・あった?
こんなことになるなら、関わらなきゃ良かったって思ったことなかった?」
佐紀から思いもしない疑問を受け取ると、友理奈は一瞬ドキッとしたように目を見開いた。



649 :ねぇ、名乗って:2006/06/30(金) 01:39:13 ID:Tk44zdc/0
『また変なこと言っちゃった・・・』
佐紀が友理奈の複雑な表情に気を咎めた。
しかし彼女は口を一文字に引き締めると、まるで当然の事のように言ってのけた。
「あったよ!うん。・・・あった。
事が大きくなって、自分の力じゃどうしょうもなくなった時・・・思った。
なんで?何で私がこんな目に合うんだってね・・・。」
彼女は自分の弱さをさらけだしているのにも関わらず、その表情はどこか誇らしそうで、
良い意味で、『開き直れる人間』の強さのようなものを感じさせた。
友理奈はつづける。「でもね、そのまま見捨てるなんてできなかった。そっちの方がすごく怖い気がしたから。」

友理奈は、いつかそう答えられる日を待ち望んでいたように、とてもせいせいとした面持ちで佐紀に向き直る。
「そういうものなの?」
佐紀はなかなか良い言葉が見つけられずに、適当な言葉を選ぶ。
「そういうもんだよ・・・」
友理奈はそう答えると、遠い目をして外の景色を見つめた。

650 :ねぇ、名乗って:2006/06/30(金) 01:43:34 ID:Tk44zdc/0
全然進まないですが永井目で見ててやってくださいなorz

作家さんも何かあれば

651 :ねぇ、名乗って:2006/06/30(金) 12:19:52 ID:2VuF6jRyO
ノノl∂_∂'ル <ほ♪

652 :ねぇ、名乗って:2006/06/30(金) 16:21:06 ID:IYUOcTYrO
それから二人は、核心に迫る事なく、車中での時間を当たり障りのない会話でつなぎ止めていく。
佐紀は薬の副作用が運んで来てくれる睡魔に身を預け、浅い眠りに堕ちていった。
バスが奈良に到着する頃には、彼女は全身を悪寒とダルさでみなぎらせ、前髪がざらついた気持ちの悪い汗で、額に張り付いている。
引き止めようとする友理奈に「大丈夫。」を繰り返し、ふらついた足取りでなんとか修学旅行の輪に入ろうと努めた。

653 :ねぇ、名乗って:2006/07/01(土) 03:25:11 ID:qKKuDboP0
ごめんorz
全然思い浮かばないので今日はネノレよぉ・・
また明日あげるのでしばし放置の方向で(ry
なんかヲレだけになってきたので他作家さんもヨロでつ・・・


おやりさ!

654 :(^-^)/:2006/07/01(土) 11:42:01 ID:Dk4J+0V+O
ジュニアアイドル板で解禁しそうだ。
知ってたか?

655 :ねぇ、名乗って:2006/07/01(土) 23:09:00 ID:qKKuDboP0
>>654
どうゆうこと?

656 :ねぇ、名乗って:2006/07/01(土) 23:56:50 ID:qKKuDboP0
しかし、ぎりぎりのところで踏みとどまっていた佐紀も、意識を失い旅館で目を覚ますのに、それほど多くの時間はかからなかった。

旅館で目覚めた佐紀は、バスを降りてからの記憶がほとんどなかった。
おぼろげに思い出せるのは、皆の楽しそうな笑い声や、自分を気遣ってくれる級友達の心配そうな表情だけにすぎなかった。

断片的でしかない記憶達を、熱っぽい頭で拾い集め、自分が今ここにいる経緯を、
佐紀はなんとか把握できた。
『鹿せんべい・・・鹿にまたがって怒られる千奈美・・・奈良の大仏・・・そっくりだよ!とからかわれる茉麻
・・・雅、梨沙子、桃子、友理奈、茉麻、千奈美、みんなの集合写真に入れてもらえた事。
すごく嬉しかった・・・友理奈の背中・・・あぁそうか・・・倒れた私を友理奈がおんぶしてくれたんだ・・・』
記憶の回収を終えると、佐紀は部屋中に響き渡るくらいの大きな溜め息をついた。
自分がみんなの修学旅行にケチをつけてしまった。始めから友理奈の言う通りに寝てれば良かったんだ・・
佐紀は布団に横たわる自分の身体を、恨めしそうに睨み付けた。

657 :愛読者:2006/07/02(日) 02:13:38 ID:nL7idGpmO
そうか…
佐紀の痛みを分かち合えるのは『友理奈のイタミ』を経験してしまった友理奈だけなのか。

でも佐紀は余りにも周りを傷付け過ぎたからねぇ。
汚れた私達大人は禍根を引きずるけど、この子達には乗り越えて欲しい。

658 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 17:42:36 ID:2xS9TixK0
「ええ・・・ああ・・・はい!・・・申し訳ございません・・ええ・・」
部屋の傍らから人の話し声が聞こえる。
佐紀は窮屈そうにその方を向くと、担任の坂本が携帯電話を片手に、一貫して低姿勢に見えない相手に応戦している。
多分学校からの電話なんだろう、坂本の口から時折、「教頭」や「校長」といった言葉も見受けられる。

佐紀は、きっと自分のことで怒られているんだろうな。申し訳ないな。と思いつつ、
坂本の電話でのやりとりがあまりにも大袈裟すぎて、佐紀は不謹慎だと感じながらも「クスッ」と笑ってしまった。

電話の相手が切るのを待ってから、坂本は不恰好な手つきで携帯電話を折りたたむと、
彼は物言いたげな顔で携帯に顎をしゃくった。
その仕草がまた可笑しく、佐紀の顔から二度目の笑みがこぼれた。





659 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 19:04:47 ID:jQrV73Ju0
作家さん乙です
お久しぶりの二班です
あとで少しアゲて良いかな?

660 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 19:20:57 ID:2xS9TixK0
「やあ!目が覚めたかい?」
佐紀が驚き目を逸らすと、坂本が目尻をしわでいっぱいにして歩み寄る。
「先生・・・すいませんでした・・・」
「いやいや・・・いいんだ。それより驚いたよ、清水が友理奈におぶさってきた時は。」
坂本が短い手を後で組みながら、うんうんと頷く。
「電話・・・学校から・・・ですか?」
「あぁ・・・まあ雅の件もあるしね。先生怒られちゃったよ。」
「そうですよね・・・二日連続じゃまずいですよね・・・雅の場合は仕方ないけど、
私の場合は・・・・やっぱりちゃんと寝てなきゃダメでしたよね・・・」
佐紀のたどたどしい敬語に、坂本は大きく首を横に振る。

「清水は優しい子だねぇ・・・倒れるまで我慢して、倒れてからも周りの事に気を配れる。・・・辛かっただろうね・・・」
その「辛かっただろうね」と呟く彼の口調に、さっきとは異なった温度を感じ、
色々な事を見透かされているのでは?という感覚を受けた。
咄嗟に佐紀は、取り繕ったように笑い「辛かったですよぉ」と、らしくない口ぶりで自身の動揺を誤魔化した。

「そうかそうか」坂本は長居は禁物と、佐紀に身体の具合などを聞き、その場を去った。
「一応。清水の家、電話しておいたから・・・」
坂本はドアの前で立ち止まると振り返ることなく告げた。
「清水の都合のいい時で構わないから、先生に色んな話聞かせてくれな。」
佐紀が言葉に詰まる。しかし坂本は彼女の返事を待つことなく、部屋を後にした。


661 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 19:22:47 ID:2xS9TixK0
>>659
ちょっwwwwまってたよぉwwww
どーぞどーぞ気の済むまでw

662 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 19:54:57 ID:jQrV73Ju0
お言葉に甘えて…
毎度の事ながらすんごく時間掛ります ↓

663 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 19:57:29 ID:jQrV73Ju0
「大人しく言う事を聞いてよ もう…」

ため息交じりの友理奈の声に、雅は不服そうに言い返した。
「別にいいよ 大丈夫だって!」
「全然大丈夫じゃないよ!今日は洗わないと」
肩をつかまれ、無理やりプライベート用の洗面台まで連れて来られた雅は
目の前に有るシャンプーとリンスに眉をしかめた。
大きな鏡の付いた洗面台には、洗髪用のシャワーまで付いている。
「せっかくホテルの人が、気を利かしてくれたんだよ
ここなら髪洗えるでしょって…」
「やっぱり面倒くさいよ…」
未だ聞き分けの無い態度に、友理奈は少し考えると
真剣な表情で、雅の耳元で囁いた。
「臭いんだよ…みや…髪の毛…」
その言葉に、驚いた雅は、鏡の中の自分を見つめた。
鏡に映っているその姿は、何処と無く汚らしく見えた。
「うそ!くさい?髪の毛」
…臭いわけ無いじゃん… 予想通りの反応に、
友理奈は可笑しさを耐え、ワザと冷たい態度で尋ねた。

「どうする 洗うのやめる?」

「ううん 洗う!絶対洗う!」

眼を見開いて答える雅に、友理奈は耐え切れず吹きだした。
「ほんと面白いね、みやって 部屋に戻ったら身体も拭いてあげるから」
「えっ…嫌だよ…恥ずかしいもん…」
そう言って、うつむいた雅の耳元で、友理奈はまた囁いた。
「くさくていいの」
雅は、うつむいたまま小さな声で言った。

「嫌だ…拭く…」

664 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 20:24:32 ID:2xS9TixK0
佐紀は動揺したまま、なかなか寝付けずに担任の残した言葉に思いをめぐらせていた。
聞き流そうにも聞き流せない重さみたいなものを、彼の言葉から確かに受けた。
『どこまで解ってるんだろ・・・あの先生。』
自身のの懸念が、少しだけ佐紀を殻に閉じ込めた。
佐紀は何気にアディダスのパーカを脱ぐと、肩の傷の辺りをさすった。熱のせいで傷が疼く。

「コンコン!」その時、ドアに乾いた音が響いた、佐紀は慌てて布団にもぐり、かすれた声で返事をする。

友理奈だった。
彼女が安心と心配の入り混じった顔で、佐紀の傍らに座る。
「何かさ・・ほっとけなくて。」友理奈がわざわざここに来た理由を口にすると、ぎこちなく笑った。
「ありがとう・・・友理奈でしょ?私のこと運んでくれたの。」
友理奈のぎこちなさにつられて、佐紀もぎこちなくお礼を言う。
無造作に脱ぎ捨ててあるパーカに目を留めると、友理奈はそれを手に取り
「暖かくしないとダメだよ。」とそれを佐紀に着せてやろうとした。
「いいって!大丈夫だからっ!」佐紀は必死に布団にしがみつき、声を荒げた。
あまりの形相を目にし、友理奈は驚きで手を放した。
「ごめん友理奈。でも大丈夫・・・だから。」
伏し目がちの佐紀に、笑顔で目配せすると、友理奈は丁寧にそれを折りたたみ枕元に置いた。






665 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 20:28:10 ID:2xS9TixK0
>>663
ゴーーメーーンorzorzorz
かぶったぁあああwww
うまくつなげないとね・・・マジスマソ・・・

666 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 20:30:43 ID:2xS9TixK0
ということで二班作家さんどーぞw
すこしネタ練っとくよ楽しみに読ましていただきやすノシ

667 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 21:00:55 ID:jQrV73Ju0
いえいえ
ちゃんとつなげますので気にせずに
まあ のんびりといきまーす

668 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 22:23:26 ID:jQrV73Ju0

ポットと大きな洗面器をもって友理奈が部屋に入ってきた。

「どこ行ってたの」

「ちょっと…佐紀のところ」

「そっか…」

部屋の窓には裏にあるお寺の大きな木が、風に揺れているのが見える。
ふと視点をずらすと、洗面器にお湯を入れている友理奈が映った。

「カーテン閉めようか?」

「大丈夫 このままでいいよ   ねえ…友理奈」

「なに…」

「昼間、佐紀となに話してたの」

「みやも気になるんだ…佐紀のこと」

友理奈は雅の服を脱がせると、タオルをお湯に浸した。
洗面器から立ち上る湯気は、ほんの少しだけ窓を曇らせた。

「そうじゃなくて…友理奈のことが気になる」

「えっ…」

「変な意味じゃないよ ただ…友理奈のこと何にも知らないなと思って」

669 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 22:45:13 ID:2xS9TixK0
佐紀の方も繋げるよ!



670 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 23:10:53 ID:2xS9TixK0
友理奈が去り、一人残された部屋で、先程の友理奈の言葉を思い出した。

「佐紀謝ってばっか・・疲れない?」
「うん・・・友理奈の友達も謝ってばっかりだった?」
友理奈は少しの間を置くと「ううん。」と否定した。
「そっか。」佐紀が苦笑いでかえす。
「謝らないのとは違うな・・・舞波には謝る理由がなかったから。でも、佐紀と一緒。いつも息苦しそうにしてた。」
「私、そんな風にみえる?」
「うん。なんとなく。」
続かない会話が、二人を手持ち無沙汰にさせる。
「でもね、舞波は変われた。私がそうしたわけじゃなく、自分から変わったんだ。」
「強いんだね・・・その子。」
「佐紀もさ、誰かが自分の事、変えてくれるなんて思ってないかも知れないけどさ、
変わるのは自分だし。変わろうと思わないとずっとそのままだからさ。」
「そうだね。」

友理奈の去った部屋には、友理奈の言葉だけが、やけに鮮明に焼き付いていた。

どーぞwニ班さん


671 :ねぇ、名乗って:2006/07/02(日) 23:11:31 ID:jQrV73Ju0

温かいお湯で濡らさせたタオルが身体を通り過ぎる度にひんやりとする。
その感覚が、まるで『身体が清潔なるさま』の様で、雅は心地好かった。

「いろいろあったよ…前の学校で…その事をね、佐紀に話してたんだ」

友理奈は瞬く間に冷めてしまうタオルを再びお湯に浸した。
ふたりきりの部屋の中で、『チャプチャプ』とお湯が揺れる音だけが響く。

「聞きたいな…その話」

「少し長くなるよ…この話…」

雅はうなずくと、窓に映るふたりを見据えて、話に耳を傾けた。
友理奈は、濡れたタオルを絞りながら、未だ癒えない『心のキズ』を話す覚悟を決めた。

672 :ねぇ、名乗って:2006/07/03(月) 00:01:24 ID:YQNjPE4v0
茉麻誕生日おめ!祝14歳でございます!

673 :ねぇ、名乗って:2006/07/03(月) 00:17:26 ID:lKKQ5XyOO
ハッピーバースデー!ゆいたい!

674 :ねぇ、名乗って:2006/07/03(月) 00:27:30 ID:YQNjPE4v0

「そんな事があったんだ…」

上半身を拭き終えて、パジャマを着せてもらいながら雅は呟いた。
「うん…嘘みたいな本当の話…  あっ!ジャージ脱げる?」
雅は立ち上がると、起用に足だけでジャージを脱ぎ捨てた。
「それ以来『舞波』とは離れ離れになっちゃった」
「まいは…って言うんだ、その子」
敷いてある布団に寝転がって足を投げ出した。
「舞う波って書くんだ」
「舞う波か…いい名前だね」
「うん…でもね…どこにいるか分からないんだ…もう会えないのかもね…」
寂しそうにそう言うと、雅の足を膝の上に乗せ、丁寧に拭き始めた。

「うそだ…」

「えっ…」

「会えないんじゃなくて、会いたくないんでしょ」

雅の言葉に、友理奈は手を止めうつむいた。

675 :ねぇ、名乗って:2006/07/03(月) 00:28:59 ID:YQNjPE4v0
4時起きなんでもう寝ます
続きはまた夜    ノシ

676 :ねぇ、名乗って:2006/07/04(火) 00:26:27 ID:GgBieXFrO
マターリいきまそ

677 :ねぇ、名乗って:2006/07/04(火) 04:27:42 ID:ldBPzyF00
ごめん寝ちゃった…
仕事行ってくるわ

678 :ねぇ、名乗って:2006/07/04(火) 07:29:05 ID:2UEz5huf0
友里奈はいつまでも黄色いラインをとりきれないトレペに
いらいらしてきた。
アナルの皺が多すぎるのか、ウォシュレットでは完全にとりきれず
トレペで痛いほど拭いてもウンチカスがついてしまう。ふぅ。
「もうっ〜」
ストレスで汗が噴出してきた。
さっきからビラビラが開ききっておつゆがにじんできてるのに
ウンチがとれなきゃオナニーするにも汚くてしょうがない。
なのに、学校に行くまであと20分!
「なんなのよ、これ〜!!」
ヒステリー爆発寸前の友里奈はパンティーを足首まで降ろしている状態で
長い足をバタつかせた。






679 :ねぇ、名乗って:2006/07/04(火) 09:26:32 ID:GgBieXFrO
スルーで

680 :名無し募集中。。。:2006/07/04(火) 15:17:51 ID:07RyU0pzO
更新されてると思ってみたらなんじゃこりゃww

681 :ねぇ、名乗って:2006/07/04(火) 23:34:32 ID:ldBPzyF00

「怒った?」

長い間うつむいたままの友理奈に、雅は声をかけた。
「ごめん…考え事してた…」
我に返った友理奈は、止めていた手を再び動かした。
「わたしね、最後まで嘘だらけだったんだ…」
「嘘だらけって?」
「最後の別れの時ね、言えなかった…『またね』って
怖かったの…また大変な事に巻き込まれるじゃないかって」
身体を拭き終えた友理奈は、雅にジャージを手渡した
雅は、今度は自由の利く指先と足で、起用にジャージを穿くと、再び布団に寝転んで言った。
「だから会いたくないんだ、連絡先くらい前の学校に聞けばわかるもんね」
「わたし、本当はすごく臆病でズルイくて…それなのに偽善者ぶってさ 
あの頃と何も変わってない…見られたくないよ…今のわたし」
「でも、会いたい気持ちもあるんでしょ」
「すごく会いたい でも怖くて仕方なくなる」
雅は大きくあくびをした。流れ出た涙を拭うと話を続けた。

「友理奈は格好つけ過ぎなんだよ」

「格好つけ過ぎ…」

「そうだよ、友達なんでしょ
いいじゃん格好悪くても…ありのままの自分を見せれば」

「でも、本当の姿をみせたら嫌われる!絶対嫌われるよ…」

682 :ねぇ、名乗って:2006/07/04(火) 23:35:42 ID:ldBPzyF00

「自分を犠牲にしても友理奈を守ろうとした子でしょ」

「うん」

「そんなちっぽけな事で嫌いになる訳ないじゃん」
雅は眠そうに目を閉じると愛おしそうに、枕を抱きかかえた。
「私は言って良かったよ…」
「まあさんが好きってこと?」
目を閉じたままほほ笑むと、雅はうなずいた。

「みんな私の為に泣いてくれたもん、まあも千奈美も…友理奈だって…
今度その…まうなみちゃん…フッ…なんだっけ」

「舞波…」

「あーそうだ…舞波ちゃんと会った時は素直になれるよ…きっと…」

そう言うと雅は、静かに寝息をたて始めた。
「素直になれるかなぁ…」
友理奈は雅にそっと布団を掛けると、ポットと洗面器を手に取り、静かに部屋を後にした。

683 :ねぇ、名乗って :2006/07/04(火) 23:39:07 ID:ldBPzyF00
たったコレだけで2日も…ごめんちゃい
一斑作家さん後はよろしく

さてラジオでも聴きますか 

684 :ねぇ、名乗って:2006/07/05(水) 00:26:15 ID:n7zFUqMfO
いやいや勉強になるよぉ

685 :ねぇ、名乗って:2006/07/05(水) 00:54:59 ID:n7zFUqMfO
PCの具合が悪いので明日書きますよ

686 :ねぇ、名乗って:2006/07/05(水) 02:22:55 ID:LASsGrPhO
从´∇`从<寝る前に保全しにきたよ

687 :ねぇ、名乗って:2006/07/05(水) 10:30:17 ID:n7zFUqMfO
サンクス!!

688 :ねぇ、名乗って:2006/07/06(木) 00:54:15 ID:zD0KZTga0
修学旅行最終日

「はいみんな!起きるよ!」
桃子が佐紀を除く2人を起こしにかかる。千奈美も梨沙子もそろって鬱陶しそうに布団を奪い取り、桃子がそれをまた剥ぎ取る。
そんなイタチごっこが10分程繰り返されると、桃子班長は観念したのか急にしゅんとなり、二人に聞こえるように独り呟く。
「もうさ・・・最後くらいちゃんとしようよ。これじゃ金八先生に予想通りだって笑われちゃうよ・・・」
桃子の独り言を遮るように、二人は布団で顔を覆い隠し「もう少し寝かせて」と無言で訴えた。

千奈美も梨沙子も班長の被害者だった。
桃子が寝ようとする二人にちょっかいを掛け、気が付くと時計は5時を指していた。
二人の脳裏には「えぇー!もう寝ちゃうのぉ!?」や「子供なんだから!桃子は大人だからまだ寝ないもん!」
等の言葉がこびりつき、トラウマとなって現在に至っている。
『それにしてもこの子、何でこんな元気なんだろう・・・うちが寝てもまだ喋ってた気がする・・』
千奈美はおぼろげに思うが、睡魔の甘美で圧倒的な力にすぐさま引き戻された。
梨沙子も同様に、桃子班長の驚異的なタフネスに怯えていた。
『佐紀ちゃんぐっすり寝たんだろうな・・』そう思えるほどの惨状だった。

一班の寝床を、朝から無駄な緊張状態が支配していると、思わぬタイミングで扉が開いた。

「佐紀ちゃ―ん!!」
班長の声が、二人を否応なしに夢も中から呼び戻した。

689 :ねぇ、名乗って:2006/07/06(木) 07:39:52 ID:HmRnRiNWO
一班作家さんいつも乙


なんとか休みとれたあ
B組に会ってくる

690 :ねぇ、名乗って:2006/07/06(木) 15:38:20 ID:OXv4fojlO
裏山orz

691 :ねぇ、名乗って:2006/07/06(木) 16:05:53 ID:OXv4fojlO
二人が布団からひょっこり顔をのぞかせると、佐紀がすっかり元気な顔色を取り戻し、照れた様子で立っている。
「佐紀ちゃん!聞いてよぉ!!二人して全然桃の言うこと聞いてくれないんだよ!」
桃子が早速、病み上がりの学級委員に助けを求めると、千奈美がやれやれとダルそうに布団から起き上がった。
「どう?少しは良くなった?」
千奈美が小さな目を佐紀に向けると、彼女は小さく頷いた。
「そう。良かったじゃん!こっちはもう眠くて眠くて・・・ね?梨沙子。」
千奈美が梨沙子に目配せしながら、桃班長に異常な眠気を訴えた。
「桃が全然寝かせてくれなかったんだよ!」
佐紀はいつもと変わらない風景に、そこ自分の居場所があることに、ほっと胸を撫で下ろした。

692 :ねぇ、名乗って:2006/07/07(金) 02:06:55 ID:Vs+3M+QPO
「ちょっと!佐紀!今『みんな楽しそうでいいな』的な顔したでしょ!言っとくけどホント拷問だったんだから!桃子班長の元気な事と言ったら・・・」
「桃子怖い話するんだけど、全然怖くないんだよ!桃子一人で怖がってて意味解んないもん!」
被害者二人が代わり代わりにまくし立てる。
桃子班長はやっと自分の非に気付くと同時に、二人のあまりの物の言い様に、ふてくされ気味に頬を膨らませた。
「いいもんいいもん!怖い話も、嗣永心理テストも、もうしてあげないもんっ!」
班長の過剰な落ち込みを後目に、班員達はそそくさと着替えを始めた。

693 :ねぇ、名乗って:2006/07/07(金) 06:24:41 ID:Ew8cb2If0
おもしろ。どんどん続きかいて

694 :ねぇ、名乗って:2006/07/08(土) 04:01:49 ID:g9V0npik0
「そうやって何事もなかったように着替えるんだ・・みんな。」
体育座りでブツブツ唱える班長の目の前を、千奈美が涼しい顔で通り過ぎた。
「佐紀!はいっ!」
「えっ?」
千奈美が差し出す佐紀のカバンを、彼女はしっかり両手に受け止めた。
「風邪治ったみたいだし、自分で持てるよね?」
「えっ?でも・・・」
「とりあえずうちと梨沙子で中身は全部入れたつもりだけど、一応確認しといてね。」
「・・・なんかゴメン。色々。」
佐紀は中身など確かめるまでもなく、それを肩に掛けた。
傍で梨沙子が笑っている。「気にしない気にしない!困った時はおたがいさまっ!」と。
佐紀は素直に嬉しく思う。
病み上がりとか片親だとか、そんな理由で自分を腫れ物扱いしない、千奈美の飾らない優しさに。
「おたがいさまっ!」と笑う梨沙子のほんわかした笑顔に。
深夜に届いた『元気になーれ!元気になーれ!』と励ます、桃子のメールに。
『この子達になら、話せそうな気がする・・・私の事。』
それが明日なのか、成人式の日なのか、もっと先なのかは解らない。
だが佐紀は間違いなく思った。『話せそう』だと。
梨沙子がテキパキと皆の布団をたたみ、千奈美が適当な掃除を終えると、まだ拗ねている班長に声を掛けた。
「いくよ!桃子!いつまで拗ねてんの?置いてくよ!」
本気で部屋を後にしようとする雰囲気が、さすがに桃子を焦らせた。
「あ゛ーーーっ!!」
「なにっ?!」皆がくつを履きながら一斉に振り向いた。
「もも・・・・荷物整理してない・・・今、気付いた。」
「はーーんーーーちょーーーう!!!」
佐紀がまたクスリと笑った・・・・。
                  3B修学旅行一班  了。   






695 :ねぇ、名乗って:2006/07/08(土) 04:04:36 ID:g9V0npik0
なかんじで一班〆ますw
あんましダラダラいくのもあれなんで・・・
ニ班さんもなにかあればヨロです

696 :ねぇ、名乗って:2006/07/08(土) 13:02:44 ID:oZYbrmmV0
二班たのしみだな〜〜♪

697 :ねぇ、名乗って:2006/07/08(土) 19:46:52 ID:tJ7Wm9MT0
あれ呼ばれたかw
二班も締めないとね

698 :ねぇ、名乗って :2006/07/09(日) 02:12:31 ID:gF1ubi//0

夕暮れ時で赤く染まった荒川はひっそりとしていて寂しげだった。
そんな雰囲気も手伝ってか、終わってしまった修学旅行の余韻に、茉麻達はひたっていた。

「終わっちゃったね 修学旅行」

そんな雅の声に誰一人答える事も無く、ただ堤防の上をトボトボと歩いていた。
「あの…ちょっと…」
後ろから聞こえるその声に千奈美が振り向く、しかしすぐ曖昧に目を逸らした。
「ちょっと!重いんだけど!」
今度は茉麻が心配そうに振り向く。
3人の後ろには、雅の荷物を両手いっぱいに抱えた矢島がいた。
「夏焼!何でこんなにお土産買ったんだよ!」
捲し立てる矢島に、雅は怪訝そうに言った。
「矢島が持ってくれるって言ったんじゃん!」
「こんなに荷物あるとは思わねえもん」
今度は薄笑いを浮かべると、矢島に近づき耳元で囁いた。

「まあにいいところ見せようと思ったんでしょ」

「おまえなあ…」

「図星!図星!」

馬鹿馬鹿しくなった矢島は、呆れ顔で荷物をその場に置いた。
両手は荷物の重さで真っ赤になっている。

「大丈夫…」

そう言って心配そうに矢島の手を覗き込む茉麻を見て
雅はムッとして口を尖らすと、そのまま堤防を駆け下りた。

699 :ねぇ、名乗って :2006/07/09(日) 02:13:42 ID:gF1ubi//0

「何してんだ?夏焼」

雅は、目を凝らして何かを見つめている。
しばらくすると嬉しそうに満面の笑みでこちらを見上げた。
「おっちゃんいるよ!矢島!あそこの船まで運んでくれれば良いから!
わたし先行っておっちゃんに会って来る!」
そう言い残すと、雅は一目散に駆け出した。
「なんなんだよあいつは…怒ったり笑ったり…」
唖然としている矢島に、茉麻がポツリと呟いた。

「みやらしいよ… ねっ千奈美」

「そうだね みやらしいね」

そう言って笑い出したふたりを矢島は不思議そうに見ていた。

700 :ねぇ、名乗って :2006/07/09(日) 02:15:10 ID:gF1ubi//0
まだまだ続きます

701 :ねぇ、名乗って:2006/07/09(日) 03:12:42 ID:ych74rrPO
700か・・・・しみじみ
みんなありがとう・・・おまいら最高w

702 :ねぇ、名乗って:2006/07/09(日) 06:52:11 ID:wWPXwwyQ0
700いったか。あと、699の話の続きはやくみたい

703 :ねぇ、名乗って :2006/07/09(日) 20:55:29 ID:gF1ubi//0

3人が丹下の屋形船に近づくと、笑いながら雅が顔を出した。

「ねえ聞いて!おっちゃんも両手首骨折した事あるんだって!」

船内の奥から丹下の大きな声が聞こえてくる。
「若い頃にな、オートバイで転んじまったのよ
両手使えないと何が困るって雅ちゃん、便所だよなあ!ぶははは」
雅の後ろからヌッと顔を覗かせた恐ろしい風貌に
両手いっぱいの荷物を抱えた矢島は身体を硬直させた。
「にいちゃん 雅ちゃんの荷物、そこの軽トラックに入れて置いてくれ
後はわしが送っていくから ご苦労だったな ジュースでも出すから中入れ」
「あっ…はい」
硬直している矢島に、丹下は困り顔になった。
「おいおい…わしは見た目は『ゴリラ』みたいだがやさしい男だぞ」
うんうんと大きく頷いた雅が続く
「そうだよ『ゴリラ』っていうか…そう!カバ!カバっぽい!」
その言葉に、丹下は吹きだした。
「ぶははは!カバか!雅ちゃんカバってのは『かわの馬』って書くんだぞ
ピッタリじゃねえか!『河馬』か!こりゃいい」
大声で笑いながら丹下は奥に戻っていった。
「まあと矢島は帰っていいよ 矢島 まあをよろしくね」
雅は、そう微笑んで船内に入っていた。
「だってさ よかったね まいみくん」
千奈美は、未だ立ち尽くしている矢島の様子に笑いながら雅のあとを追った。

「ねえ…帰ろう まいみくん」

茉麻に袖を引っ張られ、矢島はようやく我に返った。
「えっ うん…」
雅の荷物を、静かに軽トラックの荷台に載せると、堤防の方に歩き始めた。

704 :ねぇ、名乗って :2006/07/09(日) 20:56:40 ID:gF1ubi//0

雅は歩いていくふたりを、屋形船の座敷からぼんやりと見つめていた。
そんな視線の先に、突然オレンジジュースとグラス差し出され少し驚く。
「あれは茉麻ちゃんの彼かい?」
丹下は腰をかがめて、歩いていくふたりを伺った。
「うん…そう」
寂しげに見えるその様子に、グラスにジュースを注ぎながらやさしく訊いた。

「雅ちゃんの恋はどうなった?」

「えっ…」

ほんの一瞬、目の前に座る雅と目が合った千奈美は
『お手洗いに行って来る』と言い、静かに席を外した。

705 :ねぇ、名乗って :2006/07/10(月) 01:49:51 ID:YOp9SpvZ0

…パタン…トイレのドアが閉まる音がした。

『ありがとう 千奈美』

千奈美は茉麻とわたしの事をすべて知っている、でも聞かれたくなかった。
「おっちゃん れいな先輩から何も聞いてないの…」
「あの子は自分のこと以外は何も話さんよ」
丹下はジュースの入ったグラスを指先で不自由に支えて飲もうとする雅を制止し
座敷にある棚からストローを出すとそっとグラスに挿しいれた。
「ただちょっと気になってな」
丹下は、手持ち無沙汰にストローの包み紙を丸めると、そばにあったごみ箱に放り投げた。
その様子を隣で漫然と眺めながら、しばらく沈黙が続いた。

「叶わなかったよ…わたしの恋」

「そうか…」

丹下は残りのジュースを注いだ。
解けかけて小さくなった氷が、カランと悲しい音をたててグラスの中を回った。

706 :ねぇ、名乗って :2006/07/10(月) 01:51:22 ID:YOp9SpvZ0

「気持ちが伝えられただけ良かったと思う おっちゃんのお陰だよ」

「そうか…そう思えたかのか」

そう…そう思えたのなら本当に良かったのに…
今のわたしはすごく嫌な女…まあと矢島を帰したのは、気を利かした訳じゃない。
これ以上ふたりを見ていたくなかったから。
時折、沸々と湧き上がる惨めな気持ち…そう…嫉妬だ。
修学旅行で抑えきれたと思っていたこの惨めな気持ち。
東京に帰ってきた途端に湧き上がってきたこの惨めな気持ち。
好きな人が幸せになるのは嬉しいことでしょ…そう思ったはずなのに。

『わたしは惨めな女』

そんな自分の姿が、ひどく恥ずかしく思えてきた。
誰にも見られたくない…雅はおもむろに立ち上がると丹下に言った。

「おっちゃんもう帰る 送ってって」

707 :ねぇ、名乗って :2006/07/10(月) 01:57:16 ID:YOp9SpvZ0
なんか振り出しに戻っちゃった感ですが…

一斑…じゃなくて りさ推しの作家さん
ごめん…もう少し待って また夜書きますので


708 :ねぇ、名乗って:2006/07/10(月) 06:15:42 ID:oF6G7fBG0
イタリア優勝

ベリーズ優勝

709 :ねぇ、名乗って:2006/07/10(月) 08:41:21 ID:kWMf8GPYO
いえいえマターリとまってるお!

710 :ねぇ、名乗って:2006/07/11(火) 01:57:46 ID:7g72xwu00

『須藤飯店』

見慣れたシャッターを目の前にして茉麻はホッとした。

定休日と書かれた『木の札』が傍らにぶら下っている。
茉麻が小学校の時に父親にプレゼントしたその『木の札』は、
今では大分くたびれて、文字も薄くなってしまってはいたが
父親は未だ大切に使い続けていた。
「今日は月曜か…」
その『木の札』を見て今日が月曜日であることを茉麻は思い出した。
ふと振り向くと、少し離れた通りの角で矢島が手を振っている。
小さくそれに応えると、茉麻はシャッターを開ける為に腰を屈めた。

ガラガラガラ…

けたたましい大きな音と共に、突然シャッターが開いた。
屈んでいる視線の先に、男性と思われる足が見える。
茉麻は慌てて姿勢を正した。
中からスーツ姿の男二人が出てくる。
「おお… お帰り茉麻」
二人の後ろから顔を出した茉麻の父親は、驚いた顔で言った。
茉麻は、隣で愛想よく微笑むスーツ姿の二人に、軽く会釈すると
いそいそと、店の中に入った。
「あら お帰りなさい」
母親はテーブルの上にある来客用の高価なコーヒーカップを片付けていた。

「誰、あの人たち」

「いまお父さんから話があると思うわ」

片付けられたテーブルの上には、家の図面と思われる紙が何枚も置かれていた。

711 :ねぇ、名乗って:2006/07/11(火) 16:14:44 ID:K59Vq0CPO
どうなるんだぁ!ドキドキ・・・
てか別の作家さん?

712 :ねぇ、名乗って:2006/07/11(火) 16:38:15 ID:pbvMbz1J0
お店が順調だから改装するんだよね?
茉麻が悲しむような展開にはならないよね?

713 :ねぇ、名乗って:2006/07/12(水) 02:23:15 ID:qweBaH1j0

「楽しかったか?修学旅行」

「うん…」

ふたりを見送り、外から戻った父親は椅子に腰掛けた。
「まあ取りあえず座れ。かあさんもこっち来てくないか、3人で話をしよう」
父親は厨房で後片付けをしていた母親が隣に座るのを待って話し始めた。

「茉麻は父さんが新しいことを始めようとしているのは知っているよね」

「うん…」

茉麻はテーブルの前で立ったまま父親の話を聞いた。
「そろそろやってみようと思ってる」
テーブルにある数枚の図面の中に、家が描かれた一枚のイラストを見つけ自分の手元に引き寄せた。
それには木が鬱蒼と茂る森の中に、可愛らしい家とその横に隣接する小さなお店が描かれていた。
「完成すればそんな感じになる」
「うん…可愛いケーキ屋さんだね…」
父親は大きく吐息を吐くと、深く椅子に腰掛け直し話し始めた。

「おばあちゃんもずいぶんと年だ…戻ろうと思うんだ 茉麻」

茉麻は眼を閉じると、手を握り締め、黙り込んだ。

「北海道は嫌かい…」

「わかんないよ そんなこと!」

父親の言葉に、茉麻は眼に泪をいっぱい溜め、階段を駆け上がって行った。

714 :ねぇ、名乗って:2006/07/12(水) 02:25:40 ID:qweBaH1j0

茉麻の部屋のドアが大きな音をたてて閉まる。
その音を聞きながら、父親はポケットから煙草を取り出した。
「やっぱりショックだったか…」
静まり返った店内に火を点けるライターの音だけが響く。

「あの子は恋をしてるんですよ…」

母親の言葉を聞きながら静まり返った店内にゆらゆらと漂う煙を、ぼんやりと眺めた。
「そうか…恋か…」
「懐かしいですね… 中学を卒業して東京へ越してきた私を追いかけて
高校卒業と同時にあなたも北海道から東京にやって来た あの頃の私たちの恋は真剣でした…」                 
父親は、微笑みながら煙を吸い込むと、大きく息を吐いた。

「あの子だって同じなんですよ…」

715 :ねぇ、名乗って:2006/07/12(水) 02:26:50 ID:qweBaH1j0

「茉麻に任せるしかないか…」

ずいぶんと長い間考え込んでいた父親がようやく口を開いた。
その言葉に母親は、やさしく微笑んだ。
「板橋の姉さんには、話をしてありますから…」
「そうか…」
父親は灰が長く垂れ下がった煙草をそっと灰皿に入れた。

「茉麻と話してきますね…」

母親は、お気に入りのふたつのカップに紅茶を注ぐと、階段を上がっていった。
父親はその足音を聞きながら、再び煙草に火を点け大きく息を吸い込んだ。

716 :ねぇ、名乗って:2006/07/12(水) 02:31:38 ID:qweBaH1j0
終わらない〜あと1日下さい…

>>711
同じく二班ですw
みやびちゃんの話の続きはそのうち出てきます

>>712
どうなるでしょう…
自分でもわかりませんw

717 :ねぇ、名乗って:2006/07/12(水) 06:41:13 ID:4GPhPP2gO
ここの住人で何人ピンときたのか・・・
当初の設定
茉麻、森へ帰るww
んじゃヲレはオーデの話でも練っとくね
てか今9月何日設定?

718 :ねぇ、名乗って:2006/07/12(水) 12:21:21 ID:Y2U3/LxsO
森へ帰る…覚えてましたかw
茉麻パパ初登場の時はラーメン屋だけど
ケーキを作るレスラー体型のパパって設定でした
今は9月18日(月)祝日って事でOK?

719 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 01:38:43 ID:w1zwmitbO
最初から比べると随分と文章巧くなったもの!みんなw
須藤飯店とか当たり前のように馴染んできてるし普通に存在するもんだと錯覚しちまう俺です

720 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 03:30:00 ID:OOPzzguM0

「茉麻ちゃん 入るよ」

突然部屋に入ってきた母に、茉麻は慌てて手に持っていた携帯電話を閉じた。
「ノックしてって言ってるじゃん!」
紅茶の入ったカップを小さなテーブルに置くと、ベッドに座っている茉麻の隣に腰を下ろした。
「隠さなくったってイイじゃない 見せて 茉麻の好きな子男の子」
母は、手に持っている携帯電話を指差し悪戯っぽく言った。

「見てたんでしょう」

「お母さん知ってたの…まいみくんのこと」

「うん なんとなくね」

茉麻はうつむいたまま、携帯電話を開いて手渡した。
画面には、修学旅行で写した『まいみ』の姿が写しだされていた。
「へえー カッコイイ男の子ね まいみくんって言うんだ」
「うん…矢島まいみくん…」
隣で照れ臭そうにしている娘の姿に、遠い日の青春に思いを馳せた。
「それじゃショックだったね 北海道の話」
「ううん…そんな事ないよ」
母は、娘の意外な言葉に少し驚いた。
「おばあちゃんのところに行くんだろうなと思ってた だからいつ言われるか不安だったんだ」
自分知らないところで不安と葛藤していた娘が
とてもいじらしくなって、茉麻の頭をやさしく撫でた。
「お父さんにひどいこと言っちゃった…」
「気にしなくていいよ…」
茉麻は母の手にある『携帯電話の中のまいみ』を覗き込んだ。

「あのね… 一緒の高校行こうって言われたの まいみくんに」

721 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 06:22:26 ID:w1zwmitbO
のんびりいきましょうw

722 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 23:50:22 ID:OOPzzguM0

「それなら あなたが決めなさい」

「えっ…」

「お母さんたちと一緒に北海道へ行くか それとも…
東京にひとりで残るか… 茉麻が自分で決めなさい」

母の顔を見つめた。その顔はいつになく真剣に茉麻を見つめ反していた。
「お母さんね、板橋のおばさんに言っておいたの
万が一、茉麻が東京に残る事があったら、ひと部屋を貸してもらえるように」

『…家族と離れて東京でひとりきり…』

突然突きつけられた現実にうつむいた。
ひとりきり…怖い…不安で胸が苦しくなった…東京でわたしひとり…。

「お母さんは… お母さんは寂しくない?」

茉麻は縋りつく様に、母の手を握り締めていた。

「寂しい… すごく寂しい」

そこにはやさしく微笑み、瞳を潤ませている悲しげな母がいた。

母は壁に掛けてある一枚の写真を潤んだ眼で見つめた。
写真の中では、真新しい中学校の制服に身を包んだ茉麻と
その隣で陽気に笑う、父と母が仲良く並んで写っている。

723 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 23:51:49 ID:OOPzzguM0

「ずっと三人一緒だったもんね…」

母は茉麻の肩を抱き寄せた、茉麻もそれに応えるよう母に甘えた。
「お父さんとこの街に来て、お店を始めて、そしてあなたが生まれて
一度だって三人が離れた事なかったもの… 寂しくて当然」
母に寄り添いながら、茉麻も壁の写真を眺めていた。

「お父さんの口癖 知ってる?」

「うん 今を信じて歩もう…でしょ」

「そう…今の自分を信じて歩もう 出会った頃から言ってたわ」

思えば写真を撮った入学式の朝も、父から言われた言葉だった。
『父の説教じみた言葉』としか感じたことが無かったが
気が付けばいつの間にかこころに染み付いた不思議な言葉だった。


過ぎ去った昨日を嘆いてもなにも変わらない

この先起こる事に不安を抱いても、先へ進めない

だから 今の自分を信じて歩もう 


「お父さんの生き方そのものよね… でもお父さん 
たった一度だけ、不安で立ち止まった事があったの」

724 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 23:56:05 ID:OOPzzguM0

「茉麻がお母さんのおなかにいる事が分かった時
お父さん、真剣な顔で言うのよ『俺はこの子を幸せに出来るのだろうか』って」

母は、その頃を思い起こすように眼を細めた。
茉麻にとっては、初めて聞く、自分が生まれる前のふたりの話だった。
「だからお母さん言ったの、この子はもう歩み始めてますよって
昨日を嘆く事もなく、明日に不安を抱くわけでもなく
今をちゃんと歩み始めてますよって…  そしたらね」
母は、興味深そうにこちらを見つめている茉麻に言った。

「わんわん泣き出したの 茉麻がいるおなかに顔を埋めてね」

「お父さんが!」

茉麻は驚いた拍子に笑ってしまった。いつも陽気なあの父が、泪なんかみせないあの父が

『 泣いた 』

可笑しさは次第に、嬉しさに変わり茉麻の目から泪が零れ落ちた。
父が顔を埋めて泣いた母のおなか…茉麻は静かに横になると、母のおなかにそっと顔を埋めた。

「お母さんね こうやって泣くお父さんを見てね… 本当に嬉しかった」

「うん… わたしも嬉しい」

「茉麻…あなたはわたし達の子供 同じように今の自分を信じて歩んで行ってね」

母の言葉に、茉麻は顔を埋めたまま、大きくうなずいた。

725 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 23:56:56 ID:w1zwmitbO
掘り下げますなぁーw
いやいや脱帽です!

726 :ねぇ、名乗って:2006/07/13(木) 23:59:03 ID:OOPzzguM0
二班終わり
ほんとお待たせしました作家さん


727 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 00:02:20 ID:w1zwmitbO
敢えて言おう・・・







GJ!!

728 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 00:47:59 ID:3sf3EyRpO
10月編 桃子と佐紀とオーディション。

10月1日、日曜日。中野駅の高架の下で、桃子は未だ現れない待ち人に、首を長くしていた。
『おそいなぁ・・あれほど言ったのに、オーディションにギリギリで来て受かった子なんていないって。』
桃子はナーバスとまではいかないものの、腕時計と改札口から吐き出される人々とのにらめっこに、神経をすり減らしていた。
オーディションまであと90分。桃子はちらほら現れだしたライバル達を横目に、携帯メールのセンター問い合わせを、しつこく繰り返す。
『うわっ!今の子超かわいい・・・』
通り過ぎていく、少女達の自信と野望に満ちた表情が、桃子の動揺を否応なしに誘う。
『いやなんだよなぁ・・この時間。』
オーディションにおいての経験値では、相当なレベルの彼女でも、ライバル達の放つプレッシャーに、毎回のように、腹痛と吐き気を覚えるのだった。

729 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 01:03:54 ID:96svEvB60


730 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 01:04:16 ID:96svEvB60


731 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 01:07:47 ID:3sf3EyRpO
『おなか・・・イタイ。』
次第に酷くなる腹痛が、オーディションまでの時間を、正確なまでに訴える。
『早く・・・来ないかな・・・佐紀・・・ちゃん。』
余りの激痛に、桃子はガードレールに手を付き、何とかして痛みが通り過ぎるのを待った。
列車が高架を通過する度に、桃子の額に冷や汗が滲む。
再び、改札から人が流れ出すと、桃子の携帯がけたたましく音を立てた。

732 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 01:24:40 ID:3sf3EyRpO
「桃子?佐紀だけど。着いたよ。」
声の主は、紛れもなく佐紀だった。
その瞬間、彼女を支配していた鈍い腹痛が、嘘のようにその姿を消す。
携帯を片手に辺りを見回すと、一際背の低い佐紀も、キョロキョロと背伸びをしながら周りを伺っていた。
「さーきーちゃーん!」
桃子がそれに手を振って応える。
アディダスに身を包んだ佐紀が、ほっと息を吐き、桃子に歩み寄った。

733 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 01:31:12 ID:3sf3EyRpO
んな感じで始まりますよぉ!
まーさはどうなるんだろうねぇ・・一度まいみ君が須藤飯店に挨拶いって欲しいもんですなw
しかしコメディタッチは本当にむずいorz
オーデの話は新たなスタイルで書いてみたいものです

734 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 01:33:30 ID:mp/D1CjTO
ノノl∂Д∂'ル<保全よろ!!!!!11

735 :ねぇ、名乗って:2006/07/14(金) 01:59:39 ID:3sf3EyRpO
みやびちゃんみやびちゃん

736 :名無し募集中。。。:2006/07/14(金) 03:02:37 ID:QmzxHqJ/0
須藤飯店の歴史に涙が止まりません

737 :ねぇ、名乗って:2006/07/15(土) 00:50:23 ID:4QAkiZet0
名物料理が酢豚とかいうオチではないよね?

738 :ねぇ、名乗って:2006/07/15(土) 02:24:02 ID:xPzm+MVnO
いま仕事終わったorz
今日はもう寝るのでまた明日書くよごめんorz

739 :ねぇ、名乗って:2006/07/15(土) 07:36:58 ID:vEvAeqJsO
乙!
のんびり行こう

740 :ねぇ、名乗って:2006/07/15(土) 16:10:15 ID:xPzm+MVnO
「ごめん。寝坊しちゃった。・・・待った・・よね?」
申し訳無さそうに遅刻を詫びる佐紀も、急いで走ってきたらしく、乱れたショートヘアと息づかいが、それを鮮明に物語っている。
母親を病院に送り届け、とにかく走った。
今の桃子に、そんな心配の種を植え付ける気にはどうしてもなれず、佐紀はまた、嘘の上塗りを繰り返す。
幸い、桃子も佐紀が約束通り来てくれた事に気を良くし、佐紀の遅刻を快く受け入れた。
「わかるよ!始めてのオーディションだもん!佐紀ちゃんも眠れなかったんでしょ?」
「う、うん・・・そんなとこ!」
佐紀が目を泳がせながら、彼女に相づちを打つと、桃子は佐紀の手を取りおもむろに「人」と指でなぞった。
「よしっ!これで大丈夫っ!まだ早いけど。」
ミーティングと称して、スターバックスに歩き出した桃子の背中を見つめながら、佐紀はそれを呑みこむ仕草をした。
『桃子・・・ごめん。また嘘ついちゃったね。』
「はーやーくぅ!」
桃子が無垢な笑顔で佐紀を手招いている。

741 :ねぇ、名乗って:2006/07/16(日) 01:48:24 ID:+9QB9HNnO
店内は、同年代のライバル達は勿論のこと、そのつきそいと思われるマダム達の姿もちらほら見て取れて、異様な殺気が充満している。
本来のカフェにおける和やかな雰囲気など、微塵も感じられない。
『なんか・・・みんな必死だな。』
佐紀は、とても気が気ではないといった様子で、辺りを見渡す。
周りから笑い声が起こる度に、自分の事を笑っているような、そんなネガティブな錯覚に襲われる。
「さきちゃん!?」
桃子の声でやっと我を取り戻すと、目の前で彼女が笑いかけてくれている有り難さを佐紀は痛感した。
「桃子。やっぱ無理だよ・・・ここにいる子と私とじゃ色んなモノ、違いすぎるもん。」
佐紀は敢えて弱音を吐く。
そして桃子の口から、自分の背中を押してくれるような、言葉を待った。

742 :ねぇ、名乗って:2006/07/16(日) 04:05:36 ID:+9QB9HNnO
「佐紀ちゃん。怖い?」
佐紀が期待していたような、いつもの能天気な言葉ではなく、桃子の真剣な口振りに、佐紀は驚き声を詰まらせた。
「桃子は平気?こんな空気。」
佐紀が言葉に詰まったまま質問に質問で答えた。
佐紀の弱気に物怖じすることなく、桃子がニタニタ笑う。
「だよね。桃子は見掛けによらず、気強いもんね・・・」
「違うよ!桃だって怖い・・・メチャメチャ怖い。」
笑顔のまま、そう話す彼女は、学校で粗相ばかりをしている、鈍くさい桃子の顔とは別人のものだった。
「毎回毎回馴れないってゆうか・・・死ぬほど緊張して、チビりそうになるぐらい、怖いよ。」
「そうなんだ・・・」
佐紀は、言葉に詰まるのではなく、単純にこんな時に掛ける言葉を持ち合わせてはいなかった。
何を言っても、薄っぺらくなってしまう気がして、佐紀は口を噤んだ。
「でもねっ!桃はアイドルになるって決めたから!なれるまで諦めないし、そうなるように頑張るの!」
佐紀は桃子の目の奥に、強い意志の力を感じ、思わず頷いた。
「じゃ、絶対に叶えなくちゃね。桃子の夢。」
桃子は砂糖水を一気に飲み干すと、佐紀に向き直った。
「さきちゃんこそ、頑張らないとね!初オーディションなんだから!」

743 :ねぇ、名乗って:2006/07/16(日) 04:46:39 ID:UdWXwbUtO
ノノl∂_∂'ル<語スレから保全

744 :ねぇ、名乗って:2006/07/17(月) 00:07:37 ID:+9QB9HNnO
「うん。」
佐紀が曖昧に頷くと、桃子はそそくさと席を立った。
「いきますか!」
佐紀の返事を待たずして、桃子は肩をいからせスタバを後にした。
「ちょっ!待ってよぉ・・・」
佐紀は置いてけぼりを受けながらも、彼女の意外な一面を垣間見れたことが、腹立たしさよりも感激を選択させた。

中野サンプラザの時計台の周辺には、いわゆる【常連さん】達が群をなし、ごった返している。
最近の近況や、情報交換など、群れにおけるマナーを律儀に実践してしるが、誰一人目は笑っていない。
仲間内でヨイショし合い、人知れぬ場所でボロクソにけなし合う、それが彼女達【常連さん】の裏のマナーでもある。
特に佐紀などの【新顔】は、大抵品定めの標的になる。
個人のスキルなどお構いなしに、ただ自分達の居場所を確保するため、無差別にけなす。
そこにも、確かに政治は息づいていた。

745 :ねぇ、名乗って:2006/07/17(月) 00:16:23 ID:Dyo/ioCCO
長くなりそうなんでorz
作家さん方何かあれば遠慮せずに・・・

746 :ねぇ、名乗って:2006/07/17(月) 02:26:17 ID:Dyo/ioCCO
遠巻きに桃子の姿に気付いた彼女達が、ヒソヒソと耳打ちを始める。
そして、そんな様子を敏感に察した佐紀は、その声のする方を睨み付けた。
「佐紀ちゃんダメダメ!あの子達なんて気にしちゃ!」
「でも・・・なんかムカついちやって。」
「ひょっとして桃のためにムカついてくれたりして?」
「そんなじゃないけど。」
「なんだ・・そうなら桃嬉しかったのに。」

だが佐紀は間違いなく、桃子が笑われた事に、悔しさと激しい怒りを感じていた。
その気持ちの高ぶりを誤魔化すように、佐紀はなるべく桃子と目を合わせないように、不自然に顔を背けた。
「どこにだっているじゃん?ああゆう子。だから佐紀ちゃんも笑って!ね?」
「うん。ごめんね。桃子の言うとおり。キリないもんね。」
佐紀が、なんとか気持ちを落ち着けると、【常連さん】達の空気が一変した。
二人は何事かと首を揃え、時計台の方に目を向けた。

747 :ねぇ、名乗って:2006/07/17(月) 16:17:10 ID:ivKFQ77j0
【常連さん】達の視線が、一人の少女を捕らえている。
その視線は、軽視や敵視の類ではなく、正に強いものに屈し、憧れを抱くもの達のそれであった。
少女は、羨望の眼差しと周囲の雑音を、一手に引き受け、
涼し気というよりは、天真爛漫に近い笑顔で時計台の横を通り過ぎた。

佐紀は、ニタニタ嬉しそうに自分達の方に歩いてくる、少女の顔にどこか見覚えがあった。
しかし考える隙も無い内に、少女がこちらに向かって手を振っている。
「桃子の・・・知り合い?」
「うん!ちょっとした・・・桃のライバル・・・カナ。」
桃子はそう話すと、少女に向けて手を振り返した。

「こはるーー!!」
「ももちゃーん!!」

【常連さん】達の「何で!?」という視線が一気に桃子達に注がれた。

748 :ねぇ、名乗って:2006/07/17(月) 17:26:45 ID:ivKFQ77j0
【こはる】と呼ばれた少女は、自分達の目の前で足を留めた。
音で言うと「ピョコピョピョコ」と歩いてきて「トン!」と着地した感じだろうか。
ポニーテールに結った黒髪は、どこか凛としていて、
人懐っこそうな黒目がちの瞳が、佐紀と桃子に笑いかけている。

首だけで会釈する佐紀が、気まずそうに二人のやり取りを窺う。
「佐紀ちゃん!私のライバルの【久住 小春】」
「あぁ・・・こんにちわ・・清水佐紀です・・・」
言葉少なに挨拶すると、小春の方から握手を求めてきた。
「佐紀ちゃんて呼んでいいですよね?頑張りましょうね!?オーディション。」
「あぁ・・まあ・・はい。」
「小春は頑張らなくていいから!お仕事いっぱいあるんでしょ?」
桃子の『お仕事』という単語に、佐紀はやっと心に引っ掛かっていたものが取り除かれた。
『あぁこの子!何度かテレビで見たことあるんだ!だからか・・・』

「ダメダメ・・・」
小春は、謙遜している気配など微塵も感じさせず、ただ首を横に振る。
「なんでよ?」桃子が不服そうに口を尖らせた。
「今のお仕事、単発ばっかしでさ、なんてゆうか後に続かないんだもん。
オーディション制限も厳しいし、ホント下手にお仕事してない方が絶対チャンスあるって!」
「なんか小春の話聞いてると、また差ぁ付けられた感じ・・・」
「そんなことないって!小春はただ・・」 彼女はそう話すと時計台の方を顎でしゃくった。
「あの子達みたいに無駄にしたくないだけ。大切なオーディションを思い出作りにしたくないんだ。」

佐紀は唖然とする。
目の前の少女から放たれる言葉たちは、少なくとも佐紀の中では現実離れしていて、
今まさに始まろうとしている、オーディションから目を背けたくなるには、十分な説得力があった。
しかも嫌味な印象は皆無で、率直なまでに彼女の覚悟が、見て取れた。




749 :ねぇ、名乗って:2006/07/17(月) 18:17:24 ID:ivKFQ77j0
女優部門の受け付けが始まったらしく、サンプラザ前の3分の1程の女子達は、こぞって列を作り始めた。
「じゃ!小春もいってくるね!」
小春は立ち上がり、ジーンズの土埃を払い落とすと、戦地の赴くような顔つきで列の最後尾に陣取った。

「なんか、すごいね。あの子。」
佐紀がぼんやりと小春を見つめながら呟く。
「すごいよ・・・でも始めから、ああではなかったんだよ。」
「ふぅん。そうなんだ。」
「最初逢ったときは、「おなか痛い」って桃の後でうずくまるもんだから、
桃が医務室まで連れて行ったの。そしたらなんて言われたと思う?」
「えっ?わかんない・・」
「緊張しすぎだって!笑っちゃうでしょ?」
「可笑しいね。」
佐紀は再び小春を遠目に見た。
「変われるかな・・・私も小春ちゃんみたく。」
桃子も佐紀の視線を辿るように、小春の堂々とした姿をとらえた。

『やばい・・・またお腹痛くなってきたぁ・・・』
桃子が歯を食いしばりながら、不器用に微笑み小春に手を振った。



750 :ねぇ、名乗って:2006/07/17(月) 23:03:42 ID:Dyo/ioCCO
中野サンプラザ場内は、スタバと時計台周辺の空気を、そのまま梱包したようなそんな空間だった。
持てる者、持たざる者。
早くもプレッシャーに 押し潰される者。
平然と仮眠をとる者。
落ち着かない様子で携帯を手放さない者。
個々が様々な温度を放ち、オーディションまでの時間を今か今かと、待ちわびている。
桃子達と離れた佐紀は、ダンサー部門の列にて何もするわけでもなく、
ステージ上で、慌ただしく立ち回るスーツ姿の大人達を、ただ何となく眺めていた。

751 :名無し募集中。。。:2006/07/18(火) 19:54:25 ID:Lj+2HW+40
にょきにょきDVDフラゲしたよ。
キャプテンのソロダンスは(・∀・)イイ!!
夜中にあんな感じで踊っていたのだろう、と妄想をかきたてられるw

752 :ねぇ、名乗って:2006/07/18(火) 20:47:28 ID:Jvn2kP4kO
シンクロwキタコレ

753 :ねぇ、名乗って:2006/07/18(火) 23:23:41 ID:4SsnXr6Y0
にょきADVD見終わった…『ダンク!ダンク!』がたまらんのです

しかし作家さん…小春が出てくるとは!
うーん予想外の展開は楽しいわw
続きのんびり待ってますよぉ

754 :ねぇ、名乗って:2006/07/19(水) 00:06:34 ID:EsfXCaGpO
きらりのせいでコハがちょっぴりきになったのですw
今日はにょきの為執筆休止ですorz
勘弁してぇw

755 :ねぇ、名乗って:2006/07/19(水) 15:49:13 ID:EsfXCaGpO
時計の針が15時を指すと、場内がざわつき始めた。
壇上にプロレスラーの覆面を被った、いかにも怪しげな男が現れる。
両手に持たれたマイクと台本らしき書類が、どうやら司会進行役の人物らしいということを佐紀に悟らせた。
「ブチッ。」
場内から洩れる失笑を断ち切るようにマイクロフォンのスイッチが入れられた。
司会者の男はおもむろに、奇声ともとれるような大声を上げる。
「こんばんうっひーーっ!!」
瞬間、場内が凄まじい勢いで、凍り付いた。
『まさか・・・言えってこと!?』
佐紀が悪寒を感じた矢先。
「こんばんうっひーーっ!!」
客席の斜め後ろの方から、物凄く聞き覚えのある甲高い声がした。

756 :ねぇ、名乗って:2006/07/19(水) 16:03:38 ID:EsfXCaGpO
聞き慣れた声、ついさっきまで耳にしていた声。
佐紀は恐る恐る、その声に振り向いた。
視線の先には、間違いなく桃子の姿があり、周りから白い目と失笑の洗礼を受けている。
『うわっ!桃子!?』
気が付いた時には、既に手遅れで、桃子が顔から火が出そうな程、顔を真っ赤にしている。
暗転した場内でも、その様子は容易に理解できた。

757 :ねぇ、名乗って:2006/07/19(水) 16:18:00 ID:EsfXCaGpO
「おお!君いいねっ!」
覆面がその場しのぎに、桃子を指差す。
場内が笑いに包まれる。
「じゃあ!もう一回いきますよぉ!」
「こんばんうっひーーっ!!」
場内からまばらではあるが、やる気のかけら達が『渋々』と音を立てて、返ってきた。
佐紀もまた、蚊の鳴くような声で、
「こんばんうっひ・・・」と呟く。
司会者の覆面にではなく、
今まさに後ろで顔を真っ赤にしている桃子のやる気に応える為に。

758 :ねぇ、名乗って:2006/07/20(木) 01:49:37 ID:qZ4GioJTO
覆面司会者の挨拶と、簡潔な進行説明が終わると、場内の空気はいよいよ戦闘モード一色に変わる。
桃子は瞬時に立ち直っていた。
『よしっ!目立った!恥ずかしいなんて言ってらんないもん!桃子!いいぞ!グッジョブ!!』
桃子は心の中でファイティングポーズを作ると、再び列に戻り、MDウォークマンで課題曲の復習に勤しんでいる。
周囲の白い目に臆することなく、
『これが桃とあんた達の間にある越えられない壁なのよ!ふんっ!』
と、根拠もなにもない自信で、周りの雑音を一蹴した。

各部門の番号札【一番】の受講者達が、壇上に登る。
桃子、佐紀、小春のそれぞれの心臓が、有り得ない速さで脈打つ。
そしてオーディションの幕が切られた・・・

759 :ねぇ、名乗って:2006/07/21(金) 04:49:48 ID:0trRkXhaO


760 :ねぇ、名乗って:2006/07/21(金) 16:27:25 ID:0trRkXhaO
自信の番号が呼ばれ、桃子は壇上に上がる。
2次のオーディションで、相当数がふるい落とされるであろうと、勘ぐる彼女はただ悔いだけは残らないように、できる限りの努力は惜しまなかった。
「それでは29番。えーと・・・・」
「つぐながですっ!」
桃子は躊躇う様子など、ハナから持ち合わせていない、そんな笑顔で自分の姓を名乗る。
「失礼しました。」
審査員が無表情に頭を下げると、桃子は「いえいえ。」と、満面の笑顔で大人達を睨み付けた。
「それでは。29番嗣永桃子さん。」
「はい!」
桃子は胸に手を当て、大きな深呼吸をする。
「どうぞ。」
何度も聴き、何度も歌った課題曲のイントロが流れた。

761 :ねぇ、名乗って:2006/07/22(土) 23:29:25 ID:NvULHR6GO
『歌詞が・・・とんだ・・・』
曲が終了すると、桃子は顔をひきつらせ、何事でもなかったように大人達に笑いかけた。
サビで一瞬、歌詞を忘れるという大失態を犯した桃子は
『何事もなく終わって!』とただ念じるしか術がなかった。
審査員達が桃子の資料にパラパラと目を通すと、
「お疲れ様です。」と、一人が事務的に口を開いた。
『ちょっと!ホントに何もなかったみたいに終わんないでよぉ・・・』
桃子は苦虫を噛み潰したような表情のまま、その場に立ち尽くす。
流れ作業のような進行に、精一杯抵抗するように。
「お疲れ様でした。」二度目の事務的な声が、桃子の抵抗をあっさりと断ち切った。
「ありがとうございました・・・」
ずっしりと足に重さを感じながら、桃子は壇上から降りた。

762 :ねぇ、名乗って:2006/07/23(日) 04:23:51 ID:zDPyjNaLO
「今の子、なかなか面白いやん!」
圧倒的な惨敗感を背負った桃子の背中を、審査員の一人が気に留めた。
しかし、今の彼女にはそれを聞き取れる程の余裕など無く、一歩一歩「とほほ・・」と音を立てながら階段を降りた。
まばたきと同じくらいの溜め息を漏らし、なんとか自分の座席に着く。

「ももちゃん!!」
今一番顔を合わせたくない人物が、元気いっぱいに手を振りながらこちらに駆け寄って来た。

763 :ねぇ、名乗って:2006/07/23(日) 23:53:29 ID:zDPyjNaLO
「あぁ小春・・・。」
桃子は、笑顔を置き忘れて来たように、目前の戦友に素っ気なく応える。
そんな重い空気を読んだのか、小春の顔から笑みが消えた。
「どう・・・だった?ももちゃん。」
悔しさで声に詰まり、握った拳を震わせる桃子の顔を、小春が心配なそうに覗き込む。
「駄目・・・っぽい。」
桃子が一言、ポツリと洩らす。
「なんで!?沢山練習したんでしょ!?」
「したよ。したけど、歌詞とんじゃった。やっぱ私駄目みたい。オーディションでこんなテンパってさ・・・ホント馬鹿みたい。」
優しく手を握る小春の手を、桃子の悔し涙が濡らした。

764 :ねぇ、名乗って:2006/07/24(月) 00:34:08 ID:wG2h1cC3O
「ごめんなさい・・・ももちゃん。」
思いもしない小春からの言葉に、桃子は頭を上げる。
「ももちゃんと初めて逢った時さ、小春を医務室に連れて行ってくれたよね?」
桃子の言葉を待つことなく、小春はつづける。
「あの時、ももちゃんオーディション受けられなかったんでしょ?」
小春の真剣な表情に、桃子はたまらず目を逸らした。
「そんなの小春に関係ないでしょ。」
「大ありだよ!小春、今でも思うの。あの時ももちゃんが私の前に並んでなかったら、私なんかと出逢わなかったらさ、今頃ももちゃんテレビの中にいるんじゃないかって・・・・。小春がももちゃんのチャンス、一個潰しちゃったようなもんだからさ。」
悲しさを押し殺し、小春は精一杯に笑う。
「小春・・・違うよ。小春のせいなんかじゃない。」
「ホントごめんね。ももちゃん!だけど泣いちゃ駄目。ももちゃんが小春にくれた言葉なんだよ。何があっても自分の部屋に帰るまで、泣いちゃ駄目だって。部屋に着くまでがオーディションなんだって。」
二人が同時に鼻を啜り、照れくさそうに目を合わせる。
「嗣永憲法・・・覚えててくれたんだ。」
小春は頷き、桃子の手を取る。
「行こっ!佐紀ちゃんの所。もうすぐ始まるよ。」

765 :ねぇ、名乗って:2006/07/24(月) 00:38:30 ID:wG2h1cC3O
最近仕事がハンパなく忙しいもんで・・・あと少し待ってて下さいでつorz

766 :ねぇ、名乗って:2006/07/24(月) 16:24:15 ID:wG2h1cC3O
佐紀の順番がいよいよ残り3人というところまで来たとき、
彼女はそれがごく自然のことのように、腕を真っ直ぐに挙げ、大きな伸びをする。
手の中には、昔母がくれた、ランDMCのカセットテープだけがしっかりと握られている。
佐紀は、ウォークマンでそれを聴く代わりに、カセットテープを胸に当て、ゆっくりと目を瞑る。
母がまだ「健康」で、自慢の「ママ」だった頃の風景が蘇る。
家族そろって食卓を囲んでいる時、佐紀のお気に入りは、ドラえもんやなんとかレンジャーではなく、右下にMTVと書かれた外国の歌番組だった。
「佐紀!行儀が悪いぞ!」ご飯を口にしたまま踊る佐紀を、父が叱る。
「いいのいいの!佐紀はダンスが好きなんだもんねー!」
佐紀はいつでも自分の味方をしてくれる母が、そんな風景を暖かく見守る父がとても大好きだった。
母の作る美味しい味噌汁、父の襟を黒く縁取る汗の染み、そんな何気ないことまで思い出す位、佐紀の神経は研ぎ澄まされていた。

767 :ねぇ、名乗って:2006/07/25(火) 01:43:45 ID:7vFRiVBWO
佐紀はいつからか、「踊る」ということが、嫌な事から逃げるための手段でしかなくなっていた。
佐紀は思う。雅や友理奈、茉麻、そして今この時だって同じ空間で必死に闘っている桃子も、目の前の嫌な事とキチンと向き合ってこれたんじゃないかと。
『今日くらい誰かの為に踊っても・・・いいよね?』
佐紀の口から自然と笑みが零れる。
「049番清水佐紀さん!」
進行の女性が佐紀の名を呼んだ。
佐紀は一歩一歩しっかり感触を確かめながら、壇上に歩き出した。

768 :嗣永憲法90条!:2006/07/25(火) 03:29:27 ID:AA7jJvEWO
一視聴者のほんのちょっとの我儘。

そろそろ『須藤飯店』の続きが読みたいなぁ。

オーディションと平行して交互に読みたいなんて、私だけでは無い筈。

769 :ねぇ、名乗って:2006/07/25(火) 21:50:46 ID:Up7TTc8j0
>>768
さんざんサボったのでそろそろ考えます
ありがとう
それとメル欄ちょっと笑ったw


りーちゃん推しの作家さん続き楽しみにしてますよ
ほんと毎日書いててすごいと思うわ
見習わないとねw

770 :ねぇ、名乗って:2006/07/26(水) 00:50:50 ID:IVrEZisYO
壇上から見渡す風景は、とても壮観で、丁寧にワックスのいきとどいた床をキュッキュッと鳴らす度に、
佐紀は、気持ちの良い胸騒ぎを覚える。

小学五年の時書いた作文には覚えたての漢字と、まだ幼さの残る文章で、将来の夢を書き記した。
食卓が笑顔で包まれる。「へぇ!佐紀はダンサーになりたいのかぁ!すごいじゃないか!」
「佐紀なら大丈夫!お母さんと一緒で運動神経抜群だもの!」
両親のくれたハナマルに、佐紀は上機嫌に答える。
「うんっ!私絶対に一番になるもん!」
そしてその翌日、父が倒れた。
病院通いの日々が始まると、母の笑顔は次第に失われ、病床で元気を装う父は、みるみるうちにやつれていった。
不眠でノイローゼになっていく母。
父の口から「もう、歩けないんだ・・・お父さん。」と聞かされた時、真っ先に思ったのは、父の肩車から見える景色だった。
父が死に、クラス中が優しく接してくれる中、佐紀は不謹慎だと解っていながら、心のどこかでホッと胸を撫で下ろした。
たった二カ月の間で佐紀の家庭は壊れた。
ポッカリ穴の空いた食卓には、冷凍食品とコンビニの弁当がだらしなく並ぶ。
そこには、佐紀の愛した風景など無くなっていた。

771 :ねぇ、名乗って:2006/07/26(水) 01:23:58 ID:IVrEZisYO
「049番清水佐紀さん」
哀しすぎる記憶を、しっかりと胸に焼き付けたまま、佐紀は審査員達の前に立つ。
『お母さん、もし一番になれたら、そしたらもう「産まなきゃよかった。」なんて哀しい言葉言わないでね。』


佐紀は両手を前に組み、音のきっかけを待つ。
重低音が耳から脳、脳から手足へと、スムーズに伝達していく。
佐紀が、バネ仕掛けのように飛び跳ねた。
人の姿を描きながら踊るのは、とても難しい事だったが
今までにない感覚に、佐紀の身体は、生き生きという言葉しか当てはまらない程、躍動する。
佐紀は、目の前の大人達など目もくれず、ただ大切な人達の為に踊った。
父 母 桃子 雅 友理奈 千奈美 茉麻 梨沙子。
次々に沢山の顔が浮かび上がる。
佐紀はもう、決して独りぼっちなどではなかった。

772 :ねぇ、名乗って:2006/07/26(水) 01:31:08 ID:IVrEZisYO
茉麻推しの作家さんw
マジ長くてゴメンorz
市原の日休み貰う代わりに仕事めちゃ大変っす!
ロムのみなさん長い目でどうかヨロですorz

773 :ねぇ、名乗って:2006/07/26(水) 02:49:26 ID:LSDk6HE20
同時進行しますね
分かり難くなっちゃうと悪いんでさむーい題付きでいきますw

まあ お互い市原に向け仕事がんばりましょーう

774 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』:2006/07/26(水) 02:51:17 ID:LSDk6HE20

日曜日の朝ということもあって、街の中はひっそりとしていた。
茉麻は、寝不足の眼で空を見上げながら駅に向かって歩いていた。
初秋の空は、都会とは思えない程やけに青々としている。

『北海道の空もこんな色だったなあ…』

ぼんやりと考えていると、突然『キィーッ』とけたたましいブレーキの音に身体を硬直させた。
「ビックリした?」
振り向くと、千奈美が満面の笑みで自転車に跨ったまま立っていた。
「驚かさないでよ!」
「まあ 眠そうだね ひどい顔してる」
その言葉に、茉麻はムッとして嫌味たっぷりに答えた。
「おかげさまで とっても眠たいです」
その様子に千奈美は肩を竦めると、自転車の荷台を指差した。
「重たいけど載せてあげる」
茉麻はムッとしたまま無言で荷台に跨ると、千奈美の肩を力一杯つかんだ。

「痛い!痛い!」

「うるさい!早く行け!」

弱々しく自転車を漕ぎだした千奈美を急かす様に
茉麻は、力強く地面を蹴った。

775 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』:2006/07/26(水) 02:53:15 ID:LSDk6HE20

堀切駅を出た電車は、程なく荒川の堤防を離れ、街の中を走っていく。
のりかえ駅の『北千住』までは5分程、ふたりは座らずドアにもたれ掛って話していた。

「でも普通言わないよね 『友達になって下さい』なんて」

「電話で言ってた子?」

流れる景色を眺めながら千奈美は頷いた。
千奈美から電話があったのは昨晩の真夜中の事だった。

776 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』:2006/07/26(水) 02:57:08 ID:LSDk6HE20

「もしもし…」

「まあ? 寝てた?」

薄明かりの中で見た時計の針は、間もなく二時を回ろうとしていた。
「うん…どうした…」
「明日さ 洋服買いに行くじゃん 友達連れて行ってもいい?」
茉麻は、早く眠りにつきたい一心で答えた。
「いいよ…もう切るよ」
「あの今日ね レッスン終わったあと『友達になって下さい』って言われちゃった
その子可笑しいんだよ…その後に苺のキーホルダーをね…」
電話の向うで悪びれることなく話し続ける千奈美の声を
茉麻は、薄れていく意識の中で聞いていた。

かろうじて覚えていたのは、『友達になって下さい』という言葉と
何度も繰り返された『苺のキーホルダー』という二つの言葉だった。

777 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』:2006/07/26(水) 02:58:19 ID:LSDk6HE20

ふと見た千奈美のバッグに、ゆらゆらと揺れるキーホルダーが付いているのに気が付いた。
茉麻は、少し屈んでそれを手に取った。

「苺のキーホルダー…」

「そう 貰ったの かわいいでしょ」
どちらかと言えば、観光地のお土産として売ってそうな
とてもシンプルなそのキーホルダーに茉麻は首を傾げた。
「それで 何処で待ち合わせてるの?」
「えーっ 電話で散々言ったじゃん!全然聞いてなかったの?」
茉麻はキーホルダーを手に取ったまま、呆れ顔の千奈美を見つめた。
「だって ほとんど寝てたもん」
千奈美は、大きく肩をすくめると、ため息交じりで言った。

「北 千 住!」

その声に合わせたように、電車は駅のホームに滑り込んでいった。

778 :ねぇ、名乗って:2006/07/26(水) 09:26:57 ID:IVrEZisYO
もしかしてもしかしてこの展開は・・・
細かな気遣いサンクスですw
ちなこのダジャレキボン!

779 :「桃佐紀オーディション」:2006/07/27(木) 01:03:49 ID:F6wxGbf+O
観客席で桃子達は、心から興奮し目を輝かせながら、佐紀が踊る様に見入っていた。
「・・・すごい。佐紀ちゃん。」
「うん・・・桃が見た時より全然上手くなってる。」
同い年の動作とは思えないくらい、佐紀の踊りは「ダンス」として文句なしに完成されていた。
小さく華奢な身体から、放たれる力強さと繊細さは、見る者を惹きつけ、黙らせるには充分過ぎる程の説得力があった。
いつの間にか、客席には人だかりができ、観客と化したライバル達が無言で、その様子に釘付けになっていた。

780 :「桃佐紀オーディション」:2006/07/27(木) 01:45:24 ID:F6wxGbf+O
音が止む。
佐紀の身体中を未だかつてない感覚が、ビシビシ音を上げ駆け巡る。
彼女はそれを名残惜しむように、肩で息をした。
審査員達の話し合いを、踊り終えた爽快感しか得ていない、そんなまっさらな面持ちで見つめる。
唐突に一人が口火を切る。
「君はいつ頃からダンスを始めたわけ?」
「いや・・・あんまり覚えてないです。」
「じゃあどこかのスクールにでも行ってるわけ?」
「いえ。どこにも。」
大人達が一斉に、わざとらしく驚いた。
話が見えずに、ソワソワと質問に受け答えする彼女の様は、まさに挙動不審そのものだった。

「まあね。今日はお疲れ様でした!」
『夏』と名乗る女性から、労いの言葉を受け取ると、佐紀は深々と頭を下げ舞台から降りた。

781 :『桃佐紀オーディション』:2006/07/27(木) 02:23:50 ID:F6wxGbf+O
佐紀が舞台を降りると、観客達の視線が一度に降り注ぐ。
人だかりが佐紀の行く手に、キレイな道をつくった。
さっきまでの、人を見下すような雑音は消え失せ、佐紀に向けられるそれは、強い者を羨む尊敬の類に変わっていた。
「佐紀ちゃん!お疲れ様!」
桃子と小春に拍手で迎えられる。
「やだっ!見てたの!?」「うん!しっかり見てたよ!佐紀ちゃんズルいんだもんっ!相当練習してたでしょ!」
桃子が口を尖らせ、拗ねてみせる。
「全然してないよぉ・・・ただ・・」
「ただ何?」
佐紀は言葉に詰まる。
「ううん・・・やっぱり何でもない。」
「なにそれぇ!」
肩透かしを受けた桃子の声と、小春の笑い声が高らかに響き渡った。

782 :『桃佐紀オーディション』:2006/07/27(木) 14:56:09 ID:F6wxGbf+O
「小春も佐紀ちゃんも良かったね!」
無理矢理に笑ってみせる桃子の顔はどこか複雑で、その無駄に発散される元気こそが、桃子の「焦燥感」そのものだった。
桃子は、それが「妬み」に変わらないように、更に元気の上塗りをしていく。
「何だか桃、お腹減っちゃった!」
早く会場を飛び出したい一心で、桃子は「悔しさ」で満たされた腹をさすった。

783 :『桃佐紀オーディション』:2006/07/27(木) 23:52:01 ID:F6wxGbf+O
三者三様の思いの詰まったオーディションを終え、三人揃って外の空気を胸一杯に吸い込む。
東京の空気は淀んでいて、排気ガスの匂いがつきまとってくるが、皆にはそれだけで充分だった。
中野では名の知れたラーメン店の暖簾をくぐり、少しだけ早めの夕食を摂る。
麺のすすり方にしたって、やはり三者三様で、佐紀はそんな風景を愛おしみながら塩味がしっかり利いたスープを最後の一滴まで飲み干した。
「佐紀の食べ方、凄く美味しそう!」
小春が「フゥフゥ」と麺を冷ましながら笑う。
「そ、そうかな・・・」
照れる佐紀自身が一番、驚いていた。
ラーメンの美味さはもちろんのこと、誰かと面と向かいながら食べる食事の美味さに。

小春に見送られ二人は電車に乗り込む。
この電車から降りれば、またいつもの変わり映えしない日常が待っている。
二人は「今」を、精一杯名残惜しむように、無言で肩を寄せ合った。
「お疲れだね・・・佐紀ちゃん。」
オーディションに誘ってくれたお礼を言うには、どことなくムズ痒い気がして、佐紀は「うん。」とだけ頷いた。
「佐紀ちゃん、寝てていいよ!桃が起こしてあげる。」
桃子の言葉に甘え、佐紀はゆっくりと瞼を閉じた。

784 :『桃佐紀オーディション』:2006/07/28(金) 00:21:28 ID:jjzVGSNXO
ガタンゴトンと揺れる車内。

佐紀は自宅の玄関を、力いっぱいに開く。
「ただいまー!!」
大好きな味噌汁の匂いに誘われて、彼女は乱暴にスニーカーを脱ぎ捨て、大好きな食卓に駆けていく。
「どうだった!?オーディションは!」
父が夕刊を放り投げ、ハラハラしながら佐紀を迎える。
佐紀のニヤついた笑顔が、それの結果を物語る。
「合格か?そうなのか!?」
勢い余った父が、佐紀を肩車する。
軽快なリズムでネギを刻む母がその風景を笑顔で見守ってくれている。
「お代わり!」
大好きな味噌汁と青椒肉絲を頬張りながら、手渡す茶碗に、母が「この子、ホントによく食べるわねぇ」と、半ば呆れたようにこんもりと艶やかな白米をよそう。
「いいぞ!佐紀沢山食べろよ!お父さんが頑張って働いてくるからなっ!」

ガタンゴトンと揺れる車内で、佐紀はつかの間の夢を見る。
閉じられた瞼からは、涙が伝い、その寝顔は幸福感で満ちていた。
必死で変わろうともがく佐紀の心が、佐紀自身に少しだけ素敵な夢を見せてくれた。
ガタンゴトンと電車が揺れた。

「桃子と佐紀とオーディション。」 了

785 :ねぇ、名乗って:2006/07/28(金) 00:26:11 ID:jjzVGSNXO
以上!
無駄に長く退屈な物語にお付き合い下さりサンクスゆいたいです!
ダメだし感想お待ちしてますよ!

それでは茉麻とちなことあの人の登場だお!

786 :名無し募集中。。。:2006/07/28(金) 05:46:44 ID:gTYm0hzvO
从´∇`从<保全しにきたよ♪

787 :ねぇ、名乗って:2006/07/28(金) 23:55:55 ID:rfkQu4Ld0
おいおいおいおい
苺のキーホルダーってすっごい期待しちゃうぞ

788 :『桃佐紀オーディション』:2006/07/29(土) 03:27:26 ID:+GDm7V1iO
なんか閑散と・・・
ヲレのせいかorz
凹むじゃねーかw畜生w

789 :ねぇ、名乗って:2006/07/29(土) 07:52:09 ID:OFLlZEHl0
あらら…続き出せなくてごめんねぇ
読み返すとすぐ書き直したくなるもんで…
書き直してコレかよ!ってのは簡便ねw もう少しお待ちを

取りあえず今日は市原へ… やっと誕生Tを着れるこのしあわせw

790 :ねぇ、名乗って:2006/07/29(土) 10:16:01 ID:+GDm7V1iO
ムチャクチャ晴れとんなぁ・・・
今横浜でバス待ちだわ・・・
我が3Bの勇姿を見届けに行ってまいります!
茉麻作家さん>今日という日をお互い全力で楽しみましょう!

やっぱBerryz工房は最高!!

791 :ねぇ、名乗って:2006/07/29(土) 23:12:37 ID:Pm/ZE3bSO
語るスレからきますたw

今日市原参戦した人乙!
馴れ合いも楽しかったよぉ〜
またヨロシクbyちなこヲタ

792 :ねえ、名乗って :2006/07/30(日) 00:58:04 ID:ougdOpep0
>>791
今日は楽しかったですね!
早速風呂入りますよ

793 :ねえ、名乗って:2006/07/30(日) 01:17:23 ID:smmUj/z10
B組ガンバってましたよぉ!
とっても夏らしいコンサートでした

それと『語るスレ』のみなさんほんとお疲れさまでした


794 :名無し募集中。。。:2006/07/30(日) 01:20:18 ID:hlCu1ZYGO
>>792
おおっ!無事着きましたか!^^ おかえりなさいです

来週の愛知コンも楽しみですね♪
また出来たら馴れ合いよろですw♪

795 :ねぇ、名乗って:2006/07/30(日) 01:23:16 ID:hlCu1ZYGO
>>793
おかえりなさい☆

今日は語るスレ初馴れ合いの参加有難うございました!
またどっかで会いましょう♪

796 :ねぇ、名乗って:2006/07/30(日) 12:20:44 ID:21+AqXz60
ベリ工の新曲ハロモニでみました!
やっぱ最高!!!!!!!

797 :ねぇ、名乗って:2006/07/30(日) 16:04:16 ID:LvAZ5uLvO
裏山だけどハロモニは来週までガマンガマン・・・

798 :ねぇ、名乗って:2006/07/31(月) 00:11:56 ID:j2MPhBg5O


799 :ねぇ、名乗って:2006/07/31(月) 00:20:13 ID:WFbudGajO
今回のセットリスト教えて?

800 :ねぇ、名乗って:2006/07/31(月) 00:49:31 ID:Fr1iS1Fo0
>>799
語るスレにあったよ


取りあえず書いてある分だけ続きを ↓

801 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/07/31(月) 00:54:23 ID:Fr1iS1Fo0

「ねえ どんな子?」

茉麻の少し前を、せっかちに歩いていた千奈美が、その言葉に立ち止まった。
すぐ後ろを歩いていた中年の男が、怪訝そうに二人を避けていく

「やっぱり二人だけの方が良かった?」

「ううん違う…どんな子かなと思って…」

千奈美は茉麻に合わせてゆっくりと歩き出した。
千代田線のホームに向かう人の波が二人を忙しなく追い越してゆく
「普通の女の子だよ でも友達少ない…うーん いないと思う」
「いない? 佐紀ちゃんみたいな感じ?」
茉麻の言葉に千奈美は呆れ顔で眉を顰めて言った。
「そんなこと言ったら佐紀が可愛そうじゃん」
「そうか!ごめん…」
茉麻はおどけてわざと左手を口に当てた。

「佐紀とは違うんだよなぁ 佐紀はあんな性格だから友達が避けてくって感じでしょう
あんな感じとは違う… なんだろう なんか自分から友達を避けてる…って気がする」

「ふーん そうなんだ」
自分から友達を避ける…茉麻は不思議だった
そんな子がどうして千奈美に『友達になって下さい』なんて言ったのだろう

「いた! あの子だよ! おーい!」

大きく手を振る千奈美の視線の先には、
ブルーのハンチングキャップを被った女の子が照れ臭そうに立っていた。

802 :ねぇ、名乗って:2006/07/31(月) 01:08:51 ID:WFbudGajO
>>800語るスレって何?

803 :ねぇ、名乗って:2006/07/31(月) 01:19:53 ID:Fr1iS1Fo0
Berryz工房について語りまくる!Part51
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1154075001/l50
の155

804 :ねぇ、名乗って:2006/07/31(月) 15:03:39 ID:j2MPhBg5O
どうやらベリ補給できたようだねw続編歓迎!
ワクワク

805 :ねぇ、名乗って:2006/08/01(火) 09:50:13 ID:Oysb2w4LO
りさこ可愛すぎるーーっ!あれで小6てー
((°Д°;)ノナントっ将来どーなる〜
それにしてもベリ工は将来期待大っだってカオレベル高いんだもー

806 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/01(火) 13:59:22 ID:u6tqud9q0

ホームに入ってきた電車は思いのほか混んでいた。
千奈美は真っ先に飛び乗り、僅かに空いていたシートの隙間に腰を下ろした。
座れなかったふたりを見て、得意そうに笑っている。

「ちぃひとりで座っちゃうんだ」

「千奈美ちゃんらしい」

茉麻のそばで遠慮がちに笑う『石村舞波』と名乗った女の子は
思い描いていたイメージとは違いごく普通の女の子に見えた。

「舞波ちゃんも洋服買うの?」

「はい 須藤さんは買うんですか」

「まあさって呼んで 舞波ちゃん」

「あっ うん」

ただ、時折自分を見つめる瞳に、茉麻はひどく違和感を感じた。
上目遣いで話す舞波の瞳は、いつも他人の心の中を探っている『臆病な眼差し』だった。

807 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/01(火) 15:08:26 ID:u6tqud9q0

「まあ…お腹痛い…」

買い物を終えた3人は、通りに面したカフェで遅い昼食を食べていた。
千奈美の目の前には、大きなパスタ皿が2枚重ねられていた。
「ちぃは食べすぎなんだよ!」
「だって…両方食べたかったんだもん…」
「みんなで食べれば良かったのに」
「うん…今度はそうする…」
千奈美は席を立ち上がると、よろよろとトイレに向かっていった。
そんな様子を舞波は心配そうに見守っている。
「千奈美ちゃん大丈夫かな」
「うーん…たぶん 欲張りすぎだよ」
「たしか 薬持ってたと思うけど…」
そう言って開いた舞波のバッグの中をみて、茉麻は目を見張った。
中には、赤いキーホルダーが幾つも入っていた。

「あった!」

「いちご…」

それは、千奈美のバッグに付けられていたのと同じ『苺のキーホルダー』だった。

808 :ねぇ、名乗って:2006/08/01(火) 16:11:48 ID:gwYytnSEO
珍しい時間に更新しててビックリしたぁw
長編乙です!
続きを楽しみにオクに張り付いてまつよ!
あと知らぬ間に800おめ!
羊は落ちないけどロムの皆さん!作家さんを禿げましましょう!

809 :名無し:2006/08/01(火) 16:45:26 ID:Oll3/ypDO
メールマガジンで梨沙子がやってるらしいぞ

810 :ねぇ、名乗って:2006/08/01(火) 17:02:02 ID:0evy/6tWO
>>808
こんちわ 続きさぼってフラゲ中
一枚目ハズレた…
夜また書きます  ノシ

811 :名無し:2006/08/01(火) 17:04:53 ID:Oll3/ypDO
メルマガで梨沙子がやってるらしいょ

812 :ねぇ、名乗って:2006/08/01(火) 22:36:58 ID:gwYytnSEO
メルマガて何だ?

813 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/02(水) 00:49:37 ID:Lv+ARmGP0

「あっ コレ…」

舞波はバッグの中に入っていた薬をテーブルに置くと
苺のキーホルダーを手に取り茉麻に手渡した。
「お爺ちゃんの手作りなんだ…」
「手作りなの!すごーい!」
手の中のキーホルダーには『石村いちご農園』と書いてある小さなシールが貼ってある。
「いちご農園って…いちご作ってるの!お爺ちゃんの家」
「うん 目の前が海なんだよ」
「へえー いいなあ 行ってみたーい」
それから舞波は嬉しそうに祖父の家の事を話し始めた。

祖父の家は静岡にあること

キーホルダーは叔父の工場の機械を使って祖父が作っていること

学校が休みになると帰省して家族で農園の手伝いをすること

「先週もしばらく行ってたんだ お爺ちゃんの所」
「えっ 学校は?」
舞波は微笑んだままうつむくと小さな声で呟いた。

「修学旅行だったから…」

「行かなかったの?修学旅行」

僅かにうなずいたその顔は、寂しげな表情に変わっていた。

814 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/02(水) 03:10:46 ID:Lv+ARmGP0

「私…友達いないから 行っても詰らないし…」

舞波はバッグを閉じると静かに床に置いた。
茉麻は居た堪れなかった、余計なことを訊いてしまったことを後悔した。

「ごめん…嫌なこと訊いちゃった」

「ううん いいの…」

「あのさ…このキーホルダー千奈美も持ってるよね」

「うん 友達になってくれたからあげたの」

茉麻は手に持っていたキーホルダーを顔の横に掲げると真剣な顔で言った。
「じゃあ これ貰ってもいい?」
「えッ いいけど」
その言葉に茉麻は微笑んで、自分のバッグにキーホルダーを付け始めた。
「私だって友達だもん 舞波ちゃんの友達だって【証し】欲しい」
「わたし 暗いよ 一緒にいても楽しくないかも…」
茉麻はバッグを見つめた。『苺のキーホルダー』がゆらゆらと小さく揺れている。
朝、千奈美のバッグに付いていた物とは違って、何故だかとても愛おしく思えた。
「やたらとうるさくって、限度を知らないより全然イイよ
ホラ見て 千奈美すっかり年取っちゃったみたい」
茉麻の視線の先には、背中を丸めて憔悴しきった千奈美がトボトボと歩いてくる。

「舞波ちゃん 辛い時があったら何でも言ってね 内緒事はわたしイヤだよ」

「うん…ありがとう」

茉麻と舞波は顔を見合わせて笑った。

815 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/02(水) 03:12:14 ID:Lv+ARmGP0

北千住にたどり着いた3人は舞波を見送る為、地下鉄のホームに向かって歩いていた。
楽しそうに話す茉麻と千奈美とは対照的に、舞波は何かを考え込んでいた。

「どうしたの? 舞波ちゃん」

気に掛けた千奈美の言葉に、重い口がようやく開いた。
「茉麻ちゃん…あのね」
「なに?どうした…」
ちいさな声に、茉麻はホームへ下る階段を降りながら耳を傾けた。

「友達だったらさ…内緒事は善くないよね… わたし嘘…」

「あっ!電車来たよ!」

「えっ…」

舞波の言葉は千奈美の声と電車の音にかき消された。

816 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/02(水) 03:13:29 ID:Lv+ARmGP0

舞波は滑り込んできた電車に乗ると、ふたりと向き合ったままうつむいた。

「さっき なんて言ったの?」

茉麻の言葉に舞波は首を横に振った。

「やっぱり言えない 言ったら嫌われるもん…」

その言葉にうつむく二人を見かねた千奈美が、口を挟んだ。

「舞波ちゃん まあが何て言ったか知らないけど、無理に言うことないよ
私とまあは友達だけど、内緒にしてる事だって結構あるよ  たとえば…」

「なんか内緒にしてるの」
茉麻はムスッとして千奈美の顔を覗きこんだ。
「借りてた漫画を水溜りに落っことして『グシャグシャ』にしちゃったとか…」
「うっそー 返さないと思ったらそういう事だったの!」
「ごめーん 痛い!痛い!」
茉麻に力任せに腕をつかまれた千奈美は顔を歪ませた。

「…と まあこんな感じで 言いたくなったら言えばからさ」

腕を擦る千奈美の言葉に合わせて、電車のドアが閉まる。
舞波はふたりをジッと見つめたまま小さく手を振りながらうなずいた。
ゆっくりと動き出した電車の窓越しに、涙を拭う舞波の姿がほんの少しの間だけ見えた。

「行っちゃったね まあ」

「うん 行っちゃった…」

舞波が最後に流してくれた『うれし泪』 ふたりはなんだか嬉しかった。

817 :ねぇ、名乗って:2006/08/02(水) 03:29:55 ID:Lv+ARmGP0
りーちゃん推し作家さん あと一日待って…orz
りーちゃん少し登場させたいのですが…良い☆カナ
続編考え中なら止めておきますので


818 :ねぇ、名乗って:2006/08/02(水) 04:28:44 ID:p389bx7hO
どうぞどうぞw

819 :名無し:2006/08/02(水) 08:23:06 ID:25GyJy7SO
メルマガってこうゆう奴
http://agw.st/
「●●梨●●です」がりしゃこらしい

820 :ねぇ、名乗って:2006/08/02(水) 09:04:17 ID:QcdN3nsi0
舞波が愛おしくて涙が止まりません

821 :ねぇ、名乗って:2006/08/02(水) 17:01:33 ID:bGxhHd+q0
CDの当たりってどれくらいの割合?

822 :HAPPYbirthday:2006/08/03(木) 00:16:22 ID:Yi2iRUqiO
友理奈おめ!!
金八スレから愛をこめて!

823 :ねぇ、名乗って:2006/08/03(木) 00:20:53 ID:Yi2iRUqiO
イベは5分の1くらいじゃないかと一応レス

824 :ねぇ、名乗って:2006/08/03(木) 01:48:14 ID:pgBs+pbP0
友理奈13歳おめ!


それにしても続きが全然まとまらんのだ…すまんねえ




825 :ねぇ、名乗って:2006/08/03(木) 14:59:28 ID:Yi2iRUqiO
のんびし待ってるよ!

826 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/03(木) 23:50:29 ID:pgBs+pbP0

駅の改札を出た千奈美は大きく身体を伸ばした。

「んー 帰ってきたあ」

少し遅れて改札を出てきた茉麻がゆっくりと千奈美の元へ歩いてくる。
「やっぱり 落ち着くね…」
そう小さく呟くと駅前の歩道橋をひとりで上がり始めた。
「まあ 待ってよ!」
取り残された千奈美は慌てて茉麻を追いかけた。

歩道橋を上がると、荒川からの強い風が、ふたりの髪を弄んだ。
茉麻は、日の落ちた荒川をぼんやり見つめ歩いていた。
「まあ どうしたの」
千奈美の声は茉麻に届かなかった。
不規則に乱れ舞う髪を気にも留めず、未だぼんやり歩き続ける姿に、千奈美は少し声を荒げた。
「まあ! 聞いてる?」
その声に茉麻は漸く我に返り立ち止まった。
振り返った視線の先には、千奈美が悲しそうに立ちすくんでいた。

「ごめん ちょっと考えてた あの…舞波ちゃんのこと」

「うそだ!」

千奈美は洋服が入っている沢山の紙袋を足元に置くと、茉麻に駆け寄った。
「そろそろ話してよ さっき舞波ちゃんにあんなこと言ったけど
ウチらに内緒ごとは無しだよ! だって…最近いつも考え込んでるじゃん…まあ」
更に悲しそうに見つめてくる眼差しに茉麻は重い口を開いた。

「わかった…千奈美だけに言うよ けど…みやには言わないで…」

827 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/04(金) 00:23:25 ID:1MNmB2jr0

「うそ!北海道に引越すの!」

ふたりは『堀切橋』の袂にある公園に来ていた。
無理やりブランコを横取りされた幼い男の子が恨めしそうにどこかへ走り去った。
「まだ決まったわけじゃないよ 一応こっちに残る事も出来るし」
「一人暮らしってこと?」
「伯母さんの家に行くことになると思う」
「そうなんだ…」
千奈美は大きくうな垂れるとため息をついた。
「そりゃ悩むよね…最近元気ないからさ なんか悩んでるのかなって思ってた 
だから誘ったんだよ 洋服買いに行こうって」
「そっか… ありがとね千奈美」
千奈美は微笑むと首を横に振った。
「まいみくん 何て言ってるの?」
茉麻はおもむろにブランコに立つとゆっくりと漕ぎだした。
幼い頃はずいぶんと大きく感じだブランコが、今日はずいぶんと小さく感じた。

「言ってない」

「えッ!なんで! 言わなくちゃ駄目じゃん! そんな大事なこと」

「自分で決めたいんだ 北海道に引越すかどうか」

茉麻は、勢い良くブランコから飛び降りた。

「それはわかるけど でもさ!」
 
「だって…北海道に行ったらまいみくんにも、みんなにも会えなくなる
でも、東京にいたら家族と離れ離れになるんだよ 大事な決断だもん 自分で決めたい」

そう言って振り向いた茉麻は、視線の中に入ってきた思いがけない人物に目を見開いた。

828 :ねぇ、名乗って:2006/08/04(金) 00:35:51 ID:1MNmB2jr0
早朝出勤なんで続きまた夜書きます
作家さん心遣いありがと&ROMのみなさん長引いてほんとごめーん


829 :ねぇ、名乗って:2006/08/04(金) 01:44:29 ID:W4kHODXjO
秀作だから長引くのはしゃあないやん
なんか素敵やん
ドキドキするやん

830 :ちなこヲタ:2006/08/04(金) 10:08:22 ID:ooQZ7GOuO
从´∇`从<保全のにゅ

831 :ねぇ、名乗って:2006/08/04(金) 12:09:19 ID:48CQvoPJO
なんて神スレなんでしょう。一気に読み切ってしまいました。作家の皆さん乙です。
キャプテン推しだけど、これからどうなるのか楽しみです。

夏ツアー開幕日に市原行きましたが、日曜も愛知公演に行きます。参戦される方々、楽しんできましょう。

832 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 01:15:33 ID:Z/5MiZqS0
CD8枚目

まだ当たり無し。  2期出荷は当たり率下がってるの??
泣きそうなんだけど。

833 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 01:19:01 ID:YBp4xWbZO
てか奥れw3kくらいで落ちるぞ

834 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 02:12:38 ID:Z/5MiZqS0
>>833

><。。  嘘だと言って。。

俺ヤフオク利用できないYO<l。、;

835 :名無し募集中。。。:2006/08/05(土) 02:34:05 ID:YBp4xWbZO
どうしてもいきたキャ現場までいってスケブもって立て
複数枚もってるやつ結構いるだろうから
足元見られて5kくらいでかえるんじゃね?

836 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 02:56:03 ID:Z/5MiZqS0
むしろ8枚CDの元を取りたいんだが。。

なんであたんねぇの?? そんなに率少ないのかよ?

837 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 03:01:33 ID:YBp4xWbZO
ハズレは潔くスルー
ホントにいきたきゃそんくらいしな!
5枚中3当たった人もいるし18枚買って当たらない人も俺は知ってる

838 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 03:03:16 ID:Z/5MiZqS0
>>837

18枚当たりなし。。  ガクブル。。

そんなんなったら俺、、発狂しちゃうよ。。

839 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 16:22:42 ID:YBp4xWbZO
暑さに負けそう・・
茉作家さんがんがれ!

840 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 19:08:48 ID:Ycy5rcXx0
>>831
読んでもらえて嬉しいです
明日は楽しんで来て下さーい

>>839
ありがとう! しかしほんと暑い…
エアコンの効かない仕事車で藁ボー聴くと…マジ夏すぎる


あと少し…今日アゲられそうです 短い話なんだけどねぇ Orz


841 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 19:22:55 ID:dNS+tri4O
11枚当たり無し

死にたい

842 :ねぇ、名乗って:2006/08/05(土) 22:04:26 ID:kMLkZO3NO
明日の愛知コン楽しんでくるぞっと

843 ::2006/08/05(土) 22:24:50 ID:czsoSHGD0
新垣カワイイ

844 :ねぇ、名乗って:2006/08/06(日) 02:37:39 ID:iR6FihJ+0
15舞目で2枚当たりやっとキターーーーーーーーーー!!!!!111

よかったぁwwwwwwwwwwwwww

845 :ねぇ、名乗って:2006/08/06(日) 04:21:49 ID:pr4K8yF+O
おめ!マジでよかったな長く苦しい道のりだったな!
思う存分ニギニギしてこいよ!

846 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/06(日) 05:18:38 ID:cZGF5U4j0

「まあ 引越しちゃうの?」

それは、幼い男の子の手を牽いてじっと茉麻を見つめる梨沙子だった。

「梨沙子…」

男の子をブランコに座らせると、そっと後ろから背中を押した。
「ふたりとも ブランコ取っちゃだめだよ」
声を上げて喜ぶ姿を、梨沙子はやさしく見つめていた。
「いつからココにいたの?」
「ずっとだよ みんなとあそこで本読んでた」
梨沙子が指差すほうを見ると、近所の子供達が集まって来ていた。
その中にいた、一際小さな女の子が、此方に駆け寄ってくる。
「ねえ りさこちゃん また『えほん』よんでよ」
そう袖を引いてせがむ女の子に『また今度』と言い聞かせると
梨沙子は、再び呟いた。

「まあ 引越しちゃうんだ…」

847 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/06(日) 05:20:28 ID:cZGF5U4j0

詰まらなそうに女の子が振り向く度、梨沙子は微笑んで小さく手を振った。

「梨沙子って 子供好きなんだね…」

「子供じゃないよ 友達だよ…」

その言葉に茉麻は微笑むと、梨沙子が持っていた『絵本』を徐に手に取った。
「まだ引越すか分からないんだ こっちに残る事も出来るんだよ
でも、そうしたら家族が離れ離れになっちゃう…でも向うに行ったら
皆とも…まいみくんとも  だから悩んでるんだ…」
「まあ まいみくんに内緒にしてるんだよ」
茉麻は千奈美を睨みつけると、小声で『バカ!』と言った。

「梨沙子…誰にも言わないで まいみくんとみやには心配掛けたく…」

「みやにも言ってないんだ」

梨沙子は茉麻の言葉が終わるのを待たずに呟いた。

「うん…」

848 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/06(日) 05:23:57 ID:cZGF5U4j0

「傷つくと思う…」

「傷つく…」

「そんな大事なこと内緒にされたら傷つくと思う」

「でも…自分で決めたいんだ…大事なことだから」

口を結んで真っ直ぐに見つめてくる梨沙子の瞳は、怒っていた。
茉麻はその瞳から、思わず目を逸らした。

「みやも矢島くんも…可哀想だよ」

そう言って梨沙子は背を向けて歩き出した。
ブランコに乗っていた男の子が梨沙子に駆け寄ると
小さな手で梨沙子の手を握り締め、不安顔で見上げた。
「梨沙子 待って!」
茉麻は、堪らず駆け寄って梨沙子の肩を掴んだ。

「大事なことだから… 一緒に悩んだり、心配したりしたいのに」

そう言って手を振りほどくとそのまま駆け出した。

849 :『〜ともだちと苺のキーホルダー〜』 :2006/08/06(日) 05:25:59 ID:cZGF5U4j0

「梨沙子 怒ってたね」

「うん…」

取り残された茉麻は渡しそびれてしまった『絵本』を見つめた。
「なんで自分で決めたいなんて思ったの」
「うん…」
「言ってみなよ」
「あのね…」
茉麻は北海道に行くことを知った、あの夜の出来事をふたりに話した。

「ふーん『今の自分を信じて歩もう』か…おじさんらしいね」

茉麻の父親の顔を思い浮かべた千奈美は、思わず笑った。
「だから今まで 言わないで悩んでたんだ」
茉麻は、うつむいたまま頷いた。

「でも梨沙子の言ってることも わかるでしょ」

「うん」

「わたしは嬉しかったよ まあの話し聞けて」

茉麻は、大きくため息を吐くと、もう一度『絵本』を見つめた。

850 :ねぇ、名乗って:2006/08/06(日) 05:36:59 ID:cZGF5U4j0
うーん…結局いい案出ず仕舞い 次はもうちょっと頑張りまーす
梨作家さん続編待ってますよお

愛知コン参戦組のみなさん 楽しんで来てね〜

851 :ねぇ、名乗って:2006/08/06(日) 06:18:13 ID:iR6FihJ+0
>>845

ありがとう。 ほんとうにありがとう。

おまえら大好きだぜ!!!!!!1111111

852 :ねぇ、名乗って:2006/08/06(日) 14:07:32 ID:pr4K8yF+O
茉作家さん乙です!
りーちゃんそろそろ始動させていかないとね・・・
長編は〆が難しいですもんねわかりますわかりますw
名古屋はマジ暑ですが梨沙子推してくるお!

853 :ねぇ、名乗って:2006/08/06(日) 20:40:13 ID:bllF8YmMO
作家の皆さまいつも乙です。

今終わりました。夜公演で千奈美がマイクトラブル&噛みまくりでした。
慌てたところもかわいいと思うキャプテン推しの自分がいる……。
友理奈コールすごかった。誰もアンコールって言わないし。

それでは、これから更新分をありがたく読ませていただきます。

854 :名無し募集中。。。:2006/08/06(日) 22:43:10 ID:pr4K8yF+O
友理奈が誕生日の友理奈コールに照れながらも笑顔でレスしてくれた
きっとマジで嬉しくて素でレスしてくれたとヲレは信じたい
何故ならば物語上の義理堅いキャラとシンクロしてしまうからだw
友理奈もヲタもよかったねスゲエいい時間だった

855 :ねぇ、名乗って:2006/08/07(月) 01:00:51 ID:hlZSwBUx0
参戦組のみんな乙! 良いコンサートだったみたいだね
参戦出来なかったけどレポ見てるだけで幸せになるよ
ほんとベリと同じ時間を生きてて良かったね…って話が大きすぎるかw
うーん…11日が待ち遠しいのれす

856 :ねぇ、名乗って:2006/08/07(月) 16:26:11 ID:92w9a5CEO
明くる朝、茉麻は何となく晴れない気持ちのまま、スクールバッグのディズニー達を揺らし登校した。
梨沙子の言いたい事だって、痛いくらい解っている、だけど雅やまいみの悲しい顔が浮かぶ度、打ち明けたい衝動を打ち消した。
両親だって、きっとこのまま自分だけが留まる事を理解してくれるに違いない。
出来ることならこんな辛い決断なんてしたくない。
『やっぱりまだ無理。はぁ・・・』
鈍色の空を見上げると、太陽なんて少しも顔を出してはくれなかった。

背後から、いつものドタバタと騒がしい二つの足音が、当たり前の顔をして近付いて来た。

「おっはよー!!」
雅がいつになく機嫌の良さそうな表情で、隣に並ぶ。
「ちょっとー!みやー!!」
二人分のカバンを持ち、ゼェゼェと息を切らしながら千奈美が追いかけてくる。
「何が入っててこんな重いわけ!?みやのカバン!」
「ジャンケン負けたんだから文句言わないの!私はちぃみたいに教科書学校に置いてってないもん!」
追いついた千奈美と目が合う。
いつもの変わり映えの無い日常。茉麻の中で何かが変わろうとしていた。

857 :ねぇ、名乗って:2006/08/08(火) 01:56:55 ID:hH9mjIAcO
「んっ?」
茉麻のカバンで、ディズニーと仲良く肩を並べて揺れるイチゴに、雅は目を留めた。
「なにこれぇ!チョー可愛いんだけどっ!」
茉麻が再び千奈美と視線を交わす。
「貰ったんだ!ちいの友達。・・・ううんうちらの友達にね。」
「友達?」
「そう!舞波ちゃんから貰ったんだ!」
「てか誰よ?またそうやって抜け駆けするんだ・・・二人してさ・・・」
雅はワザと足元の小石を蹴り拗ねてみせる。
「てか誘ったからぁ!みや寝ぼけて覚えてないかも知んないけど。」
「ウソ?」
「嘘じゃないから!だってみやが寝ぼけてらちが開かないって、ちいに起こされたんだもん!」
「え・・そ、そうだったんだ・・・ごめん。」
雅が恥ずかしそうに顔を赤らめた途端、厚い雲の切れ間から朝の光が射してきた。
二つのイチゴが不規則に揺れる。
「てか私さ、舞波って名前どっかで聞いた気がするんだけど・・・気のせい?」
茉麻と千奈美が声を揃え、雅の『気のせい』を肯定する。
「また始まったよ。みやの気のせい。」
「そうそう!昔からみやの気のせいは絶対気のせいだから!」
二人の笑い声が雅の前を歩く。
「ちょっとー!今のヒドくない?」
生徒達の、卸したての冬服が、太陽の柔らかな光で反射している。

858 :ねぇ、名乗って:2006/08/08(火) 02:13:07 ID:hH9mjIAcO
ガクガクブルブル・・・
てか雅骨折してんじゃんマジやばいorz
どーしよーマジテンパってきたぁ
ギブス取れたことで許して下さい皆さん・・・
無能なヲレを許してぇ
マジ凹んできた・・・

859 :ねぇ、名乗って:2006/08/08(火) 05:10:33 ID:9Xqt8JPM0
両手首骨折でギブスしててもカバン持てたし
ジャンケンも出来たから問題無いよお
『みやを気遣ってジャンケンに負ける千奈美』やさしいなぁ…  ってことで全然大丈夫w



860 :ねぇ、名乗って:2006/08/08(火) 08:04:19 ID:ipIRdOvFO
>>858
いつも乙です。
些細なことじゃないですか。気にせず続きをお願いしますm(_ _)m

861 :ねぇ、名乗って:2006/08/08(火) 08:42:43 ID:hH9mjIAcO
あざーすorz
この上ない励ましです
マターリと更新していくんで他に何か浮かんだら遠慮なしによろでつ!!

862 :ねぇ、名乗って:2006/08/08(火) 11:14:14 ID:K3rIugw00
夏焼のドテ焼きは本当においしいなあ。
雅のおまんをおいしそうになめるトミーズ雅。
その横では落合副嗣が嗣永の貧乳をちゅうちゅう吸っている
男の子のおっぱいみたいで興奮するぜい
雅と桃子は初めての経験で痛くて泣いている。

863 :ねぇ、名乗って:2006/08/08(火) 14:47:23 ID:hH9mjIAcO
スルー

864 :ねぇ、名乗って:2006/08/09(水) 00:27:03 ID:kc0xdPnTO
ワラボーフラゲしたお!りーちゃんの神ポニテに放心状態・・・
人間ホントに凄いものを見るとただにやけてしまうんだと気付いた
なんで今日は書けませんがまたのんびり書いてくよんw
10月と言えば運動会があるね!なんかいいアイデアないですかね?!

865 :ねぇ、名乗って:2006/08/09(水) 02:03:01 ID:kc0xdPnTO
雅達の後ろを、少し遅れて友理奈が歩いている。
舞波と逢えなくなってから、丁度一年の月日が経った今。
彼女は胸の奥にしまいこんでいた感傷的な気持ちに身を寄せながらも、しっかり背筋を伸ばし10月の荒川を歩く。
朝から冴えない色をしていた空から、少しだけ太陽が顔をのぞかせる。
友理奈の目先では、桃子と梨沙子が、愉しげにふざけあっている。
友理奈はカバンを肩にしょい直すと、力いっぱいに走り出した。
「おはよー!!」

友理奈のカバンの中で、イチゴのキーホルダーがカラカラと揺れていた。

866 :ねぇ、名乗って:2006/08/09(水) 06:06:18 ID:cGqlj/fa0
そんな二人をうらやましそうにツバを飲みこみながら見つめている、
まあさ。
彼女は発達がめざましく、人一倍体格がよい。
ここ最近は性欲の処理に困ってしまって
トイレでアナルを洗いながらオナニーしているくらいだ。
二人が犯されるのを
口からよだれを垂らしながら凝視し、必死に自分の膣口をまさぐっている。
アナルも指で刺激している。

867 :ねぇ、名乗って:2006/08/09(水) 08:13:36 ID:NqL2ySYvO
朝からもんもんしすぎだよおまえw

868 :ねぇ、名乗って:2006/08/09(水) 08:42:48 ID:kc0xdPnTO
徹底スルー

869 :ねぇ、名乗って:2006/08/10(木) 01:35:27 ID:sqsjMo25O
冬服の紺色と黒で染めぬかれた3Bの教室は、すぐそこまで来ている「冬」を予感させている。
昨日のオーディションの余韻が冷めやらぬまま、結局朝方まで眠ることのできなかった佐紀は、一人遅れて教室の扉を開いた。
仲良く、昨日のドラマの話題に夢中になっていた、雅達が一斉に佐紀の方に向き直る。
佐紀は一瞬の間、躊躇うように下を向くが、見えない力に背中を押されるように閉ざしていた口を開いた。
「おはよ。」
それはごく自然な、朝の挨拶だった。
「え?・・・お、おはよ。」
雅が目を丸くしている。
佐紀は人間くさくなることを受け入れるように、照れくさそうに、はにかみながら席に着いた。
「きいた?今。」
雅が驚いた顔で、千奈美に振り返る。
3Bの教室は、誰一人として残り少ない学校生活の事など気に掛けている様子は見えず、今日も蜂の巣をつついたように賑わっていた。

870 :ねぇ、名乗って:2006/08/10(木) 01:44:48 ID:sqsjMo25O
えっと・・・「オーデ」と「イチゴ」のあさらい的な感じで翌日の風景を書いてみましたw
たまには何もない日常をはさんでおこうかなみたいな
雅と佐紀にはちゃんと仲直りさせないとね!泣ける展開考えとくよ

871 :ねぇ、名乗って:2006/08/10(木) 03:43:15 ID:gJKFa8/RO
新曲のシングルVをゲットしました。いや〜、今回のPVはかなりいいですね。
イベントも行けないし紺は大阪まで予定無いので、PVとこのスレで我慢しますから、作家の皆さまよろしくですm(_ _)m


>>870
続き乙です。

>雅と佐紀にはちゃんと仲直りさせないとね!泣ける展開考えとくよ

キャプテン推しとしては、期待してますよ。ぜひ佐紀ちゃんを救ってあげてください。

872 : ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:2006/08/10(木) 04:04:31 ID:w0Uwa7Bl0
          、,,,,,,,,,_ ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、
       ,,-''''''::::::::::::::::`:::::::::::::::::::::ヽ
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  l  εレ l、   ノ      ノノ|||,─-、::::|
  ヽ_/ ::..ヽ- '   ∴.;, . .  / i l::::::|     ,==-、
    l `o_O::_〉、: ι       〉tbノ|:::::|     /`─'/
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     ヽ_;;:;;:::,;....:.;;.:.;.....:.:.//:::::::::::::/-,_      \
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873 :ねぇ、名乗って:2006/08/10(木) 22:45:29 ID:sqsjMo25O
仕事おわんないorz

874 :ねぇ、名乗って:2006/08/10(木) 23:42:07 ID:sqsjMo25O
雅佐紀と友理舞波ほんとまだまだ書くことイパーイだわw
作家2・3人で回してる状態だからねアホな荒らしじゃなくてニューカマー作家来ないかなぁ

875 :ねぇ、名乗って:2006/08/11(金) 00:14:49 ID:EaZ5giq20
>>871
シングルVの『佐紀ちゃんアイス』可愛すぎ!
まあさは…クロちゃんの物まねだものw 

>>874
短編大歓迎なんで遠慮なく書いてほしいなあ
最近すぐ煮詰まっちゃうんだもん…おれ
新たな作家さん登場に期待!

876 :ねぇ、名乗って:2006/08/11(金) 00:42:05 ID:DxI33qKiO
たまには違ったスタイルの作品読んでみたいねw
俺もソッコー煮詰まるし同じ文体何度もつかってるなんてざらだもんね
何も考えずスラスラ書けてた頃が懐かしいお!

877 :ねぇ、名乗って:2006/08/11(金) 16:08:48 ID:r45B/4xfO
やっとこ仕事終了!中野行ってくるよ

878 :ねぇ、名乗って:2006/08/11(金) 17:00:11 ID:/psn+5B9O
>>877
おっ、いいですね。楽しんできてくださいな。

879 :ねぇ、名乗って:2006/08/11(金) 17:40:44 ID:l3Gvhm9F0
ロリ好きなやつっていつも結局この3タイプ。

・年齢=童貞歴の負け犬
・あまりにモテないので恋愛を諦めたダサ男
・知障の親に育てられDQNに育った人間のクズ

せいぜい手を組んでガンバレwww


880 :ねぇ、名乗って:2006/08/11(金) 23:39:04 ID:EaZ5giq20
中野から帰還!
さすがに夜公演だけだからみんな元気一杯でした
MC噛んだ友理奈…可愛かったわ
明日は仕事だ… 行く人ガンバレwww

881 :ねぇ、名乗って:2006/08/11(金) 23:58:09 ID:DxI33qKiO
参戦乙!俺は明日から中野お台場静岡参戦!
あげられないかもしんないけどそのうち書くぉ!

882 :ねぇ、名乗って:2006/08/13(日) 15:54:54 ID:vNNgdIYsO
昼終わりましたw
全然書けなくてスイマセンorz
夜まで寝るます

883 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 00:48:53 ID:+pULwXHhO
今静岡から帰ってますorzほんと全然書けなくてごめんなさい

884 :ちなこヲタ:2006/08/16(水) 00:55:25 ID:BrNYOzRvO
中野〜静岡コン遠征から帰還!楽しかった〜


静岡最前では友理奈の爆撃にさらされました…w
何とかもちこたえたぞwww

あと静岡で交流してくれたりさこヲタさんサンクス!
非常に楽しかったです^^

うわーん大阪コンまでちなこに会えないよー

885 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:14:26 ID:9QzidR+KO
あまり知らないですがやめた子はいじめが原因らしいです。かわいそうですね。女とガキのいじめは容赦ないよね

886 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:23:06 ID:04jh2wFm0
>>885
詳しく。そういや舞波はダンスが苦手だったっけ。
それで足引っ張ってメンバーに責められてた?

887 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:26:56 ID:k/f94zqwO
中野・静岡のどちらか、あるいは両方参戦組の皆さま乙です。紺に行ける方がうらやましいッス。
自分は先日の愛知公演の後は、大阪の千秋楽までベリメンに会えないので、いい加減ベリーズ切れで禁断症状出そうですよ……。
大阪は雅様聖誕日の翌日ですから、必ずや盛り上がることでしょう。楽しみです。

888 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:27:53 ID:9QzidR+KO
はっきりいって名前も知らないし興味ない。ただかわいそうだと思って…理由は詳しくわからないんです。本人はなんて理由で辞めたのですか?ちなみに私はとある番組の関係者で偶然聞いてしまった

889 :名無し募集中。。。:2006/08/16(水) 01:32:06 ID:b3J2mtW80
狼のネタスレだろう。
見下した感じで舞波に話しかけるメンバーや、舞波について
あることないことスタッフに告げ口するメンバーがいて、人間
関係的にきつかったというお話。

後、舞波は自分から辞めたのではなく、人気が低いのを理由に
事務所から切られた、といったお話もあった。

890 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:33:03 ID:PeAi4tyF0
工作うぜー

891 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:40:58 ID:9QzidR+KO
べつに人気ない子なの?工作とかネタじゃなくて本当に聞いたんだよ。まああんだけ女いればケンカやいじめはあるか。ハロモニで新曲歌ってたよ。放送した?まだなら言うが最後に紙吹雪きが降るよこれで信用してもらえると思う

892 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:50:12 ID:YbRRQCga0
だとしたら最後あんなに泣くか?メンバー。。

まぁ、本人は笑ってたけど。。

893 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:53:17 ID:9QzidR+KO
全員泣いてたの?

894 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 01:58:38 ID:04jh2wFm0
>>889
人気なら須藤のほうがヤバいと思うけど。
そういや舞波がスイッチオン終わって楽屋に戻ったとき妙にあっさりしてたな。
別に嫌われるような子には見えなかったんだけど。

895 :名無し募集中。。。:2006/08/16(水) 02:04:33 ID:b3J2mtW80
まあネタスレだから…

舞波は、別に嫌われているようには見えなかったけど、
浮いているようには見えた。他のメンバーもまだ子供
だから、その点で、なかなか気が回らないんだろう。

多少なりとも気を配っていたのは、桃子くらいではないかなあ。
キャプテンが気を使ってやれればよかったのだけど、そういう
人ではないからなあ。

896 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 02:16:58 ID:hfHhBunEO
ちなみに須藤茉麻はかわいくないけどきれいだと思う。ハロプロなんか入ってなければ人気出るのにかわいそうに。
ちなみな舞波は中野来てたよ。

897 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 02:19:39 ID:Ta507qCO0
kwsk

898 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 02:28:57 ID:9QzidR+KO
ネタじゃなくて本当に聞いたんだよ!まぁ芸能界はいろいろあるしな…かわいそうだと思って教えにきただけだよ。ハロモニで新曲流れたら紙吹雪き確認してくれ。ネタじゃないと思ってくれるはず

899 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 03:14:31 ID:+pULwXHhO
はいはいスルーおまえこのスレで工作とかwww
荒らしたきゃ狼いってこいよ応援するからさ

900 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 03:32:49 ID:9QzidR+KO
ネタじゃないよ。真実を書いたまでだ。

901 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 06:10:57 ID:419FGAuL0
実家遠征から早朝帰宅!台場&静岡参戦組裏山っす…
しかもちなこヲタさん最前かい!いいなあ

さて仕事いってくるわ よみうりイベまで頑張らねば
続きも考えないとne

902 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 10:39:04 ID:tGuNc7630
>>895
多少なりとも気を配っていたのは、桃子くらいではないかなあ。
キャプテンが気を使ってやれればよかったのだけど、そういう
人ではないからな

お前分かり易いな 妄想の世界から早く戻ってこいよw

903 :ねぇ、名乗って:2006/08/16(水) 14:52:32 ID:EVGN/cy20
精神的に成長しきれてない人たちが、ロリになるみたいやな・・・
で、ロリコンやとみんなに変な目でみられる・・・
対人恐怖症とロリコンて関係あるんですかね?

904 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/16(水) 23:53:08 ID:+pULwXHhO
白壁の防音室の中、千奈美は鍵盤を人差し指でなぞりながら、物思いにふけっている。
講師の寺田から課せられた宿題を、何個かこなし誉められている内に、この防音室での時間が、千奈美の中でとても大切な時間になっていた。
寺田のアットホームな関西弁と、的確な指導の甲斐もあり、千奈美は面白いように「音楽」にのめり込んでいた。
「あぁ・・・師匠まだかなぁ!」
千奈美は、初めて自分で作曲した楽譜を眺めながら、寺田を待つ。
消しゴムの使い過ぎで黒ずんだ譜面に、もう一度目を通すと、自然と顔がほころんだ。
慣れない手つきでボールペンを回しながら、無題の欄に曲名を書き込む。
『あなたを好きになる三原則。』
「うわっやっぱ恥ずかしっ!」
千奈美の日に焼けた顔が、ほんのりと赤くなった。

905 :「小さな恋のメロディ」:2006/08/17(木) 00:49:26 ID:raRrhUdtO
「ギィ・・・」
分厚く頑丈な扉が開くと、外の騒がしい音が一斉に入り込んできた。
「まいど!」
寺田がいつもの調子で、入ってくる。
「お、おっはようございます!し、師匠っ!」
千奈美は慌てて、譜面を後手にした。
「なにテンパってんのん?」
寺田は千奈美の後方に回ると、イタズラに楽譜を奪い取る。
「いやっ!ちょっ!だめですってば!」
千奈美は明らかに同様を隠せず、寺田の動きに合わせ右往左往する。

「これ・・・徳永が書いたんか?」
寺田は急に立ち止まったかと思うと、真剣な目つきで譜面を読み込んでいく。
「いや・・その。全然ヘタクソですけど・・・何となく書いてみました。」
彼女は、イタズラが見つかった子供のように俯くと、彼の反応をうかがう。
「あなたを好きになる三原則・・・凄いやん!ちょっと弾いてみていい?」
彼は千奈美の言葉を待たずに、エレクトーンと向かい合った。
彼の無邪気な横顔に、千奈美の心臓は高鳴った。

906 :ねぇ、名乗って:2006/08/17(木) 09:05:40 ID:pNmgP62eO
はじまったね
続き待ってます!

907 :ねぇ、名乗って:2006/08/17(木) 14:05:04 ID:AtrXSIk70
プギャ━━━m9。゚゚(゚^Д^≡^Д^゚)゚゚。9m━━━━!!!!

ロリきんもー☆氏ね氏ね死ねwwwwwwwwwww

18歳以下の少女に興味を持つのを、よく
「生殖機能が備わった女性に興味を持つのは生物学的に〜云々」いうロリコンまじうけるwwwww
よく考えたいいわけだよなwwwwじゃあそれを街中で声を大にして叫んでみろよwwww
世界の中心でロリを叫んでみろよwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

908 :ねぇ、名乗って:2006/08/17(木) 14:34:14 ID:FNGxOqXgO
ついに新作

キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

楽しみに待ってましたよ。
続きもよろしくです。

909 :ねぇ、名乗って:2006/08/17(木) 15:07:24 ID:raRrhUdtO
夜また書きますわ!
変なの湧いてるんで徹底スルーでよろしくです!

910 :ねぇ、名乗って:2006/08/17(木) 20:19:55 ID:FNGxOqXgO
>>909
了解です。楽しみに待ってます。
千奈美に、アホはハナっから眼中にないので大丈夫ですよ。

911 :「小さな恋のメロディ」:2006/08/18(金) 00:47:06 ID:83uPAx4yO
寺田の十指が、鍵盤の上を忙しなく泳ぐ。
自分の不格好なメロディーとは違い、彼の奏でるそれは、千奈美の思い描くイメージを、そのままに具現化してくれている。
自分が約3日間、ほとんど眠ることなく一生懸命に書き上げたメロディーを、彼はとても嬉しそうに奏でている。
彼が時折こぼす笑顔は、まるで新しい玩具を買って貰った少年のようにキラキラしていて、千奈美はいつの間にか、そんな寺田の横顔に見入っていた。
「徳永?どうしてん?ぼーっとして。」
千奈美が慌てて我を取り戻す。
「ど、どうでした?・・・やっぱ駄目?ですか?」
千奈美が恐る恐る彼の顔を覗き込んだ。

912 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/18(金) 01:25:28 ID:83uPAx4yO
「いや!凄いわ!めちゃめちゃクオリティ高いなぁ!もっぺん聞くけど、ホンマにこれ徳永が書いたん?」
寺田から思ってもみない言葉が返ってくる。
千奈美は上手く話が飲み込めずに、照れるそぶりもみせず、ただコクリとだけ頷いた。
「徳永はこの教室に来る前に、なんかやってたん?」
彼が興味津々といった表情で、千奈美に向き直る。
寺田の視線に千奈美は、胸が締め付けられるような感覚を覚えるが、
彼女は、そんな得体の知れない気持ちを打ち消すように淡々と答えた。
「いえ。なんもやってないです!だってウチただの町工場ですよ。小さい頃なんて機械いじりくらいしか・・・」
寺田は腕を組み、不思議そうに首を傾げる。
「だってこれ、完璧やで。はっきりいって俺には書けへんよ。」
彼の口調から、いつものお調子者の雰囲気が無くなると、千奈美はたまらず彼から目を反らした。
「イヤですよ!またそうやってからかうんでしょ!うちのこと!」
千奈美はどうにかして、張り詰めた空間から逃れたい一心で、笑いながらその場をやり過ごそうとした。

913 :ねぇ、名乗って:2006/08/18(金) 01:28:14 ID:83uPAx4yO
いつものように煮詰まったorz
のんびり書くんでwまた明日にでも

914 :ねぇ、名乗って:2006/08/18(金) 14:22:21 ID:4Dkta7Iz0
ロリコン野郎って図々しい
そんなに幼女がいいんなら自分で子供作って
遊べば?

まぁ無理でしょうがねw
ロリコンはさっさと死刑にした方がいいな

915 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/19(土) 01:37:08 ID:MkpdC0a9O
「あっ!でも・・・」
千奈美は何かがひらめいたように、口を開く。
「そういえば工場の機械の音、小さい頃だけど、うち全部ドレミで歌えましたよ!
まぁ親は、お前は変わってるって笑ってましたけど・・・」
寺田が目を丸くし、ただにやけている。
「ちょ、ちょっと待ってや!」
彼はおもむろに席を立つと、パシャリと教科書を床に落とした。
「徳永、この音解るか?」
「えっ?たぶんですけど『シ』?」
寺田は続けざまに、色々な音をだしていった。
シャープペンシルの音やドアノブを回す音。
千奈美が淡々と答える度、彼の笑顔は増していく。
「ソ、ド、ソ、ド・・・」
彼女は、寺田の嬉しそうな顔が沢山見たくなり、嫌な顔もせずに一生懸命、それに答えていった。

916 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/19(土) 03:34:35 ID:MkpdC0a9O
「間違いないなぁ・・・うん。」
寺田が唸りながら席に腰掛けると、尚もブツブツと独りで頷いている。
「いやぁ!まいったでぇ!しかし・・・」
全く状況の呑み込めない千奈美が、思い切って割って入る。
「あのぅ・・・何かさっぱりなんですけど。」
防音室の圧縮された空間と、目の前の男の意味深なにやけ顔が、千奈美の緊張に拍車をかけた。

「いやぁゴメンゴメン。徳永ビックリせんといて。
自分な、恐らく絶対音感持ってんで。」

「へっ?」
千奈美の頭は殆どが混乱し、わけもわからずに、防音壁の無数の穴ぼこを呆然と見つめていた。

917 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/21(月) 00:42:02 ID:HxKBqAW9O
『絶対音感』
その言葉には、あまりに現実味に乏しく、
陳腐で薄っぺらな響きだけを残した。
「そんな。そんなことあるわけないじゃないですかぁ!・・・いやだな、もぅ。」
千奈美は浮き足立つ気持ちを鎮めるように、必要以上に誤魔化し笑いをする。
「せやな。いっぺんキチンと調べてもらったらいいわ。
もしもホンマにその能力があったら、徳永はこんな所に居てはアカン人間やから。」
寺田はそれだけ言うと、いつもの明るさを取り戻し、普段着のレッスンを始めた。
「こんな所に居てはアカン人間やから。」
その言葉だけが幾度も千奈美の頭を通り過ぎていく。
もし仮に今の話が現実だとしたら、目の前の「師匠」と慕う男とは会えなくなる。
浮ついた気持ちは、いつしか不安に変わり、その不安が彼女の指先をいたずらに狂わせる。

狭い密室の中で、小さな恋のメロディーが心細く響いていた。

918 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/22(火) 01:44:36 ID:BFFykvw0O
「徳永。飯食ってかへんか?」
レッスンを終えると唐突に寺田が晩御飯を誘ってきた。
勿論、千奈美にそれを断る理由などなく、彼と帰路を共にする。
まだ人で溢れかえっている駅のホームに肩を並べて立っていると、
何故か誇らしげな気持ちが芽生えてくる。

『もしかして、うちら恋人同士に見えたりして・・・』
千奈美は気付かれないように、半歩だけ彼との距離を縮めた。
次発の時間を見るフリをして、寺田の横顔を覗く。
電車を待つ寺田の表情はどこか寂しそうで、千奈美の期待していた、優しい横顔はそこにはなかった。
千奈美が慌てて目を逸らすと、タイミングを推し量ったように、電車が滑り込んで来た。

919 :ねぇ、名乗って:2006/08/22(火) 15:52:22 ID:KTf1AUYo0
お前らが36歳のデブメガネでロリコンの変態だときいて世も末。
年齢こそ18歳以上だが精神的には全然大人になってない奴等。
こういう奴はなおさら大人の精神なんてもってないし。

920 :ねぇ、名乗って:2006/08/22(火) 23:02:16 ID:Ee0jNHpo0

梨作家さん乙です そしてみなさんこんばんは まあさ推しの作家です
この夏参戦予定のイベコンすべて終了したのでそろそろ書きます
自分自身でも先のわからない見切り発車の話しなので
例の如く長い長い&休み休みになると思います どうぞご勘弁を… では↓

921 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/08/22(火) 23:11:24 ID:Ee0jNHpo0

金八は教室の蛍光灯のスイッチを押した。

「悪かったな 手伝わせちゃって」

薄暗くなった教室に明かりが灯る。
手に持っていたプリントに光が反射して酷く眩しく感じる。
佐紀と梨沙子は思わず顔をしかめた。
「いいんです どうせ暇だから」
佐紀の言葉に金八は微笑むと『ちょっと待ってて』と言い残し教室を出て行った。

「珍しいね 梨沙子が先生の手伝いするなんて」

ふたりきりになった教室で、最初に言葉を発したのは、佐紀だった。

922 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/08/22(火) 23:23:59 ID:Ee0jNHpo0

帰り際、手伝いを求める金八の声に、真っ先に佐紀は手を上げた。
程なくして手を上げた梨沙子のことを佐紀は気にかけていた。

「だって 暇だったから…」

佐紀の言葉に梨沙子はそう答えると、教室の窓からすっかり日の落ちた空を見つめた。
「なんか嫌なことでもあった?」
梨沙子は、外を見つめたまま窓に映る佐紀に視線を移した。
昼の教室で感じる刺々しさは、今の彼女には無かった。

「今日はやけに知りたがるね わたしのこと」

「えっ… だって…なんか元気ないからさ」

佐紀は、知らず知らず梨沙子のことを詮索してた自分に気が付き恥ずかしくなった。
梨沙子はそんな様子を伺いながら、窓際の机の上に腰を下ろした。

「あのね まあと喧嘩しちゃったの…」

「そうなんだ…」

佐紀は、たったひと言だけそう言うと黙り込んだ。
考えてみれば、人から悩みを打ち明けられた事なんてほとんど無かった。
梨沙子にどんな言葉を掛けてあげれば良いか… 今の佐紀にはわからなかった。


923 :ねぇ、名乗って:2006/08/23(水) 00:20:47 ID:43uWRaqWO
茉作家キターーー(゚∀゚)ーーーっ!!
充電完了かい?
俺も今年の夏は楽しくてホント仕事鬱だわw
なかでも市原で茉作家さんとプチ対談できたことが何よりのおもひでw
続きまってるお!

924 :ねぇ、名乗って:2006/08/23(水) 00:36:35 ID:ocUCO5mSO
>>920
更新乙です。やっと続きが読める〜。これからもよろしくお願いしますですm(_ _)m
自分は週末の大阪で夏の予定全終了です。早くも土曜にならないかな〜。

925 :ねぇ、名乗って:2006/08/23(水) 18:20:37 ID:AtCqX7yE0


りしゃこがソロデビュー決定

ttp://hello.uh-oh.jp/cgi-bin/aaa/img/hell32801.jpg

ttp://www.candy-gal.net/home.html

926 :ねぇ、名乗って:2006/08/24(木) 00:34:58 ID:YjmoTCcV0
>>923
よみうりイベでも『語る』の人と馴れ合いましたよ
今日はこれから仕事なんです…梨作家さん支障なければ同時進行でお願いします

>>924
大阪羨ましいっす
せめて今日横スタ行けばよかった…
 
ttp://www.ishikawarika.org/opv/link.php?id=0150  夏リメOPV

927 :梨作家:2006/08/24(木) 01:02:45 ID:4gK6gDq8O
まだ外なんでまた明日書くよ
夜勤ガンガレ!!
おれたちゃ哀しい社会人♪♪

928 :HAPPYbirthday:2006/08/25(金) 00:16:51 ID:/z/NsCpcO
みやびちゃんお誕生日おめ!頑張るみやびちゃんこれからも応援するお!
金八スレより愛をこめて!

929 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/25(金) 01:46:13 ID:/z/NsCpcO
『焼肉ふじもと』は、終日人で賑わっている。
飾り気のない店内は、うまそうな煙が立ち込め、否が応でも客達に列をつくらせる。
寺田は暖簾をくぐり、若女将と挨拶を交わす。
「徳永!こっちやで!」
寺田に招かれ、二人掛けのテーブルに着いた。
「師匠、いいんですか?みんな並んでますけど・・・」
千奈美は、訝しそうにこちらを見ている行列に聞こえないように小声で尋ねる。
「かめへんよ!予約してるもん。ここの若女将は昔からの知り合いやし。」
寺田は悪びれる様子もなく、生ビールと烏龍茶を注文した。
「し、師匠。ここ美味しいけど高くないです?うちのお父ちゃん近所なのに全然連れてきてくれませんもん。」
千奈美は特上カルビの値段を確認すると、恐る恐るメニューから顔を上げた。
「けったいやなぁ!子供が遠慮してどないすんねん。今日は徳永の作曲記念日や!どんどん食い!
おーい!!美貴ちゃんレバ刺五人前!!」
『子供』という言葉に千奈美は少しだけムッとしたが、こみ上げる食欲が一時的に千奈美の苛立ちをかき消した。

930 :ねぇ、名乗って:2006/08/25(金) 12:55:13 ID:FnK7na58O
>>929
更新乙です。
焼き肉「ふじもと」に店員が美貴様……行ってみたいかも。
今日はみやの聖誕日♪14歳おめ!明日は千秋楽と聖誕祭で盛り上がりそう。楽しみだわ。
千葉県民の自分は夕方出発します。参戦される方、盛り上げていきましょう。

931 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 00:23:49 ID:6DkZjui9O
大阪いいなぁ
仕事だわw元気なベリメンを俺の分まで応援してきてくれorz
千奈美に劇は全滅><
オクしきん頑張って稼がないとね

932 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/08/26(土) 04:24:56 ID:sBv0hTO10

しばらくすると、小さなポットと急須そして
3つの湯呑みとお菓子をお盆に載せた金八が、教室に戻ってきた。

「今日、来客があってね 頂いたんだ」

「わたしこのお菓子好き」

お盆を覗き込んでいた梨沙子はそう言ってお菓子に手を伸ばした。
嬉しそうに佐紀の横に座ると、お菓子の包み紙を器用に開け始めた。
その様子を静かに見ていた佐紀は、立ち上がりお盆の上のポットに手を掛けた。

「私やります」

「そうか ありがとう」

梨沙子は包み紙が開いたお菓子を、決まりが悪そうに置くと
残り2つのお菓子をふたりの机の上にそっと置いた。
「もう君達と放課後こうやってのんびりと過す事もなかなか出来なくなるな」
二人の事を見つめていた金八は、静かに語りかけた。

「体育祭が終わったら三者面談だ いよいよだなぁ…」

「もうすぐ受験なんですね…」

佐紀の言葉に、金八は小さく頷いた。

933 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/08/26(土) 04:27:46 ID:sBv0hTO10

注ぎ切った急須に、佐紀は再びお湯を入れた。
静まり返った教室に、お湯の注がれる音とお茶の香りが広がっていく。

「佐紀 お母さん…元気か?」

突然の金八の言葉に、ポットを押していた佐紀の手の力が一瞬抜ける。
注がれていたお湯が止った事を悟られぬ様に、佐紀は再びそっと力を入れた。
「何でですか?」
「うん 実はこの前、商店街で君のお母さんに会ったんだ」
「お母さんに…」
静かに湯呑みを差し出した佐紀に、金八は小さく会釈をした。

「君のお母さん ひどく酔っていらっしゃった」

「そうですか…」

金八は、考え込む佐紀を気遣い、湯呑みを佐紀と梨沙子の机に置くと言った。
「菅谷 少しの間だけ佐紀と二人きりで話をさせてくれないか」
梨沙子は、二人の顔を交互に見やりながら頷くと、立ち上がろうと腰を浮かした。

「先生!梨沙子も一緒じゃ駄目ですか」

梨沙子は、浮いていた腰を静かに椅子に落とすと成り行きを見守った。
「聞かれたくない話かもしれんぞ…」
「構いません」
金八はその言葉に深くため息を付くと、佐紀をじっと見つめ口を開いた。

「それじゃ聞くよ そのリストバンドで隠してある傷跡は何だい」

佐紀は、金八から視線を逸らすとリストバンドが付けられた腕を無意識に隠していた。

934 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 08:02:20 ID:6DkZjui9O
とうとう核心にきそうだね!
いやぁかれこれ4カ月続いたこのスレもやっと折り返し地点ですなw
茉作家さん坂本せんせ出してくれてサンクスです彼の存在すっかり忘れてたわぁorz
(愛知県千種イオンのヲタ列からw)

935 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 08:18:05 ID:+T3aIY8/O
>>933
早朝に更新乙です。佐紀ちゃんを金八がどう救ってくれるのか期待です。7人が笑顔で卒業できますように。

>>934
℃-uteイベですよね?朝早くから乙です。楽しんできてくださいな。

そういう自分は、雅様聖誕祭に参加すべく、大阪梅田のネットカフェでカキコしてます。楽しみです。

936 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 14:02:39 ID:+T3aIY8/O
会場前の公園にいます。ヲタで充満してますわ。グッズ売り場は大変らしい。
突然「ロマソ」が流れ始めたと思ったらヲタ芸の撮影やってる……イタいからやめれ。

937 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 16:14:35 ID:6DkZjui9O
今更ロマモとかうざいなw
かくいうヲレも昔は芸師だったがベリにであえて変わったよ
なんかすげぇみっともないなってw
まぁ我々は紳士に応援しようじゃない!

938 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 17:42:29 ID:sBv0hTO10
ベリ大阪最終公演!この夏一番の声援頼みますよお!楽しんできてね
そして今頃…イオンイベ組はC組に撃沈されていることでしょうw
C組の握手力はすんごいもんね…
しかし今年の夏の15人はほんと良く頑張りましたなあ エライ!

939 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 20:41:25 ID:+T3aIY8/O
ただ今終了しました。最終公演だけにB組もヲタも気合い入りまくりでした。
席は、昼が二階席でしたが、夜は一階席で前が通路、しかもほぼド真ん中なので、B組生徒と目が合いまくって萌え〜、でした。
基本的には今までの公演と変わりませんが、寸劇に少し変化アリでした。
友理奈様聖誕祭同様、やはり雅ゴールがありましたが、友理奈様の時とは違い昼公演でも雅様から「コールありがとうございました」とのお言葉を賜りました。
また、ツアー最後の挨拶で、感極まったか、梨沙子がうるうるきてました。
今回のツアーは今まで自分が参戦したツアーの中でも最高のツアーでした。DVD発売が楽しみです。
これで自分のヲタな夏も終わりましたので、あとは作家の皆様の素晴らしい文章を堪能する生活に戻りたいと思います。作家の皆さま、よろしくですm(_ _)m
最後に、参戦された皆さまと、何より市原から大阪まで15公演演じきったB組生徒の皆さん、お疲れさまでした。

940 :ねぇ、名乗って:2006/08/26(土) 20:44:43 ID:+T3aIY8/O
ゴールじゃなくて、コールでした……

941 :ねぇ、名乗って:2006/08/27(日) 03:05:06 ID:NRcYIS+kO
ヨカタナヨカタナw
℃イベにてオモタこと
やっぱベリ最高!
でもC組の鈴木村上矢島君もキャワいかったぁ・・・
さぁ集いまでがんばるかおまえら!

942 :ねぇ、名乗って:2006/08/27(日) 18:20:34 ID:ftr638M2O
大阪昼夜参戦して今地元広島に帰還

夜公演はD列右サブセンの好ポジだったのに
前の席の人が180aくらいのデカおっさんで萎え_| ̄|〇
でも千秋楽をがんがるベリ達を見れて満足しますた

みやびちゃんの
ノノl∂_∂'ル<雅コールも最高に嬉しかったです!ありがとうございました!!
にも感動したなぁ…


とりあえずB組お疲れ様!

943 :ねぇ、名乗って:2006/08/27(日) 18:46:54 ID:NRcYIS+kO
ちなヲタさん乙です!
今回はちなこセリフ多くて大変そうでしたが噛みながらもよく頑張ってましたよね!
ちなこの笑顔力はすごいなって感動したよん
何はともあれベリはホント最高の一言だねぇ

944 :ねぇ、名乗って:2006/08/27(日) 19:21:35 ID:ftr638M2O
>>943
ちなこよく頑張りましたよ…
最後まで笑顔で乗り切ったのはマジで尊敬しちゃった(ノ∀`*)

しかし夜公演でりさこの涙を見れるとわw
彼女なりにめちゃホリソロや
過密スケジュールを頑張ったって想いが頂点に達したんでしょうね…

あと佐紀たんの新喜劇ネタワロタww
メンバーのずっこけも見れたしw

945 :ねぇ、名乗って:2006/08/27(日) 23:21:51 ID:NRcYIS+kO
24時間TVも終わりとうとう夏も終わりだね
明日からまた書くんで今日は寝るよ

946 :ねぇ、名乗って:2006/08/28(月) 07:32:02 ID:ff4RwUMl0
来週のハロモニは、神企画ではないかと期待している。
BGMの蝉も合っていて、本当に楽しみだ。

947 :たか氏:2006/08/28(月) 12:26:59 ID:8wONWJqP0
録画しなければ。

948 :ねぇ、名乗って:2006/08/28(月) 14:59:25 ID:qqjeTDOyO
うちはハロモニ一週間遅れなのれすorz

949 :ねぇ、名乗って:2006/08/28(月) 22:08:21 ID:IERUIzOk0
1週遅れならまだいいですよ。
去年、ハロモニ打ち切りになって見れません_| ̄|〇

950 :「小さな恋のメロディー」:2006/08/29(火) 01:40:16 ID:Sk8vpyZRO
「焼肉ふじもと」で、たらふく贅沢補給した千奈美は、いつになくニコニコ顔で、10月の心地良い夜風を浴びている。
会計を済ませた寺田が、千奈美にミントキャンディを手渡す。
レディのたしなみとして、彼女はそれをすぐさま口に運んだ。
「師匠!今日は本当にご馳走様でした!」
寺田は一瞬、何かを考え込むような仕草を見せ、千奈美の前を歩く。
「かめへんよ。・・・しかし徳永ホンマよく食うなぁ。ホンマに痩せの大食いやで。」
千奈美の前を歩く寺田が、振り返ることなく淡々と話す。
いつもなら「痩せ」という言葉に、過敏に反応する千奈美であったが、
背中だけで話す寺田に、会話のキッカケを掴めずにいた。
『徳永鉄工所』の看板が目に入って来た所で、寺田は足を止めた。
「師匠。ここでいいです。」
「あ、あぁ。じゃあな。宿題ちゃんとするんやで。」
千奈美は、何となく気まずい空気のままに、鉄工所のシャッターを持ち上げる。
「おやすみなさい」を言い忘れた事に気づき、慌てて振り向くと、男の姿はは街灯に照らされながら、トボトボと遠くに消えていった。


「小さな恋のメロディー」
ひとまず了。
そのうち続く

951 :ねぇ、名乗って:2006/08/29(火) 01:48:55 ID:Sk8vpyZRO
ハロモニどっかに上がるよきっとw
普段全然意味ないハロモニが死活問題になるなんてなぁ
カワイソス(ノД`)゙。゙゚。゙

952 :ねぇ、名乗って:2006/08/30(水) 01:12:43 ID:T1YYDsOAO
おまえらただいま!
今日も梨沙子の為に頑張ってきたよぉ!

953 :ねぇ、名乗って:2006/08/30(水) 23:50:46 ID:T1YYDsOAO
続き待ってるよ!

954 :ねぇ、名乗って:2006/08/31(木) 01:03:57 ID:TNmvJf9u0
煮詰まり中だもの…まあジックリ考えます

955 :名無し募集中。。。:2006/08/31(木) 01:13:12 ID:/yQMgA8mO
何度でもやろうよ!最初から出来るより楽しいことでしょ!

956 :ねぇ、名乗って:2006/08/31(木) 01:30:22 ID:TNmvJf9u0
いちばん大好きな歌詞 ありがと

今日で8月が終わるね… ほんといい夏でした

957 :ねぇ、名乗って:2006/08/31(木) 10:39:56 ID:CN24pn7uO
>>949
ハロモニ見れないなんて……毎週普通に見ているのができない地域もあるんですね。
まあ、おそらくどこかに揚がると思いますけどね。時間があれば自分が揚げてもいいけど、どうかなぁ。

>>955
作者さんへの励ましGJ!!

>>956
今日で8月終わりなんですよね。時のたつのも早いもの(ガンバットカントシランデ)
続き期待してますよ。じっくり書き上げて下さいな。楽しみにお待ちしています。
先日の大阪で自分の夏は終わりました。この夏はベリーズ漬けだったような……。
次に会えるのは来年だろうなぁ……またベリーズ切れの禁断症状の日々が続きそうです。

958 :ねぇ、名乗って:2006/08/31(木) 12:20:17 ID:5qn4sdVT0
ベリのコンサは空席っていうのはないの?
後藤や松浦なんかは空席祭りってよく騒いでるが
モー娘。の方も地方でやるとたまにでるのかな?空席
ベリは聞かないけど、常に満員御礼なのかな

959 :ねぇ、名乗って:2006/09/01(金) 16:32:51 ID:SbiZ2PDQO
空席ははチラホラあるがオドリストいるからめだたない

960 :ねぇ、名乗って:2006/09/01(金) 21:40:54 ID:uPLsMutL0
>>951
>>957
ハロモニならキッズのろだ以外にも上がるので
おそらく大丈夫ですよね。

今日からハロプロアワーに佐紀ちゃん登場!!
気になったところが佐紀ちゃんの紹介のところで「Berryz工房の”リーダー”」
ハロプロの番組なんだからきちんと”キャプテン”といって欲しかったw

961 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/09/03(日) 02:10:13 ID:hPR3wffE0

長い間続いている沈黙に、金八の手は湯呑みを弄び始めていた。
ただ、次第に曇っていった佐紀の表情が、隠された真実の重さを物語っていた。


「先生…」

不意に発せられたその声に、金八は湯呑みを弄んでいた手を止めて顔を上げた。
見つめているその瞳は、変わらぬ固い決心の如く真っ直ぐ金八を見つめていた。

「言えません 先生にも…やっぱり言えません」

「そうか…」

金八は深くため息を吐くと話を続けた。

「なあ佐紀…その『かくしごと』は君を守る為の『かくしごと』かい?」

固い決心とは裏腹に、今にも話してしまいそうな自分に
佐紀は、唇を強く噛み締めうつむいていた。
「違うよなあ佐紀 その『かくしごと』は、今も君を傷つけ続けているんじゃないのかい」
「例えそうでも言えません」
隣に座っていた梨沙子が、佐紀の手をそっと握り締めた。

「佐紀ちゃん 教えてよ わたし心配だよ」

「夏焼も徳永だって いや クラスのみんなが君の事を心配しているんだよ」

佐紀は、ふたりの言葉に目を強く瞑った。

962 :ねぇ、名乗って:2006/09/03(日) 03:15:08 ID:Yl0YtJ8YO
更新キターーー(゚∀゚)ーーーっ!!
Berry乙工房

963 :名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 10:44:30 ID:XCiXQuK/0
ハロモニの放送まで1時間をきったよ。いやあ、楽しみだ。

964 :ねぇ、名乗って:2006/09/03(日) 14:44:05 ID:Nv9LP6PGO
ハロモニ終了♪なかなかよかったかも。ただ今PCでエンコード中。
普段、あまり人にはあげないけど、需要があるなら、このスレの住人の皆さんにはあげてもいいかも。可能なら、ですが。
しかし、久ぶりにスタジオライブ以外でのハロモニですね。そろそろ単独コーナー欲しいなぁ。

>>960
佐紀タソをリーダー呼ばわり?まだ見てないんですが、マジっすか?
推している者としては、ちゃんとキャプテンと呼んでほしいです。

>>961
更新お疲れさまです。続きをお待ちしておりました。今後の展開に期待です。

965 :ねぇ、名乗って:2006/09/03(日) 21:35:10 ID:84gbDtAm0
>>961
更新お疲れ様です。
私的に今一番気になっている話です。
金八先生がついに動きましたが佐紀ちゃんの心を開かせることが出来るのか、
それとも今はまだその時ではないのか・・・微妙な終わり方ですね。
続き期待して待ってます。

>>964
今日、ハロモニ放送だったんですね。
>>949でも書きましたが打ち切りでいつまで待ってもこちらでは放送無し
可能ならあげてほしいです。
あとハロモニに単独コーナー出来て欲しいですね〜。
でもそうなるとハロモニやってないから常にどこかにあがるのを待たないと
いけないから大変そうw

966 :ねぇ、名乗って:2006/09/03(日) 22:20:44 ID:Yl0YtJ8YO
アワーの佐紀たん可愛かったわぁ
歌も上手くなってるしそろそろ佐紀たんセンターでシングル出さへんかな・・・

967 :964です:2006/09/04(月) 11:43:45 ID:itDh5gjGO
>>965
他の所とかで拾えないようなら、今日はムリだけど、明日ならUPできますよ。
こちらからメールしますから、後で捨てアド晒してください。あと、画質とかは期待しないでね。

>>966
自分も、昨夜ようやく見ました。
歌うまいですよね。でも、娘。でもそうだけど、リーダー的役割の人は歌とかでは脇役ですよね……推しとしては残念ですが。

968 :965:2006/09/05(火) 01:25:24 ID:Hbrkf/P40
>>967
9月3日放送のハロモニ無事拾うことが出来ました。
お心遣いありがとうございました。

ちなみに私は桃推しなんですが、
アワーや紺で佐紀タンの歌を聞くと確かにうまいですね。
シングルを出すといつも同じメンバーがメインになっているので
佐紀タンをはじめいつも歌では脇役(ダンス担当)になっている
メンバーをセンターでシングルをだして欲しいですね。

969 :ねぇ、名乗って:2006/09/05(火) 07:53:38 ID:HiilCPOk0
ベリの回のハロモニ
視聴率2.9%だったようだね
これはいい方なのか良くないのか

970 :ねぇ、名乗って:2006/09/05(火) 23:45:40 ID:yUmm0FQAO
まだまだ数字背負わせるのもなんだかねぇ・・・
ぬるいこと言っちゃうとベリには数字とか意識して仕事してほしくないなぁw


ゴメンぬるくてorz

「かくしごと」は完結でいいんかな?

971 :ktkr:2006/09/06(水) 16:21:55 ID:j8KXyyokO
Berryz工房・菅谷梨沙子、待望の1stソロ写真集が発売!!
ハロプロ最年少グループとして活動してきたBerryz工房。
その中でも12歳(小学校6年)という年齢でありながら、
絶対的な歌唱力と完成度の高いビジュアルを備える菅谷梨沙子。
そんな彼女の今をパッケージングしました。
美少女性はもちろん、
幼い少女の危うさ、
少し背伸びしたませた表情、
無邪気にはしゃぐ様子など、
どれをとっても眩しく、
輝かしい姿が堪能できます。
衣装も制服から水着など多彩で、
まだ見たコトのない“Risako”がそこにいます。
また、メーキングDVDでは12歳の愛らしい素顔が満載で、
ファンならずとも必見の一冊です。

972 :ねぇ、名乗って:2006/09/06(水) 23:16:03 ID:uqrvQJbjO
みなさんこんばんは
放置しちゃってごめん…続きあるんだけど仕事の忙しさに負けました
まだ書けそうにないから梨作家さん何かあったらお願いします
『かくしごと』の続き書きたい人いたら是非どうぞ…ほんとごめんねえ

973 :ねぇ、名乗って:2006/09/07(木) 00:44:53 ID:+jQRO6Z9O
じゃ明日あたりからこちらも始動しよかな
10月もそろそろおわらせないとね

974 :ねぇ、名乗って:2006/09/07(木) 15:49:13 ID:+jQRO6Z9O
「そっか・・・まぁでもまだ結果出た訳じゃないし!桃らしくないじゃん!
仮に落ちてたとしても次が・・・ねっ!?」
友理奈と桃子は、地元のケーキバイキングにて向かい合っていた。
10月限定スイーツも、本日までとの事で、張り切って来てみたものの、
友理奈が何気なく発した話題が、桃子にとっての地雷であった。
かれこれ小一時間、桃子の機嫌を取り戻す事に、体力を労し続けた友理奈は、
さっきまでの糖分を、使い果たしてしまったと言っていいくらいに、ゲンナリとしていた。

975 :ねぇ、名乗って:2006/09/07(木) 15:54:32 ID:2DrSnLA40
町を歩いていれば何故こんな奴に彼女がいるんだ!? と思わずにゃいられない
キモイ男(彼女付き)が結構おるよね。新宿や渋谷に行く度に傷心する俺だが
今日こんな動画↓を見てますます嫌になった。
こんな意味わからないバカ男にまで彼女がいるなんて・・そりゃ彼女もイタイ女
なのだろうが、イタイ女だっていいから彼女が欲しいよ!!


http://www.watchme.tv/v/?mid=66e8ba8216a1e152d72653d99a4f03ab
【鬱動画】

この男にあって、俺にないものは何なんだ!?
誰か教えてくれ!! 俺のがコイツよりはマシな男だし、彼女も出来たって
いい筈だろ!?

誰か俺に惚れてくれよ!!

976 :ねぇ、名乗って:2006/09/07(木) 16:18:53 ID:+jQRO6Z9O
桃子は、友理奈に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
しかし心を許せる数少ない間柄なのか、オーディションに対する焦りと不安が、彼女から笑顔を遠ざけいく。
こんな時ほど、いつも自信に満ち溢れていて、絶対に物怖じしない友理奈が、羨ましく思えてくる。

「ごめん。友理奈。せっかく誘ってくれたのに・・・
今日は帰ろっか・・・」
桃子が力なく席を立つと、友理奈もうなだれるように後につづいた。
10月も終わりに近づくにつれて、殆どの人々が厚手の洋服に身を包み、街を冬色に変えていく。

「なんだか寒くなってきたね。」
桃子が気まずそうに声を発すると、友理奈は何かを思いついたように、目先のコンビニへ駆け出した。
「桃!ちょっと待ってて!」

977 :ねぇ、名乗って:2006/09/08(金) 01:46:11 ID:5U/KrJ34O
友理奈の走り去る背中がコンビニに吸い込まれていく。
「ごめんね。」
桃子は彼女のいなくなった方角に、そう言うと、ガードレールにもたれ掛かった。
友理奈に当たるつもりなど毛頭もなく、ただ自分の犯してしまったミスを聞かした筈だった。
それがいつの間にか自分勝手に感極まり、折角の楽しい時間をぶち壊してしまっていた。
オーディションの当落はともかく、こんなことで大切な友達を失ってしまうかもしれないという不安が、桃子の後悔に追い討ちをかける。
『どうにかして謝らないと。』
頭では解っていながらもどうしても「ごめんなさい。」のきっかけが掴めない。
桃子はズルいと知りながら、友理奈宛てのメールの文章を考えていた。
『やっぱ絵文字とか使わない方がいいかな・・
どうしよう、なんて謝ろう。』
桃子が滅茶苦茶にボタンを操作していると、見覚えのある表示が液晶に映し出された。
「・・・んっ?・・・しまった。送信しちゃった。・・・どうしよ。・・・やばい!恥ずかしい!」
数秒が経ち、桃子が顔を真っ赤にしていると、コンビニの自動ドアが開いた。

978 :ねぇ、名乗って:2006/09/08(金) 01:51:38 ID:XX8H9R8N0
Music Fighterなんですがいつ放送?
     ↓
http://na2yaki3yabi.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/img/138.jpg

979 :ねぇ、名乗って:2006/09/08(金) 01:55:26 ID:5U/KrJ34O
てかこれジリリの時じゃんw多分4月中旬くらい

980 :ねぇ、名乗って:2006/09/09(土) 10:13:14 ID:qVP+9a/v0
桃子はどんな文を送信しちゃったんだ〜?

981 :ねぇ、名乗って:2006/09/10(日) 01:11:36 ID:sbzLkHMPO
おお!さすがにもう1000逝ったかなと思いきやマターリしてますね

作家の皆さんガンバレ!!

982 :ねぇ、名乗って:2006/09/10(日) 02:54:47 ID:LdQDvnawO
友理奈は桃子と目が合うと、ジーンズのポケットの携帯電話に手を伸ばした。
「あわっ!ちょっ!ちょっ!違うってば!」
桃子がなりふりなど構っていられない様子で、その手を遮る。
「どうしたの?そんなに慌てて。」
友理奈の落ち着きはらった、豊かな表情が桃子を覗き込んだ。
その手には、コンビニのビニール袋が握られていて、
彼女はとても嬉しそうに袋から二つの紙袋を取り出し、その一つを桃子に差し出した。

983 :ねぇ、名乗って:2006/09/10(日) 23:54:49 ID:LdQDvnawO
「はい!肉まん!」
「えっ?」
桃子がそれを受け取ると、紙袋を通して手のひらに熱が伝わってくる。

友理奈が肉まんを半分に割り、その片方を熱そうに頬張っている。
「なんか甘いモンだけだとお腹膨れないもんね。桃子も冷めないうちにどーぞ。」
4月当初は、絶対に『お嬢』だと勝手に決め付けていた友理奈が、
今では自分達と何ら変わりなく、口に物を入れながら喋っている。
桃子は、今更ながら彼女の飾らない素顔に胸を撫でおろすと、次は自分の腹の虫が鳴いた。
「やだっ!・・・聞こえちゃった?」
友理奈は、それがとても愉快で仕方ないと、気持ち良さそうに笑う。

「なんか可笑しいね!私は桃子のそんなトコ、好きだよ!」
すっかり日の落ちた街を足早に人達が通り過ぎていく。
乾いた冬空に、少女達の笑い声がはじけた。

984 :ミヤビイワナ:2006/09/11(月) 17:01:58 ID:PH5S72ae0
素人の者ですが、最近このページ見つけて読みふけりました。
やはり愛しているキャラクターを描写するとこの様な読ませる
文章出来るのでしょうね。この文章読んで泣けたとか言ってる
書き込みあったけど「まさか」と思ったが自分も少し目頭熱く
なりました。
作家さん達は仕事の合間にこの作品作っていると思うと尊敬します。
色々酷いこと書かれることあるけどやはり書いている人自身が自分の
状態を描写していると言えます。細かい精神分析など自分の事じゃないと
書けないですよね。
タイミングが合えば自分も小説に参加したいものです。
あまり彼女たちの事詳しくないけど、この作品群は「文学」だと思います。
この作品読んだ後ネットで彼女たちのビデオ探したら「恋の呪縛」をみんなで
笑いながら顔を見合わせながら一つも踊らないで撮られているビデオを見たのですが
まるでこの作品群のエピローグ、カーテンコールのような作品でした。
世の中クリエイティブがはまるタイミングってあるんですね。

985 :ねえ、名乗って:2006/09/12(火) 00:13:58 ID:q8TT4gLb0
>>984
いやいや恐縮ですからw
ほんと作家少ないですから是非書いちゃってください!
上手い下手関係ないですから 大事なのはBerryz愛だけですよ!

茉作家さん>どんな具合です?そろそろ続き読みたいぬぁ^^

986 :ねえ、名乗って:2006/09/12(火) 01:23:40 ID:V17v59Rq0
みなさん!お久しぶりの茉作家です 

梨作家さん『語るスレ』挙手出来なかったけど居ますよw
そして続きですが…だいぶ先まで話は出来てるんですがまとまらないんですねぇ
書いては消して書いては消してを繰り返しております
…と言っても自慢できるほどの話は到底書けないですけどねw がんばりますよ

>>984
みなさんそれぞれ良いアイディアを持ってると思います
とても良い刺激にもなるので是非書いてみてくださいね 
私自身ほんと毎回毎回煮詰まりまくりなものでw  お待ちしてますよお

987 :ねえ、名乗って:2006/09/13(水) 00:25:14 ID:ecwnJ3Yl0
早く夏夏DVDみたいお

988 :ねぇ、名乗って:2006/09/13(水) 04:19:37 ID:NaA+uEp8O
そろそろ1000の足音が…

作家さん達ラストスパートに向けて頑張ってくださいね〜!ノシ

989 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/09/13(水) 18:40:44 ID:CPzdxygf0
「結局話してくれなかったか…」

深いため息を吐くと、湯呑をお盆の上に載せた。
佐紀が小さな手でお茶を注いでくれた急須が、机の上にひとつ取り残されていた。
不思議と物悲しく感じるその急須を、金八は静かに手に取ると、先ほどの出来事を思い返していた。


「もう『かくしごと』はやめないか佐紀」

「それでも言えない だって…」

机の上にポタポタとひとつ…ふたつ…染みが出来ていた。
硬く瞑られた佐紀の瞳から大粒の涙が零れ落ちていた。

「言ったら本当に一人ぼっちになっちゃうもん」

佐紀は涙を拭うことなく、金八を見つめた。

「お母さんなんだろ その傷をつけたのは」

「違う…違うよ」

小さな声で否定するのとは裏腹に、溢れる涙を抑えることが出来なかった。

「もう…寂しいの嫌だよ 先生」


小さな身体を震わして否定していた佐紀を思い返すと、金八はやりきれない思いに駆られた。

「辛いよなあ…佐紀」

佐紀の涙で明らかになった『虐待』という大きな壁に、金八は再び深いため息を吐いた。

990 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/09/13(水) 19:19:36 ID:CPzdxygf0

「あーあ 泣いたらスッキリした」

薄暗い階段を降りながら佐紀は振り返った。
「なんか格好悪いところ見せちゃったね」
後ろを歩いていた梨沙子が首を振った。
「そんなことないよ…だって佐紀ちゃん辛そうだもん」
その言葉に、佐紀はわざと強がって微笑んだ。

「大丈夫だよ」

「本当? 本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ! 梨沙子だって悩んでるんでしょ なんで喧嘩したの?茉麻と」

「えっ…うん…」

立ち止まった梨沙子の気配に、佐紀は気付かない振りをして歩き続けた。
どんどん階段を下っていく佐紀に、梨沙子は少し不貞腐れると再び階段を下りはじめた。

「あのね…内緒だよ」

梨沙子は足を速め佐紀に追いつくと、公園での出来事を話し始めた。

991 :ねぇ、名乗って:2006/09/13(水) 21:40:03 ID:JtUwzuspO
キテるね!
やっぱ時間かけただけの文章に仕上がってるじゃないですか!
この調子で続きおねがいしまつ!

992 :『かくしごと 〜それぞれの想い〜』:2006/09/13(水) 23:22:24 ID:CPzdxygf0

「なんで秘密にしちゃうのかなって思って」

梨沙子は、最後にそう嘆くとうつむき立ち止まった。
話に耳を傾けていた佐紀は、少し考え込むとポツリと呟いた。

「私は分かるよ 茉麻の気持ち」

「なんで? みやにも矢島くんにも隠してるんだよ…可愛そうだよふたりとも」

佐紀は立ち止まると、振り向いて言った。

「そうじゃないよ 茉麻はふたりの所為にしたくなかったんだよ」

「ふたりの所為…」

佐紀は階段の壁にもたれ掛ると、階段の窓から見える雲をぼんやり眺めた。
「うん… うまく言えないけど、そんな気がする」
「そうなのかなあ…」
梨沙子も佐紀につられて窓の外に視線を送った、
夕焼けから暗夜に変わりつつある曇り空が『晴れない気持ち』を一層重くさせた。
「もう帰ろうよ」
佐紀の言葉に梨沙子は小さくうなずいた。

「でも茉麻が北海道に引越したら、二人とも寂しいだろうなあ…」

そう言って階段を下りきった佐紀は、突然の出来事に一瞬顔を引き攣らせた。
しかしそれを悟られぬ様にすぐ凛とすると、優しさを隠し厳酷な眼差しを向けた。

「それって本当の話」

佐紀の視線の先には、同じように厳しい視線を向ける雅が立っていた。

993 :ねぇ、名乗って:2006/09/14(木) 00:22:08 ID:JPaJ7VDqO
執筆中申し訳ないですorz
次スレどうしましょ?
だれか親切な人立てて頂ければとっても助かります
立てたいのはやまやまなんですがPC壊れててログなどが上げられません
無能でスイマセンorz

994 :ねぇ、名乗って:2006/09/14(木) 12:51:29 ID:sLHLVytmO
帰ったら次スレ立てますね ノ
過去ログうpする良い方法知ってる方いらっしゃいませんか?

995 :ねぇ、名乗って:2006/09/14(木) 14:45:04 ID:JPaJ7VDqO
スミマセン解らないですorz
PCさわりだして2ヵ月で逝ってしまったもんで・・・

996 :ねぇ、名乗って:2006/09/14(木) 21:20:29 ID:uutSDTaB0
新スレが生まれましたよ

3年B組ベリーズ工房 其の五
http://tv8.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1158235908/

997 :ねぇ、名乗って:2006/09/14(木) 22:25:47 ID:fErRth8YO
もうすぐ1000ですね。作家の皆さん、いつももありがとうございます。
新スレも無事に立ったし素晴らしい文章を堪能し、また皆さんと語り合いたいと思います。こんごともよろしくお願いします。

>>996
スレ立て乙です。

998 :ねぇ、名乗って:2006/09/14(木) 22:53:26 ID:uutSDTaB0
まさかここまで続くとは…今の正直な気持ちです
狼でラーメン屋の話を書いていた頃がなんだか懐かしいw

読んでくれているみなさん
そして作家のみなさん これからも宜しくお願いします

999 :ねえ、名乗って:2006/09/14(木) 23:39:21 ID:49riN6wH0
改めましてこんばんうっひー!!梨作家でございます!
とうとう1000な訳ですがこの5ヶ月余り生まれて初めて小説を書く側に回ってみて思った事
小説家って大変なんだな・・・・・・
上手く住人のみなさんに感謝の気持ちを伝えらんないですがこれからもどうかお付き合い下さい!
そして茉作家さんおよびこれからデビューするであろう作家の皆さんも宜しくです!
長くなりましたが次スレであいましょう!


1000 :ねえ、名乗って:2006/09/14(木) 23:42:11 ID:49riN6wH0
1000なら3年B組ベリーズ工房実写化!そして文庫化!! 


1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレは     ∠Y'''""´゙フ
 1000を     o,',,,,ゝ*‘,,ェ)    次のスレを立ててください。
越えました。  彡 ⊂;',,,.   ,.,.⊃
          彡   "''''''"                 ヾ>;;::;;;'ァ、
  ∠Y'''""´゙フ      ┌┐/     ∠Y"´゙フ     ゙;‘/ ’))::':;
  o,',,,,ゝ*‘,,ェ)  ┌┐/).| /    o;'  ゝ‘,ェ)     (エ_,ノ:::;;;;;::'; o
 ⊂;',,,.   ,.,.⊃ /).| /|.│      :;    ;:      :; : : : : : : :;:
    "''''''"  / /│ ││      ∪"''∪       U"U"''"∪
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